CS43198を調べてみよう!の巻き 2018.1.15
福島の球使いさんからこんな情報をいただきました。
CIRRUS LOGICより新しいDAC素子がリリースされているようです。
こんな情報をいただきました。
マニュアルの最初のページです。 |
小さい!!!
パッケージをみると小さいですね。QFNパッケージというのはいいのですが、リードピッチが0.4mmになっています。
よくつかうパッケージでは0.5mmでしたので、さらに20%小さいくなっています。
でも、そのくらなら何とか手半田できるかな?
パッケージが小さいです。リードピッチは0.4mmといままで扱った中では最小です。
とりあえず・・・・
おもしろそうなのでDIGIKEYで一つ買ってみることにしました。
おそるおそる買ってみました。
やっぱり小さいです。サイズは5mm四方です。
惹かれた点は・・
このCS43198を使って見ようと思った最大の魅力は、内部のディジタルフィルターがユーザに開放されている点でしょうか。
ユーザでフィルターがカスタマイズできるので面白そうです。 |
1次(上)と2次(下)のIIRフィルータがそれぞれ1個と3個内蔵されており、合計で7次のフィルータを構成することができます
フィルターの計算は
IIRフィルターの係数の計算については、参考書やWEBを探せばいろいろとありますが、こんなページもみつけました。
石川高専の先生がフィルターデザインのページを提供されています。
簡単に係数を設計するには便利なサイトです。これについてはご参考に。
http://dsp.jpn.org/dfdesign/ 便利な設計ツールを提供されています。
使う上での懸案は・・・・
実はこのCS43198を使う上で一番の懸案は動作電圧が低い(1.8V)ということです。
PICや他の素子が3.3Vで動いているのでレベル変換をする必要があります。
この部分をどうしようかな?ちょっと考えどころです。
秋月から色々とレベルコンバータ基板が出ているからそれを使うかな?
この素子のディジタル部は1.8V動作です。
I2Cラインはこれがつかえそうです。
他のロジックラインはこれが使えるかな。
やっぱり小さいな〜 2018.1.16
CS43198の部品パターンを描いてみました。そして、同様のQFNパッケージのSi5317(36P,0.5mmピッチ)、TPS74A47(20P、0.65mmピッチ)と比較すると
その細かさがよくわかります。
左からCS43198(40P,0.4mmピッチ)、Si5317(36P,0.5mmピッチ)、TPS74A47(20P,0.65mmピッチ)です。
評価用基板を考えるかな?
まずは、いきなりDAC基板を描くというよりは、評価をするための基板を考えてみようと思います。
それにしては、このCS43198ですが、周辺に大量のコンデンサを必要とします。というのもチャージポンプ回路があるようで、
そのためのコンデンサが必要です。
コンデンサだけでも結構必要です。
意外と実装面積は大きいな〜
おもむろにパターンを描き出しいますが、CS43198自体は小さいのですが、周辺にコンデンサを配置すると結構面積が必要になります。
もっとも、使用しているコンデンサのパターンが3216(3.2mm×1.6mm)が主体なのでいたしかたありません。
本当は0603あたりでパターンを考えれば小さくできますが、そんな部品は手半田できそうにないですしね。
まずはCS43198の評価用の基板を考えてみましょう。
おもむろにパターンを描きだしました。サイズがわかるようにDIP14を併せて載せています。
こんなご意見も 2018.1.17
最近のPICは低電圧で動くものも多くあり1.8V動作品もたくさんあります。
こんなご意見もいただきました。
ちなみに、最近よくつかうPICはPIC16F1398です。なぜこれをよく使うかといえば、PIC16F1シリーズはROM容量も大きくて
プログラム作成に余裕があるからです。これでも足りない場合は、PIC18Fシリーズを使いますが、やはりラインアップ的には
PIC16Fシリーズの方が多いのが現状のようです。
でこのPIC16F1938ですが、いままでは3.3Vでしか使ったことはありませんが、スペック的には1.8Vから動作するようです。
いつも使うPIC16F1938です。1.8Vから動作します。
PIC16F1938はどこまで低電圧で動くか?
ちょっと気になったので調べてみました。PICに簡単な発振プログラムを書き込んで電圧を変換させたときに
どのような状態になるか調べてみました。
PICに簡単なプログラムを描いて電圧による影響のチェックです。
結果はいかに!
実験した結果はこんな感じです。結果的にはマニュアルスペックの1.8Vは確認できましたが、動作する限界は1.65V程度であり
あまり余裕がないこともわかりました。
いつも使う3.3Vです。 内部発振8MHzで動作させています。 ほぼ200kHzの発振出力です。 |
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動作下限の1.8Vまで落としてみました。 まだ200kHzの発振出力です。 |
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乾電池の電源の1.5Vまで落としてみました。 かなり周波数が落ちます。187kHzなので約5%低下しました。 |
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電圧を落として1.39Vになった時点で発振が停止しました。 |
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動作が停止してから、電圧をあげていったところ1.64Vになった時点で再度発振が開始しました。 動作下限は1.8Vで間違いないようです。 |
やはり、PICは3.Vで動作させた方が精神的にいいかな〜。
レベル変換器を試してみましょう。 2018.1.19
秋月電子のレベル変換器を買ってみました。しかし、いつも思うのですが秋月電子の包装って
安いものでもひとつひとつ厚手の袋に入っていて好感が持てますね。さらにマニュアルも入っています。
これを作るだけでも結構大変だろうな〜と思ってしまいます。
8ビットのレベル変換器です。
中身はこんな感じです。連結用のピンも入っています。
試してみましょう!
早速動かしてみましょう。PICを1.8Vで動かして発振させて、3.3V出力に変換してみましょう。
1.8V付近の電圧を作るためにLEDを使いました。すなわち3.3VからLEDを介して接続すると、
LEDのVf分の電圧が落ちますので、これでほぼ狙いの電圧が得られるでしょう。LEDにはVfの低い
赤色を使っています。
3.3Vから1.8Vを作るためにLEDを使って電圧を落としました。
電圧はちょうど1.8Vくらいになりました。
なるほど・・
予想通りの動きをしますね。便利な変換器です。
入力の信号(1.8V) 出力の信号(3.3V)
評価用基板を考えていきましょう。 2018.1.22
必要になりそうな部品を載せていって、そのサイズ感を確認です。
基板サイズとしてはSTD(120×80)をまずは想定します。
とりつける部品としては
・CS43198は2個分で。
・出力のOPアンプはDUAL品を2個
・入力は10Pコネクタ1個
・入力のレベル変換器
・制御用PICとLCDコネクタ、操作用SW
・入力は5V単一(3.3Vと1.8Vのレギュレータもオンボードに)。
・OPアンプ電源は外部(やっぱりDCDCコンバータにするかな?)
・I2Cのレベル変換器
・EEP-ROM
まずはこんな感じでしょうか?これらを押し込もうとしていますが、結構きつくなりそうな予感です。
評価用としていろいろなことができるようにするならば、もうすこし余裕のある構成にした方がよさそうです、
STDサイズに押し込もうかと考えていますが、部品密度が高くなりそうです。評価版としてはきついかな?
ちょっとトーンダウン 2018.2.18
CS43198は作る気満々だったのですが、ちょっとトーンダウンです。もともとCS43198に魅かれたのは自由に設計できる
IIRフィルターがあるといことなので、ディジタルチャンネルデバイダーへの応用を考えていました。しかし、TI社からリリース
されたPurepath Studioがつかえる環境になったこともあり、すっかりそっちに気が移ってしまいました。
そのため、CS43198の基板検討はちょっとトーンダウン気味です。
とはいえ
すでにCS43198は2個ほど購入済みなので、使わないのも勿体ないです。かといって手組みしようにも変換基板も手元にない・・・・。
そうこうしているうちに、新しく基板を作成することになったので、基板の面付けの隙間に変換基板を押し込むことにしました。
こんな感じで変換基板を描いてみました。長方形サイズになっているので、押し込むスペースの形状の都合です。
0.4mmピッチのQFP40の変換基板です。
でも、こんな変換基板ってたぶん、CS43198でしか使わないでしょう。であれば、CS43198専用にコンデンサを取り付けられるように
裏面にもすこしパターンを加えましょう。
裏面はコンデンサのスペースを加えました。
ちなみに表示がリバースになっているのは透視状態でみているので、
反転して表示するとこんな感じです。
数値はコンデンサの容量です。226とあれば2.2uFです。あれ2.2uFだと225だな(笑)。
まあ、いいや(爆)。
しかし、こんな基板つくっても多分あまりまくるだろうから、欲しい人にはプレゼントしましょう。
変換基板ができました。 2018.2.27
部品面です。
こちらは半田面
(つづく・・・かな?)