よし、パワーアンプの更新を検討しよう!の巻き. 2022.11.23
ことの発端
つい先日パワーアンプが不調になったこと.減衰器のロータリースイッチが接触不良をおこしてしまった.
最近は頻繁に発生するので、ついにロータリースイッチをバイパスする手術を行いました.
それにしても、アンプの蓋をあけてみると結構中身も古いです. おそらく20年近く前に作ったと思いますが、
まだ手作りの基板です. というか、現在のシステムの中でも唯一の手作り基板です.
それに、使っている素子なんかも統一性がなかったりします. まあ、それでも問題なく使えているので
まだまだ現役で使えるのですが、車と同じでそろそろ更新かな〜という気もしてきました.
手作りの基板でのパワーアンプです. まだまだ動くのですが、そろそろ更新してもいいかも.
大型のコンデンサが足りなかったので2200uFのコンデンサを20個並べて代替にしています.
なぜかウーハー用のアンプだけMOSFETの終段になっています.
それに
なんやかんや買い込んだパーツも一杯あって、このまま肥やしにするのも勿体ないです.
共立で買った大型ヒートシンクです. こんなのつかったアンプを作ってみたいなあ〜.
電解コンデンサも見かけては色々と買ったりしています. ほんと買うだけなので勿体ないです.
その他もトランジスタやトランスなど、パワーアンプを何台もつくれそうな分だけストックがあったりします.
まあ、自作オーディオをやっている人なんて大なり小なり同じようなものだと思いますが(笑.
どんなアンプにする? 2022.11.27
さて、作るにしてもコンセプトは重要です. コンセプトというか、想いなのですが----
色々と順不同で書いてみます.
1.出力はあまり要らないなあ〜
まちがっても100Wなんていりません.10Wもあれば十分です. でも、余裕をみて20W以上だせればいいかな〜.
アンプの回路はおいおい考えるとして、終段もシングルで十分でしょう.
2.コンデンサは一杯つかいましょう!
買い込んだコンデンサを一杯消費しましょう!
それに、以前にコンデンサ考などでも検討しましたが、コンデンサ容量があるほうが電源のリップルも小さくなります.
でも、以前の記事をみていると10,000uFもあれば十分って書いてあるな〜. ほんと優柔不断です(笑.
3.付帯機能もいろいろと付けましょう
MUTE回路: これは必須です.MOSFETをつかいましょう.
入力切替: 私のシステムだけなのかもしれませんが、マルチアンプ用と通常のアンプ用に切り替えたい
ところがあります.すくなくともチャンデバからの入力と普通のアンプからの入力の2入力以上の対応かな〜
リモコン機能: 電源スイッチもリモコンでOn/OFFできるようにしたいな〜.
4.ケースは小さめで
財布の中身も考えて、ケースも自作するかな? Lアングルで枠をつくって、最低限フロントとバックパネルだけ付ければ
形になります. それに、通気性抜群です!
5.トランスはRコアでいきましょう!
これ1個で多出力が得られるので以前に高精度アンプのときに採用しRA200-084トランスを再度つくりましょう.
#久しぶりにフェニックスさんのHPみてみたら3割ほど値上げになっていました.
まあ、原料費が高くなっているから仕方ないですね.
6.アンプ回路は????
これは最後まで悩みそう. オーソドックスな2段増幅でもいいかもしれませんが、 ダイヤモンド回路も面白いし、
電流帰還にしてもいいかな〜. 以前に検討した4パラみたいに電圧増幅段を入れ替えられるようにするのも
いいかもです.
電源基板は新調かな〜?
ブロックコンデンサを搭載できる基板は作ってはあるのですが、対応する直径が30mmまでです.
最近買った8200UF./63Vのコンデンサは直径35mmです. そのため、まるまる載せることができません.
こりゃ、電源基板も新調しないとだめかなあ〜.
手持ちの基板は直径30mmまでの対応です. 3300uF/80Vのコンデンサ(直径30mm)なら搭載できますが残念です.
8200uF/63V(φ35mm)と3300uF/80V(φ30mm)との同居なら実装可能ですが、ちょっと見苦しいです.
裏技的にこんな実装方法もありますがーーー、スペース効率悪いです.
こんなのもあるんだ!
いっぱいコンデンサを実装した基板ってどんなものがあるかをAMAZONでみていたら、たまたまこんな物がひっかかりました.
小容量コンデンサの方が直流抵抗(ESR)が低いので、それをパラにして大容量化すると高性能化が見込めます.
こんなものも売っているのですね.
で、思い出しました. 部品箱にもいつ買ったか覚えていませんが、とあるコンデンサが一杯あります.
560uF/50Vという中途半端な仕様で、単体では使いにくいです.
でも、色的にはオーディオ用なんだけどな〜.メーカもマルコンだし.
袋が2つあって、重量を測定したら1kgを超えていました. 別に秤売りで買ったわけではありませんが(笑.
で、1個の重量から割り算して約250個ほどあることがわかりました.
これをつかった基板も欲しいかもです.
マルコンの560うF/50Vコンデンサ. 色的にはオーディオ用かな?
全部で1kgちょっとありました. 秤売りではないのですが---.
描いちゃえ!
思い立ったら、.ということでこのコンデンサをつかった基板を書いてみました.ちなみにコンデンサの直径はφ12.7mmなので
φ13mmまでのコンデンサが搭載できるようにしてみました. 標準基板サイズですが全体で50個搭載できました.
正負電源で14000uFの容量が確保できます. 単電源だったら28000uFです. これなら、いまあるコンデンサが活用できそうです.
また、このサイズのコンデンサですが、他にもあったりしますので案外便利につかえるかもです.
φ13mm未満のコンデンサを多数搭載可能な基板を描いてみました. こちらは部品面です.
こちらは半田面です.
本筋にもどらなくっちゃ!
もともとは8200uF/63Vの直径35mmのコンデンサを使いたかったわけなので、本筋にもどして
それ用の基板を描いてみました.電力段と電圧増幅段用の2系統の電源から構成です.
電圧増幅段の電源については定電圧化します.
いままでとはちょっとちょと違うのは基板の入出力はすべてVHコネクタをつかうことを想定しています.
コネクタではありますがピッチが3.96mmと広いので、直接半田付けすることも可能です.
コネクタをつかっておくとあとあとのメインテナンスがとても楽です
なお、この基板では電力増幅段ではコンデンサが5個並列になりますから8200x5=41000uFになります.
これだけあれば10〜20W程度のアンプだと十分でしょう.
φ35mmのコンデンサが搭載できる基板を描いてみました.
MUTE回路&ラッシュカレント防止回路はどうする? 2022.11.29
単純にMUTEだけなら、下図のような回路です。これは、いくつか作りました。
コンデンサの電圧が上昇して、一定のレベルを超えたらOPアンプがONする単純な回路です。
MUTEだけならこんな回路が簡単です。
今回は電源コンデンサを大量に搭載するのでラッシュカレントの防止が必要です。そのために、ACライン側(1次側)にラッシュカレントの
防止用のリレーを使います。簡単に回路を考えてみると、下図のようになるでしょうか。
まずACラインリレーが動作した後に、SP-MUTE回路が動作するようにしています。
MUTEとラッシュカレント対策も回路に含めました。
ただ、コンデンサと抵抗で時定数を設定する場合は、正確な設定がしずらい面があります。
それを考えたら、いっそのことマイコンを1個入れてしまうのが早いかもしれません。
それに、OPアンプをつかった遅延回路の場合は電源部のコンデンサを大容量にしてしまうと、
電源OFF時になかなかリレーが切れない場合もでてきます。その点、マイコンをつかってやれば
ACラインのOFFを簡単に検出することができます。
マイコンを使うと回路も簡素になります。 ここでスピーカのリレーにはMOSFETリレーをつかいます。
ここまできたら、いっそのことマイコンの電源に携帯の充電などにつかう小型の5VACアダプタ(スイッチング電源)をつかうのも良さそうです。
そうすれば、電源もかなり簡単になります。リレーには5V動作品をつかう必要があるので、動作電流が大きくなりますが
充電用のACアダプタでも小さいものでも500mAくらいの容量はありますから、リレー2個の駆動は余裕です。
こうしてやれば、電源スイッチはプッシュスイッチでも大丈夫です。
さらに、赤外線リモコンへの対応にすることも簡単です。
いっそのこと、アンプ内に常時通電のSW電源を入れてはどうだろうか?
さて、ここからが頭の体操です。アンプの中にスイッチング電源があるというのはちょっと抵抗感があったりします。
その電源のスイッチング速度は可聴域とは無縁ですが、それでも精神衛生の問題があります。
そこで、アンプ本体の電源が入ったらスイッチング電源を停止させることを考えてみましょう。
どうだろう? 2022.12.1
まずは簡単な回路を考えてみます。
動作としては
・12Vレギュレータ(7812)に12Vのリレーを接続。
・メイン電源(AC100V)が投入されたら
おそらく7〜8VくらいでリレーがONとなり、5VACアダプタの電源を遮断。
その時には5Vレギュレータ(7805)の出力電圧もほぼ5Vになっているはず。
PICへの電圧供給はD2から供給
・メイン電源が切れた場合はリレーは5V程度でOFFになるだろうか、
まだまだPICへの供給電圧は下限の1.8Vを維持しているはず。
C4の容量は大きくしておいて、PICへの電圧低下を最小限に食い止める。
というように動くことを想定です。
こんな簡単な回路で大丈夫だろうか?
課題は満載だあ〜
上回路図でいけるかな〜と頭の体操です。それと、懸念事項もすこし調査です。
1.リレーの動作電圧は結構小さい!
上の回路では、12Vリレーの動作電圧は7〜8V程度で、OFF時の電圧も5V程度と見込んでみました。
電圧検知をリレーにやってもらおうとの算段です。 で、念のため手元の12Vリレーを調べてみましたが、
なんと
ON動作電圧6〜7V OFF時電圧3V程度
となり、かなりの低電圧で動作して、一度ONすると3V程度まで下がらないとOFFしないという結果に。
これだと、リレーはONになっても7805の出力電圧は3V以下の可能性があります。そうなるとACラインリレー1
が切れてしまう可能性がでてきそうです。それに12Vリレーが3VまでOFFにならないとなると、PICへの供給電圧
は1Vを割るのでおそらく停止してしまう可能性が高いです。
こりゃ、12Vリレーの動作電圧は10V程度でOFF/ONになるような回路が必要になりそうです。
2. 5Vリレーは動くのか?
5Vの供給はダイオードD1あるいはD2を介して行いますが、この時点で電圧が0.6V低下して4.4Vになります。
さらにリレーの駆動にNPNトランジスタを使うとリレーへの印加電圧は3.8Vになります。 これって5Vリレー動くのかな?
5Vリレーのデータシートをみると動作電圧が3.7Vとかあるので、かなりきわどいです。
NPNトランジスタではなくて、すこし高価ですがフォトリレーをつかった方が安心できそうです。
3.ACアダプタのラッシュカレントは?
メイン電源OFF時にACアダプタが動作しますが、このときに大容量のC4に一気に電流が流れ込みます。
で、充電用のACアダプタは定格を超えるとOFFになる仕様のものが多そうです。ACアダプタが1秒でも沈黙して
しまうと、完全にPICの動作が停止しそうです。
ACアダプタ出力のラッシュカレント対策も必要になりそうです。
すこし見直し
まず12VのACアダプタ給電用リレーについては7812の出力が10Vの閾値でON/OFFにするようにコンパレータを入れました。
ACアダプタの出力には10Ωを抵抗をラッシュカレント対策で挿入。10Ωあれば最悪でも流れる電流は500mA以下になります。
あと、ACラインリレーはちょっと勿体ないけどフォトリレーに置き換えです。
すこし回路を見直しです。
でも、こういった回路っていざ作ってみると見落としがかならずでそうです。
一度、試作してみて確認したほうがいいかもです。
#さて、明日(今日?)から3日間ほど上京です。師走は忙しいなあ〜。
すこし全体像を考える 2022.12.8
回路の確認の前に、すこしMUTE回路&ラッシュカレント防止回路について機能を整理です。
でないと、使用するPICの選定(18Pinあるいは28Pin)もできません。
1.MUTE回路
・2スピーカ対応
いわゆるスピーカのA,BあるいはA+Bが選べるようにしておきましょう。
となると選択のためのスイッチ入力2、セレクト表示2、そしてモード選択で1つのI/Oが必要です。
その他、MUTE時間の設定にも1つ必要かな。
モード選択はスイッチとしてロータリースイッチをつかうか、プッシュスイッチを使うかの選択です。
・MOSFETリレーと電磁リレーの選択も可能
MOSFETの利点はなんといっても接点抵抗が小さく、大容量である点ですが
デメリットはコストと高音域の音漏れです。
電磁リレーは少々接点抵抗が高いですが、気になるレベルでもないでしょうし、
なんといってもお財布に優しいです。
2.ラッシュカレント防止回路
・3パターンでの使用に
a)外部スイッチでAC100V制御
いわゆる待機電源であるACアダプタを使わない方法です。
AC100VはパネルにとりつけたSWでON/OFFします。
リレー用の電源は必要ですが、かなり部品を減らすことができます。
b)待機電源(ACアダプタ)が常時ON
ACラインのOn./OFFはプッシュスイッチやリモコンが使えます。
ACアダプタは常時ONになりますが、5Vリレーを使うことでレギュレータなど
部品のほとんどを省略することができます。
c)待機電源(ACアダプタ)のOFF機能あり
これが一番部品点数が多くなりますが、アンプ動作時にスイッチング電源を切断することが
できます。
モード選択のためにI/Oは1つは必要になりそうです。あとは、AC100Vの遅延時間の設定にも1つ必要ですね。
回路をさらに見直し
ACアダプタって通電すれば1秒程度で出力電圧が立ち上がるかと思っていましたが、結構時間のかかるものがあるようです。
手元の中華製の24Vスイッチング電源だと、電源投入から2秒程度立ち上がりに時間がかかります。
ということは、他の電源だともっと起動時間が長いものがあることが想定されます。そうなると、コンデンサの容量だけで
乗り切ろうと最初は考えていましたが、結構厳しそうです。ACアダプタへの給電リレーについてはアナログ回路で制御しようと
おもっていましたが、この際、電源の制御はすべてPICにまかせることにしたほうが無難な感じがしてきました.
制御としては電源OFF時においても、まずはACアダプタの電源をONにして、その電圧が立ち上がったことを確認してから
AC100Vのメイン電源を落とすことにします。 そのため、スイッチの動作から2〜3秒遅れてメイン電源が落ちることになるので
感覚的にはちょっと合いませんが、そこはパイロットランプを先に消灯することで対応しましょう。
これを実現するためには、ACアダプタおよびトランス電源の両方の電圧をモニタする必要がでてきます.
そこで、さらに回路を見直しです. PICは28Pinタイプをつかうことになりそうです.
回路図をさらに見直しました.
放熱は要注意だなあ〜
AC100Vラインの電源ON/OFFに5Vのパワーリレーを2個使いますが、リレーの動作電流は電圧が低くなるほど大きくなります.
使おうと思っているリレーは5V動作で70mA必要です.これが同時に2個ONするため最低でも140mAの電流が必要です.
そしてPICの動作電流やその他の回路を含めると5V電源には200mA程度は必要になる見込みです.
で、気になるのは3端子レギュレータの放熱です.
トランスの出力をAC12Vとすると、整流&平滑後の電圧はおよそ16V程度にはなるでしょう.
となると7812レギュレータの損失は (16-12)*0.2=0.8W です. これはさほど大きくないので、
小さな放熱板でよさそうです. 問題は7805レギュレータで (12-5)*0.2=1.4W になります.
よく使う放熱板の熱容量は20℃/W程度なので1.4Wだと28℃の温度上昇です.
ケース内の温度が35℃までとしても、63℃まで熱くなります.
63℃くらいだと半導体としては問題ないでしょうが、触ったときにかなり熱く感じるので
あまり精神衛生上よくないかもしれません.
もうちょっと大きな放熱板をつかったほうがよさそうです.
電源基板でつかった放熱板にするかな〜. そうすれば7812と7805も同時に取り付けられそうだし.
このサイズだと熱容量は20℃/Wです. 1.4W消費させると28℃も温度上昇します.
このくらいのサイズのものにした方が良さそうです., これなら7812と7805を両方とも取り付けられます.
よし!このあたりで基板パターンを描いてみましょう.
市販品の待機用電源は何? 2022.12.10
ところで市販品の待機用電源ってどうしているのだろう? ひょっとして1個のメイントランスだけで
うまくやっているかも(コストが下げられるので)、と思ったりしたものだからちょっと調べてみることに。
ということでコストが問題となるミニコンポで調べてみることに。
つかっていないミニコンポのCD/MDレシーバがあったのでケースの中を覗いてみました。
で、このミニコンポでわかったことは待機電源には小さいトランスがつかってありました。
極めて普通ですね。型番はNPT-1520JQとあったので調べたらONKYO製品が一杯ヒットしました。
ということは、ONKYOに広く使われている専用のトランスなのかな?
ミニコンの中を覗いてみました。一度、雨にやられたのでチューナのケースが錆びています。
スタンダードに待機用電源トランスは別にありました。
NPT-1520JQで潜るとONKYO製品が一杯でてきます。おそらくONKYO専用の待機電源用トランスかな?
サービスマニュアルもありましたが、普通の使い方ですね。
結局のところ、あまり凝った回路にはなっていなかったようです。 ちょっと残念です。
ちなみに 2022.12.13
スイッチング電源をつかっている機器はどうなっているか調べてみました。すこし(だいぶ?)古いHDDレコーダの蓋をあけてみました。
中をみるとスイッチング電源しかみあたりません。そりゃ、そうだわな〜。
最近のICなんかはスタンバイ機能があるから、CPUからの命令一つで冬眠できるからややこしい電源遮断なんかも不要だし、
簡単なんだろうな〜。
電源はスイッチング電源一つだけです。それにしても簡単な電源だなあ〜。部品は裏面についているのでしょうね。
HDDも取り外してみましたが、なにもないです。もっとバラバラにしないといけないですが、壊れるとまずいのでこの辺で終了です。
もとに戻って
MUTEとラッシュカレント防止の基板のアートワークを書いてみました。
ACラインとスピーカラインは抵抗を下げるために、両面のパターンをひいています。
150mil(3.8mm)幅で70um×2の断面になるから、銅線でいえばφ0.8mm相当です。
近いのは0.75スケアになりますから、許容電流は10Aですから十分でしょう。
部品面のパターンです。
半田面のパターンです。
今回の基板ではコネクタのシルクは両面jに書いています。というのは、この基板は立ててつかうことも
考えているので、そうなると基板の半田面側にコネクタをつける可能性があるためです。
基板サイズをあまり大きくしたくなかったので、結局のところスピーカは1系統だけになってしまいました。
まあ、スピーカ自体の切替は別にリレー基板があるから、そちらにまかせることにしましょう。
パターンに合わせて回路図も書き直しです。
さて、最後はアンプ本体だなあ〜。
電流帰還アンプを使おう! 2022.12.14
アンプは広帯域な電流帰還アンプをつかいます。いままで何個も作りましたが、高域が伸びてくれるのがいいです。
そして出力段はMOSFETを使います。というのもMOSFETを使えばバイアストランジスタとの熱結合も不要なのと、
ドライバが1段で済みます。バイポーラだと電流を流そうとすると、どうしても終段の駆動に2段ダーリトンが必要になってきます。
ただ、心配なのはドライバー段の発熱ってどのくらいなの?というところです。というのも計算上は常にドライバー段には
8mA程度ながれて電圧が35Vくらいかかるので300mWくらいの消費電力です。 放熱板をとりつけなくても大丈夫だろうか?
不要なら本体の放熱板に取り付けるのは終段のMOSFETだけになりますので、基板の幅を小さくすることができます。
これで使おうとしている放熱板(幅120mm)に並べて2ch分を配置することができます。
ということで、まずは実験です。電源は正負35V程度は欲しいので、24Vと12Vのスイッチング電源を並べて準備です。
正負35Vの電源をつくるために、24Vの電源2個と12Vの電源を直列に繋いで使用します。
電源の直列接続は絶縁型のスイッチング電源だから出来る技です。実験なのでAC100Vが露出しているので要注意です。
電流帰還アンプを1枚作成して、ドライバ段の発熱状況を確認です。 フル出力で5Ω負荷においてもすこし暖かくなる程度でした。
冬場だからいいかもしれませんが、本体の放熱板に固定する必要までもなさそうです。精神安定的には小さいアルミ片でもつけて
おいた方がいいかもしれないかな〜という程度ですが、そのままでも大丈夫でしょう。
フル出力にするとMOSFETも段々とあったまってきます。で、一番温度が高いのはMOSFETを固定しているステンレスのネジです。
やはりステンレスは熱伝導悪いからなあ〜。できればアルミのネジを使いたいとことですがかなり高いのと、MOSFET自体は十分に
放熱できているのでまあいいっか!
電流帰還アンプを製作してテストです。 ドライバ段ならびに電圧増幅段には耐圧が必要なのでTTC004A、TTA004A
をつかいました。どちらも160V耐圧です。秋月で安価に購入できます。その他は国民的トランジスタ(笑)のC1815/A1015
です。パワトラはMOSFETのIRF140/9140です。
これを負荷にしています。5Ω50Wの抵抗を放熱板に取り付けたものです。
色々と定数をチューニングしているようです.
実験時の失敗
MOSFET死亡(1回目)
最初にバイアス電流を50mA程度に設定して、大振幅の状態で入力の周波数を上げていきます。600kHzを超えたあたりで
波形に歪がでてきたのですが、バイアス電流を増大させると改善します。 そこで、さらに周波数を上げて1MHzあたりで
どんどんバイアス電流を上げていったら・・・・なにも考えずにVRを回していたら、いきなりオシロの波形が消えました。
そのあと、エミッタ抵抗(0.22Ω)がどんどん焦げていき、匂いがでてきます。 なんと、MOSFETが死んでしまいました。
テスターで測定したらMOSFETが短絡破壊していました。おそらく、バイアス電流を上げ過ぎたのかな?
で、MOSFETを交換して再度テスト。
またMOSFET死亡(2回目)
今度はバイアス電流は100mA程度に固定して、どんどん入力周波数を上げていきます。周波数特性をみるのが
目的なので、発振防止用のコンデンサは入れていません(なくても発振しませんでした)。で、周波数が1.3MHzあたりに
差し掛かると振幅が20%くらい膨れ上がります。波形はすこし歪んでいます。 そして、さらに周波数を上げると、
またいきなりオシロの波形が消えました。 おなじくエミッタ抵抗がどんどん加熱していきます。
ひょっとして、一気に発振する周波数領域に入ってMOSFETがぶっ飛んだのかな?
ということで、位相補償要のコンデンサを追加し、MOSFETを再度交換です。
またまたMOSFET死亡(3回目)
こんどは大丈夫と思って、大振幅のままどんどん周波数を上げていきますが、同じく1MHzを超えたあたりで
MOSFETが飛んでしまいました. 何が起こっているの?????
もう!!MOSFETの交換は簡単だけど、只じゃないんだぞ!←(自分に怒っている)
MOSFETを飛ばさないようFUSEも入れました.
原因判明!
で、今度は振幅を絞った状態で各部位の電圧を測定しながら周波数をあげていきます.
そうして原因がわかりました. MOSFETにかかるバイアス電圧は大振幅で高周波数領域になると増大
していきます. あるところで100kHz増えると一気に1Vくらい上昇するので、そりゃMOSFETに過電流が
流れてしまいます. そうなったら一気にお陀仏だわ.
原因はMOSFETのゲート容量が大きいので、周波数が高くなるとMOSFETに流れ込む電流の変化で
電圧も変ってしまうと思われます. バイアスを発生させるバイポーラトランジスタの発生電圧は変りませんが、
2個のMOSFETのゲート間電圧だけが変っていきます.
この現状は、いわゆる発振というものではないので完全に入力信号に依存するようです.
オーディオ帯域なら問題ないのですが、1MHzとかの領域になると色々と気をつけないといけないようですね.
ということで、対策としてゲートに接続している抵抗値を100Ω→680Ωに変更です. もっと大きな値でも
いいでしょう. さらにゲートにGNDに向けて小容量のコンデンサでも追加するのもいいかもです.
さらに追加すると入力のところにカットオフ数100kHz程度でLPFを構成しておくと、より安全でしょう.
さて、一応回路もほぼフィックスしたので基板のアートワークにかかりましょう.
こんな感じ? 2022.12.19
幅50mmの基板としてみました。 エミッタ抵抗は小型のMPC74(5W)を使います。
終段のトランジスタは水平・垂直のどちらにも取り付けられるように穴の位置を2箇所設けています。
いままでの基板ともっとも違う点は、配線の取り出しをコネクタのみにしています。
いわゆるVH型とNH型のコネクタをつかいます。 電源とスピーカ出力は容量の大きいVH、入力は小型のNHをつかいます。
コネクタの製作に手間がかかりますが、基板の中ほどから配線できるのでパターン長を短くすることができますし、
基板も小さくできます。 なにより、ケースに納めるときの配線がものすごく簡単になりますし、メンテも楽ですからね。
部品面。
半田面。
あ、ネジ穴の位置を確認しておかなくっちゃ!
実寸大で確認 2022.12.19
一度パターンを確認してミス修正と、部品間の干渉チェックです。
そして、実寸大で印刷してみて、放熱板への配置の確認です。
なんせ、放熱板にはかなり穴が加工されているので、その穴にかからないように配置ができなければ
いけません。ということで色々とトライです。
これはちょっと端過ぎるかな?
この位置くらいがいいかな? というか、あまり選択肢はありませんが・・・・。
さて、これで基板類は一応設計完了です。
さっそく製作にかかりたいところですが、今発注してもどうせ出来上がりは年明けだから、
年内にもうすこしよく確認した上で、年明けにすぐにデータを提出できるようにしましょう!
ああ〜明日からしばらく出張だなあ〜。
最終確認! 2023.1.8
連休明けに、基板屋さんに発注しようと思うので最終確認です。
まずは、回路図から清書しておきます。それにしても、ほぼ1か月ぶりの作業なのでかなり忘れています。
最終確認といっても、大丈夫かな〜。
電源部の回路です。これはさほどややこしくありません。
電源制御のMUTETE制御部です。 回路は複雑ではありませんが、動作をイメージして抜けがないかをチェックです。
リレーの動作電圧は?
電源制御のパワーリレーは5V動作品を使います。しかし、実際には電源電圧が5Vであっても、1個ダイオードを通過するので
4.4V程度に低下してしまいます。リレーの感動電圧はデータシートをみると3.5Vとなっていますが、念のため実物でチェックしてみました。
パワーリレーはこれを使う予定です。
結果としては、感動電圧は2.5Vとかなり低いでです。また、OFF時の電圧も0.7Vでした。
リレーの駆動にはトランジスタだと電圧降下が気になるので、フォトリレーを使う予定でしたが、
この電圧ならトランジスタでもいいかもしれません。でも、あまり部品のオーバスペックに依存した
設計はやめておいた方が無難ですね。
基板到着 2023.1.19
基板到着です. 電源基板は結構大きい感じです.
必要な基板類ができてきました.
実装開始! 2023.1.20
まずはデカい基板が部品もすくなそうなので夜の夜長には最適です.
まずはVHのコネクタから取り付けです.
大丈夫だとは思うけど、電源基板ってショートがあると怖いのですよね〜.
案外、シンプルな基板ほど間違えたりします. 念のため電源ラインのショートだけは調べておきましょう!
この時点で見つかれば、まだ直せますが、コンデンサを実装したら手がだせません.
ということで、テスターを用意して調べます.
ピー!ピ−!
あ〜なんてこった. 2箇所もショートの箇所がありました. まあ、サーマルパターンのところなので、
ランド回りをチョイチョイと切断です. いま気付いて良かったです.
1つ目はC5のマイナス極のランド周辺です.
カッターをつかってランドへのサーマルパタンを削除です.
2つ目はC12の半田面のこのランドです.
こちらも周囲の4箇所を切断です.
これで大丈夫なはずです. まあ、他のミスはでてくるかもしれませんが---.
とりあえず気にせず部品を実装していきましょう!
とりあえず完成!
ブロックコンデンサの半田付けを行うと、φ0.6mmの半田が飛ぶようになくなっていきます.
でも、結構半田付け楽しい〜.
φ35のブロックコンデンサが10個も搭載されると結構迫力があります.
次はMUTE&POWERコントローラです
こちらも、一気に組み立てです.
一気に組み立てました.
MOSFETはいわゆる表面実装タイプのものがあれば良かったのですが、手持ちにTO-220のものがあったので、
ネジ穴の部分をニッパで切ってつかいました. 銅板(あるいはその合金)のようなので、意外と柔らかいです.
MOSFETは低On抵抗で安いMOSFETを選んで、ネジ穴の分をニッパで削り取ってつかいました.
さて動かすためにはトランスを用意しなくっちゃ!
トランス製作 2023.1.24
今回のアンプの検討のためにも、以前に作成したRA200トランスを再度製作しています(あわせて再リリース中です)。
基板間の配線はコネクタを使う予定ですので、まずはトランスの配線にコネクタを取り付けです。
トランスの配線にコネクタを取り付けです。VHコネクタです。
5VのACアダプタが搭載される部分には念のため絶縁テープを張っておきましょう。
サイズ的にはちょうどいいでしょう。
操作用とデバッグ用のIO作成
電源生後基板だけに、I/Oはほとんどありません。その割に、電圧監視などの機能が多いため
ソフト開発には変数表示などができないと不安になります。ということで、テンポラリーですが
モニター画面も取り付けました。これで20x8文字程度の情報が表示できます。
ソフト開発用に必要なI/Oを取り付けです。 変数表示様にテンポラリーにモニター画面も取り付けました。
動作シーケンスの確認(備忘録)
#このあたりはソフト作成時の備忘録みたいなものです。
この基板の制御は大きくわけて2つあって、
モード0は外部5V電源を使用するので、待機電力が発生してしまいますが、電源のON/OFFもふくめて
リモコンで操作が可能です。また電源スイッチもタクトスイッチなどで操作ができます。この場合の制御は
CPUが常に動いている状態、すなわちCPUへの電力が常に保てるように行います。
モード1は外部5V電源を使わないパターンです。 パネルスイッチで電源投入後にCPUが動き出して、
各種制御を行っていますが、肝心なのは電源OFFの検知です。この検知にはトランスの生出力(整流前)
を常に監視して、交流波形の消失で判断します。遅れ時間は最大で約20ms程度発生しますが、
大抵はコンデンサ容量があるので、CPUがシャットダウンをする余裕はあるでしょう。
反対に余裕が無ければ、MUTEリレー等はアンプの電源電圧が十分に保った状態のうちに
切れることになります(通常のアンプは電源を切っても数秒は音が出続ける)。
ソフトを組んでいきましょう!
(つづく?)