ちょっとTea Time!? やっぱりサブウーハを追加してみよう。 2020.3.16
5cmのフルレンジでバスレフを作ってみたものの、やはり低音がさびしい。
なんとか低音を増強できないかと、残りの秋月の500円スピーカでサブウーハを作ってみることに。
でも、このユニットのf0が180Hzと、とても高くて成功する確率はかなり低そうです。
まあ、何事もトライです。
秋月の500円スピーカです。f0が高いので低音でるかな〜。
形状は、5cmフルレンジの箱と同じく高さは125mmで揃えます。並べておいたときに高さが揃っていた方が
気持ちいいですからね。エンクロージャの形式は密閉型で前面に共鳴室を設けて、ポートで低音を出す方式です。
なんて名前だったけ?
箱が小さいので、密閉部の容量は750cc程度しかありません。バイクだったら750ccあれば爆走できますが、
8cmとはいえ、スピーカの場合だと本当はもうちょっと大きな容量がほしいところです。
まずはエンクロージャの図面を描いてみました。
板材を一気に切り出し
いつものCNCをつかってダイソーの6mmMDFを切り出していきます。
今回は、400×300の板材を6枚つかいました。
一気に切り出しです。
組み立てはとくに面倒なところはないのですが、スピーカには結構パワーが入るかもしれないので、
密閉度を上げるために、スピーカの取り付けは接着剤も併用しました。まあ、このスピーカは再利用
することもないでしょう。
気密性をあげるために、ゴム用ボンドもつかってパッキン代わりにしています。
仮組みの様子です。左下に小さく見える穴がポート穴です。
ポート長を検討しよう
ポートは石油ポンプの軸の部分を流用です。色々な長さに切っておいて、
ポート長での特性変化を確認しておきたいと思います。
用意したポートです。
ポートを入れ替えて、周波数特性の測定です。ポートとマイクの距離は近めの20cmです。
もともと、使うとすればディスクトップになるでしょうから、近い距離の測定の方が聴感にあうでしょう。
ポートとマイクの距離は20cm程度で測定です。
測定結果は・・・・
ポートが長くなると、より再生できる低域が伸びます。その代わりに全体のレベルが落ちてきます。
これは、物理的に納得できますが、もっとポートの共振点が明確にでるかな〜とおもいましたが、
どこがピークかよくわからないです。やっぱりf0の高いスピーカだと難しいのかなあ〜。
ポート長を変えたときの周波数特性です。ポート長が長くなると低域再生が延びますが、全体のレベルが低下します。
レベルの低いのはアンプでカバーするとしても、あまり5cmフルレンジとレベル差がありすぎるのも問題があります。
この8cmのスピーカに大電流を入れたらコイルが切れてしまいそうです。
ということで、グラフをしばらく眺めて4cmくらいがいいかな〜とおもいましたが、ちょっと欲張って5cmにすることにしました。
60Hzくらいまでは再生できるかな〜との期待です。まあ、失敗したら失敗したときです。
どの長さにするか迷いますが、5cmにしてみました。
ポート長が決まれば、ポートを所定の長さに切って接着剤で取り付けて、あとはエンクロージャの蓋を接着するだけです。
いよいよ全体での特性をみてみましょう!
さて、今回作ったサブウーハと5cmフルレンジを組み合わせて、全体の特性をまずは測定してみましょう。
まずは5cmフルレンジとサブウーハの組み合わせでの測定です。
色々と条件を変更して、まずはこの値が良さそうです。
5cmフルレンジ(CH2)はスルーで動かします。そして、サブウーハより-20dBの設定です(無茶苦茶低いです)。
反対に言えば、サブウーハは5chフルレンジよりプラス20dBの入力が入ることになります。可哀想かも・・・・・
まずはこの設定です。CH1がサブウーハ、CH2が5cmフルレンジです。
サブウーハのレベルを0〜-20dBで変えてみて測定したのが下図です。-20dBというのは5cmフルレンジと同じ入力ということになります。
この図からは200Hz以下でサブウーハの効果が良くでているのがわかります。これだけみればサブウーハの設定を0dBにすれば、
60Hzくらいまでは出ていそうな感じです。
全体の周波数特性です。なぜかドンシャリです。
さて試聴してみましょう!ん〜いまいちかな。
サブウーハのレベルを変えて試聴してみました。
結論からいうと、レベルを変えると低音の伸びが変るのは体感できるのだけれど、
やっぱり絶対的な低音が弱いです。サブウーハの効果があまりでてないような気がします。
このトライは失敗気味かな〜。やっぱり、もっとちゃんとしたユニットを使わないとだめなのかなあ〜。
一応、記録のために録音は残しておきます(途中、ぽこぽこと変な音が入りますが、気にしないで・・・)。
@ 再生音(サブウーハレベル-20dB)
A 再生音(サブウーハレベル-10dB)
B 再生音(サブウーハレベル-0dB)
このような形でマイクで録音しながら試聴してみました。結果はいまいちです。
(おしまい)
失敗談1
板を切り出しているときに、CNCが暴走し、制御盤のヒューズが飛んで、エンドミルが1本折れた。
原因はどうやらプリンターポートの接触不良と推定。ステッピングモータの移動方向の制御信号が
うまくつたわっていなくて、ステージが一方向に暴走し、モータに過負荷がかかった様子。
もう〜中華製のコネクタっていい加減なんだから(怒!!
失敗談2
2WAYアンプから白煙があがる・・・。これは私のミス。DC19VのDCジャックを誤って5V電源出力のコネクタに
挿してしまった。5V電源入力の3つの基板に19Vの電源が一気にかかりました。最悪すべての基板が逝ってしまった
かと思いましたが、焼損したのはLCD(それもバックライトのLED)だけで、不幸中の幸い。予備もあったのですぐに復旧です。
基板上の素子はすべて3.3V動作なので、一旦電圧レギュレータで降圧しているので、レギュレータに19Vが作用しただけで
最悪の難は逃れました。3枚の基板のICが壊れたら、しばらく立ち直れません・・・・。
再録音!
一旦は録音してみて、効果があまりないと考えましたが、その後にヘッドホンでじっくり聞いてみると、
サブウーハのからの出力が不連続に切れます。どうやら、配線自体がまずかったのか設定が不味かったのか、
すこし不備があったようです。ということで、再度セッティングして録音してみました。
再度セッティングして再録音です。
やっぱり効果あり!
再録音してみましたが、やはりサブウーハの効果はバッチリです。
サブウーハなしの場合再生
サブウーハ有りの場合の再生
録音した位置ではかなりサブウーハがブーミに鳴っていますが、リスニング位置(椅子に座った状態)では
ほどよい低音が聞こえます。
でも、課題は大きい・・・
サブウーハの追加で低音が増強できることは確認できましたが、色々と課題があります。
・あまり大きな音が出せない
5cmフルレンジということもあり、大きな音は出せないのですが、それ以上にサブウーハ側が厳しいです。
というのも、5cmフルレンジのレベルはサブウーハに比べて-20dBに設定しています。反対に言えば、サブウーハは
+20dBで鳴っているわけですが、+20dBは電圧の値なので、電力に換算すると100倍沢山入っていることになります。
5cmフルレンジが0.1Wの入力であってもサブウーハは10Wの電力が入っています。これはサブウーハの許容入力限界
で、ビビリ音も聞こえてきます。あまり、大きな音では鳴らすことができません。
・箱鳴りが大きい
これは前述と同じですが、サブウーハのスピーカには大入力がはいりますので箱鳴りがかなり生じます。使用した6mmのMDFでは
箱がガンガンなります。こんな小さいサブウーハでももっと厚めの板を使う必要があります。そうなると、もっと大きくなっちゃいます。
・結局大きくなる
サブウーハを追加すると、箱の大きさは結局125×200×150mmくらいになります。このサイズがあれば10cmクラスの2WAYが
組めないわけではありません。そちらの方がパワーは入るだろうし、音のバランスがいいかもです。
結論
8cmのフルレンジ、それもf0の高いスピーカをつかってサブウーハを作ってみました。
低音に効果はあることは確認できましたが、やはり効率が悪いためか大入力が必要であまり大きな音を出すことはできません
(スピーカが耐えられない)。
5cmのフルレンジと組み合わせることで、PC用のスピーカとしては十二分かもしれませんが、音楽鑑賞にはすこし厳しい感じです。
やはりHiFi再生にはそれなりのサイズのスピーカが必要ということですね。
週末のTea Timeでした!?
(おしまい)