ちょっとTea Time!? 半田吸い取り器の憂鬱の巻き! 2022.10.29
半田吸い取り器は必須の道具です.で、かなり昔に中古ですが外付けポンプ式のかなり良いものを頂きました.
頂いたときは、かなり快調につかっていたのですが、最近ではどうも吸い取りが悪いようで、放置していました.
吸い取りの悪い原因は先端のチップが詰まっているのが原因のようです. 長くつかっていると、先端のチップ内側の
酸化膜が劣化して、煤がこびりつくようです.
ときどき、ドリルで穴空けをしていましたが、それでもすぐに詰まってしまいます.解決のためには、消耗品である
チップを交換すればいいはずですが、このチップって結構高い(1500円くらいする)ので、躊躇していました.
そのため、半田吸い取りに関しては”スッポン”式のものをここ最近は使っていましたが、やっぱり面倒なこともあるので、
思い切って(思いきるほどのものではないのですが)、チップを新調しました.
随分昔ですが半田吸い取り器を頂きました. これ、買うと高いのですよね〜.
古くなったチップ(上)と今回新調したチップ(下)です.
古いチップも、ドリルで煤をとりつつ使っていましたが、すぐに詰まりました.
チップを新調したので、これからは快適に使えるはず・・・・・
吸わない?????
せっかくチップを新調したのですが、なぜか全然吸いません. 最初に半田で吸い取り口が密閉してあるのですが、
それすら吸いません. 取説には鉛フリーの半田をつかっているとあったので、温度が低くて溶けていないのかと
思いましたが、温度を最高にあげてもポンプを動かしても全然吸いません.
折角、高いお金をだしてチップを新調したのに、これは一大事です(笑.
ポンプがおかしい?
吸わない原因はチップにあるのではなく、どうやらポンプにありそうです.ということで、ポンプの出口に刺さっているチューブを
抜き取って、出口に指をあててみました.ポンプを動かしても、なぜか吸っている気配がありません.
単に空気が振動しているだけの様子. あるときは、噴き出している感じもあります.
なぜだろう?ひょっとして、ポンプ周辺で空気漏れがあるのかもしれません.
こりゃ、一度本体をバラしてみる必要がありそうです.
バキュームホースを外して吸入口に手を当てましたが、空気が振動しているだけ.
なんか吸入じゃなくて噴き出している気配もあります.こりゃポンプが壊れているかな?
本体をばらすと
ポンプ用のモータとポンプが2個見えました.周辺のチューブを確認しましたが劣化はなさそうです.
となるとポンプ自体がおかしいのかな?
吸入器をバラしてみました.中央にポンプとモータが見えます. どうやらポンプは2機体制になっているようです.
ポンプの構造をみてみると、どうやらダイヤフラムを前後させる方式のようです.となるとポンプがうまく作動していないとなると
ダイヤフラム自体の劣化か、あるいは空気の逆流防止弁がうまく機能しないかのどちらかです.
ポンプの構造はダイヤフラムを上下させて動かすタイプのようです.
原理はこれです. 引用:ドライ真空ポンプの排気原理 | サポート|アルバック機工株式会社 (ulvac-kiko.com)
そこで、ポンプのヘッド部分を取り外してみました.ダイヤフラムのダンパーはゴム製でしたが
ここの破れ等はなく劣化はなさそうです.となると、逆流防止弁かな?
ヘッドを取ってみると、ダイヤフラムが見えます.ダイヤフラム自体の劣化はなさそうです.
ビンゴ!逆流防止弁が劣化してました!
ポンプヘッドをさらにばらすと逆流防止弁のパーツがでてきました.で、予想通り逆流防止弁の役割をしている
樹脂が劣化で破損しています.これじゃあ、ポンプとして動かいないわけだわ!
逆流防止弁が完全に劣化して取れていました.こりゃ、ポンプとしては動かないわけだわ!
どうする?
本来は、劣化した樹脂部分だけが購入できればいいのですが、なにせ古いものなのでメーカが対応してくれるとは思えません.
それに、このくらいなら自分でもなんとかできそうです.
材料としては0.3mm厚程度のゴムシートがあればいいのですがホームセンターに行くのも面倒なので、
身近のものを探しました., そこで、養生テープを2枚張り合わせて、薄いですが逆流防止弁の材料としました.
そして、弁となる部分が動くようにカッターナイフで切り込みを入れて、やっつけ仕事ですが防止弁をつくりました.
急遽、養生テープを2枚張り合わせて逆流防止弁をつくりました.
快適!
さっそく作った逆流防止弁を取り付けて、動かしてみると吸引力がでています.
もっとも、オリジナルに比べると弱いかもしれませんが、溶けた半田が勢いよく吸い込まれていきます.
で、折角新調したチップですが、古いものに取り替えてみましたが、こちらでも問題なく使えました.
原因はポンプにあったようですね. チップは新調する必要がなかったようですが、
チップを新調したからこそ、不調の原因がつかめたわけですから、まあ無駄な出費ではなかったようです.
さて、これで半田付け作業も快適になりそうです.
本格修理のために今度ホームセンターにいったらゴムシートを買っておきましょう!
まだあるんだ〜 2022.10.30
こんな投稿をいただきました。
ををを!まだメーカに保守部品あるんですね。ということで調べてみると
引用: HAKKO | 白光株式会社
ありました! で、この”A1014”というキーワードでAMAZONでしらべると、こちらもヒットです。
AMAZONにありました
こうなったら速攻で注文です。 届いたら交換しましょう!
到着&交換!
次の日に到着しました. さっそく交換です.
次の日に到着しました. 袋に書いてあるのは製造年月日かな? 製造年だとしたら、結構最近の製造です.
まさか、有効期限ということではないとは思いますが、
2枚で一組です.厚さは0.5mmでした.
ポンプを上からみるとこんな感じ. 後学のために再度写真をとっておきました.
側面の様子です.
ポンプヘッドを取り外しです. 金属プレートをとりはずすと今回の交換対象となる逆流防止弁があります.
最初にこの金属プレートをとりはずのは難儀しました.劣化した弁が粘着してしまっているので、ラジペンを穴に差し込んで
力まかせに取り外しました.
プレートを外すと、急ごしらえで作った弁が見えます.
新品の弁に交換です. ををを、やっぱりピッタシですね.それに弁の効果も高そうです.
ほんとに短い間でしたがご苦労様でした.
さらに快適!
修理も完了したので、さっそく使ってみます. 吸引力を見るために、半田の回収用の筒をはずして
吸入口に指をあててポンプを作動させます. 仮修理のときも調べましたが、そのときよりかなり
吸入力が増しているようです. そりゃ、なんといってもこれって真空ポンプですからね.
指がかなりの力で吸入されるのがわかります.
実際に半田を吸い取ってみますが、仮修理にくらべるとパワーアップしました.
至極、快適です!こりゃ、半田付け作業も楽しくなりそうです.
わざと失敗して、吸いたくなりそう(笑.
これで、またしばらく半田吸い取り機もつかえそうです.
ついでに保守部品のヒータも買っておこうかな〜.
(ほんとにおしまい).