Precision R-2R DACを検討する の巻き 2010.5.30

タイトルと内容が会わなくなってきたので、新しくページを立ち上げました。
いままでの検討記はこちら

描いたアートワークはこんな感じ。
今度は半田面がベタになりました。表面実装部品が多いので、どうしても部品面が配線面になってしまいますからね。

全体パターン(画像をクリックするとPDFが開きます)


部品面(画像をクリックするとPDFが開きます)


配線面(画像をクリックするとPDFが開きます)

抵抗も高精度品をチェック!
 2010.5.31

Digikeyでバーンズの10k抵抗0.1%品を20個ばかり購入してみました。
一応手持ちのテスターで測定してみましたが、
20個すべて”10.00kΩ” 
です。やはり仕様はウソつかないですね。
この抵抗をつかえばMSB調整用のVRは不要なんじゃないかと思えてきました。


digikeyでチップ抵抗購入(10kΩで0.1%品)


心なしか綺麗な感じがします(笑)

次ぎにつくっておきたいものは・・・・ 
2010.6.2
かなりこのR2R-DACは精度の高いものができそうな感じがしてきたので、
DAIも一つ作っておきたい気がしています。というのも手持ちにDF1706があるので
ひさしぶりにこれをつかってみたくなりました。以前にCS8416とDF1704を組み合わせた
ものはありますが、今回はDF1706専用に再設計したいと思っています。

(構想は旅行中にゆっくりふくらませましょう)

DAIの前に・・・ 
2010.06.07

A7回路を応用して差動アンプのその2を描いてみようかと思っています。
R2R-DACの出力を一旦バッファリングしてから差動回路にいれようという魂胆です。
また、ちょっと定数を換えればIV変換+差動増幅にも変更できます。
なお出力段のTRはCANタイプ使用を前提としています。これは、どうしても部品の実装
密度があがるのでTO-126などとの併用パターンは無理なためです。


アンプモジュールをOPアンプで表すとこんな感じ。


すべての部品を描くとこんな感じ。

パターンにするとこんな感じかな(ベタはまだ塗っていません)。

とりあえずパターン完成です。

全体パターン(画像をクリックするとPDFが開きます)

さて、DAIを検討!

DF1706を使おうと思っているのだけど、これはちょっと癖のあるDFです。というのは96kHzまでは
8倍オーバサンプリングになりますが、96kHzを越えたところでは4倍オーバサンプルにモードを設定
しなおさなければなりません。さらに96kHzを越えるとことではシステムクロックは128fsあるいは192fsが
必要で、反対に96kHz以下では256fs以上である必要があります。
 なにを言いたいかというと、96kHz以下と96kHを越える領域(176kHz以上)とではなんらかの方法で
物理的に動作モードを切り替える必要があります。
 スイッチで切り替えてもいいのですが、せっかくなので自動で切り替えられないか考えて見ましょう。


DF1706の動作クロック。以外と制約が大きい。

こんな回路が簡単そうです。単安定のワンショットを2回路使います。そうすればロジックICの74123が1つで足ります。



タイミング回路の定数ですが、74LV123の場合ではt=K×R×Cになっています。ここで、Kは定数ですが
おおよそ1のようです。それならば計算が楽です。
たとえば8uFの時定数を得ようと思えばR=10kΩとすればC=800pFになります。800pFはE6系列にはないので
C=1000pFとしてR=8.2kΩとすればいいでしょう。また諸誤差を考慮して調整するとなるとC=1000pFとして
R=5.1kΩとしてVR=5kΩ程度とすればいいかな。

74LV123の場合の時定数の計算式。Kはおおよそ1になるようです。

さっそくパターンを描いてみる。
久し振りに光コネクターも使えるように描いてみました。というか、光コネクターの基板はどちらかといえば
切り離して使えるようにした感じです。最近TORX177も買い込んだのでこれをつかってみようかと思っています。


まずはざくっと描いてみました。


とりあえず完成!

さて、基板の試作をしようかな!

面付け作業がのこっていますが、6月中にはできるでしょう。

基板群到着しました。 2010.6.23

ようやく試作した基板類が到着しました。すでにDAIwithDF1706にバグがあるのはわかっていて、
ちょっと残念ですが、どんどん組み立てていきましょう。しかし、最近忙しくてなかなかはんだごてを
握る時間がとれなさそうです。いつになったらできるかな〜っと。


こちらは部品面。


こちらは半田面

さて、どれから作りましょうか・・・

まずはR-2Rから!
2010.6.25

まずは今回の主役であるR2R-DACからつくっていきましょう。色々なおかずがあった場合に、
まず好きなものから食べるか、あるいはイヤなものから食べるかのような感覚です(笑)。
それにR2Rはほとんど表面部品ですから、作るのも意外と簡単だったりします。でも、
小さい部品は最近結構疲れます。もう眼鏡をはめて半田付けするのが困難になってしまい
ました。トホホです。


R-2Rの部品面(ほとんどが表面実装部品)


R-2Rの半田面(こちらがベタアースになっている)

この基板には半田面にも部品をのせるところがあります。一つはFET用のパスコンですが
もう一つは、R-2Rの「R」の抵抗です。というのは部品面にも同じ「R」の抵抗を実装して
それら2つの抵抗を並列とすることで1/2Rにしています。厳密な意味でいえば
この基板は表面実装抵抗品をつかう場合はR-2Rではなくて 1/2R-R DACになります。
もちろん、普通の抵抗器をつかう場合はR,2Rとしてももちろん問題ありません。
R,2Rの組み合わせとしては、7.5k、15kくらいが適当でしょう。ひょっとしてもう少し低く
して1.5k、3kという組み合わせもおもしろいかもしれません。あるいは750Ω、1.5kでも
いいかな?このあたりは自由にできそうです。なんといってもFETの出力抵抗が小さい
ですから、駆動力に余裕があります。

さて、どんどん部品を搭載していきましょう。


まずは抵抗器を載せました。バーンズの0.1%品10kΩです。


つぎはFET。全部で24個あります。


つぎはIC類。ここまでくればあと少し。

そして、裏にチップ抵抗とチップコンデンサを取り付け。
最後にCRを載せてできあがり。


お出かけ前の写真をパチリ。

ワクワクの動作確認!

この基板自体は5V単一で動作します。電源はディジタル部とアナログ部と分離して供給できますが、
まずは動作確認なのでまとめて供給します。なおディジタル部とアナログ部のGNDはどこかで接続しようかと
思いましたが、今回は完全に分離しました。ということで、GND同士も接続が必要です。

話はもとに戻り、ディジタルとアナログの電源は共通にするとして、どこから電源を供給するかですが、
この基板にはもちろん電源端子はありますが、動作確認なので手を抜いて、DAI基板から電源をもらう
ことにしました。DAIとの接続ケーブルから電源をとります。
DAIにはまずは、DAC1242-DAIをつかいました。そのため、入力のプルアップ抵抗は実装していません。
これは、プルアップ抵抗をとりつけるとDAI側のプルダウン(SDOUT端子)と干渉してCS8416がうまく
立ち上がらないためです(CS8416のSDOUTをプルダウンするとハードウエアモード、プルアップすると
ソフトウエアモードになるため)。


DAIを接続して動作確認の準備は完了。

DAIを接続して電源ON!

波形がすぐに観測できるようにオシロもスタンバイしています。
入力信号にはPCの波形発生ソフトをつかっています。


無事波形がでました!でもfs=48kHzなので波形はガタガタ

ここまでくればちょっと一安心です。一番の懸案事項はゼロクロスでの歪みです。
信号振幅を小さく絞って(-60dB)ゼロクロス歪みを調べて見ましょう!
をを、少し不連続部がありますがほとんどわからないですね。


-60dBの波形(周波数は1kHz、オシロは2mV/div) 不連続部は小さいです。

ドライブ素子にFETを使用して、0.1%の高精度抵抗を使用した甲斐がありました。
しかし、48kHzのサンプル速度だと波形のガタガタがよくわかります。もっともローパスフィルターを
通すとこれらのギザギザは消えてしまいます。

次はリニューアルASRCと接続!

リニューアルASRCとも直接接続できるようにしてありますので、こちらでテストしました。
目的は192kHzまでちゃんと動くかどうかの確認です。48,96,192kHzと変更させていきましたが、
やはり周波数が上がるほど波形が綺麗になっていきます。とわいっても8kHzの正弦波も192kHzでは
24分割にしかならないので、それなりにキザキザがでてしまいますが、それでも48kHzと比べれば
雲泥の差です。


ASRCとの接続。フラットケーブル10Pで簡単につながります。


fs=48kHz時(入力は8kHz正弦波、0dB)


fs=96kHz時(入力は8kHz正弦波、0dB)


fs=196kHz時(入力は8kHz正弦波、0dB)

早速もう1枚を製作!

さて、ここまでくると早く音が聞きたいですね。早速もう一枚を作ることにしましょう。
もう一枚の製作完了!


2枚完成しました!

同じく、-60dB振幅の波形を入力して波形を観測してみましたがこちらも誤差は小さいようです。
まずは調整用のVRは無しでいきましょう。しかし調整用のVRって10Ω程度の物が必要なのだけど
どうしよう?売ってるかな〜。あるいは固定抵抗をつかって調整して行くかな?


-60dBの波形(周波数は1kHz、オシロは2mV/div) 
fs=192kHz時。不連続部はやはり小さいです。


音質評価!!!!

は少し後回し。完成直後は気も高ぶっているので、もう少しリラックスした状態で試聴したいので
また後日にやることにして、されに次の基板の動作確認に移って行きましょう。というか出来ない理由が
あってコネクタが3個ついたフラットケーブルの手持ちがないので、調達しないといけないんですよね・・・・

少し長くなってきたのでPART2に続く。
(つづく)