マルチボリュームコントローラの巻き! 2019.5.9

LM3886のアンプを別企画で考えていますが、このアンプはシンプルなので単純な2chステレオだけでなくマルチシステム用のマルチアンプに
することも組み立てるにはさほど手間がかかりません。そうなるとそれに対応したマルチアンプ用のボリュームコントローラが欲しくなります。
これについて、以前にシーラスロジックのCS3318を用いたEVC3318をつくりましたが、これは4chありますが、今回はそこまでの多チャンネルではなく
3ch程度の構成で作ってみたくなりました。
 今回の企画では2種類考えていて、@できるだけ安価な部品を用いたオキラクEVC A高性能な部品を用いたハイエンドEVCです。

1.オキラクEVC  EVC1972T
 これは秋月で300円で購入できるLM1972を用いたEVCです。
 各チャンネルのゲイン設定は基板上のVRあるいは基板上のスイッチを用います。
 ゲイン設定の状況は基板上に配置したLEDで確認できるようにしました。
 基板サイズはSTDサイズです。


EVC1972Tです。末尾のTはトリプルのTです。

1.ハイエンドEVC  EVC72320T
 これは秋月で購入できる2500円とすこし高いですがハイエンド使用のMUSES72320を用いたEVCです。
 各チャンネルのゲイン設定は基板上のVRあるいは基板上のスイッチを用いて行いますが、MUSES72320がゲインの調整量が
 0.5dBと小さいので、設定表示はLCDをつかうようにしました(設定後はLCDは不要)。
 基板サイズはWIDEサイズです。


EVC72320Tです。末尾のTはトリプルのTです。

さてさて、この構想は続くだろうか・・・・(GW中に色々と描いたのはいいけれど、どれを作ろうか悩んでいます・・・・)。

基板作成にかかりました 2019.5.15

まだまだバグはあるかもしれませんが、基板作成にかかりました。
週明けには手にすることができるでしょう。
週末はプライベートですが一大イベントがあるので、準備にかからなくっちゃ!

基板ができてきました。 2019.5.27

EVC1972Tです。末尾のTはトリプルを示しています。


EVC72320Tです。末尾のTはトリプルを示しています。

部品を実装していきましょう。
 2019.6.12

部品を実装していきましょう。まずはEVC1972Tから実装です。


EVC1972Tに部品を実装していきましょう。

作業再開! 2019.7.9

こちらもCLK5340と同様に作業再開です。こちらも組み立ててから電源を入れていなかったので、
こちらも最低限のプログラムを書いて電源投入して動作確認から入ります。

動かない・・・・

本当に必要最低限のプログラムだけを書き込んで電源ON! 動かない・・・、というかPICに直接接続している
LEDですら点灯しません(転倒するようにプログラムを書いているのですが・・・)。
 こういったときにもっとも疑われるのは電源ですが、テスターで測定してみると5V電源、正負6V電源とも問題なく
出ています。ただ、不思議なのは実験用電源の電流計の指示が0mAのままです。
 電流がまったく流れていない・・・・???

わかった!
 で、PICのピンの電源電圧を直接しらべたところ、VDDが0ボルトのままです。どうやら、PICに5V電圧がきていないようです。
でも、なぜかな?と、おもむろに基板データを確認すると、なんと電源の平滑コンデンサの接続を間違えていました!
どうりでPICに5V電源が供給されないわけだ!

間違っていたパターン。電解コンデンサの接続がおかしい・・・ 正しくは、こうなってなくっちゃ!

原因がわかれば対策ができます。ここでは電解コンデンサの接続が間違っていたので、
取り外してジャンパー接続としておきました。
 
 修正のためにC3の電解コンデンサを取り外し。                   C3はジャンパー線で接続です。

修正した電源ラインはディジタル用の5Vラインなので、C3がなくてもパスコン(0.1uF)があるので動作上は問題ないのですが、
やはり一定容量の電解コンデンサは欲しいところなので、とりあえず取り付けスペースを探して、ICSPコネクタのところに
電解コンデンサを取り付けました。基板上にはICSPのコネクタがとりついているので、部品面にとりつけることはできなかったのですが、
開発が終わったら、ICSPのコネクタを取り外して、電解コンデンサも部品面に移設しましょう。


とりあえず電解コンデンサをつけておきました。

動かない・・・その2

5V電源ラインの問題が解決して、PIC周りのLEDが点灯するようになったので、次は本丸のLM1972周りのチェックです。
動作チェックのために、信号入力側はすべて共通に接続して、同じ信号が入るようにしておきます。
そして、LM1972の動作は、その出力レベルが可変できるかどうかでチェックです。
LM1972は計3個をカスケード接続しているので、データをまとめて3個分送出したのちにラッチ信号を有効にします。


こんな感じで動作チェックです。がCH1(PICからみてもっとも上流側)からの出力がでません・・・・

で、動作しているか確認しますが、CH3とCH2からは問題なく出力が確認できました。でもCH1からは出力
がでていません。CH3とCH2はPICから見ると最下流になりますから、CH1のLM1972が動いていなければ
CH3,2も動かないはずです?

なにが悪いの?

CH1の問題を探るために、CH3とのパターンを比較してみますが、まったく同じなので問題点はみあたりません。
で、チェックとしてアナログ信号をオシロで確認すると・・・なんと、ICからは信号自体は正常にでています。
要はリレーが動作していなくて出力が短絡したままになっているようです。

わかった!
ひょっとしてリレーが壊れているのかな?と思いましたが、基板の半田面をみて、唖然・・・というか呆れました。
半田が付いていない・・・・

リレーのコイルのところの半田付けが抜けていました・・・ポカミスですね。

半田付けが抜けているところを修正すると、無事3チャンネル分のLM1972が動き出しました。

LM1972で出力コントロールができることを確認です。

ここまでくれば、ほぼ一安心かな〜。あとは、操作スイッチとVR接続のところの確認が残っていますが、
ソフトの組み上げのなかで、バグ探しとあわせてチェックしていきましょう。

仕様を整理!

ソフトを作る前に、簡単に仕様を整理しておきましょう。EVC1972Tはオキラクな3ch電子ボリュームなので
使い方はいったって簡単にしています。動作モードは2つあります。

1.可変抵抗を使って各チャンネルの減衰率を設定
基板の左下にあるモードジャンーパーを短絡させると、可変抵抗(VR)による減衰率の設定モードになります。
減衰率の設定範囲は0dBから-15dBにします。これだけの範囲があれば、ほとんどの場合はレベルあわせができるでしょう。



2.スイッチを使って各チャンネルの減衰率を設定

基板の左下にあるモードジャンーパーを開放させると、スイッチによる減衰率の設定モードになります。
こちらの方がこの基板としての本命です。というのもVRの接続って結構面倒ですからね。スイッチ一つで各チャンネルの
減衰率を変更できるほうがスッキリすると思っています。
 CH-SELをつかって、設定したいチャンネルを選択します。選択しているチャンネルはCH-dispのLEDに表示されます。
そして、INC,DECのスイッチを押して減衰率を設定します。設定量が0dBから-15dBです。この値はLEDのAttenuationに
表示します。0dBの場合はLEDは「○○○○」、-1dBの場合は「○○○×」、そして-15dBの場合は「××××」という
感じて表示します。ちなみに○は点灯、×は消灯です。
 なおマスターボリュームは可変抵抗をつかいます。こればかりはスイッチで代用すると、使いにくいものになってしまいます。


ソフトを組んでいきましょう!

まあ、機能は簡単なのですがこれでもいざソフトウエアを書くとなると結構大変です。

動作チェックの下準備 2019.7.10

ソフトの動作チェックのためにも基板に外付けのVRをつけておく必要があるので、すべてのVR入力
端子に計4個とりつけました。こういったテストのために使うVRはほとんど使い捨てになってしまう場合が
多いので、できるだけ安いものに越したことはないので、AMAZONで購入した中華製のものをつかっています。


動作チェック用にVRを4個とりつけました。


14種類がそれぞれ20個、計280個入って約1700円です。6円/個なので気楽に使えます。
あまり使わない抵抗値が結構ありますが・・・

LM1972は曲者・・・・
 LM1972は低価格で性能も良いので、オキラクにつかえる電子ボリュームではあるのですが、
音量の減衰量にすこし癖があります。下図のように、最大音量から減衰していきますが、最初は0.5dBステップで
の減衰ですが、途中(-48dB)から1dBステップに変更となります。これはLM1972を単独で使うにはとても
都合がいいもので。直線状に変化するBカーブの可変抵抗を用いてマイコンでAD変換して読み取った
値をそのままLM1972に入れても感覚的に違和感がありません。といのも、通常のオーディオのアンプの
ボリュームに使われる可変抵抗はAカーブ(対数)なのですが、LM1972のボリュームコントロールはそれを
意識しているのか、減衰量の大きな音量が小さいところは大きなステップで変化し、減衰量の小さい音量の大きい
ところでは小さいステップで変化します。


LM1972では減衰量が途中で変化します。

ただ、これをチャンネルディバイダを意識したボリュームコントロールにつかうには、すこしだけ面倒です。
というのは、マスターボリュームに対してあるチャンネルは一定の減衰量、たとえば-6dBだけ設定したい場合を
考えると、通常の電子ボリュームなら一定のマスターボリュームの値から単純に各チャンネルの減衰量を
引き算するだけで済むのですが、LM1972の場合はそう単純ではありません。減衰量が途中で変わるので、
単純に一定の値だけを引き算するような処理にしてしまうと、音量が小さいときと大きいときででは
チャンネル間の音量がばらばらになってしまいます。
 まあ、これはLM1972を使おうとした時点でわかっていたことなのすが、いざソフトを組もうとしたときに
すこし戸惑う原因になってしまいました。

支援用ツールをつくろう!
 ちょとややこしいソフトを書く場合は、プラグラム中の変数の値などを確認しならがら行うとスムーズにできます。
基板上にLCDなどが載っている場合は、そこに色々な情報を表示することができるのでいいのですが、
今回取り組んでいるEVC1972Tは、簡素にしたためLCDをとりつけるようにはしていません。LEDが6個乗っていますが、
それだけでは・・・なんともしがたい。
 上記のLM1972が曲者と書いたように、プログラムがうまく動いているかどうかがわかるようなものがあればな〜
ということもあり、プログラム作成の支援ツールをつくりました。
 と書きましたが大したものではなく、下図のような簡単なものです。


プログラム開発の支援ツールをつくってみました。

EVC1972Tに使用しているPICは28PinのPIC16F1938ですが、これは8ビットのIOポートが3組、すなわちRPOT-A〜Cで
計24本しかありません。それに対して40PinのPIC16F1939は、PIC16F1938に加えてさらに10本以上のIOポートがつかえますから、
PIC16F1938を完全にシミュレーションしながら、LCDを追加することができまます。LCDの接続には制御線が6本あればいいので、
余裕です。
 ということで、PIC16F1938をPIC16F939に置き換える基板を作りました。液晶には表示文字数の多い中華製のSC2004の互換器を
つかいました。


変数の値などが表示できるとデバッグがとても速く進みます。

ソフト完成!

夜の夜長にカタカタとキーボード叩いてソフトが完成しました。いや〜、支援ツールの作成にすこし時間がかかりましたが、
すごくスムーズにデバッグができました。

今日はここまでかな・・・・・ウインブルドンでも見ようかなあ〜。

(しばし休憩)

あ〜あ、錦織くん負けちゃいましたね〜

(夜の夜長モード再開)

音だし!

ここまでくれば音だしせずにはいられません。といっても、LM1972は何度もつかったICでもあるので、
今回は音質というより使い勝手の確認みたいなものです。
 ・ミュートリレーのタイミング・・・3秒くらいでいいでしょう。
 ・ボリュームの回転位置・・・・ボリュームが真ん中くらいで常用のレベルかな。
 ・減衰量の確認・・・-15dBだと、小さくなるのがよくわかるのでこのくらいでいいでしょう。

音だしの構成です。 DAC9038S→EVC1972T→HPA6120→ヘッドホン としています。


軽くて使いやすいヘッドホンです。オーディオテクニカのATH-M30Xです。


これに使いましょう!

このEVC1972Tはオキラクなマルチアンプ基板なので、使うシステムもオキラクなSPを考えています。
以前にフライスを導入したときに、色々と作ったスピーカをならすのに使おうかと思っています。
ちなみに写真の中央は秋月のスピーカを2個使用したSW(サブウーハ)です。f0を欲張ることはできませんが、
f=90Hzとf=110Hzのダブル共振にしています。これがあるとないとでは、全然音の迫力が違うので、
欠かせないのですが、単にパラにアンプにつなぐだけではレベルが合わないので、今回のマルチボリューム基板を
使おうというわけです。


ALTECの小型BLH(左右)と秋月スピーカを使ったSW(中央)の組み合わせ。


ネットをとるとこんな感じ。色でも塗らないと寂しいな〜。

ただ、実際に配線できるのはオーディオ装置の再配置が決まってからだな〜。
まあ、それまでは備忘録となる製作マニュアルを書きましょう。

あ〜眠たい・・・・。

すこし修正 2019.7.12

一部コンデンサのパターンを間違えてジャンパーにしているので、ディジタル電源ラインの電解コンデンサがありません。
ディジタル部分だし、またパスコンも入っているので動作の面では問題ないのですが、気分的にはすこし
安心したいこともあり、追加することにしました。どこに取り付けるかですが、三端子レギュレータの足に直接
取り付けてもよかったのですが、ソフトが完成(?)したのでICSPポートをつかうこともない(?)こともあり、
そこを活用することにしました。
 
こんな感じでディジタルの電源ライン(5V)に電解コンデンサを追加することにしました。

どのように組み込むかな?

マルチシステム用のアンプとして考えているのですが、どのようにつなぐかはすこし要検討です。

1.アナログフィルタを用いる場合
 いままでのメインシステムで用いていたのは下図のパターンで、アナログフィルタのチャンネルディバイダを用いた場合です。
これがスッキリとするかもしれません。


アナログフィルタのチャンデバを用いる場合の接続


2.クロスオーバネットワークを用いる場合
 最近、AMAZONで中華製ですが安価なクロスオーバネットワークが売られているので、それを活用するのもいいかもです。
となると、次のような設定かな?

クロスオーバネットワークをつかった場合の接続

まあ、のんびりと考えていきましょう!

そういえば!!!

もともとEVC1972Tはマルチシステム用のボリュームコントローラとして考えていましたが、複数のボリュームがあるということで
バランスラインのボリュームコントローラにもつかえそうです。こんな接続ができそうです。
DACの出力も高性能なものはバランスタイプがほとんどなので、直接的にこのアンプに入力してやれば良さそうです。
ついでに、差動アンプもつけてシングルエンドの出力も得られるようにできそうです。


バランスアンプのボリュームコントローラとして使う場合など

でも、いまのところバランス入力で動く機器を持っていないのですよね・・・・・。
狭い家なので機器感の距離も短いのであえて、ノイズもさほど気にする必要もないのでシングルで十分・・・と思っています。

製作マニュアル書きました 2019.7.12

これです → EVC1972T_Manual.pdf

まずはEVC1972Tをリリースします。LM1972を持っている人のために、基板+PIC+チップ部品のみも用意しました。→EVC1972-PartsList.pdf

(つづく・・・かな?)