ちょっと Tea Time!? 重低音用SW追加を検討する、の巻き! 2023.9.29

安価な10cmフルレンジをつかったスピーカについては、書斎で使うつもりでしたが、しばらくはメインシステム側で
つかっています。というのも、すこしネットワークの追い込みを行っているというのもありますが、案外この小さいスピーカ
でも心地よい音がでるので、気に入ってしまいました。まあ、単に移設が面倒だったりする面が大きいです(笑。

直近ではこの10cmフルレンジをつかったスピーカでよく聞いています。

書斎のスピーカについては、ちょっと気分を変えて2WAYとサブウーハの組み合わせで鳴らしています。
なお、これらのスピーカの過去記事を探しておきました。とくにサブウーハについては、どういった内容で
作ったかをほとんど忘れているので、思い出すためでもあります。
 2WAYスピーカを作る”の巻き 2019.12
 ちょっとTea Time!? 10cmウーハを買ってみた。 2020.3.27
 
ちょっとTea Time!? 超気になるスピーカがある! 2021.7.16


書斎のスピーカを変更してみました。

このサブウーハの共振点は66Hzにあり、2WAYスピーカの低音を補強するのに役になっています。
これでとくに過不足はないのですが、このサブウーハでどこまで低音がでるかを試してみると、
35Hzくらいでも音は出ます。ただ66Hzに比べてかなり小さい音になってしまいます。
そりゃ、共振点からかなり離れてしまうので、仕方がありません。

ポートを長くすると

そこで、お遊び的に手元にあった紙筒(サランラップとアルミホイルの空芯)をポートに差し込んでみると、
35Hzの音が俄然でてくるようになることがわかりました。ポートが長くなって共振点が下がったわけですね。
その代わりに、66Hzあたりの音がかなり小さくなってしまいました。
ということは、新たに30Hz〜35Hzあたりに共振点をもつようなサブウーハを追加したら、
もっと重低音が補強されるような気がしてきました。現在のサブウーハとの干渉も抑えられるかもしれません。

ポートを追加挿入すると、35Hzくらいの音も大きくでてきました。
ただ66Hzあたりの音はかなり小さくなります。

ちょうどこのサブウーハについかっている10cmフルレンジも、ちょうど2個余っているので、
それらの活用として面白いかもしれません。ということで、まずは色々と調べてみることにしました。

まずはポート長と共振点の関係を調べてみましょう!

下記の3パターンで計測です

1)φ30X60mmL  共振点65Hz (オリジナル)
2)φ30X50mmL+φ25x50L  共振点52Hz 全長100mm
3)φ30X105mmL+φ25x50L  共振点46Hz 全長155mm



こうやって調べてみると全長155mmのポートでも共振点は46Hzまでしかさがりませんでした。
それでも効果ありそうなので、もうちょっと長いポート長でも実験したほうがいいかもです。
まあ、実際に組み立てて試してみてもいいかもしれません。


予定変更 2023.10.21

最初は重低音用のサブウーハを作成する予定でしたが、最近作ったダイソーのスピーカ
サブウーハを加えると、良い感じで鳴ってくれることもあり、そのスピーカ専用のサブウーハの
作成に変更です。
 ダイソースピーカーには既存のサブウーハでもいいのですが、デザイン的にあまり合わないので、
同じサイズ(前面だけですが)で作成しようかとおもいたちました。同じサイズで作成すれば、
並べておいてもいいですし、重ねてトールボーイ風にしてもいいかな〜という気がしています。


ダイソーの300円スピーカにサブウーハを加えると、良い感じで鳴ってくれます。

ただ、サイズが合わないのでデザイン的にちょっと難ありです。


サブウーハに使うスピーカは、だいぶ前にヤフオクで購入したKENWOODの10cmウーハユニットです。
一度使いましたが、その後に秋月に800円フルレンジを交換することになってしまったこともあり、
部品箱の肥やしになっていたのですが、再度日の目を浴びることになりました。


ヤフオクで購入したKENWOODの10cmウーハがあるので、これを使いましょう。

図面作成&MD加工!

 この手の形状のスピーカは最近ではいくつか作ったこともあり、CAD図面の作成もだいぶスピーディにできました。
夕ご飯ができるまえに、図面を書いてMDFの加工にかかりましょう。

CADで図面を作成。100均のMDFで作成できる寸法におさめます。


材料の切り出しも終わりました。手慣れてきたこともあり、結構短時間でできました。

折角なので

ウーハのフランジもバッフルから見えないようにするために落とし込み用の座繰りを設けました。
フランジの厚さが3mm強あったので4mm弱の座繰りです。ただ、MDFの厚みが8mmしかないので、
4mm弱も座繰りをいれるとスピーカをネジ止めもできなくなるので、裏側には補強材を付けることにしました。
こういった形状の座繰りなんかもCNCがあると、とても便利です。


ウーハのフランジにあわせて座繰りもしています。



すこし大き目の座繰りにしたので、すっぽりとウーハユニットが収まりました。



8mm厚MDFで4mmの座繰りではネジ止もできなくなるので、補強板をとりつけています。

さてさて、週末の間に音出しまでできるかな?

作業続行 2023.10.22

各板は出来たので、本日はいよいよ組み立てです。
今回は養生テープでの固定ではなく、Fクランプを使いました。
単に養生テープの残りがすくなかっただけなのですが。

まあ、あらためてFクランプの方がしっかりいとは固定できます。
ただ、あまり力を加えすぎると、力点位置が悪いとMDFがたわんでしまいます。
ということもあり、Fクランの締め付けはゆるめにしています。


展開図です。側面には補強板を貼り付けました。


前面は突板付MDFとMDFを2枚合わせています。


今回は養生テープではなく、Fクランプで固定です。

バスレフポート調整

適当にボンドが乾いたところで、バスレフポートの調整です。
そのためにはスピーカを取りつけておきます。今回のスピーカは側面に取りつきます。

結構、補強材との隙間が狭かったです。

バスレフポートは最初は120mm長さから初めて、段々短くして共振周波数を測定です。

ポートを短く切りながらポートの共振周波数を測定します。

ポート径はもうちょっと大きい方がいいかな?

ポート内径はφ23mmですが、インピーダンス測定結果は下図のようになりました。
ポート長を40mmまで短くして共振点はようやく58Hzです。今回の狙いはダイソースピーカの
重低音強化でもあるので55〜60Hzあたりに共振点をもってこようとおもっています。
というのも、現在の状態でも70〜80Hz程度までは再生できるので、その下を強化するためです.。
かといって共振点を40Hzあたりまで欲張ると、全然音が出そうにないので我慢です。
ポート長を120mmあたりにすれば、共振点は40Hzあたりに来てそうなのですが、
たぶんポートの効率は滅茶苦茶悪いはずです。

ポート長を変化させた場合の共振点を、インピーダンス特性から調査します。


共振点を詳しくみるために、すこしグラフの横軸を拡大です。


ちなみに、ポートなし(バッフル穴のみ)だけだと、こんな感じになります。それでも共振点は70Hz程度と
結構低いです。


今回の測定結果で、共振周波数を55〜60Hzあたりにもってこようとすると、ポート長は40〜50mm程度になりそうですが、
ポート長自体は最大で140mmあたりまで伸ばすことができますから、もうちょっとポート径が大きくても良さそうです。
その方が、低音の発生効率が高くなりますからね。
まあ、効率の面もありますが、ダイソーのスピーカと並べたときに、サブウーハの方のバスレフポートが小さいのは
すこし違和感があります。せめて、同じか、それより大きくしたいところです。


サブウーハの方がポートが小さいのは違和感があるなあ〜。

ポートを大きくするためには、なにかポートを探してくる必要があります。
アルミフォイルの芯(内径32mm程度)がちょうどいいけど、まだフォイルがだいぶ残っているからなあ〜。

この際、紙を巻いて作るかな?

いづれにしても休日の間には音出しができませんでした。

夜な夜な 2023.10.23

ポート径35mmはいけるかな?
早く寝ないといけないなあ〜と思いつつも、作業続行です。
紙を巻いて筒をつくるなら、結構制約はなさそうです。適当な芯になるものがあればいいので、
家の中を物色です。そしたら、細めの虫よけスプレーの缶が目につきました。
外径は35mmです。ちょっと、大きいかもしれませんが、これで紙筒をつくりましょう。
材料の紙は厚手のものがいいので、これでも物色するとカレンダーの紙や良さそうです。
すでに10月ですので1〜9月の分があまっています。色々と書き込みがありますが、
気にしません(笑。
 で、.まずは虫よけスプレー缶をつかって紙筒を作成です。一応、接着は糊をつかっています。


虫よけスプレーの缶の直径がφ35mmなので、これで紙筒をつくってみましょう。

筒ができましたが、この径でいいのかが心配です。
そこで試しに、バッフルに両面テープで接着してテストです。
ポート長さが135mmと長い状態で、十分に低い共振周波数(50Hz以下)になれば、この径を採用です。
で、実験結果は共振周波数は70Hzとかなり高いです。

共振周波数を低くするには、ポートを伸ばす必要がありますが、これ以上はほぼ無理です。
ポート径が大きすぎたようです。あるいは、両面テープでの固定があまくて、エア漏れがあるのかもしれません。
しかし、リスクを考えるとエア漏れを原因と考えるのは怖いです。やっぱりもうっちょと小さいポート径にしましょう。

φ35mmが大きすぎないか確認のため、両面テープで固定して仮測定です。


φ35mmのポートだと135mm長でも、共振周波数は70Hzまで高いです。これ以上ポート長を伸ばせないので、
この径ではだめなようです。ひょっとしてポート径ではなく、接合部の漏れが原因かな?


ポート径は30mmかな?

もうすこし径の小さいポートをつくりたいのだけど、なかなか適当な芯になる缶などの円筒物が見つかりません。
そうした中で、1本の綿棒をみつけました。直径は25mmで、このままでは小さいのですが、なにか紙を巻きつければ
よさそうです.。そこで、適当なポスターを巻きつけて外径を30mmまで大きくしてつかうことにしました。

φ25mmの綿棒にポスターを巻きつけてφ30mmに拡大させたものを芯にしましょう。


内径30mmの紙筒ができました(外径は32mm)。糊が乾燥すると、結構な固さになります。

ポートをバッフルに仮接続するにも、空気漏れを抑える必要がありますから、
もうポートはこれに決定してバッフルの穴も変更することにしました。
ここで失敗があっても、再度バッフルを作りなおせばすむだけです(←と言い聞かせて
また穴の拡張の他に、空気漏れを抑えるためにも、補助リングを作成です。


バスレフ穴を拡張です。右がいままでの穴で、左が加工しなおした穴です。また


空気漏れができるだけないように、補助リングも作っておきました。

内径30mmでの測定結果は?

紙筒は2本しか作っていないので、スタート時は140mmとして、徐々にみじかくして共振点を合わせることにします。
最初の140mmのときには、ほとんんど共振ピークが見えませんでしたが、50Hzあたりに盛り上がりがあるようなので、
この内径で良さそうです。
 そして、徐々に短く切断しながら共振点を測定していきました。短くなると段々共振ピークが見えてきて、
また同時に共振周波数が高くなってきます。ポートの長さを短くしてもなかなか共振点の変化が小さいですが、
ポート長を80mmまで短くしたらなんとか目標の55Hzに届いたので、ここれ打切りとしました。


ポートを短く切っては測定し、切っては測定していって目標の共振周波数を狙います。


ポートを80mmまで短くしてようやく共振周波数が55Hzまで上がりました。もうここで止めておきます。

55Hzで良しとした理由は、あとで吸音材を入れるつもりだからです。吸音材を入れると体積が減るので、
自動的に共振点が上昇するはずです。で、一応、ためしにポート長80mmで吸音材を入れてみましたが、
ちょっと予想と反して明確なポート共振が見えなくなってしまいました。雰囲気的に共振点がすこし上がった
ようにも見えますが、やはりポート効率を考えると吸音材はない方がよさそうです。

試しに吸音材を入れたら、共振ピークが立たなくなりました。吸音材無しでいきましょう。

全体を接着しよう!

色々とまだまだ調べてみたいことはありますが、早く音が聴きたい衝動に駆られてしまって、
もう最終作業に突入です。まずはポートをバッフルに接着です。もうこれで引き返せません。
ポートを接着したら、あとはバッフルを本体に接着するだけです。

ポートを固定です。これで、もう変更不可です。


あとは仕上げ!

エンクロージャが組みあがったら、あとはサンディングと塗装だけです。
すでに、夜は更けていますがさほど音も出ないこともあり、作業続行です。
サンディングの粉が箱の中に入らないように養生したあと、軽く紙やすりをかけます。
角部のMDFの出っ張りを削り落とすだけなので、簡単です。
その後はラッカースプレーを3缶ほどつかって塗装です。
乾燥には数時間かかりますが、このまま野外に放置して翌日、スピーカをとりつけましょう。
今晩は雨も降らないので大丈夫でしょう。一晩立てばすっかり乾燥して、臭いもしないでしょう。

サンディングの粉が入らないように養生しておきます。


サンディング完了です。もう夜も更けてきました。


塗装完了です。翌日までこのまま乾かしましょう。

完成! 202310.24

やはり一日中外の吹きさらしにおいておいたら乾燥が早いです。
室内に持ち込んでもほとんど有機溶剤の臭いがしません。

あとは、スピーカを取りつけるだけで完成です。


サブウーハが完成です。



ポートの中に”8”の字が見えます。ちょうど8月のカレンダー用紙ですね。

試聴結果はこちらで

ダイソーのスピーカと組み合わせて試聴しました。
詳しくはこちらです(ページの最後のほうです)。

まとめ
 10cmのウーハユニットをつかってサブウーハを作成しました。
当初の予定からすこし変更して、ダイソースピーカ向けの用途になってしまいました。
ポートの設計は初回ではなかなか決まりませんでした。
まだまだ修行が必要なようです。

(おしまい)