ちょっとTea Time!? 中毒か?(もっと安いスピーカで遊んでみる) 2023.10.5

先日は安価なスピーカユニットをつかって自作しましたが、これが案外いい音がします。
で、スピーカ自作って面白いもので、1個つくるとまたなにか作りたくなってしまいます。

これって中毒では?

と思ってしまいそうです。それだけ自作の魅力があるということでしょう。
ただ、作ってみるということが主な目的でもあるので、また作るにしても
できるだけ安いユニットを選んでみようかと思います。

100円スピーカは?

安価ということで秋月電子のHPで探してみます。すると57mm口径の100円スピーカがありました。
昔にあったラジオの製作キットについてきそうなスピーカです。

100円スピーカです。


雰囲気的にはラジオのキットに付属していそうなスピーカです。いわゆるコーン紙とエッジが一体になっています。

ただ、定格入力が0.25Wとかなり小さいです。さすがにオーディオで使うには入力に余裕がないかな?
でも、そんなに大きな音で聞くわけではないので案外いいかもです。

そういえば、同じようなスピーカが手持ちであることを思い出しました。以前に玄関のドアホンの修理用に購入した予備です。
ドアホンなんかはスピーカはマイクと兼用していますが、どうして外気に触れる箇所でもあるので、経年劣化でコーン紙が破れて
また配線も腐食していました。ということで、同じ口径のスピーカを交換したわけですが、そのあまりです。

 
以前にドアホンの修理で購入したスピーカの予備がありました。

折角なので、どんなインピーダンス特性をしているか測定です。
結果は下図のようになりましたが、内磁型の磁極って案外と磁束密度が強力なのか、
F0かかなり高く立っているようです。
それにしてもF0の周波数がかなり高そうです(500Hz程度?)。そうなると、低音を出すのはかなり苦労しそうです。

D57IDのインピーダンス特性です。F0で高くインピーダンスが立っています。それにしてもF0の値が高いなあ〜。


F0を調べるとどうやら470〜480Hzあたりにありそうです。口径の割りに、かなり高いなあ〜。

F0が高いこともあり、もうすこし別のスピーカを探したほうが良さそうです。

150円スピーカ―があるぞ!

そういえば、ちょっと前に流行ったような気がしますが、DAISOの300円スピーカが結構いい音がするとのことで、
箱を入れ替えたWEB記事が沢山でました。 このスピーカはマグネットも結構大きくていい感じのものです。
箱をバスレフ型にしたり、バックロードホーンにすることでかなり低音がでることが報告されています。
 名前自体は300円スピーカといわれていますが、これは2個の値段であるので1個あたりにすると150円です。
これは、ちょっと遊ぶにはもってこいです。
 ということで、DAISOに寄ったときに4箱ほど購入です。

DAISOの300円スピーカを買ってきました。

すこし調べてみる

中身をみてみると、スピーカの箱自体は密閉型のようですが、裏面をみると小さい穴ががあります。
それも結構深いです。これって何を目的にしているのかな?ひょっとしてバスレフポートなんだろうか?


なにやら空気抜きの穴があります。これってバスレフポートなんだろうか?

ということで、まずはインピーダンス特性を測定してみました。測定は3パターンです。

 単体Z: スピーカを取り出して単体での測定です。
 箱有Z: オリジナルの箱にはいった状態での測定です。
 箱有(閉ポート): スピーカ背面の穴を養生テープで塞いでやりました。


3パターンでのインピーダンス測定結果です。


共振点付近を拡大です。バスレフポート(?)の共振点は約150Hzになっていますから、本当にバスレフ型なのかもしれません。

測定結果をみてみると、まず単体の場合はF0のあたりでのインピーダンスの立ちが鋭いです。かなりマグネットが強力な証拠でしょう。
なお単体でのF0は190〜200Hzあたりです。
次にオリジナル状態での箱有での特性をみていると、F0(350Hzあたりに移動)でのインピーダンスがグッと小さくなりました。
これは箱が小さくてスピーカにかなり負荷がかかっているようです。それと、150Hzあたりにポートの共振点らしきものが見えます。
150Hzあたりですから、案外低音の増強を測ったポートなのかもしれません。
そして最後にポートを塞いでみると(箱有閉ポート)、共振点がすこし下がり300Hzくらいになり.ポート自体の共振は消えました。

ポートは風切り音がうざい!
このポートは低音の増強に役に立ちそうなのです。実際、60Hzあたりで鳴らしてやるとポートからの風圧を強く感じますが、
同時に風切り音がウザくて、余計な音が色々とでてきます。オリジナルの箱で使う場合にも、このポートは塞いでおいた方が
いいかもしれません。

さて、どんなスピーカをつくろうか!

まずは低音重視とします。オーディオスピーカにとっては低音は最重要課題だと思っています。
そのため、4個スピーカをつかった2WAYにしようかと考え中です。1つを中音〜高音、そして3つを低音に振り当てます。

ただ、気になるのが中高音部と低音部のつながりです。

 このスピーカを普通につかった場合の再生限界が200Hzあたりだとすると、低音部は200Hzまでカバーしなければなりません。
しかし、バンドバス型をつかうとしてポート共振を70Hzあたりとったりすると、200Hzまでカバーできるだろうか?
という心配がでてきます。
 そのため、3WAYにして1つは中音と高音部(>200Hz)、1つをバスレフでつかって低音の高めの部分(200Hz〜120Hz)、
そしてのこりの2つを低音部(120Hz以下)という形です。

実際には、このスピーカを普通につかった場合の下限ってどんなものんだろう?
たぶん、測定した人もいそうな感じではあるので、すこしネットをくぐってみました。

するとありました。 ある程度大きな箱になりますが、バスレフにすることで
100Hzくらまでは伸びそうな感じです。ということで2WAYでいけそうです。


引用: ★ 1000ZXL子のオーディオ画像掲示板 ★ (ezbbs.net)


まずはスピーカの取り出し

必要な分をばらします。残りのアンプなどはすべて廃棄です。惜しいような気もしますが、
だぶん使わないでしょうから、肥やしにならないようにしましょう.。
スピーカを取り出したら、全数を低周波の正弦波をいれて音チェックです。
なんか、微妙に個々で違うようなきもするのですが、特段異音がしなければOKとしました。


スピーカを取り出して、念のための動作確認もおこないました。

さて、具体的な設計にはいっていきましょう。

MDFは5mm厚のものを使用 2023.10.7

8mm厚(300x300mm)のMDFが100均にまだないこともあり、5mm厚(300x450mm)のものを使うことにしました。
このサイズであればステレオでつくっても5枚あれば足りるかもしれません。
5mm厚のMDFだとちょっと薄いかなあ〜という気もしますが、内側に端材などを接着して補強しておきましょう。

サイズ的には90mm幅x280mm高さx165mm奥になりそうです。
実質の内容積は、各空間とも1.1L程度になるでしょう。


こんな形にしてみようかと思います

材料集め!

MDFについてはストックがありそうです(CNC加工時の下板でつかっている)
バスレフポートについては、小さいほうは灯油ポンプの筒をつかいます。これも100均一で購入です。
なぜこれが部屋にあるかといえば、フレキの部分はCNCの掃除ホースの消耗品としてつかっています。

この部分を小さいほうのバスレフポート(小)につかいます。


フレキの部分はCNCの集塵ホースとしてつかっています。アルミを削ると
切削油でホース内部が詰まるのでほぼ消耗品になっています。


バスレフポート(大)についてはアルミフォイルあるいはサランラップのどちらかの
芯をつかいましょう。先に無くなった方になりますが、アルミフォイルの方が早いかな。

展開図作成 2023.10.7

CNCの動作に必要な各板の展開図を作成です。


作業開始! 2023.10.12

MDFは100均のものを使いますが、フロントバッフルは綺麗に仕上がるように突板仕様のMDFをつかうことしました。
サイズが小さいのですこし割高ですが、1枚だけなので奮発しました←大袈裟!.

メインはこのMDFを使います.サイズは450X300x5です。


フロントバッフルは綺麗に仕上げたいので、突板MDFをつかいます。サイズは300x200x5です。

MDFをCNCのテーブルに搭載できるようにカットしておきます。
あとは1枚つづ加工です。CNCの切削速度をいままでは800mm/min程度で行っていましたが、
1200mm/minまで上げたので、結構短時間で加工が済みました。


まずはCNCのテーブルに乗せられるサイズにカットです。


CNCでの加工が終わりました。

スピーカは事前に取り付け

フロントバッフルのスピーカはネジが見えると恰好悪いので、接着剤(ゴム系G17)で固定です。
接着剤をつかうことで密閉度も上がります。内蔵するスピーカはネジ留めですが、
こちらも密閉度を確保するため接着剤を塗布したのち固定しました。

フロントバッフルのスピーカは接着剤で固定です。


内蔵するスピーカはネジで固定です。パッキンのために接着剤も塗布しています。

愚考中

スピーカの固定が終わったところで、全体の箱をどの順番で組み立てようか愚考中です。
木工用ボンドも結構乾きが早いので、もたもたしていると固まってしまいます。
素早く、組み立てるための順番について頭の体操です。
ボケ防止にいいかもしれないなあ〜(笑。

どの順番で組み立てようか?

組み立てにかかりましょう!

組み立て順番も決まったことなので、最終的な組み立てです。
まず、最初はスピーカの配線からです。内蔵スピーカについては
ここで配線しておいて、念のため動作確認をしておきます。
しかし、4Ωのスピーカを3つ並列なのでインピーダンスは1.3Ω程度です。
アンプにとってはきついだろうなあ〜。


まずはスピーカの配線を済ませておきます。3個のスピーカは並列動作です。

接着開始! 2023.10.13

ここからは時間勝負です。木工用ボンドをつけて、各板を張り合わせていきます。
溝があるので位置合わせに気をつかう必要はないので、この点は便利です。
結合したら、しばらくは養生テープで仮固定です。

フロントバッフル以外を接着固定です。

バスレフポートを調整しましょう!

箱の仮固定ができたので、次はバスレフポート長の調整です。
本来は測定と聴感で決定すべきでしょうが、聴いてもよくわからないだろうから
測定値(インピーダンス)を頼りに調整です。狙いは
 メインスピーカについては共振点120〜140Hz程度
 低音部スピーカについては共振点70〜80Hz程度
です。メインスピーカで100Hz程度まで再生して、それ以下を低音部で受け持たせる戦略です。

まずはメインスピーカ・・・・ポート径小さすぎ?

まずポートを50mmに設定して、インピーダンス特性を見ながら狙いの周波数に調整します。
最初にインピーダンスをみて、どこが共振点かわかりませんでした。なんか共振効率が低そうです。
こりゃ、密閉とあまり変わりなさそうです。ちょっとポート径が小さすぎたかな?

グラフを拡大したら共振点が見えてきました。ポート長50mmLだと共振点70Hzくらい。
これでは低すぎます。ということで短くしていきますが20mmLにしても共振点100Hz程度です。
これ以上短くすると、単なる穴だけになってしまうので、ヘタをすると風切り音が目立ってきます。
ということで、ポート長20mmLにして共振点は100Hzにしました。

ああ〜最初から狙いがはずれました。

メインスピーカのバスレフポートです。これ、直径が小さすぎて換気程度の役割になりそうです。


ポート長を変えた時のインピーダンス変化ですが、どこに共振点あるのだろう?


グラフを拡大したら共振点が見えてきました。でも、20mmLで100Hzしかなりません。これ以上ポートを短くするのは抵抗あるので20mmLで妥協です。

次は低音部・・・ポート径でかすぎ?

次は低音部のポート長を調整です。アルミフォイルの芯(内径31mm)を半分に切断して127mmにします。
バッフル厚さを加えるとポート長は132mmです。この値を初期値にして、ポートを短くして狙いの共振点を得たいと思います。

で、初期状態のポート長で共振点を測定すると、なんと100Hzに達しています。
狙いは70〜80Hzなのですが、共振周波数を低くするにはポート長を伸ばす必要があります。
でも、現在のポート長が最大で、これ以上伸ばすの箱の背面に近づきすぎます。
ああ〜、ポート径が大きすぎたかな?

しかたないので、この長さで決定です。
今度、サランラップの芯(内径25mm)が手に入ったら、それを差し込んで調整できるかみてみましょう。

低音部のバスレフポートです。アルミフォイルの芯(内径31mm)をつかっています。


ポート長132mmLで共振点は100Hzになってしまいました。共振点を下げるにはポートを長くする必要がありますが、
すでに限界に近いので、この長さで決定です。


結局のところ、共振点については狙いの値にできませんでした。
メインスピーカ、低音部ともに100Hzがポート共振点です。
メインスピーカのバスレフはあまり効かないだろうし、あとは低音部のポートでどこまで低音が伸びるかな〜?

あとは聴いてのお楽しみです。

さっさとフロントパネルを接着してやりましょう。そうすれば諦めもつきます。

吸音材も入れておきましょう。

フロントバッフルの接着前に吸音材も入れておきましょう。これで、箱内の不要な共振もすこしは抑えられるでしょう。
吸音材は100均の綿をつかってみることにしました。でも、これって効くのかな?

100均でのわたを吸音材につかってみましょう。


結構固く充填してあるので、開封するとわたがどんどんでてきます。


わたの量も本来は聴感であわせるのでしょうが、面倒なので目分量です(笑。

 
適当に吸音材を詰め込みました。

最後の仕上げ!

フロントバッフルを接着すれば、箱としては完成です。
でも、夜も遅いので音出しはお預け。

音出しまでに、塗装も仕上げておきましょう。
この週末にでも完成するでしょう。ただ、週末の天気はあまりよくなさそうです。


フロントバッフルを接着して、一応組みあがりました。あとは塗装です。

塗装しよう〜 2023.10.14


サンディングの前に開口部は養生テープで塞いでおきます。


簡単サンディングです。


塗装時はスピーカには繰り抜いた板をはめておきます。


チャリのかごにいれて乾燥させました。

塗装には100均のラッカースプレーを3缶ほどつかいました。
MDF剥き出し部分は何度塗ってもすぐ吸い込むので、前面の突板に集中して塗装です。
厚塗りすると、艶もでてきます。
 さて、ある程度乾いたらちょっと臭いけど試聴してみましょう!


表面は結構綺麗に仕上がりました.

試聴しよう!

ネットワークの設定
まずはネットワークの調整が必要になりますが、もう適当です。
メインと低音部のクロスオーバーは120Hzに設定です。
あとはレベル設定ですが、ちょっと音を聴いてみてバランスが良さそうな点を探します。
結局は下記の設定にしました。

 メインSP:   カットオフ  HPF120Hz, -48dB/oct, -7 dB
 低音部SP: カットオフ  LPF120Hz, -48dB/oct, 0 dB


メインSPを-7dBしているということは、逆に低音部が+7dBになっているということです。
+7dBといっても、低音部は3つのスピーカが並列になっていますから、
低音部はメインSPに比べて約15倍の電力を投入していることになります。

聞き比べ

 今回は録音しながら、4つのパターンで聞き比べてみました。
 パターン1: DAISOスピーカのオリジナル箱
          #アンプは外部のものを使いますが、スピーカはオリジナルのプラスチックの箱のままです。

 パターン2: 今回作成したスピーカのメインSPのみ
          #低音部は使いません。いわゆるDAISOのSPの箱を変えると音がどうなるかの実験です。

 パターン3: 今回作成したスピーカでメイン、低音部の両方を鳴らします。
          #今回の目的とする音で鳴らします。楽しみです。

 パターン4: 比較のために市販品も鳴らしてみました。ONKYOの16cmスピーカのD202AXです。


試聴した曲は

 今回は2曲を選びました。JAZZとボーカルです。どちらも結構低音が入っていると思います。
 YOUTUBEにも曲が上がっていたので、元の音は下記で確認できます。

JAZZ音源 #今回Smooth Jazz / 木住野佳子 Yoshiko Kishino - Janga - Rendez Vous 05 - YouTube

SONG音源 Celine Dion & Peabo Bryson - Beauty and the Beast(Official Music Video) - YouTube


下記に、録音と感想を書いてみました。
一番大きな変化は、DAISOのスピーカの箱を入れ替えたときですね。小さい箱で抑圧された音が、箱の変更で一気に開放された感じがします。
ただ、これだけでは低音がやはり足りませんので音楽の雰囲気感がすこし足りない感じですが、低音部を加えることで空気が一変します。
やはり低音は重要ですね。

DAISOスピーカオリジナルです。
アンプはスピーカ内蔵ではなく、外部です。

JAZZ録音
SONG録音

<感想>
 箱の容積が小さいせいか、かなり窮屈な音がします。
でも、300円のスピーカとおもうと随分と良質な音がしていると思います。
DAISOのスピーカの箱を入れ替えただけの状態です。
当然のことながら、フィルターは入れていません。
この段階では、
低音部はつかっていません。

JAZZ録音
SONG録音

<感想>
DAISOオリジナルと比べてもっとも大きな変化を感じました。
箱の容積が大きくなった分、かなり音に余裕がでたようです。

低音部もあわせて鳴らしています。
今回の完成形です。
ネットワーク設定:
 メインSP:   カットオフ  HPF120Hz, -48dB/oct, -7 dB
 低音部SP: カットオフ  LPF120Hz, -48dB/oct, 0 dB


JAZZ録音
SONG録音

<感想>
やはり低音が加わると音楽の雰囲気がグッと増します.
比較のために、ONKYOのD202Xも録音です。
これは16cmの2WAYバスレフになっています。

JAZZ録音
SONG録音

<感想>
やはり口径が大きくなると低音の余裕がでてきます。
SPの能率差もありますが、元気に鳴ります。ただし、
音量を小さくしたら、あまり今回作成SPと差も小さい
かもしれません。まあ、贔屓目ですが(笑。

試聴&まとめ
 流石に16cmの2wayに比べると低音は足りませんが、まあ普通に音楽を楽しむには十分はクオリティだと思います。
それよりも、安価にスピーカ作りが楽しめた点がいいですね。その点、DAISOの300円スピーカは優れた素材です。

コストまとめ
 今回の作成にかかった購入品です。積み上げると結構かかってしまいましたね。

 DAISOスピーカ 4個  1320円
 MDF        7枚  770円
 スピーカ端子   2個  300円   (短いもので足りました)
 ゴムボンドG17  1個  110円
 木工ボンド    1個  110円
 塗料        3缶  330円
 吸音材(わた)  1個  110円
-------
  合計          3050円


そうだったんだね! 2023.10.15

録音につかっている機材はかなり昔に購入したSONYのPCMレコーダ(PCM-D50)。
もともと会議の録音用に購入したもので、折角なのでいいものをということで奮発。
だけど、テーブルの上に置くと、あまりにも存在が目立つので、すぐに普通のボイスレコーダ
を購入した記憶があります(これ何?っていつも聞かれました)。
 で、これも最近でもたまにつかいますが、いつしか録音したときに右チャンネルだけ録音レベルが
異様に小さい事態が発生。もう寿命かな〜とおもっていましたが、なかなか買い替えるには
いたらず、音量差についてはとりあえずソフトで調整していました。
 しかし、あるとき側面の感度スイッチを触ったところ音量差がなくなりました。
どうやらスイッチの接点が劣化していたようです。おそらく長年同じポジションで使っていたのが
わるかったのでしょう。ということで、スイッチを何度かカチカチと切り替えることで不具合解消です。
 こんなスイッチはディジタルI/Oの一つであり、ディジタルで音量調整していると思い込んでいましたが、
以外とアナログ回路内でのスイッチだったようです。
 いづれにしても、これでまだしばらくは使えそうです。

大昔に奮発して購入してボイスレコーダ。


左右の音量差の原因はゲイン調整スイッチ(0,20dB)切替の接触不良でした。
何度かカチカチ動かしたら直りました。普段使わないスイッチもたまに、入切り
必要なようです。



完成後のインピーダンス測定

再度インピーダンスを測っておきました。
フロントバッフルを固定したのと、あとは吸音材(わた)を入れているので、どの程度変化しているかの確認です.

1.メインSP
 バッフル固定前の測定ではポートの共振周波数は100Hzでしたが、95Hzと下がりました。普通は吸音材をいれて見かけの
体積が減れば共振周波数は高くなるとおもうのだけど、なぜ低くなったのかな?固定前だとバッフルが振動していたとか、
あるいはポートの取り付けが少し変化したのかな?
 それと115Hzあたりに、もう一つ山があります。これもなんだろう?
 うう〜ん、わかりません。

なにかピークが2つあるぞ?



95Hzと115Hzあたりに、なぜか山ができています。なぜだろう?

2.低音用SP
 こちらも再測定です。サランラップの空芯(内径23mm)も手に入ったので、それを挿入した場合もあわせて測定です。
 測定結果としては、もともともポートだと共振周波数は112Hzに変わりました。バッフル固定前は100Hzだったので、
12Hzほど高くなりました。こちらは吸音材をいれた影響かな?
 そして、サランラップの細い内径のポートを差し込んで測定してみると、85Hzくらいに下がりました。
ちょうどいいくらいですね。あとで、綺麗に挿入できる方法を考えてみましょう。
  
サランラップの空芯(内径23mm)が入手できたので、これを挿した場合も測定しておきました。


 元の状態とサランラップのポートを挿入した場合とでインピーダンスを測定しておきました。


 元の状態では共振点は110Hzあたりに上昇しました。そして、細いポートを挿入したら85Hzに下がりました。
こちらの方がいいかもしれません。


周波数特性も調べようかなあ〜

 しばらくこのスピーカで聞いていますが、どうもボリュームゾーンの音域(たぶん100〜200Hzあたり)でディップ、すなわち
音の減衰があるようです。これがどうやら中音域が薄い感じを醸しだしているのかもしれません。
ネットワークの設定は適当にやっていますが、一度、周波数特性も測定したほうがいいかもです。
これってちょっと面倒ですが、定量的に把握しておくことも必要でしょう。
 方法は以下の通りです。
 1.WAVEGENをつかって20Hz〜20000Hzで正弦波のスイープ波を作成して、その音を録音。
 2.録音したスイープデータ(WAVファイル)をWAVESPECTRAで周波数特性を解析。
という手順です。手順は簡単ですが、録音機にUSBを差し込むと録音ができないので、録音とデータ読み出しの度に、.
USBケーブルの抜き差しが必要になってくるのが面倒です。あと、スイープデータの再生に約1分程度かかってしまいます。
でも、このようなデータ収集ソフトが無料で使えることは非常にありがたいです。作者の方には感謝の念しかありません。

今の設定(クロス120Hz)では低すぎかあ〜
 現在はとりあえずクロスを120Hzに設定していますが、測定結果をみると100Hzから200Hzにかけてどんどん下がっていきます。
このあたりは音量を感じやすい領域でもあるので、このためすこし音が薄く感じたのかもしれません。
こりゃ、もうちょっとクロスオーバを見直す必要がありそうです。
一度、それぞれのスピーカでの個別の特性をみておきましょう。

クロス140Hzの場合は100Hzから音が急激に小さくなっていくようです。ボリュームを感じる帯域なので不自然に感じるかもです。

メインSP単体では200Hzまでかなあ〜
 まずはメインスピーカのみでの測定です。150Hzくらいまではフラットかなあ〜と思っていましたが、それほど帯域は
広くなかったようです。およそ200Hzまでが限界かなあ〜といったところです。ということはクロスは200Hz以上に
する必要がありそうです。

メインSPのみでの測定結果.200Hz以下ではどんどん減衰していきます。

低音SP単体だと300Hzまでかなあ〜
 こんどは低音SP単体での測定です。結果としては300Hz以降に急激に減衰し500Hz以降はかなり暴れてきます。

低音SPのみだと300Hzが限界でしょう。500Hz以降は特性が暴れます。

以上の結果から、メインSPは200Hz以上、低音SPは300Hz以下という設定が必要になりそうです。
となると、メインSPの分担範囲をできるだけ広げたいので、クロスオーバは200Hzあたりが良さそうです。

クロスは200Hzあたりが良さそう
 今度はクロスを200Hzに設定です。すると100〜200Hzの間がかなりフラットになりました。
これなら良さそうです。ちなみに低域は90Hzまではフラットかなあ〜という感じです。
まあ、このサイズのSPなのでこれが限界かもです。


クロス200Hzの場合が100〜200Hzでの特性がフラットになりました。

周波数特性を測定しだすと、調整が際限なく続く可能性がありますから、
簡単ですがこのあたりでおしまいにしておきましょう。

(おしまい、かな?)

無茶はできないなあ〜 2023.10.17

このスピーカでどこまで大きな音がだせそうか試してみて、アンプのボリュームを上げてあげていきます。
五月蠅いくらいになるのですが、ある時点で音が変わりました。調べてみると、バスレフポートから風圧を
感じません。どうやら、ウーハを駆動しているアンプ(Dクラスアンプ、TAS5756)の保護回路が動いたようです。
なんせ、ウーハ部分はユニット3個並列なのでインピーダンスも1.3Ωと低いし、さらにメインSPに比べて
+7dBで動かしているから、見えないけどウーハのユニットは無茶苦茶に酷使されているはずです。
まあ、スピーカのボイスコイルが切れたら御臨終(修理不可能)なので、さきにアンプが停止してよかったです。

ということで、アンプの電源を入れ直したら復帰しました。

近所迷惑にならない音で楽しみましょう!

(おしまい、かな?)

休日はまったりと 2023.10.21

この小型のスピーカで鳴らして色々と聴いています。
特段不満もないのですが、ちょっとだけ変化を楽しもうと思って、サブウーハを追加してみました。
音量的には目立たないようにということで、こそっとかけています。

でも、このサブウーハのポート共振が66Hzあたりにあることもあり、低音が強化されたようで
音楽の雰囲気がよくなりました。曲の同じ箇所のスペクトルをみても、重低音の領域が
上がっているのがわかります。

だんだんオーディオ装置って、こんなんでもいいのかもなあ〜と思ってしまいます(笑。

サブウーハ―有

無しに比べると音の厚みが
増してきます。より心地よいです。

<録音>
SONG
JAZZ


サブウーハ―無


<録音>
SONG
JAZZ

(おしまい!)

サブウーハを追加してみましょう! 2023.10.24

このスピーカ専用のサブウーハを作ってみました。
本来は別の用途に考えていたものでしたが、意外とダイソースピーカが良さげなので、
さらに低音を充実させてやろうとの考えから.途中で計画変更です。
製作の状況はこちらを参照ください。

比較試聴

ダイソースピーカの特徴を活かすためにも、サブウーハのカットオフは60Hzと低めに設定しています。
サブウーハの感度が低いので、ダイソーのものより+5dBほど上げています。ほんと、低音だすのに
パワーがいりますね。

試聴に用いた曲は3曲です。さてさて、違いはわかるかな?
あまり低音をモコモコいれないように、割と薄くかけています。
というか、もともとのダイソーだけでも結構な低音でていましたからね。

 <録音ファイル>

1曲目(ロンカータのジャズ)
2曲目(懐かしのBOSTON)
3曲目(FlipSideのWhitebird)


サブウーハを追加しています。
<録音ファイル>

1曲目(ロンカータのジャズ)
2曲目(懐かしのBOSTON)
3曲目(FlipSideのWhitebird)

聞き比べると、サブウーハを入れることで音楽の重心が下がって、心地よい感じになっているのがわかるかと思います。
まあ、わずかな差ですが。
ただスペクトルをみると、その差がでてきます。1曲目のさわりの部分について、低音部(47Hzあたり)のレベルが4dBほど上昇しています。

1曲目の最初の部分で、サブウーハなし。                サブウーハあり(緑枠の部分がレベルアップしている)

でもなあ〜

今回はダイソーの安価なユニットをつかったスピーカを作成しました。
手軽に工作を!が目的なので、これはこれで楽しかったのですが、
結局はサブウーハまで加えると、結構サイズの大きなものになりました。
前面だけで180mm幅で280mm高さです。これだけあれば16cmくらすの2WAYが組めてしまいます。
最初から音質を狙うなら、素直に口径の大きなスピーカをつかった方がいいでしょうね。
まあ、今回の作るという目的は達成できましたし、それよりダイソーのユニットでもかなりの音質が見込める
ことが判ったのは面白かったです。

ああ、まだ未着手のスピーカユニットがあるけど、また何か作ってしまいそう〜。
部屋中スピーカだらけになってしまいそうです。

(おしまい)


余談 2023.10.26

ユニット自体の改造もあるんだあ〜
ダイソーのユニットをつかって、色々なスピーカを作っているサイトはいくつもありましたが、
中にはユニット自体も改造されている方もおられるようです。
下記のサイトを興味深く、拝見させていただきました。

ダイソーのものだけでまともなスピーカーを作る(USBミニスピーカーの改造) | Plastic Audio (plastic-audio.com)

やってみよう
 おもしろそうなので、スピーカの前面に貼ってあるプラスチックのシートを剥がしてみました。
ピンセットで端をつかんで、無理やり引っ張れば剥がれてくれます。このとき、コーン紙の表面が
やや剥がれてしまう場合と、接着剤がそのまま残る場合のどちらもあるようですが、どちらかといえば
コーン紙表面が少々剥がれる程度のほうが都合が良さそうです。というのも、コーン紙の表面に
薄くのこった接着剤を剥がすのはなかなか困難なためです。


ピンセットで無理やり表面のプラスチックシートを剥がすことができます。


表面に薄く接着剤が残ると、なかなか剥がれません。なお、このスピーカでは
右下の1/5程度はプラスチックシートが接着していませんでした。品質にバラつきがあるようです。


コーン紙が剥がれた部分は、すこし毛羽立っていることもあり、模型用の塗料を塗ってごまかします。
ついでに、接着剤が残っているところも粗かくしです。

これで、表面をごまかしました。



塗り終わったところです。

センターキャップも適当な厚紙を切り抜いてボンドで接着です。このままだとコーン紙と色コントラスト
がつきすぎるので、ついでに塗料を塗っておきました。

センターキャップは厚紙で代用です。


センターキャップも黒く塗っておきました。

周波数特性は?

さて、このスピーカに悪戯した結果として、周波数特性がどのようになったのかを測定しておきました。

他のスピーカを台にして、ダイソースピーカの周波数特性を測定です。

測定結果は下図のようになりました。5kHz以上で急にレベルが落ちて、10kHzで再度盛り上がる感じになりました。
違うユニット(個体)ですが、以前に測定したオリジナル状態での結果を高域の出方が大きくかわりました。
なんか、変動が激しくなった感じです。こりゃ、完全に改悪な感じです。
プラスチックシートが貼ってあるのは、単なる意匠性の問題だけかな〜と思っていましたが、特性にも貢献しているのかもしれません。


コーン紙に悪戯をした場合の周波数特性です。5kHz以上で急にレベルが落ちて、10kHzで再度盛り上がる感じになりました。


こちらは改造前の過去の測定結果です(ユニットは違います)。7kHzからだらだらと減衰して、素直な特性です。
入っている箱が異なるので、低域での比較はできません。


ついでに
秋月の300円スピーカについても測定しておきました。裸の状態なので、低音の測定結果には意味がありませんが、
知りたかったのは高域の特性です。 ダイソーのスピーカをつかった結果(音質)が結構よかったこともあり、この300円
スピーカでも同じようなものをつくろうかと思ったのですが、高域がどこまで伸びているのかがすこし心配でした。
必要なら、ツイータをつける必要がでてくるかもしれません。


ついでに秋月の300円スピーカも測定してみました。

こちらは5kHzからだらだらと下がり始めます。10kHzあたりではかなり減衰しており、なぜか10kHzを超えたあたりで
急激に上昇しています。10kHz以上はほとんど聞こえない帯域ですが、5kHz〜10kHzあたりはまだまだ聞こえる音域ですから、
この範囲での感度が急減するのはあまりよろしくないようです。
ひょっとして、マイクの軸線がズレていたのかな?写真をみても、そんなことはなさそうですが・・・・。
このスピーカをつかうときはツイータを準備しておいたほうがいいかもしれません。


こちらは5kHzからだらだらと下がり始めます。10kHzあたりではかなり減衰しています。ツイータが必要かもです。


ツイータを準備しておきましょう! 2023.10.31

秋月300円スピーカは高域はあまり出そうにないので、ツイータを準備しておくことにしました。
ツイータといっても廉価なもので送料含めて2個で1400円程度です。といっても、秋月スピーカ4個分以上なので
まあそこそこかかっています。


ALIをつかってツイータを購入です。


こんな感じで入っていました。


.
廉価品だけあって、プラスチックの成型はすこし雑な感じです。

時間ができたときに、周波数特性も測っておきましょう。

MDFが足りないなあ〜

100均で見つけたときにはMDF板を購入していたのですが、最近球出し機に
MDFをもっていかれてしまって、現在スピーカを作るには足りない状況です。
また、足しげく100均の店に通いましょう。
 材料が揃わないと、なかなか図面を書くまで腰が上がらないです。

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