ちょっとTea Time !? 5V電源(充電器)を調べてみる! 2022.11.3

ことの発端
 半田吸い取りきの真空ポンプを修理して調子がもどったのはいいのだけど、このタイプの先端チップって結構詰まりやすい感じ.
たまに頻繁に掃除しないと、すぐに吸い取り力が落ちてしまいます. ひとえに、電源を入れっぱなしにして忘れてしまうことが多く、
そのため煤(?)が溜まりやすいのだろうな〜と考えています.
 で、一定時間使用しなかったら電源を落とすような工夫をすればどうだろう?そうすれば電気代の節約になるし、コテ先の寿命延長、
そして肝心の煤溜まりの原因を取り除くことができます.
 ただ、そうするためにはAC100Vラインを直接制御する必要があり、なんらかの制御器のための電源が必要です.
具体的には100Vから5V20mA程度は得られる電源が欲しくなります. 
 かといってこんな電源にトランスをつかったりするのは勿体ないので、極力簡単にかつ安価にする方法はないだろうか?

と考えたのが事の発端です.

ネットを調べる!

調べてみたらこんな回路で実験されている方がいました.


引用: リアクタンス減圧トランスレス電源 (coocan.jp)

回路は簡単ですね. これで50mAくらいまで取れるみたいです.
このくらいの部品なら部品箱を探せばすぐに揃いそうです.

でもACラインと直結なのはちょっと怖いかな〜.
それと、シリーズ電源なので電源としての効率は5%なので、発熱もすこし気になります.

そうだ!使わなくなったACアダプタがある!

一から作ることを考えずに、使わなくなった携帯の充電器を流用するのが早いことに気付きました.
しかし、充電器の中身がこんな回路だったらいやだな〜.

こりゃ、一度調べてみる必要がありそうです.

これがいい!
 かなり昔につかっていたガラケー用の充電器です. こいつを一度調べてみましょう.


充電器はあったけど本体はどこにいっただろう?


そういえばこんな形状してましたね.


出力は5V600mAです. 結構取り出せます.

ををを!絶縁型の電源じゃないですか!

マイナスドライバーをつかってこじ開けてみると、基板がでてきました.
最初の感想は「結構部品多いな〜」という感じです.
そして、基板を眺めていると絶縁型のスイッチング電源の構造になっています.

最初はコストを押さえるために非絶縁タイプかな〜と思っていましたが、
考えたら携帯って充電中にもでイヤホンをつかって音楽を聞いたりするので、
非絶縁タイプだと万が一にでも漏電したら危ないのでしょうね.
恐らく規格かなんらかで絶縁タイプでないと認可されないのかもしれません.


ちゃんとACが絶縁されています.


コモンモードフィルターまではいっているんだ〜. 平滑コンデンサは背が低いものを2個つかって容量を稼いでいます.

動かしてみましょう!

ついでなので負荷をかけて動かしてみましょう. 負荷としては適当に20Ωの抵抗を直列にして
40Ωとしました. これで電流は125mA程度流れるはずです.

で、、まずはテスターでの測定結果は
 無負荷時 5.04V
 負荷時  5.11V
となりました.負荷時の方が若干高くなりましたが、いわゆる5V±5%の範囲なので大丈夫です.
オシロで波形をみてみましたが、大きなリップルもなさそうです. かなり品質のよい電源のようです.


動作させてみましょう. 感電が怖いのでAC100V周辺は絶縁テープを巻きました.


動作周波数は200kHz程度のようです.大きなリップルはなさそうです.

こりゃ、5Vの軽負荷用の電源なら携帯用の充電器を流用するのが安価でいいかもしれませんね!

100円の充電器は?

ガラケーの充電器はジャンクとして相当に安く売られていますが、新品でも白い四角い充電器なども
新品でも100円で売られていることがあります. 5Vの電源ならそれらを使うのがもっとも安価な方法かもしれません.
でも、中身が心配です. 非絶縁タイプだったらいやだな〜.

いちど見つけたら調べてみましょう!

20円と50円 2022.11.5

本町で仕事だったので、終わってから閉店近くのデジットを覗いてみました。
そうしたら20円と50円の5VのACアダプタが売っていました。どちらもUSB出力です。


黒が50円(5V1A)で白が20円(5V0.5A)です。


白のACアダプタ。


黒のアダプタ。PSEマークもあります。MAXELLの印字が頼もしいです。

ばらしてみる!難航・・・・

まずは20円のアダプタをばらします。ニッパで削っていきますが、かなりケースが頑丈。
難航です。もう面倒くさくなって万力で圧壊です(笑。 基板が壊れなければいいけど・・・・

ニッパで削っていきますが、なかなか壊れません。


もう、万力に挟んで圧壊です。


なんとか光明がみえてきました。


ようやく基板が見えてきました。

ちゃんとしてるんだ!

基板をみてみると、ちゃんと5V側と100V側で絶縁してあります。
ただし、フォトカプラでフィードバック制御しているのではなくて、トランス自体
で出力電圧をモニターしているようです。
制御につかっているICはOB2512というものでした。


ちゃんと絶縁してありました。


おそらく回路はこんな感じでしょう。出力電圧はトランス巻き線でフィードバックです。

出力電圧は?

とりあえずAC100Vを入力したら、出力電圧は無負荷で5.06Vでした。
負荷時については、また明日調べてみましょう。 もう丑三つ時だあ〜。

その前に50円のアダプタは? 2022.11.6

ついでに50円のアダプタもばらしてみることに. 面倒なのでいきなり万力で壊しにかかります.
端を潰しにかかりましたが、中の基板にも影響があったようで、基板の端が曲がってしまいました.
さらに、チップコンデンサの一部が割れて壊れていました.
あああ、犠牲が一杯. でも科学の進歩には犠牲がつきものです(全然違うけど!

あああ、基板の一部が曲がっちゃいました!



チップコンデンサも壊れちゃいました.

50円のアダプタも絶縁してありました.
で、制御につかっているICの型番をみるとOB2512とあり、これって20円のアダプタと同じものです.
同じ制御ICをつかって、片や5V500mAで、片や5V1Aってなにかおかしい.
そういえば、デジットの商品説明でも50円のアダプタには500mAと1Aタイプが混ざっている可能性があると
書いてあったな〜. ひょっとして、メーカでの実装部品間違い品なのかな?


基板の半田面ですが、AC側とDC側が絶縁されている様子がわかります.


20円アダプタ(左)と50円アダプタ(右)は部品配置が少しちがいますが、ほぼ同じのような感じです.
トランスの大きさが違うかな?

とりあえず、50円のアダプタで圧壊時に変形した電解コンデンサとチップコンデンサは交換しておきました.
チップコンデンサは容量がわからないので、適当に0.1uFで交換です.動くかな〜(笑

評価してみましょう? 面倒だあ〜 2022.11.8

評価には電流も定格までかけたときの電圧の質をみたいので、 電流も連続的に変化できるように
電子負荷があると便利です. ということで、以前に作成した電子負荷装置があるので引っ張り出して
きました.装置といっても急ごしらえで、バラックで組んだようなものです. そのため、電流値を調べるにも
いちいちテスタでシャント抵抗の電圧を測定する必要があります.
 折角測定できるようにセットアップまでしたのですが、なんだか面倒になってきました.


とりあえずセットアップしてみたけど、電流と電圧をいちいちテスターで計るのは面倒だなあ〜.
それに数A単位の電子負荷装置なので、小電流の設定も微妙です.

小電圧、小電流用の電子負荷装置をつくっちゃえ!


やっぱり、電流と電圧も直読できるような電子負荷装置があると便利だなあ〜と考え出すと、
目的は評価なのですが、測定する手段に興味が移ってしまいます. これって趣味の悪いところですね〜.

ということで、電圧15V以下、電流1.2A以下の比較的小容量の電子負荷装置を作ることにしました.
最近のPICもADは12ビット分解能もあるし、8ビットだけどDACも搭載されているので、
結構お手軽に作れそうです.


回路はとても簡単です.



こんな形で完成です. LCDはデジットで100円で買った16桁X1行のものです.
電流設定はエンコーダで行います. あと、負荷ON/OFFのスイッチもとりつけました.
PICのプログラムも簡単で、PIC18F27Q43(128kB)を使ったのでROMの使用率は2%です.
勿体ないなあ〜. → バイナリーです.


仕上げはファンの取り付けです. 15V1Aともなると15Wの電力が発生しますから、
こんな小さな放熱板では耐えきれませんからね.


評価は明日おこないましょう.

評価! 軍配はどっち? 2022.11.9

さて、電子負荷装置もできたので評価を開始しましょう.

評価の様子です.かなりスッキリしました. 右の電源は20円(5V0.5A)のACアダプタです.

負荷電流に対する電圧の測定結果は下表のようになりました.
面白いのは、定格の20%を超えると出力電圧0Vでシャットダウンします.
そして、負荷を軽くすると、しばらく(1秒くらい?)すると復帰します.
充電される機器はこの特性を要求しているのかもしれません.これで充電器の容量を
測定しているのかもです.

20円(5V0.5A)アダプタ
 負荷をかけると少し電圧が上昇(+0.18V).定格の0.5Aまで問題なし. 0.6Aを超えるととすこし不安定になり0.67Aでシャットダウン(出力電圧0V).

50円(5V1A)アダプタ
 負荷をかけると少し電圧が下降(-0.1〜-0.15V).定格の1Aまで問題なし. 1.21Aでシャットダウン(出力電圧0V).
 


出力特性です. どちらも定格の120%でシャットダウンしました.

出力電圧だけをみると電流容量の大きい50円のアダプタが良さそうなのですが、
出力電圧のリップルに大きな違いがあります. これを見ると、20円のアダプタがいいな.
実際、50円アダプタの電圧モニターではLCDの表示がかなりパタパタします.


20円(5V0.5A)アダプタ. 出力リップルは50mV程度です.


50円(5V1A)アダプタ. 出力リップルは250mV程度です.

まとめ
 充電器として使うならパワーのある50円(5V1A)がよいでしょう.
 そこまで電流を必要としない場合は20円(5V0.5A)がいいですね.
 スマホの充電などはもっとパワーのある充電器を使いますし、
 一般的な制御回路でつかう5V電源なんて100mAもあれば十分だから
 買うなら20円のほうですね.

おっと!忘れてた.
 最初に評価した、auの充電器も出力特性を調べておきましょう!
こちらは負荷が高くなると、電圧が上昇しますが、ちょっと上昇幅が大きい気もします.

Au充電器の特性です. 電流値が上昇すると電圧も上昇. 0.5Aでは±5%の範囲を超えるようです.

で、このAu充電器と20円、50円アダプタとの一番の違いはシャットダウン後の復帰です.
Au充電器の場合は0.61Aでシャットダウンしてしまいましたが、負荷を軽くしただけでは復帰せず、
AC100Vを一旦切らないと復帰しません. この特性が一番の違いです. 
このタイプだと現在のスマホの充電器としては使えないのでしょうね.

ACアダプタも変っていくんだなあ〜.

(おしまい)



ついでに 2022.11.14

急ごしらえでつくった大電流用の電子負荷装置もこの機会にちゃんと基板に組みなおすことにしました。

 
急ごしらえの電子負荷装置。ラグ板+空中配線です。 冷却ファンもネジをフィンの間にねじ込む形で固定しています。


これを機会に基板上に組みなおしました。回路図は先に作ったものとほぼ同じです(回路定数が違います)


冷却ファンはホットボンドで固定です。

回路図は

回路図はほぼ同じですがシャント抵抗を0.1Ωにするなど定数の変更が変更があります。
MOSFETの駆動はOPアンプから100Ωの抵抗を介して行っていますが、
小電流用ではIRF620の小さいMOSFETをつかったためか発振しなかったのですが、
こちらは2SK1380という比較的大きなMOSFETをつかったため、負荷電流値を上げると発振することがわかりました。
そのために、100Ωの先に0.01uFのコンデンサを取り付けて発振防止をしています。


回路図です。 一応最大電圧60V、電流10A(P<200W)での電子負荷装置です。

これで、いつでも負荷をかける実験ができそうです。


なるほど! 2022.11.15

TeaTimeにもかかわらず、このようなコメントを頂戴いたしました.



そういえば、以前に負荷変化ができる電子負荷を作って、電源の評価をしたことを思い出しました.
このときはPICを使う前なので、ロジックICで発振器を作っていましたが、今はPICのDACをつかって
電流制御を行っていますから、負荷のON/OFFは簡単にできます.
さらに、負荷をかけるパルス周波数の変更も容易でしょう.

早速、やってみましょう. こういった改造は今のうちにやっておかないと、時間がたったら
まずプログラムの見直しから始めないといけないので、まだ記憶が新しいうちが勝負です.

とくに、加齢が進むとすぐに物事を忘れてしまいます. 
ええ〜っと、今日の晩御飯はなんだっけ?←ここまではひどく無いが、昨日あるいは一昨日は怪しい(笑.

ということで改造

まずは1Aタイプのものからソフトを改造。
周波数はDC、1kHz、500Hz、250Hz、125Hz,62Hzから選択できるようにしました。
ボタンを長押しすると、周波数切替ができるようにしました。


周波数選択の画面です。

動かしてみました。

上:電圧(AC CH2. 50mV/div)
下:電流(DC CH1 200mV/div なので 300mA程度)


動かしてみて問題だと思ったところがありました。
電流の表示値がパタパタと変り見にくいです。実際の電流値が変化しますからね。
ということで、パルス駆動する場合は電流ONのときのみAD変換した値で平均化することにしました。
これで、ほぼ駆動電流値を表示することができます。

あと、回路も少し修正です。パルス駆動するので、余分なフィルターを排除したのと
発振防止で入れていたMOSFETゲートの100Ωの抵抗を削除です。 これって、ない方がいいようです。


回路も少し変更です。 さて、間違い探し!(2箇所変更です)。

一応、バイナリー(PIC18F27Q43)も置いておきます。

同様に10Aタイプもソフトを修正しておきましょう!

あちゃ〜

10Aタイプの電子負荷装置のソフトを入れ替えて、動作確認していると、負荷電流を上げるとどうやらまだ発振気味.
そのため、いろいろと回路定数を弄っていると、負荷用の実験用電源からも異音がする.
どうやら発振に呼応しているようで、CVモードとCCモードが激しく入れ替わっている.
まあ、実験用電源には定電流モードもあり負荷短絡でも壊れないようになっているので、大丈夫でしょう.
しかし、そのまま実験をしていたら、実験用電源が動かなくなってしまった. 正確には出力電圧がでない.
電源は入るので恐らく内部のどこかが壊れた様子だ.
いくら定電流モードがあるからといって、発振するような高周波数の負荷だと定電流回路が
防ぎきれなかったのかもしれません.

こりゃ、一大事です. この実験用電源は一番稼働率が高いものです. 大抵の基板の動作確認時の
電源にはこれをつかっていますから. 何とかしないと!!!!


動かなくなってしまいました. これって使用頻度高いのですよね〜.


まずは分解!

たかが定電圧&定電流電源なので中の回路も知れているはず. なんとか修理できるでしょう!
ということで、まずは分解です.

カバーをあけると、そこは埃の山でした. まずは簡単にでも掃除しなくっちゃ!


制御基板の裏側ですが、どうせなら反対向けて部品面側を向けてほしかったなあ〜.


げ! 一部モジュールが使ってあります. これが壊れてたら修理は難しくなるな〜.

原因はお前か?(濡れ衣でした)

実験用電源も発振する負荷で壊れたのなら、もっともダメージが大きいのは出力段のトランジスタのはずです.
そこで、放熱板にとりついているトランジスタを交換することに. 交換前にはトランジスタの型番からスペックを
しらべてダーリントンタイプでないことを確認です. 80Wクラスの普通のNPNのトランジスタでした.
 交換のためのトランジスタは、同じサイズのものが無かったので、すこし大き目ですが2SC5200を付け替えました.

オリジナルのトランジスタです.


2SC5200と付け替えました.

動かない! あれ?

トランジスタも交換したことだし、これで大丈夫かなと思い、再度電源ON! 動かない----.
万事休すかな〜こりゃ大変だ!!!
と、ちょっと落ち込みましたが、再度電源の内部を覗いてみると、わかりにくいところに
FUSEがあるではないですか!ぱっと見たところでは切れていないよう見えましたが、
取り出してみると、端の方で切れていました. 犯人、いや原因はお前か!

隠れた場所にFUSEがありました(取り外した後です).


取り出してみると端の方で切れていました.

おそらくこのFUSEは出力保護なんでしょう. 1.5Aのものですが、標準サイズのFUSEなんて
持ってたかなあ? ということで部品箱を探しまくって、なんとか5Aのものが1つあったので、
それに付け替えました.

無事復旧!

一時はどうなることかと思いましたが、無事復旧です.
でも、もっと低いアンペアのFUSEに付け替えしないといけないですね.

教訓!

壊れたと思っても、いきなり部品を交換したりしないでよく内部を確かめましょう!

(おしまい)


備忘録 2022.11.16

最終的にすこしMOSFETのドライブ部分の回路を修正です。
これで、発振も収まりました。


1A用の回路図


10A用の回路図


ACアダプタの効率は? 2022.11.25

思うことがあってACアダプタの効率を計ってみることに。
というのも、こんなに小さい5V電源があるのなら、これをつかって機器の待機用の電源、
すなわちリモコンで電源もON/OFFできるためのマイコン用の電源に活用できるのではと
考えたりします。 
 いまのオーディオシステムは、とりあえず電源さえ入れてしまえば、あとはボリューム調整や
スピーカの切替等はすべてリモコン操作ができるようになっています。 しかし、電源スイッチだけは
手動です。 わずかな距離なのですが、ちょっとスイッチを入れるのが億劫になってしまいます。
そこで、電源スイッチもリモコン操作できるようにすればより快適になるはずです。
 さらに、電源スイッチをリモコン化するということは色々とメリットがあります。
もちろんデメリットもあります。

<メリット>
・スイッチの選択肢が広がる
  電源スイッチはマイコンに接続されるだけなので、容量は気にする必要ありません。
 タクトスイッチなども使えます。さらにスイッチすら不要にすることも可能です。

・ケース内の電源ラインの引き回しが不要
 電源コントローラをACインレット近くに配置すれば、トランスへの配線も最短になります。
電源スイッチだと、どうしてもケース背面から前面まで配線する必要があります。


<デメリット>
・コストがかかる
 最低でもリレーやマイコンは必要なので、電源スイッチ1個より高くなってしまいます。
・ケース内部にスイッチング電源を入れ込むことへの(若干の)抵抗感
 これについては本体の電源がONになれば、スイッチング電源をOFFにすればいいだけですが
・待機電力の電気代がかかる

ここでは、待機電力がどのくらいかかるかがちょっと心配です。電源入れっぱなしになるので、
年間の電気代が上がりそうです。 ただでさえ電気代が上がっているのに・・・・・

電気代は?
ちなみに、電気代を試算してみましょう。
待機マイコンに必要な電力は5Vで30mAとすると0.15W。 効率75%として0.2Wが待機電力です。
いま、電気代を30円/kWhとすると、年間で必要な電気代は
 0.0002(kW) x 24(h) x 365(d) x 30(\/kWh) = 53円
これだけみれば知れているのですが、こういった機器が10台くらいはできあがることになるので
年間500円程度の経費が増えてしまいます。 むむむ・・・・ 日頃買っている部品箱の肥やしに
比べたらはるかに安いものですが・・・・(笑。
まあ、できるだけ電流をつかわないような回路設計にはすべきですね。

でも、ACアダプタの効率を75%と仮定したけど、ほんとにあってるかな?
いわゆるスイッチング電源として単体で売られているものは、75%より効率のよいものがほとんど
ですが、充電器につかうようなスイッチング電源って、案外効率なんていい加減だったりするかも
しれません。 

ということで、今回測定してみることにしました。

調べてみよう!

家には電力計がないので、オシロで電圧と電流を観測してそこから電力を計算しようと思います。
電圧は直接測定できますが、電流はとりあえず150Ωの抵抗を直列に挿入して、その両端の電圧
を測定します。電力1WとしてもAC100Vラインに流れる電流は10mA程度ですので、発生する電圧も1.5V程度ですから
あまり問題にはならないでしょう。

測定の様子です。


ををを!波形は独特だなあ〜

負荷電流を100mA(5V時)にしたときのオシロの波形です。
まずAC100Vラインの電圧って正弦波だとてっきり思っていましたが、頭がクリップしています。
これって、同じコンセントにパソコンなどのスイッチング電源を繋いでいるから波形が歪んでしまっているのかな?
それと、電流波形はパルス状です。これは整流回路のコンデンサに流れる電流は一定ではなく、
入力電圧(ACライン)がコンデンサ電圧を超えたときにしか流れませんから、こんなものでしょう.
普通のトランスをつかった電源でもこんな形になるはずです.

5V100mA負荷時の入力電源電圧・電流波形。
正弦波に近い波形がAC100Vライン(50V/div)、パルス状が電流波形(2V/div)

電力を計算してみましょう。面倒ですが、この波形から読み取らねばなりません。
読み取った電力はおよそ0.72Wでした。負荷が0.5W(5V100mA)なので、効率は約69%といったところです。
最初の仮定の75%程度というのはあたらからずも遠からずという感じです。


誤差ありますが適当に近似して電力を計算しました。効率は負荷0.5W時で約69%になりました。

あわせて負荷電流20mAのときも測定しておきましたが、
波形が小さいので読み取り誤差がかなりでそうですが、
効率は約50%となりました。まあ、負荷ゼロでも電力は消費するでしょうから、
流す電流が小さいと効率が落ちるのは理解できます。


負荷5V20mAのときの波形です。このときの効率は約50%でした。


ということで、待機電流20mA(@5V)とすると、ACアダプタの効率もだいぶ落ちるので、
できるだけ小電力設計にした方がよさそうです(PICの動作周波数を出来る限り落としましょう!)。

でも、待機電力はおよそ0.2Wかあ〜. まあ、一般的な家電の待機電力とほぼ同じかな.


(おしまい?)