ちょっとTea Time!? スピーカの特性を測定してみた。 2020.3.3
書斎においてあるスピーカの特性を測ったので、ついでにメインで使っているスピーカの特性も測ってみました。
・測定機材
 マイク      オーディオテクニカ ATM10a
 マイクアンプ  自作(INA128P使用。ゲイン40dB)
 測定器     自作(ゲインフェーズアナライザ)
 
マイクはカメラの三脚の上に輪ゴムで固定です。
・測定条件
 マイク位置   左右のスピーカの中心軸上で2.3m離れた位置。高さ700mm
           (ほぼリスニングポイントに一致)
・測定周波数  20〜20000Hz (対数で200点)
・測定対象   リスニングルームにある5つのスピーカ

  今回測定して5つのスピーカ。手前のパソコンと横にあるのがゲインフェーズアナライザ。
| No | 内容 | 備考 | 
| @ | ONKYO D202AX | 明るい音調でお気に入り。 | 
| A | 中華SPを使った2WAY | ウーハは5インチ、ツイータはリボン | 
| B | メインスピーカ | SEASの18cmのダブルウーハ、ATCにミッドレンジ、ScanSpeakのツイータ 下記の2パターンで測定 ・中華の3WAYネットワークとの組み合わせ ・アナログチャンネルディバイダでのマルチアンプとの組み合わせ  | 
    
| C | FOSTEXの2WAY | FW137+FT66の組み合わせ。20年以上前につくった。 (ウーハは当時はFW127)  | 
    
| D | フルレンジ | パナソニックの10cmフルレンジとALTEC(ツイータ代用)の組み合わせ。 | 
・データの処理
 生データでは変動が激しいので、7点の移動平均を採用して、マクロでの特性を評価。

 生データです。実際の試聴環境なので色々な反射や干渉で測定データはかなり暴れています。

7点の移動平均をとった場合。測定データは滑らかになります。ミクロな挙動はすこし無視しました。
測定結果
| No | 測定対象 | 周波数特性 | 
| @ | ONKYO D202AX![]()  | 
      ![]() 流石にメーカ製といった感じで、比較的特性はフラットです。50Hzにある盛り上がりは、他のスピーカでも共通で見られることから、 リスニングルームの定在波のようです。長方形の部屋なので仕方ないですね。でもこのおかげで低音が豊かに聞こえるかもしれません。  | 
    
| A | 中華SPを使った2WAY![]()  | 
      ![]() これも比較的特性はフラットです。最初はツイータのレベルをすこし下げたほうがいいかもと思いましたが、そうでもなさそうです。 ただ気になるのは200Hzあたりので盛り上がりと、900Hz辺りの落ち込みかな?エンクロージャ内部の定在波が関係するのなら、 吸音材をいれた方がいいのかもしれません。まあ、これはこれで味のある音がでています。  | 
    
| B | メインスピーカ![]()  | 
      ![]() 中華の3WAYネットワークでの駆動結果。ちょっとドンシャリ気味でしたが、測定して「なるほど」です。50Hzあたりを中心の盛り上がりは、 部屋の定在波なので仕方ないとしても、、900Hzあたりでかなり落ち込んでいます。これがドンシャリに聞こえる要因でしょう。ネットワークのクロスは 600Hzと4650Hzなのですが、スコーカ(ATC)との相性が悪いのかなあ〜。イコライザで補正する必要がありそうです。 ![]() アナログチャンネルディバイダでのマルチアンプでの駆動結果。こちらは、上に比べるとかなりフラットです。ちょっと100〜200Hzあたりの変動 が気になるかな?上ではこの変動は無いので、この違いはよく調べてみる必要がありそうです。 しかし同じスピーカでもネットワークの方式で全然音が違う理由がよくわかりました。  | 
    
| C | FOSTEXの2WAY![]()  | 
      ![]() まあまあフラットなのですが、2kHz辺りでの落ち込みが気になります。おそらくウーハとツイータがうまくつながっていないことが考えられます。 やっぱりホーンツイータに2kHzでクロスさせるのは厳しいのかもしれません。ウーハにしてもそこまで高域の再生もしんどいのでしょう。  | 
    
| D | フルレンジ![]()  | 
      ![]() これはグッと全体のレベルも落ちて、さらに低域の再生範囲が狭くなっています。その中で200Hzあたりが相対的に高くなっている点が 音の特徴になっているのかも。ツイータは6dBほど落として使っていますが、良い感じで繋がっていそうです。  | 
    
低域だけに着目した結果は下図になりました。
やっぱり、メインで使っているB(黄色線)が一番レベルが高いです。よかった〜(笑。
サブの@D202Aはかなり健闘していますね。

低域での出力特性(アンプの出力電圧はすべて同じ)
結論&これからどうする?
やっぱりそれぞれのスピーカで音が違うのも、特性が全然違うからですね。
今回の測定から色々と課題も見えてきましたが、それぞれの個性と捉えるか、
やはりフラット再生を目指すのかは、すこし考える必要がありそうです。
すべて、同じような特性になってしまって同じような音になったらつまらないですからね。
でも、メインスピーカだけなんとかフラット再生ができるように追い込んでいきたいものです。
(おしまい)