ES9218Pを動かしてみる! 2019.9.24

いままでの取り組みはこちら。

 向こうのページはAK4499に譲るとして、こちらではES9218Pについて取り扱っていきたいと思います。

おもむろに再開、え?

無性に半田ごてを握りたくなって、そういえばES9218Pも変換基板もあったな〜と思い出して、
組み立ててみることにしました。

変換基板はなかなかQFP40のものがなくて、AMZONにあるのを見つけて購入したものです。
中華からの直送なので結構な時間がかかりましたが、かなり安かったです。

で、その変換基板の上にES9218Pを並べてみると、微妙な違和感が・・・・・
あれ? なんとなく変換基板のサイズが大きい?
いやチップサイズが小さい?

実際に基板にのせてみると、パッケージの端子が基板のパッドに届きません。
「げ、基板は不良品か?」 
とおもいましたが、側面から眺めてみると、ICの端子の間隔と基板のピッチがずれています。


変換基板とES9218Pを並べてみると・・・何か違和感。

あ、0.4mmピッチじゃん!

あらためて、ES9218Pのデータシートを眺めてみると、ICのリードピッチは0.4mmになっています。
てっきり0.5mmピッチのQFN40と思い込んでいました・・・・ああ、折角やる気満々だったのに・・・・
腰を折られるな〜。

そういえば・・・・

すこし昔にCS43198を試してみようとして、0.4mmの変換基板がなくて作ったことを思い出しました。
結局CS43198もまだ手をつけていませんが、その変換基板がつかえるかも・・・と部品箱をごそごそ。

見つかりました!で、基板をみて40ピン用なのでピッタシです。ををを!ラッキー!
これでいきましょう。

ただ、CS43198用にすでにGNDパターンを接続しているところがあるので、それは事前に削除しておきます。

しかし、この変換基板がつかえたのなら最初から不要な0.5mmピッチの変換基板を買う必要なかった〜と。
ちょっとブチブチ・・・・です。


すこし昔にCS43198用に作った変換基板がつかえそうです。

はじめての0.4mmピッチの半田付け

0.4mmピッチの半田付けは初めてです。でも、結果的には0.5mmピッチと大きく異なることはありません。
私のやり方は次の通りです。

@変換基板にフラクスを多めに塗る。

A変換基板にICをのせる。
B位置あわせを行う。

  この位置あわせがもっとも時間がかかります。でも、ここで手を抜くと取り返しがつきません。
  じっくり時間をかけているうちにフラクスが乾いてきて、適度な粘性を持ってくるのでICの固定がしやすくなります。
  ここが味噌です。乾いた基板の上にICをのせると、ちょっとした基板の振動や傾きでICがずれてしまいます。
C1ピンだけ半田付け
  どのピンでもいいのですが、1ピンのみ半田づけです。このとき半田ゴテは決してICに触れないようにします。
 すこしでも触れればICが動いてしまいます。半田ゴテは基板のランドパターンの端にあてて、半田を離れたところから
 とかして、ランド上の半田の流れにまかせてICの1ピンを半田づけします。1ピンが半田づけできれば、固定もできるので
 対角にあるピンも同じようにして半田づけして固定を確実なものにします。
Dフラクスをタップリぬって残りを半田付け。
Eアルコールをつけた綿棒で掃除

 フラクスがべったり残った状態だと汚いので、綺麗に掃除しておきます。



こんな感じで変換基板にとりつきました。

ブレッドボードに組み立てよう!
さて、変換基板にとりついたのであとは動作させるためにブレッドボードに組み込んでいきたいと思います。
その前に、変換基板の形状が変則的(DIPになっていない)ので、
回路図だけをみながら部品をとりつけると間違える可能性もあるので、事前に実体配線図(?)を描いておきます。
これを見ながら配線すれば、間違いも少なくなります。


まずは実体配線図もどきを描いておきます。これを書くとミスもすくなくなりますし、配線も効率的に行えます。

おっと!1.8Vも必要だ!

ES9218Pを動かすには3.3Vのほかに1.8Vも必要です。手元ですぐにつかえそうな1.8Vのレギュレータがすぐにみつからなかったので
超低ノイズのLT3042をつかったV-regS基板をつかうことにしました。これは3.3V用つくってPiPA5756Sに組み込んでいたものですが、ちょっとだけ拝借です。
抵抗値で出力電圧がきまるので、もともと取り付けていた33kΩの抵抗をとりはずして、16kΩと2kΩの抵抗の組み合わせに交換です。


1.8Vのレギュレータができました。

さて、これで部品もすべてそろったのでブレッドボードに搭載して動かしてみましょう。


ブレッドボードに組み込んだので動作確認開始です。


動かない?・・・・・

まずはPICになにもプログラムをかかずにPCM信号を加えて電源ONです。
いままでのESS社のDACは、なにもプログラムをしなくてもデフォルトでPCMあるいはDSDを自動認識して
動いてくれていましたので、それに期待しましたが、うんともすんともいいません。

一応、ICの周辺の電圧を調べてみましたが、チャージポンプの出力電圧もゼロのままです。

こりゃ、プログラムを組んでやらないことにはチャージポンプすら動かないということでしょう。
すこしでも、電力消費を抑えたいモバイル用に設計されたICのようなので、なにもしなければ
もっとも電力を使わない構造になっているようです。

こりゃ、マニュアルを全部読まないと駄目そうだ・・・・・

動いた?・・・・・

気づいたところから、プログラムでPICにコマンドを入れるようにしています。チャージポンプを動かすことは
できて、波形もでるようになりましたが、なぜか出力レベルが低いです。100mVrms程度の波形しかでてきません。
まだまだ、アンプを動かすコマンドがあるので、まだまだ調べることが多そうです。

あ〜、明日も早いしそろそろ寝よかな〜。

そうだったのか!

寝床についてES9218Pのデータシートを眺めていて、出力振幅があがらない原因がわかりました。
なんとES9218Pには2つのボリュームコントローラがあります。
1つは、これがおそらくメインのボリュームコントローラでレジスタアドレス0x0f,0x10で左右個別に
-127.5dB〜0dBまで0.5dBステップで変更できます。
それとは別に-24dB〜0dBで1dBステップで変更できるボリュームがレジスタ0x03にありました(左右共通)。
これはデフォルトで-24dBのままなので、これを0dBに設定しなおせば良さそうです。

この2つのボリュームは何が違うかといえば、おそらく
前者(-127.5〜0dB)のボリュームはDACのボリュームコントローラ
後者(-24dB〜0dB)のボリュームはヘッドホンアンプ用のボリュームコントローラ
と思われます。まあ、データシートにはそのあたりは書かれていないようです。

で、それに気づけばやはり動かしたくなり、寝床から這い出してプログラムに制御コードを追加しました。
そうすれば、無事最大出力の2Vrmsの出力が得られました。


2Vrmsの出力が得られました。


ヘッドホンのドライブ能力を調べる

手元にある2つのオーディオテクニカのヘッドホンの直流抵抗を調べると、どちらも約50でした。
そこでES9218Pに47Ωの抵抗負荷をかけて、どこまでドライブできるか調べてみることに。


47Ωの抵抗を負荷にしてドライブ能力を計測します。

入力レベル 消費電流(3.3V)
MUTE 約40mA
-6dB 約85mA 大丈夫ですね。
-3dB 約100mA まだ大丈夫。
0dB 約120mA 出力がクリップしてしまいました。

実測で出力レベルが振幅で2Vまでは大丈夫そうです。となると約1.4Vrmsですね。
ちなみに、このときヘッドホンで消費される電力は約85mWになります。
で、ES9218の消費電力の増加分は3.3×(100-40)=198mWです。チャージポンプの変換効率は約43%といったところでしょうか。
ちょっと低い気もしますが、実装の問題や使用している素子にも依存するのでこの値が正しいかどうかはちょっと?なところでしょうか。
でも消費電流が100mA程度なので、RasPiから横取りしても問題のないレベルですね。

さて、そろそろホントに寝よ・・・・・

どのような基板にのせるか考えてみましょう。本命はRasPiですが・・・・

試聴してみましょう! 2019.9.25

ヘッドホンドライバーが付いているので、ヘッドホンで試聴しましょう。
出力からそのままヘッドホンに接続します。あ、抵抗をパラにすると不味いので、
抵抗はフローにしておかなくっちゃ。

ヘッドホンに接続して試聴です。

PCのMEDIA PLAYERでCDを鳴らしますが、まず音量のチェックです。
普段聞く音量だと、大体ボリュームレベルは10くらい(最大100)。
かなり大きな音で20。そして、耳を外したくなるレベルで30くらいでした。
100まで上げるとほとんどスピーカです。もちろん、耳には当てられませんが・・・。
ということで、音量的には問題ないようです。


ちょとボケボケですが1V/divです。普段の聞く音量では
小さい振幅ですので、ドライブ能力は問題なしです。


音質はしっかり!

おそらくES9218Pはポータブルオーディオを想定して開発されたと思うのですが、
よくある安物のプレイヤーでヘッドホンを聞くと、なんとも抑圧された感じの音がします。
おそらくドライブ能力が不足していて出力が飽和しているのかな〜とおもっていますが、
このES9218Pはそんなことはありません。大きな音をだしても、しっかりと鳴っていますし、
音の伸びもあります。常用の範囲なら据え置き型の専用ヘッドホンアンプと勝負できますね。
 ただ、据え置き型みたいにWクラスの出力は無理ですから、音量勝負では完敗でしょうが、
まずそこまで音量を上げることはないですから。

 この要因ですが、ES9218Pではチャージポンプをつかって負側の電圧(-3.3V)を発生させています。
このチャージポンプの電源回路がかなり優秀なのでは?とおもったりです。というのも、チャージポンプの
駆動はかなり細かくソフトで調整することができます。とりあえず、STRONG MODEで駆動をしています。

それと、チャージポンプ出力には平滑コンデンサをつけることになっており、データシートでは22uFが指定されて
いますが、手持ちの関係で100uFとすこし容量の大きなものをつけています。ひょっとして、これが音質に
効果を得ているのかもしれせん。ひょっとして容量より質のいい(ESRの小さい)ものを選んだほうがいいのかな?

あと面白いことにヘッドホンアンプのバイアス電流を選択する機能があります。大小を選択できるので、
もちろん大を選んでいます。消費電流として増える値は2〜3mA程度ですが、ポータブル機ではこの差も
おおきいのでしょうね。

動作周波数について
 ESS社のDACの特徴として、ES9018,ES9018QM2、ES9038PROなどはいずれもフレームクロックに同期したマスタークロックを必要としていません。
その点がRasPiとの接続を容易にしている点もあるのですが、その代わりに外部から任意の周波数のシステムクロックを供給する必要があります。

その周波数は最高が50MHzで、最低がPCM入力で>128FSR、DSDの場合で>3FSRになっています。
すなわち、PCM入力では192kHzでは24.576MHzを越える値を必要としています。いまのブレッドボード上では、すぐに探せたということで
24.576MHzの発振器を搭載しているので192kHzの再生は問題ありませんでした(その後に問題あることがわかりました)が、
384kHzに上げると音がぶつぶつに切れてだめでした(一応音は鳴るようです)。
 384kHzに対応させるには、発振器としての周波数は49.152MHzを越える周波数を要求されます。
さて、試してみたいですね。

手持ちで49.152MHzの水晶もあるのですがSMDタイプなので、ブレッドボード用に変換基板が必要です。
変換基板もないことはないけど、ちょっと面倒だな〜・・・・・と思っていましたが、いいものがありました!

超低ジッタ高精度クロックジェネレータの登場!

いいものがありました!何のためにつくったかといえば、こんなときのためにつくったのですよね!
で、早速接続してみることに。これは周波数も可変できるので、システムクロックと再生可能周波数の関係を
調べるのにも使えるでしょう。


クロック発振器に超低ジッタの高精度クロックジェネレータをつかって動作周波数のテストです。

で、早速調べてみました。一覧にしています。

再生周波数
マスタークロック 192kHz 384kHz 768kHz
(仕様外)
24.576MHz
(192k * 128)

(128FSR)

(64FSR)

(32FSR)
45.1584MHz
(352.4 * 128)

(235FSR)

(117FSR)

(59FSR)
49.152MHz
(384 * 128)

(256FSR)

(128FSR)

(64FSR)
50MHz
(ES9218上限)

(260FSR)

(130FSR)

(65FSR)
100MHz しばらくは綺麗に再生できていたが、途中で再生不可に。
○:再生可
△:途切れる場合あり(定期的に一瞬途切れる)
  または、音が歪む様子。
×:再生不可(音がでない)

結構微妙なことがわかりました。システムクロックに必要な周波数は>128FSRなのですが、
たとえば192kHzなら24.576MHzになります。ここで微妙な点は24.576MHzピッタシの水晶を選んだ場合
=128FSRとなり、>128FSRを満たせません。水晶発振器の誤差もあるでしょうから、128FSR以下であれば
音が数秒毎に一瞬途切れたりします(よく聞かないとわかりませんが、一旦わかると気になってしまいます)。
もし、運良く水晶発振器の誤差がプラスであれば>128FSRを満たせることになりますが、運任せもいやですよね。

ということで、再生周波数を192kHzまで狙うなら、システムクロックは24.576MHzを越える周波数、
384kHzまで狙うなら、49.152MHzを越えるシステムクロックが必要になりそうです。ES9218Pの
上限周波数が50MHzなので、できれば50MHzの発振器を採用したいですね。

共立で売っているRasPi用のES9218Pのボードは何MHzの水晶をつかっているのだろう?
データシートそのままだと38MHzなので、192kHzまでの対応になっちゃいます。仕様で384kHzまで
対応と書いてあるから50MHzなのかな?

共立からでているES9218Pのボード。何MHzで動かしているのかな?

ちなみに、システムクロックに100MHzを設定すると、しばらくは768kHzも綺麗に再生できていましたが、
途中からシャーノイズが発生してきて、しばらくしたらノイズだけになってしまいました。おそらく、内部温度が
あがったりして、動作不良になったのでしょう。消費電流もシステムクロック24.576MHzで192kHz再生で45mA程度
だったものが、100MHz/768kHzにしたら100mAを軽く越えてきましたから。


Raspberry Pi用の基板を描いてみましょう!

主な仕様はこんなところでしょうか。
 ・システムクロック:50MHz (384kHz対応とするため)
 ・出力:ヘッドホンφ3.5(一応、外部出力用の端子も設ける)
 ・電源:RasPiからの5Vを供給(内部で3.3Vと1.8Vレギュレータを使用)。
 ・制御:RasPIからみれば汎用のDACのように見えるように。
      (必要な制御は搭載するPICで行う)。
 ・その他:基板の空きスペースに余裕があれば、拡張できるような端子も設ける。


コードネームはPiDAC9218

RasPiに接続できるように小さいサイズでパターンを書いてみました。
部品点数はすくないのですが、結構きちきちです。その要因は1uFのチップコンデンサが必要なのですが、
そのサイズを3216(3.2mm×1.6mm)をつかっているためです。耐圧は小さくてもよいので、もっと小さい1608サイズにすればいい
のですが、チップコンデンサには容量の表記がないので、あまり色々なサイズをつかうとごれがどの容量かわからなくなってしまいます。
そのため、個人的に2012サイズは0.1uF、3216サイズは1uF、3528サイズは10uFと勝手にきめてパターンを描いています。
でも、これもそろそろ見直さないといけなかな〜。AK4499あたりだと2012でさえ大きく感じてしまいます。

必要な部品をのせて、パターンを大まかに描いてみました。


コードネームはPiDAC9218です。

忘れないうちに・・・

基板パターンを仕上げておきましょう。


基板パターンです。

回路図です。PDFはこちら→PiDAC9218-sch.pdf


基板発注!でも・・・ 2019.10.30

メーカさんが忙しいみたいで納期が1週間ほど遅れるとの連絡ありました。
手元に届くのは11月中旬になる予定です。

ようやく基板ができてきました。 2019.11.14


いつとりかかれるだろう?

いまでしょう!

やはり基板を目の前にすると作りたくなってきますね。まあ、部品点数も多くないので一気につくってしまいましょう。
一番面倒なのは、変換基板にとりついているES9218Pを引っぺがすことです。なんせ、結構値段の張るDACなので
勿論のこと再利用します。


完成しました!


裏面はこんな感じです。

動作確認

動作確認はSRC4137をつないでおこないます。RasPiにつなぐと、簡単に電源のON/OFFができませんからね。
PICに動作プログラムを書き込んで、電源ON! あっさりと動いてくれました。すでに、プログラムは色々と検討しているので
基板パターンに間違いがなければスムースに動くはずです。
 SRC4137に接続して、PCMならびにDSDでの動作も確認です。ES9218Pは入力ソースのPCM/DSDを自動判定してくいれるので便利です。
だだし、手持ちの部品の関係から使用した水晶発振器は49.152MHzのものなので、384kHzの再生は難しいかもしれません。
あとで、部品が届けば50MHzに変更予定です。


SRC4137に接続して動作確認です。192kHzはOKですが、PCM384kHzではシステムクロック(49.152MHz)の制約から音が定期的に途切れます。


DSDは11.289MHzで動作OKです。22MHzはシステムクロックの制約がかかるので再生不可です。

ジャンパーポストの設定は

基板上にはジャンパーポストがM1〜M4の4本ありますが、下記のように設定します。
M1〜M3がフィルターの設定で、M4がDoPの設定です。まあ、特殊なことをしなければすべてオープンでもいいでしょう。

No M3 M2 M1 FILTER SETTING
0 OPEN OPEN OPEN LINER PHASE FAST ROLL-OFF FILTER
1 OPEN OPEN SHORT LINER PHASE SLOW ROLL-OFF FILTER
2 OPEN SHORT OPEN MINIMUM PHASE FAST ROLL-OFF FILTER
3 OPEN SHORT SHORT MINIMUM PHASE SLOW ROLL-OFF FILTER
4 SHORT OPEN OPEN APODIZING FAST ROLL-OFF FILTER TYPE 1
5 SHORT OPEN SHORT APODIZING FAST ROLL-OFF FILTER TYPE 2
6 SHORT SHORT OPEN HYBRID FAST ROLL-OFF FILTER
7 SHORT SHORT SHORT BRICK WALL FILTER

M4 DoP Setting
OPEN Disable the DoP logic
SHORT Eisable the DoP logic

フィルターのパルス特性を調べてみよう
SRC4137を通すと補間フィルターが入るので、純粋なパルス入力を得ることができません。
そのため、DAIをSimple DAI for WM8805に変更です。


DAIをSimple DAI for WM8805に変更してパルス入力特性を測定してみました。

この手の測定は何度もやりましたが、オシロ上での波形は大きくことなるのですが、
実際に聞いてみてどのくらい違うかは、かなり聞き込まないとわからないですね。
再生装置がショボイからそうなるのかな〜?

No FILTER SETTING
0 LINER PHASE FAST ROLL-OFF FILTER
1 LINER PHASE SLOW ROLL-OFF FILTER
2 MINIMUM PHASE FAST ROLL-OFF FILTER
3 MINIMUM PHASE SLOW ROLL-OFF FILTER
4 APODIZING FAST ROLL-OFF FILTER TYPE 1
5 APODIZING FAST ROLL-OFF FILTER TYPE 2
6 HYBRID FAST ROLL-OFF FILTER
7 BRICK WALL FILTER

Raspberry Piと組み合わせてみましょう!

さて、本命のRaspberry Piと接続してみましょう。接続といっても、単にコネクタに挿すだけです。
電源の5VはRasPiから供給してもらいます。

Raspberry Piと接続です。


RasPiはVOLUMIOで動かします。DACの設定は「R-PI DAC」選択しています。


設定周波数は192kHzです。

最新のRaspberryPiに更新はしているのですが、動作上限と思われる352kHzに設定すると
下のようなエラーがでました。現時点でのRasPi(3+)とVolumioでは192kHzがMAXなのかな?

352kHzに設定するとこんなエラーが出ました。パラメータがだめなようです。

試聴!
 ヘッドホンを接続して聞いてみますが、あいかわらず元気良くなります。VOLUMIOのボリュームの位置も50くらいで十分な音量です。
100まで上げると難聴になりそう・・・

折角なので

 RasPiでヘッドホンだけを鳴らすのも勿体ないので、スピーカも接続できるように最近手がけたPiPA142も接続しておきましょう。
そのためにもPiDAC9218の基板上に追加の40pinのピンヘッダを取り付けておきます。
RasPiにはPiDAC9218とPiPA142が並列して接続されて、同時に動くことになります。これができるのは、両方の基板が完全にRasPiに
対してパッシブ(受身)になっているからです。


PiPA142を追加接続するためにピンヘッダをとりつけます。

PiPA142をとりつけますが、流石にピンの挿入力だけでは固定が甘いので、金属スペーサをつけて固定しました。
しかし,RasPiのスペーサってφ2.6用なんですよね。そもそもPasPiの穴が小さいくてM3のネジが入りません。M2.6が必要です。


M2.6のネジとスペーサをつかって基板を固定します。



スペーサの高さは10mmなのですこし足りません。そのためワッシャを3枚重ねていれて高さを調整しています。

いや〜お気楽だな〜!!

RasPiにPiDAC9218とPiPA142を組み合わせることで、超小型のオーディオセンターの出来上がりです。
ほんと、これってお気楽なシステムです。とにかく小さいのがいいですね。

PiDAC9218については、RasPiから電源を供給してもらいますが、PiPA142については外部から12Vの電源を入れる必要が
ありますが、反対に12Vの電源を切ってしまえばスピーカ出力をきることができます。ヘッドホンアンプの動作を止めることは
できませんが、この場合はヘッドホンを引っこ抜けばいいだけの話です。

これでシステムが完結です。

 これで、お気楽なシステムが構築できるのですが、基板のままだとショートも怖いし、何かにぶつけそうだな〜。
せめてアクリル板でベースプレートをつけたほうがよさそうです。おいおい、作っていきましょう!

製作マニュアルをつくりました。 2019.11.17
PiDAC9218Manual.pdf

頒布はここから行っています。

クロックを50MHzに交換しておきましょう! 2019.11.18

ES9218Pにはシステムクロックが必要です。そのクロックの周波数に応じて再生可能な周波数が決まってきます。
必要なシステムクロックの周波数Fは

 F > 128FSR (PCM)
 F > 3FSR   (DSD)

となっています。すなわちシステムクロックが49.152MHzだとFSR=384kHzは再生できません。厳密にいえば、
音はでるのだけど、数秒毎に音が途切れる現象が生じてしまいます。現時点ではRasPiでのVOLUMIOでは
384kHzの再生はできないようですが、今後のソフト等の変更でつかるようになったことを考えて水晶発振器を
取り替えておこうかと思います。


動作確認のときに使用した水晶発振器は49.152MHzです。
これでは384kHzの再生は難しいです(音が定期的に途切れます)。

交換!
 50MHzに交換です。

50MHzの水晶に交換しました。


オシロで周波数を確認しておきます。

水晶発振器の変更による効果を確認したいわけですが、RasPiではできないので、
再度SRC4137に付け替えることにします。しかし、また手配線で接続する必要があるのですが、
今後も同じようなことをするかも知れないということで、PCMデータ用の10PコネクタからRasPi用の40Pコネクタに
変換するアダプタをつくっておきました。


10PのPCMデータからRasPIの40pへの変換用アダプタです。


アダプタを使えば、リボンケーブルでの接続でテストができます。

384kHzも再生可能に!

水晶発振器を取り替えて、384kHz再生を行いましたが、今度は音の途切れはありません。
スムーズに音が流れていきます。これで、ようやく完成ですね。


384kHzでの再生も可能に!

ちなみに50MHzの水晶発振器に取り替えることで、再生可能な周波数は

PCMの場合で390.6kHzまで
DSDの場合で16.666MHzまで

ということになります。PCMなら384kHz対応になりますね。
(※頒布版の水晶発振器は50MHzのものになります)。

アクリルベースに納めよう!

その前に、Raspberry Piの寸法を確認です。このあたりは、WEBを探せばすぐにでてきます。

ラズパイの寸法です。

アクリル板はちょっと大きめですが、アクリルの端材があったのでこれをつかいましょう。
だいぶ大きいかな?


ちょっと大きめのアクリルの端材にとりつけましょう。


アクリルの端材の厚さが5mmあるので、穴とネジが届くように2.5mmの座繰りをいれます。

アクリルの加工はCNCで行うのですが、なかなか適切な切削工具と切削条件が見出せてなくて、
すぐに工具に溶着してしまって切り口がきたなくなります。
まだまだ経験値をつまないとだめなようです。


切り口が汚い。まだまだ修行が必要です。

とりつきました!

ちょっと大きめですがアクリルベースにとりつきました。底面には滑り止めのゴム足をつけています。
アクリルベースがあると、ACアダプタのコネクタを挿すときにでも基板を持たなくてすむので、精神的に
安心できます。

アクリルベースに取り付きました。

まずは、これでシステムに組み込めるでしょう。

プチ改造! 2019.11.21

このPiDAC9218はベッドサイド(本当は布団ですが)において、夜の夜中の読書のお供にBGMとして使っていますが、
音もいいのでなんとなく常駐になってなりそうな雰囲気です。そうなると、ちょっと欲がでて
パワーアップのために改造をしたくなります。

ベッドサイト(布団ですが)のPiDAC9218です。

パワーアップの要素は超低ノイズの電圧レギュレータへの交換です。ADM7154の3.3Vと1.8V用に取り替えたいと思います。
そのため変換基板としてV-Reg2を組み立てました。2つとも同じ形(当然ですが)なので、どちらがどっちかわからなく
なってしまいそうなので、シールに電圧を書いて貼っておきました。

3.3Vと1.8V用のV-Reg2基板をつくりました。

レギュレータを交換しましょう!
V-Reg2基板をとりつけるには元あったレギュレータは当然とりはずします。
 
黄色の部分がとりはずすレギュレータです。              取り外し後です。


とりはずしたレギュレータは再利用の場を待つことに。

もともとt1.8Vのレギュレータは取り替えられるようなパターンにしていたのですが、
今回は3.3Vのレギュレターも取り替えることにしたので、V-Reg2のレギュレータ基板が横に2枚並びます。
基板の幅がすこし広いので、段違いで取り付けることになりました。


2枚のV-Reg2基板を段違いでとりつけます。

なにげなく段違いで取り付けましたが、あとからPiPA142基板をとりつけたら、結構ターミナルブロックから
突き出した足とニアミスでした(笑。


もうすこしで(あと2mmくらい)でターミナルブロックのリード線と接触しそうでした。

楽しみだ〜
 とりあえず、改造も終わったので再度試聴です。心なしか、暗ノイズが減ったような気がします。
夜の夜中の静かなときには無音のときは無音でありたいですしね。でも、これってやっぱりプラシーボ?
でも、低音もでるようになった気もします。これもやっぱりプラシーボかな(笑。

まあ、読書のお供には良い感じです。夜の楽しみが増えました!!


プチ改造が終わりました。

懸案は・・・
 この状態で床に直置きになっていることです。家族のものに踏まれるかもしれないし、
自分が寝返ったときに、エルボーで壊してしまうかもしれません。基板が壊れるだけならまだしも、エルボに
ピンのどがった先が突き刺さって流血なんてことも・・・。
 はやく、上蓋もなんか加工しないといけないな〜。

超やっつけ仕事!

思い立ったら吉日、さっそく3mmのアクリル板を切って蓋をつくりました。
本来はCADで図面を引いて〜としたいところですが、面倒なのでCNCを単なるカッティングマシンとして使います。
もう、切る量も目分量です(笑。

アクリルはその専用の接着剤をつかうと、あっという間にくっつくので便利です。
その反面、やり直しがきかないので一発勝負。案の定、いろいろとずれてしまいましたがご愛嬌(笑。

アクリルの蓋が完成しました。


スピーカ端子のネジ回しを通す穴もあけています。このあたりはCNCがあると便利です。


アクセス部分は穴のくり貫きとか面倒なことはパスして、思いっきり開口部です。

こんなやっつけ仕事でつくったケースですが、強度は結構あります。
おそらく踏みつけられても大丈夫です。
流石に、象が乗ったらこわれるでしょうが・・・。そういえば昔に象が踏んでも大丈夫という筆箱の宣伝があったな〜。
と、これをいうと年がばれそうですが・・・。

これで寝返りエルボーも大丈夫ででしょう。ケースの角は痛そうですが・・・。

ヘッドホン出力をアンプにつないでみましょう! 2020.3.2

ES9218Pは内部にチャージポンプによる負電圧を発生させているので、出力はカップリングコンデンサなしで、直接
ヘッドホンに接続できます。で、ヘッドホンに接続できるくらいなら、アンプにも接続できます。ちょっと、思うところがあって
どんな音がするか試してみました。
 FESP5142-DoにPCM出力がでるように改造もしたことなので、それをDAI代わりに接続です。


FESP5142-DoをPCM出力がだせるように改造して、PiDAC9218につないでみました。
ヘッドホン出力をそのままアンプに接続してみましたが、これが良い音します!


ををを!!!

 あまり期待はしてませんでしたが、ESS社の匂いがします(笑。 なんというか、現代的な音なのかなあ〜。
チャージポンプでの電圧発生なので、ちょっとノイズがあったりするのかな〜と思ったりしましたが、まったくそんなことはなく
極めてクリアーな音です。低電圧にもかかわらず、これだけスピード感がある音はなかなか出会えないかもしれません。
かなりアナログ回路がうまく設計してあるのでしょう。

 何をしたかったかといえば、DACのポストアンプは通常はOPアンプを使うので、そのために正負15V電源が必要になります。
しかし、ES9218Pだとアンプ直結できるのでOPアンプは不要で、電源が極めて簡単になります。5Vあるいは3.3V単一で
済むので、かなりスッキリしたDACになるはずです。PCM9211あたりのDAIを接続して、シンプルなDACにしてみたら
面白いかもです。
 さて、あたらしい企画につながるかな?

ES9218PをつかったDACを検討してみる! の巻きに続きます(2020.3.7)

(まずは、一旦このページはおしまい)