ちょっとTea Time!? 10cmウーハを買ってみた。 2020.3.27
5cmのフルレンジ用につくったサブウーハが、やはりスピーカが小さい(8cm)ためか、十分な音量で鳴らすことができません。
そのため、サブウーハを再度製作しようかと考えていて、スピーカユニットをネットで探していましたが、10cmクラスでも
新品は結構値段がします。といっても3000円もだせばあるのですが、どうせお遊びでつくるのだから、あまりコストはかけたく
ないので、久しぶりにヤフオフを眺めてみました。
そうしたら、送料込みで即決1288円の出物があったので、思わず購入してしまいました。まあ、送料も含まれているので、
1個あたり600円ちょっとなので、まあ安かったと思えばいいでしょう。
こんなスピーカを買ってみました。
スピーカの裏面にはメーカと型番が書いてありました。そこから、どこに用いられていたかを調べると
LS-SH3-Hというミニコンに使われていた2WAY用のウーハの様子です。
型番はT10-0949-05というものです。
ミニコンに使われていたようです。
f0はどうだろう?
スピーカ単体を発振器で鳴らしてみると、かなり高音まで再生します。10kHzでも十分な音量がでるので、フルレンジとしても
つかえそうな感じです。でも、つかう用途はウーハなので、どの程度のf0かを測定してみることに。
測定の方法はかなり無理やりで、ゲインフェーズアナライザに直接つなぎました。負荷が小さいので、出力のOPアンプは
かなりオーバロード気味だったかもです。
ゲインフェーズアナライザには出力抵抗が51Ωあるので、得られたゲイン(dB)をリニアに変換した後に、
下記の式でインピーダンスZに変換です。
Z=51×Gain/(1-Gain)
こういう形で簡易測定です。
測定結果は下図のようになりました。測定範囲は10Hz〜100kHzで測定しています。
およそ100Hzくらいにf0がありそうです。もうすこし細かくみると、どうやらf0は90Hz前後のようです。
FOSTEXの8cmのウーハPW80Kのf0が130Hzなので、こんなものかな?
スピーカのインピーダンスの全体の曲線です。
f0はおよそ90Hzにあることがわかりました。
位相特性は面白い
折角なので、位相特性もみてみました。スピーカってこんな特性になるんだ〜と初めて知りました。
考えたら、スピーカのボイスコイルは基本はコイルですが、マグネットの中で動くわけなので起電力も
発生するし、さらに周波数の高いところではコイルの線間容量もあるのでコンデンサ成分も発生する
ので、単純な曲線にはならないわけですよね。
スピーカの位相特性ってこんな形になるんだ〜。
ついでにSCANSPEAKも測定
手元にある裸のスピーカとして、固着から修理したSCANSPEAKの18W8545もあるので、
ついでにこちらもf0も測定してみました。メーカカタログでは28Hzですが、実測は36Hzでした。
修理の影響があるのかな?
SCANSPEAK 18W8545も測定してみました。
SCANSPEAK 18W8545のユニット単体でのインピーダンス特性です。
SCANSPEAK 18W8545の実測f0は36Hzでした。
こちらは位相特性。
さて、どんな形のスピーカにしようかな〜
オーソドックスな形のサブウウーハにしましょう。
あまりややこしい形状にすると、切り出しの板の図面を一杯かかないといけないので、
横着して上下対象となるように作りました。
上下を個別にくみたてて、結合すれば出来上がりとなるはずです。
下側半分だけ設計です。
板切り出し・・・・省略
CNCのモータセッティングをすこし見直して、ステップモータの加速度を上げました。
そうすることで、1600mm/minの切削速度でも、四角のコーナが直角になるようになりました。
いままでは800m/minで加工していたので、倍の速度で切れるので、割と短時間で板の切り出しができました。
板の切り出しが終わったら、早速組み立てです。
予定通り、上下別にくみたてておきます。
上下別に組み立てて、あとで結合させます。
組み立てたらこんな感じになります。単なる箱に見えます。
バスレフポートは
身近な材料としてアルミホイルの紙筒を使いました。内径30mmで外径32mmです。
でも、まだアルミが残っているので、もったいないので使い切ってからにしましょう。
ということで、いつもはラップフィルムをつかうところを、訳もなくアルミホイルをつかいます。
おかげで、家族からは「なんで?」と、疑問のまなざしが・・・・。
バスレフポートはこの紙筒を用います。
最終l組み立て!
さて、アルミホイルも使い切ったので、紙筒をつかってバスレフポートをとりつけます。
あわせて、スピーカも取り付けました。
バスレフポートは最初は10cmに設定です。共振周波数は80Hzくらいになるはずです。
この2つを張り合わせたら、サブウーハの完成になりますが・・・・
一応、事前に試聴しておきましょう・・・
箱を貼り合わせる前に、一応試聴しておきましょう。
いままでつかっているサブウウーハの結線を入れ替えて試聴です。
ん〜低音の量感が足りない・・・・・
低音はでているのですが、音圧が低いです。スピーカの能率もあるだろうけど、
なんとなく物足りない。ローエンドは、より伸びている感じがあるのですが、
量感がないと、サブウーハとしてはだめかな〜。
どうやら、もうすこしポート長の調整が必要なようです。
とりあえず試聴・・・低音が足りない・・・。
ポートを短くしてみよう!
現状のポートは10cmにしていますが、量感をだすためにもう少し共振周波数を高くしたほうがいいでしょう。
このあたりから、すこし測定しながら調整することにしました。
バスレフポートを短くしたときの、スピーカのf0を測定です。これで、共振周波数を探りあてることにしましょう。
現状の10cmのポートを6cm、4cmにしたときの測定結果は下図のようになりました。
結果としては4cmに切りつめて、ようやく共振周波数が80Hzくらいなりました。このくらいでいいかな?
でもポート長4cmってかなり短いな〜。簡易式との計算とあまり合いません。
ポート長を変更した場合はスピーカのインピーダンス特性。
ポート長を変更した場合はスピーカのインピーダンス特性(その2)
とりあえず、再試聴・・・・
ポートを4cmにきりつめた状態で、再度試聴してみました。
たしかに低音の量感は増しましたが、従来のサブウーハとあまり変らないような・・・・・
もっと、劇的に低音の量感が増すと思ったんだけど・・・・ちょっと期待はずれです。
ひょっとして、箱の容積に対してスピーカが大きすぎるのかな?ひょっとして2個じゃなくて、
スピーカ1個にしたほうがいいのかな?
ん〜、まだまだ手を加える必要がありそうです。
とりあえず・・・・
接着結合はもっと調整をしてからすることにしましょう。まずはテープで仮固定です。
これで、一度5cmのフルレンジとで3Dで試聴して課題を抽出していきましょう!
接着結合はもう少し調整してからにしましょう。
マスキングテープで仮固定です。
音特を測ってみましょう
インピーダンスを測定したのはいいけれど、実際の音特を測定してみましょう。ポート長を変えて測定です。
低域での伸びを得るために、ポート長を長くすると確かに低域は延びますが全体のレベルが下がります。
量感を得ようとしてポート長を短くすると低域の伸びがえられません。
どこに最適値を得るかは難しいところですが、ここでは6cmに設定することにしましょう。
この辺はもう適当、勘です(笑。
ポート長による音特(その1)
ポート長による音特(その2) 6cmくらいがいいかな〜???
ポート長を4cmまで短くしていたので、現在のポート2cm継ぎだしました。紙にボンドを塗って貼り付けます。
ポート長を6cmに設定することにしました。
ちなみに、ポートがない状態でのスピーカ単体での測定結果は下図のようになりました。
小容量の密閉なので低域は期待できませんが、割と高域まてフラットな特性がでるスピーカのようです。
ほとんどフルレンジですね。
試聴してみましょう!
3D構成にてどんな音になるか試聴してみましょう。
聞きながら色々と設定してましたが、5cmフルレンジの低域をカットしたほうがスッキリとした音になりそうな感じです。
3D構成での試聴です。
設定条件です。CH1がサブウーハの設定で、CH2が5cmフルレンジです。
このときの測定結果です。ちょっと200Hzあたりのピークが気になります。もうすこし、サブウーハのカットオフを低めにしたほうがいいかも。
低域はそこそこ延びています。平均値の正負5dBの範囲とすれば45Hzくらいまでは再生できているでしょう。
試聴結果です
5cmフルレンジのみです(フィルターはカットしています)
→ 再生結果
5cmフルレンジ+サブウーハです
→ 再生結果
やはりサブウーハがあるとなしではかなり違いますね。
でも、5cmのフルレンジとサブウーハの組み合わせだと、どうしても中域の音の厚みが
薄いような気がします。あとはイコライザーで調整かなあ〜。
まだまだ調整が必要な感じがしますが、もう面倒になってきたので
接着してやりました。これで、もう手出しはできません(笑
(おしまい)