2WAYスピーカを作る!の巻き。 2019.12

最近、AMAZONで安価なスピーカをみつけて箱に収めて塗装まで行いました。
そうすると、なんかスピーカの製作の面白さが戻ってきたみたいで、また何か作りたくなってきました。

今回は作るのが目的なので、できるだけ予算はかけずにおこうかと思っています。
メインシステムの置き換えを狙うなら、少々値が張っても欧米製の有名どころどのユニットをつかうべきかもしれませんが、
スピーカというは面白いもので、高価なユニットをつかったからといって決して良い音がするわけではありません。
とくに2WAY、3WAYなどのマルチウエイになると個々のスピーカのキャラが合わないとちぐはぐな感じになりますし、
ネットワークやエンクロージャによっても音がころころ変わります。

スピーカというは結局のところ結果論としての、うまくできたあるいはうまくいかなかったの評価しかなりえないのでは
と思っています。本当は、エンクロージャの形状、ネットワークの定数調整やバスレフポートの調整、吸音材の多小などで音を追い込んでいくのでしょうが、
結構面倒であることと、自作の場合では出来上がってしまうと愛着も沸くので、なぜかその音で満足したりするものです。
そうであるならば、あまりコストはかけなくてもいいでしょう。

今回はどちらかといえば作ることが主眼なので、できるけ安価なものを探してみることにしました。

苦労するだろうけど中華製から選択!

大体、予算的は全部あわせて1万円程度に納める予定です。
安価を狙うためにも、やはり中華製になるのかな〜ということでALIから探すことにしました。
中華製については、色々と苦労させられていますが、また懲りずに挑戦です(笑。

ちなみに、苦労した事例ですが、
 CNC・・・・スイッチング電源が壊れていて動かなかった。
 3WAYネットワーク・・・抵抗が断線していた
 SDカード・・・2GBでSDHCという、不思議なカードをつかまされた(当然動かない)。
 周波数カウンタ・・・部品が足りない。
 グラフィックLCD・・・不良品
 昇圧DCDC・・・部品の半田付け不良
 などなど
直近でも色々とでてきました・・・。 しかし、ことごとくトラブルに出くわしているな〜。

まあ、今回も多少(必ず?)のトラブルはあるでしょうが、乗り越えていきましょう(笑

これらを注文しました!
寝る前にネットを眺めること数日。色々と探して、結局以下のようなものを注文しました。
すでに発送処理は済んでいる(2019.12.12)ようですが、いつ届くかな〜。できれば年内に届けば冬休みの工作につかうことができます。

1.ツーイター
 リボンツーイターがあったので、これを選ぶことにしました。2個で$25.4です。リボンは初めてつかうので、どんな音がするか楽しみです。

ツーイターはこれを選びました。



説明は自動翻訳のようなので、よくわかりません(笑
上と下の説明内容の不一致も気になります。上の説明ではフロントパネルはアルミに対して、下の表ではABSです。
感度も上は94dBに対して、下は93dBです。価格で考えるとアルミのフレームは考えられないのでABSでしょう。
となると、下の説明のほうが正しいのかもしれません。


周波数特性は比較的フラット(本当かな?)。推奨クロスは2300Hzとなっていますが、3〜4kHzくらいにもって
きたほうがよさそうです。
 


とりつけ形状のUPは備忘録です。ネジ穴が60度ピッチになっていない点は気をつけないといけません。

2.ウーハー
 ウーハの選択が一番悩みました。というのは、口径としてはCNCでエンクロージャをつくるのでサイズ的には4インチ(10cm)がいいのですが、
口径が大きいほうが低音もでるので、できるだけ大きなものをつかいたいところです。加工できる最大幅は150mmですが、無理をすれば160mmくらいは
いけそうなので、5インチの口径のものを選びました。4インチのものなら$10程度であったのですが、5インチなので、すこし値段が高く1個で$25くらいです。
まあ、普通にFOSTEXなどで買うとこんな値段はありませんが・・・。

ウーハはこれにしました。

ちなみに、同じようなサイズでいえばFOSTEXのFF125WKになるかもしれません。重量比較すると、買おうとしているものが約700gに対して、
FF125WKが920gです。かなり軽めです。マグネットが小さいのか、フレームの鉄板が薄いのか・・・まあ、届けばわかるでしょう・・・。
破損なしに届けば嬉しいな〜。



共振周波数が60Hzとあまり低くはありませんが、こんなものでしょう。



周波数特性はあまり暴れはないようです。バスレフポートは80Hzあたりで設計したらいいかもしれません。


外形がφ147で、取り付け穴がφ113なのでフランジ幅は17mmあります。これが大きいと加工が楽です。

3.ネットワーク
 これはコイルに空芯タイプのもので選びました。クロスが3kHzなのでちょうどいいでしょう。
ただ、ウーハーとツイータのレベル差が4dBあるので、ツイータ側に抵抗を挟む必要がでてくるかもしれません。
まあ、年とった耳は高音が聞こえずらいので、多少、高域のレベルが高いほうがいいかもしれません(笑





4.ついでに端子も

これも必要なので買っておきました。価格は$1なのですが、送料も日本向けには1$/個かかるようなので、2個で合計$4です。
まあ、この類の端子が1個200円では国内で買えないですよね〜。品質が心配ではありますが・・・・。



ちょっと予算オーバ?

ここまですでに注文しましたが、合計で9800円ほどかかってしまいました。ちょっと予算1万円に対してオーバ気味ですが、
まあ許容範囲でしょう。

リボンツイータ
2個
$24.4
5インチウーハ $46.3
2WAYネットワーク $13.92
スピーカ端子 $4.54
$89.16 約9800円(1$=110円)

その他の出費としてはエンクロージャ用のMDFと塗料が必要ですので、あと2000円くらいかかります。

エンクロージャ材料
MDF12枚
1320円
木工用プライマ 601円 AMAZON
ニス 0円 在庫で済ます
その他
(接着剤、ネジなど)
0円 在庫で済ます。
1921円

今回の制作費は合計12000円くらいになりそうです。まずはALIからの買い物が到着するのを楽しみに待ちましょう。

いやなことに気づきました・・ 2019.12.16

CNCで加工できるサイズがおよそ250×150なので、ウーハの直径が147mmあるので、
なんとか加工として幅は160mm以上は確保したいな〜と思っていましたが、幅だけでなく高さも問題です。
ウーハの直径とツイータの直径をあわせると147+100=247mmになります。スピーカの上下とスピーカ間の間に
最低でも5mmのスペースは開けたいので、そうすると247+5*3=262mmになります。なんとか265mmくらいは確保
できると思うのですが、問題は余白の強度です。
 母材につかうMDFは300×450のものを半分に切って使用する予定なので、幅は225弱あります。
スピーカの幅を160としても余白は(225-160)/2=32ということで、まあ20mm以上とれますから余白部分の強度は問題ないでしょう。
それに対して高さを260mmとすると、余白部分は20mmしかありません。さらに、エンドミルの直径(φ3mm)もあるし17mmしか確保できません。
さらに、この値は理想値なので切り出し部材を丁度に母材の中央ももってこれればいいですが、それはそれで難しい・・・・。
ん〜なんとかなるかな????

スピーカは発注しちゃったけど、企画倒れになってしまわないか心配です。

スピーカの高さを抑えるためには、ツイータを横にすこしずらす方法がありますが、わずかだろうな〜。

一番いいのは、ツイータの下側を削ることだけど、これはこれでハードルが高そう・・・・。
ツイータを仮バッフルに取り付けて、バッフルごとCNCで削ることになりそうですが、ABSなんか綺麗に削れるかなあ?
割れちゃったらショック大きいな〜。


こんな形にするのはハードル高そう!

まずは少ない余白で母材の強度がもつかどうか、試し切りをしてみる必要がありそうです。

それにしても、上の絵から考えて箱の割りにスピーカがでかすぎるな〜。。。バランス悪そう。

ちょっとCADで正確な寸法でイメージしてみましょう。

適当に描いてみましたが、これでも高さが266.5mmあります。MDFの余白は理想の場合でも14mmかあ〜。
大丈夫かな〜

適当にスケッチしましたが、高さが厳しい・・・・

考えられる対策をもう一度整理

・ツイータを横にずらす・・・効果は低くそう・・・。
 
 
ツイータをずらすと5mmほど高さは低くなりそうですが・・・・
効果低い・・

・ツイータを削る・・・ハードル高そう

・母材を大きくする・・・板材の無駄がすごく大きくなります(ほぼ倍必要)。
              約1000円のコストアップなので現実的ですが、
              母材を切り出すのが、面倒かも。

・ウーハとツイータの箱を分ける・・・デザインが難しい
。ブックシェルフじゃなくなっちゃう。

・エンクロージャを上下2分割にして高さを稼ぐ・・・つなぎ目が目立ちそう。

・ウーハを側面にとりつける・・・デザインが破綻しそう・・・それに中音域が聞こえずらい。

ツイータが到着一番乗り!2019.12.27

夜にポストを確認したら、届いていました。

知らない間に届いていました。


ちゃんと箱に入っています。


これだけしっかり梱包してあれば輸送トラブルはないでしょう。


意外と質感もいいです。最初アルミかな?とおもいましたがABSでした。

これをみたら、半月状に削る勇気がなくなりました・・・・。

続々到着! 2019.12.29

 
また2つほど届きました!

スピーカターミナルは、かなり質感もしっかりしていていい感じです。送料が本体より高いですが、
それでも2つで約$4.5とはかなりお得な感じです。

結構質感もしっかりしています。


バナナプラググもしっかり刺さります。



もう一つのパッケージは2WAYのネットワークです。紙フェノール基板に35um銅の基板のようです。


フィルルムコンデンサにはAUDIO SYEMTEという名前がついています。

ネットワークの特性を調べてみましょう! 2019.12.29

クロスオーバ周波数はカタログ値では3kHzになっていましたが、実際にはどうなっているか確認してみましょう。
スピーカの代わりに負荷抵抗4.3Ωを接続してテストです。久しぶりのゲインフェーズアナライザーの出番です。

負荷抵抗4.3Ωをつないで、ネットワークの特性を調べてみました。

クロスオーバは4kHz程度


実測の結果としては、クロスオーバは4kHz程度になりそうです。カタログよりちょっと高めですが、
リボンツイータなので高めのほうがいいでしょう。ウーハの口径も小さいのでこの辺りの帯域もカバーしてくれるでしょう。

クロスオーバはおよそ4kHz程度になりそうです。

気になるのは・・・・・

 ネットワークの特性で気になったのはツイータのクロスオーバの低域の減衰特性です。普通はコンデンサが直列に入っているので
低域では単調に減衰するはずですが、実測では200Hz以下はおよそ-55dBあたりで一定です。-55dBですからおよそ1/500なので
十分減衰しているといえばそれまでですが、すこしでもツイータには余分な負荷はかけたくないです。



実測結果。ツイータ側の減衰が200Hz以下ではほぼ一定になっています。なぜだろう?




シミュレーション結果。コイルの定数はクロスオーバから0.15mHと推定。
またコイルの直流抵抗も0.3Ω程度と仮定しました。
ツイータの減衰特性は周波数の低下に対して単調に低下します。これで当然でしょう。


ウーハー側の負荷抵抗を外すと、シミュレーションと一致

ためしに、ウーハ側の負荷抵抗をはずすと実測結果はほぼシミュレーション結果と一致しました。
ということは、ウーハ側の回路のなんらかの影響をうけていることになりますが、なんだろうな〜?
ひょっとして、コイルの誘導なんかがあるのだろうか?それならもっと高域側での影響のほうが大きそうだけど・・・・。

ちょっと、見たくない結果を見てしまった感じもありますが、まあ-55dBという低いレベルでもあるので、ここはあえて無視しましょう。

それにしてもウーハはいつ届くかな〜。それが届かないと話が進みません。というか、冬休みの工作に間に合わなくなってしまいます。

結局、ウーハこなかったな〜 2020.1.5

冬休みのお楽しみでまっていたけど、残念ながら到着しませんでした。
折角なので、ツイータだけでも鳴らしてみることに。
すこし前につくったフルレンジのSPに並列して接続です。もちろんローカット用
のコンデンサを入れています。

とりあえずツイータだけでも鳴らしてみることに。

面白いもので、ツイータをつけるだけでフルレンジ一発だとなぜか平べったい音の感じが立体的になってきます。
それと、高音が伸びることで、低音も聞こえるようになってきました。
最初は3.3uFのコンデンサを入れていましたが、ちょっとツイータが鳴り過ぎなので1uFに変更。
すると、あまり聞こえなくなってしまったので、中間の2.2uFにするといい感じです。
ほんとうはツイータの方がかなり感度が高いはずなので、全体の特性としては
高音が盛り上がっているはずですが、劣化した耳には丁度いいかもしれません(笑。

#(後日段)
 やっぱりツイータ直は高音ですぎ!10Ωの抵抗を挟みましたが、それでもツイータが勝っている。
 どんだけ、能率低いねん、ってな感じのフルレンジです。


2.2uFくらいがちょうど良かったです。

ほんと、いつくるだろう?

もう2週間くらい飛行機の中で鎮座しているようです(笑。

ようやくウーハが到着 2020.1.10

ほぼ一ヶ月かかりましたが、ようやくウーハが到着しました。普通郵便で到着です。
最初、荷物をもったときの印象は「軽い?」でした(笑。そりゃ、この値段で
アルミダイキャストのフレームのスピーカを期待しちゃだめですよね(笑。
それにしても、中身の発泡スチロールは角がとれて丸くなっています。
旅の途中は苦労したんだろうな〜。結構ALIをみていると、スピーカのフレームが
曲がって到着したなどの報告もあるようです。

待ち人来る!という感じです。


発泡スチロールの角が丸くなっています。それなりの取り扱いなんでしょうね。


こんな形で梱包されています。

まずは動作確認!

多分大丈夫とは思いますが、念のためアンプに接続して音だしです。
断線なんかはないとは思いますが、意外な落とし穴があるかもしれません。
視聴室に持ち込んで、鳴らしてみます。2台とも問題なく音がでました。
それにしても「結構な低音がでます!」 嘘です。
スピーカ単体でならしたら、カスカスの音です。低音はエンクロージャに入れないと
どこまで出るかわからないです。
ただ、口径は小さいためか、高音は結構伸びていそうです。リボンツイータとも問題なく
つながるでしょう。

まずは、断線がないかを確認するために音だしです。

まずはフランジの採寸をしなくちゃ!
スピーカのフレームは鉄板のブレス加工品ですが、フランジの部分が結構ややこしい形状をしています。
そのため、単純に丸穴をあけただけのバッフルにネジ止めをすると、ネジ部のフランジが座屈してしまいます。
そのため、きっちりとしたバッフルに落とし込みの穴をあけるためにも、 採寸をしておく必要があります。

フランジの形はちょっと独特です。単純に穴をあけてとりつけるとフランジが変形しそうです。

さて、作業は三連休かな〜といいつつ、仕事が〜〜・・・・。

ざっと採寸 2020.1.11

ノギスをつかってざっと採寸してみました。
フランジの外縁部はおそらくスピーカの固定面(下図の7.4mmの部分)から1mm飛び出ています。
おそらく、この固定面に何らかのパッキンを挟み込んでネジ止めをすることを考えて設計されたのでしょう。
しかし、都合のいいパッキンがあるわけでもないので、ここはフランジの形にそってバッフル穴の加工をすることにしましょう。
一番の肝はスピーカが真円ならばいいのですが・・・・、まあプレス加工なので正確だとは思いますが・・・・
もっともCNCも真円に切れるかどうかも怪しいです。そのため、フランジ外縁部の落としこみの溝は幅2mmにしてみる予定です。
鉄板の厚さが0.6mmなのでかなりの余裕がありますから、加工誤差やスピーカの形状誤差があっても吸収できるでしょう。
エンドミルとしてはφ1mmのものがあるので、それで納まれば、バッチリではあるのですが、プレス加工の角にはRもあるので
余裕をもたせたほうがいいでしょう。

ざっと採寸してみました。


おそらくパッキンをつかって固定するように設計されていると思われます。


バッフル部の加工図です。フランジの落としこみの溝は幅2mmにします。これだけあれば加工誤差等は吸収できるでしょう。

色々準備にかかりましょう! 2020.1.17

加工はCNCで行いますが、1年前につくった板用の加工ジグは、もうボロボロになってきているので、
あわせて新調することにしました。今回は板やアクリルにもつかうことを考えて、フリーサイズに適用できるようにしました。
端材のアクリルを都合6枚接着してベースを作ります。アルミのベース板まで届く穴を一杯あけたので、それらをつかっても固定します。
もちろんアクリルにはきずをつけたくないので、板を切断するときは、敷板を置きます。

1年前につくった敷板も、だいぶ削れてしまってそろそろ交換時期です。



汎用的に使えるようにアクリルで加工ジグを作りました。この上に敷板をおきます。


新しい敷板をのせて、これで切削準備完了です。



今回は板の浮き止めも設置しました。

いよいよ設計!

あたらしい加工ジグで、実際にエンドミルがトレース可能なぎりぎりを探ります。
というのも、加工ジグには突起物もあり、そして材料の押さえ金具がはいります。
そして、加工モータにとりつけた集塵器の先がそれらの突起物に干渉しないように
動かなくてはなりません。ということで、どうしても縁からは内側を走査する必要があります。

 
エンドミルを走らせてみて、加工限界ラインを探ります。


これがなかったら、もうちょっと大きく切り出せますが、
反対にこれがなかったら部屋中切粉まみれになります。

最終的には加工切り出しのサイズは最大で260mm×160mmに決定です。
この値は2mmのエンドミルをつかって、多少集塵先端と固定金具が干渉すること前提です(汗
1〜2mmならぶちあたっても、やわらかい集塵器が変形することで通過するでしょう(笑

さて、加工サイズがきまったところでスピーカの図面作成です。
高さを260mmに決めたので、ツイータはすこしオフセンターにする必要がでました。
図面で書くのは簡単だけど、気をつけないのは左右対称になるように2枚図面を用意しておく必要があります。

すこし悩んだは背面です。バスレフポートはすこし大きめにしたかったので直径5cmにします。
直径を大きくすると、長くなる必要があるのでスペースがとれるようにツイータの背面に設置です。
そして、ネットワークは端子ごと取り外しができるように5mmのアクリルに取り付けたのちに、
背面にネジ固定しようかと思っています。ネットワークもアクリルを通して見えるようにとの算段です。


まずは図面作成です。

バスレフポートの計算は下記式を用いましょう。


まず、エンクロージャの内容積は140mm(幅)×240mm(高さ)×150mm(奥行き)になるので
V=5.04(L)になります。ここから、バスレフポートの直径5cmをつかって共振周波数を計算すると
下表のようになりました。

ポート長さ 共振周波数
(cm) (Hz)
7.0 104.2
7.5 101.9
8.0 99.7
8.5 97.7
9.0 95.7
9.5 93.9
10.0 92.2
10.5 90.5
11.0 89.0
11.5 87.5
12.0 86.1
12.5 84.8
13.0 83.5
13.5 82.3
14.0 81.1
14.5 80.0
15.0 78.9 無理?

奥行き以上のポートを持たせるのは、折り返ししないかぎり無理なので、10cmくらいでしょうか。
煙突みたいに、外に突き出す方法もありますが、ちょっとカッコ悪いです。

小型スピーカなので、あまり低音を欲張らずに、低音の量感が感じられるように高めに設定したほうがいいでしょう。
ということで10cmくらいを目処に考えます。

しかし10cmのポートを作るには、5mmのMDFを切り出してつくるとなると、エンクロージャ1個あたり20枚も切り出す必要があります。
ちょっと大変かな?四角の穴にしたほうがいいかな?それとも適当な紙パイプを探すかな?

エンドミル選択は難しい・・

今回の加工にはφ2mmのエンドミルを用いる予定です。いままでのMDFの加工はφ3mmをつかっていましたが、
なぜ細くしたかといえば、単に大きすぎるから。というのもスピーカのフランジの厚さを落とし込み溝を考えると
3mmはすこし大きいし、それに外形をカットするときには1mmでも径の小さいほうが、ミルが走査する外形幅が小さくなります。
そうすると、ミルと材料押さえジグとの干渉の可能性も低くなります。

ということで、CNCを購入した時期に合わせてφ2mmのエンドミルも買っていましたが(10本で1000円ちょっとの激安品)、
これが全然切れないことが判明・・・・・。おいおい、10本も買ったんだぞ!!!と、いいたいところですが、そんなことを
言っても解決にはなりません。
 ということで、使えそうなエンドミルを調査です。

結論としては、新しいφ2mmのエンドミルを調達です。5本で1400円程度の安物ですが、これくらい切れればOKです。

しかし、普通に買うと1本1000円以上するのだけど、国産のいいやつだと切れ味も違うのだろうか?
10本の切れないエンドミルより、高くても1本切れるものを使ったほうがいいのかなあ〜・・・・悩むところです。


以前に買ったφ2mmのエンドミル。これが全然切れません。
MDFを切っても毛羽立ちがひどいです。これはちょっと使う気に
ならないな〜。やっぱり激安品はだめだなあ〜。


最近、アクリルを切るのに重宝しているφ3mmのエンドミルです。
1枚刃ということもあり、MDFではあまり切り口がよくありません。
それにφ3mmだと、ちょっと大きいな〜。


以前のMDFの加工につかっていたφ3mmのエンドミル。
使い古しですが、これが結構切れます。

CNCのおまけについてきたφ2mmのエンドミル。これが良く切れます。
でも、1本しかないんだよな〜。途中で多分折れるかもしれないし・・・。

AMAZONでみつけたφ2mmのエンドミルを急遽購入。5本で1400円。
「切れてくれ〜」と念じながら評価したこともあってか、割と切れます。
これなら、大丈夫でしょう。

具体的には下記のものを購入です。


おそらく中華からの輸入品だと思いますが、許せる切れ味です。

母材を準備しましょう!

母材は100均一のMDFボードをつかいます。そのままではCNCのテーブルに載らないので、半分に切断します。
のこぎりでも切れますが、かなり大変な作業になるので、ここは電動丸ノコをつかいます。
電動丸ノコは、電動工具の中でも極めて便利なものですが、取り扱いを間違えるととんでもない怪我をしてしまいます。
そのため、取り扱い時は必ず両手を添えてから回転させるようにします。そして材料の固定も確実に行って
キックバックにも注意です。
 

切る前に材料を固定します。安全第一です。


丸ノコは便利ですが、取り扱いを間違えると大怪我をします。


切り終わったMDFです。

違うものだな〜
MDFは2つの100均ショップから調達しました。最初はSieraのものを使う予定でしたが、
ダイソーの在庫も復活したようなので、そちらも購入しました。Sieraは5mm厚ですが
ダイソーは6mm厚あるので、ダイソーのものを使おうかと思っています。
あらためて2つを比較しましたが、表面性状がかなり違います。
Sieraの方がつるつるしています。

用意した2種類の100均のMDF。メーカによって色合いが違います(左:Siera、左:ダイソー)

で、気になったので密度を比較してみました。
全然、密度が違いました。ダイソーが0.6g/cm3に対して、Sieraのものは0.8g/cm3あります。
どうやら、SieraのものはMDFというよりハードボードの類のものと思われます。

板厚のあるダイソーを使おうかと思っていましたが、密度のあるSieraの方がいいかな?

ブランド DAISO Seria
価格 110円(税込み)
サイズ 300×400×6(mm) 300×450×5(mm)
体積比 0.9375
密度
(g/cm3)
0.604
(低密度)
0.800
(中密度)
梱包 なし 透明な袋


Sieraの板はハードボードかな? 引用:日本繊維版工業会 https://jfpma.jp/seihin/

いよいよ切りましょう!

切るためには実際にミルが通るラインを図面にする必要があります。φ2mmのエンドミルをつかうので
1.9mmピッチでミルの通過ラインを引いておきます。オーバラップは0.1mmです。
図面ができたら、あとはひたすら切るだけです。

切るためにミルの通過ラインを図面にします。


どんどん切っていきましょう。

フロントバッフルは大丈夫かな?

一番気になるのはフロントバッフルです。スピーカの落としこみが大丈夫かどうかが心配になります。
というのも、寸法にはすこし余裕を持たせているのですが、中華から買ったCNCの直角度がかなり甘めです。
X軸とY軸が完全に直交していなくて、極端にいえば四角に切っても、出来上がりは菱形になってしまいます。
ですから、丸に切ったつもりが出来上がりが楕円になってしまう・・・・これについては、一度CNCの組みつけを
修正しないといけないとは思っています。
 まあ、スピーカの組み立てなので多少直角が甘くても、隙間があけば接着剤を流し込めばなんとかなります(笑。

とりあえずバッフルが組みあがった時点で、スピーカを嵌めてみて、ネジ位置も含めて確認です。
結果としては、うまくはまってくれました。
 やっぱり、落とし込みがあると雰囲気がいいですね。と、自己満足です。


フロントバッフルの加工ができた時点で、ちゃんとスピーカがはまるか確認です。



きちんと納まりました。ちょっとツイータがきついかな(余裕0.2mmしかとってなかった)。


ツイータもウーハも約0.5mmだけ出っ張るように落とし込みをいれています。

一気に切り出し!

フロントバッフルも大丈夫なので、残りの部材もどんどん切り出していきます。
母材を固定するジグを新調したこともあり、板のセッティングが簡単になりどんどん切っていけます。

これですべての板材の切り出しが終わりました。


残材です。ちょっと歩留まり悪いです(汗。

貼り付け!

使った板材は5mmなので、2枚を貼り合わせて使います。貼り合わせの板のサイズは板厚分だけ異なるので、
位置あわせができるように穴をあけてダボがはいるようにしています。貼り合わせたら、すこし乾くまで
クランプで押さえつけておきます。

2枚張り合わせて、クランプで全部をまとめて加圧です。

バスレフポートは四角で・・・・・・

バスレフポートは最初は丸にしようかと思っていましたが、流石に切り出す量が半端でなくなるので、
ちょっと横着して板材で四角としました。断面は30×50mmで長さは100mmです。これで、共振周波数は
計算上は80Hz程度になるはずです。
 バスレフを四角にすることで、端材がうまくつかえたので資源の節約になりました(笑。


バスレフポートは四角にしました。

いよいよ組み立て! 2020.1.25

箱を構成する6面の準備がようやくできました。
あとは全体を接着して固定するだけです。


やっとここまできました。


固定のためのクランプがあまり数がないので、1個づつです。


ちょっと半乾きですが、エンクロージャの半完成品です。
結構しっかりとしていて、重量もあります。

ネットワークはシースルーで

ネットワークはスピーカの底面あたりに固定してもよかったのですが、
あとあといじる可能性もあるので、パーツが交換しやすいようにしました。
本当はネットワークはスピーカの外だしにしたほうがよかったのかもしれませんが、
自分の性格から考えると、一度くみつけたら二度と分解しないような気がします(笑。
だって、ものすごく面倒に思えてきそうなので・・・・。


ネットワークは基板端子の蓋にとりつけています。こうすれば交換も簡単ですが、
まずしないだろうな〜。


こんな風に、ネットワークが見えるようにしてみました。

我慢、我慢!

あとはスピーカの配線をして取り付ければ音だしができるのですが、ここは我慢です。
おそらく一回取り付けたら、塗装しないまま使ってしまうかもしれません。
塗装といっても、一回サンディングをしてスプレーニスを塗るだけなので、あと2〜3回の作業になるはずです。
そこまで、我慢しましょう。

塗装! 2020.1.26
サンディングの後は、塗装です。プライマーがなかったのでクリヤラッカーを塗って下地として、
最後にゴールデンオークのニスを2回スプレーしました。
 2時間ほどでスピーカが取り付けられるまで乾燥しましたが、まだ匂いがきついので、
晩御飯を食べるまで、このまま放置しておきましょう!

もうちょっと匂いが納まるまで、外で乾燥させましょう。

スピーカ取り付け&完成
晩御飯も終わり、最終組み立てにはりましょう。
ネットワークの配線をして、スピーカを取り付ければ完成です。


いい感じで仕上がりました。ちょっとエンクロージャ小さめだなあ〜。スピーカがはみ出そうです。



裏面は手抜きです。下地処理(クリアラッカー)だけで済ませています。

視聴!

 最大のクライマックスです! (ん?表現おかしいな。最大が二回もはいっている。単にクライマックスでいいんだ・・・)。
お気に入りの大黒麻摩季さんのCDをかけて音だしです。

で、鳴らしてみてびっくり!「え〜、すげー音!低音もバッチリじゃん!」
と、感動していたら、鳴っているのはサブでつかっているONKYOのD202AXでした(笑。
スピーカ切り替えを間違えたようです。
気を取り直して、このスピーカに切り替えです。そして、あたらめてCDを最初から鳴らします。
D202AXに比べると低音はすこし控えめですが、すごく明瞭な音がでてきます。
ちょっとクールな音調かな。というか、ツイータのレベルがちょっと高めのようです。
あとで、抵抗をいれてゲインあわせてをしたほうがいいようですが、このままでもまずは
問題ないかな。
 スピーカとエンクロージャのサイズから考えて、かなりいい感じになります。
まあ、この辺りが自作本人の自己満足ですが(笑。

ツイータのレベルの高さは抵抗を挟むよりは、イコライザで調整です。
こっちの方が楽チンです。


低域をすこし持ち上げ、高域をすこしダウンです。これでバッチリです。

そうこうしているうち、あっという間にCD1枚鳴らしていました。
こりゃ、音楽を聴く楽しみがまた増えました。

CNCの直角エラーも直ったことだし、また面白いユニットをみつけてスピーカ製作をしたくなりました。
でも、ちょっとスピーカはしばらく休憩かな。

まずは、当面はこのスピーカで楽しみましょう。

<失敗談>

今回はスピーカなどの取り付けにはM4のネジをつかいました。ナット側は本来は
MDFに食い込む爪付きナットか、埋め込む鬼目ナットをつかいたかったのですが、
数も要らないので、普通のナットをエポキシ接着材で固定してつかいました。

本来はこれらを使うべきだったのでしょう。

あくまで接着は仮固定と認識していたので、ネジを差し込むときはやさしくしていたのですが、
最後の1個のネジをとりつけるときに、気が焦ったのか、普通にネジを差し込んでしまって、
「ペキ」という音とともに、ナットが脱落!!!ああ〜。
 再度、ナットを固定するために手の入る大きな穴のウーハをとりはずすことに・・・。
で、今度はウーハを再度取り付けるときに、ウーハ側のナットが取れました(笑。
ネジを締めこんだときに、接着剤が割れたようです。
今度は、ネットワークのパネルを外して対応です。こちらも無事おわりました。
 危うく、同道めぐりになるところでした。

ナットの仮止め接着剤が取れると、面倒なことに・・・・

<その後>2020.1.27

視聴2日目。スピーカがなじんできたのか、耳がなじんできたのかわからないけど
いい感じで鳴るようになってきました。ここいらで、バスレフの共振周波数を簡易測定
(コーン紙を触って、一番振動が小さくなった周波数を探る)しました。

で、結果はf0=80Hz(実測)で、計算どおりでした。共振周波数においても、コーン紙は結構振動
しているので、バスレフの効果は少なめのようです。バスレフがよく効いたスピーカでは
バスレフポートの共振点では、ほとんどコーン紙の振動は止まっています。そして、そのときの
バスレフポートからは盛大な風圧を感じます。ただ、それ以下の周波数になると、急に低音
がでなくなります。

 で、このスピーカはバスレフポートの効きが弱目なためか共振周波数以下でも音がでて、
だいたい低音を感じる限界は50Hzくらいのようです。このサイズでここまで再生できれば
いいでしょう。

ちなみに、サブでつかっているONKYOのD202AXのポートサイズは直径50mm、長さ150mmで
共振周波数は実測では48Hzでした。容積が12.5Lなので、計算式にあてはめると
共振周波数は50Hzです。実測とほぼ合致しますね。ちなみに、D202AXもポートの効きは
弱めなので、最低再生周波数は35Hz(これはカタログ値)のようです。


(おしまい・・・かなあ?)