メモリーバッファー考(後編 その2)

本格準備の巻き

 
試作試験時の修正を踏まえ、最終版(?)を作成。


修正後パターン

memory3 プリント配線基板パターン
READ2c READUNITの回路図
WRITE2c WRITE UNITの回路図
MEMORY2c MEMORY 部分の回路図


さて、いろいろとパターンをいじったこともあるので念のため試作に出してみようと思う。
でも、折角なのでこんなアダプター基板もつくって試してみよう。


  DAC1794-3用のアダプター                   DAC1704-4D用のアダプタ



閑話休題 2007.8.5

久しぶりにラックの中を模様替え。最近まで部分的にDACを抜き出して改修したりしていたので、
ラックにきちんと収まったのは2ヶ月ぶりくらい。
 

なんか傾いて映っているな〜

ONKYO
ミニコン
FR-N3X
PC関係
DAC1794D&ASRC
DAC8D SUPER プリアンプ
DAC1704-4D パワーアンプ1
DAC1794-3 パワーアンプ2
チャンネルデバイダ パワーアンプ3

ちょうどこんな配置

DACは計4台

合計4台のDACをつかっているわけだけど、直接CDからディジタル信号が入っているのはそのうち3台。
DAC8D-SについてはDAC1704-4D経由になっている。またDAC1794-3は192kHz対応なので、ASRCの出力
もつなげられるようにしている。
こうなると、今なにが鳴っているのかよくわからなくなるので、こういった接続図が必須です。

簡単に接続図をつくっておきましょう。

まだバラックのものが・・・・・
試作版のDAC1794-3がまだケースに入らずにラックの上で鎮座しています。
さて、どうしようか・・・・・。梅雨も明けて夏日真っさかりのときにケースの加工は地獄です。
こりゃ、秋口までおあずけかな?

バラック状態のDAC1794-3


ちょっと、お遊び 2007.8.11

DIgiKeyでこんな安価なDACを入手してみました。

PCM1744です。24Bitで@394円(+消費税)と安い!

PCM17944の特徴は、まず安いということです。それと、珍しくSOIC(1.27mmピッチ)ということも
あり半田付けがし易いのもよいところです。もう一つありました。14Pinと足が少ないので配線が楽です。
たぶんこの手のICは廉価版のDVDプレイヤなどに使われるのでしょう。

載せてみよう!

メモリバッファーのREAD UNITにはデバッグ用を考えて予備のICが搭載できるパッドがあります。ここを利用します。
ちょうど14PinのICを想定していたのでピッタシです。ただし、PCM1744は14PinがVccではないので、そこの配線は
切断しておきます。Pin8はロジックICと同様にGNDなので、そこはそのままです。

 
PCM1744を空きランドに実装!SOICなので半田付けも簡単。

う!I2Sフォーマットだ。

簡単に接続できるかと思えば、ひとつ罠があった。なんと、I2S入力になっています。
なんで普通のStandard Format(右詰)でないんだろう?

入力はI2Sフォマットのようです。


メモリーバッファーの出力をI2SにするにはCS8416の設定を変えるだけで、作業は簡単ですがどこを修正するかを調べるのが面倒です。
たぶんCS8416をつかったDAIのマニュアルに書いていたような・・・
ということでマニュアルを探すと、あ、ありました。
I2Sの変更方法がありました。デフォルトと異なるのはAUDIOとC入力をそれぞれL,Hは反転させればよいようです。


で、基板パターンを眺めて修正個所をチェック。2つのパターンカットを2本のジャンパー線で修正できそうです。
こういうときにマニュアルをきちんと書き残しておくとあとあと役に立ちますね(と、自分で自分を誉める?)。

 
I2Sへの修正方法。黄色がパターンカット。白黄色線がジャンパー             実際の修正した状態。

次はPCM1744の配線だ!

配線というほどのものもありません。電源を接続して、データ線(DATA、BitClock、LRClock)を接続するだけです。
1つコンデンサが必要ですね。今回は簡単に済ませたかったのでPOST LPFは実装せずにおきましょう。
ただし、DCカットのためのカップリングコンデンサとして10uFの電解コンデンサを挿入することにしました。
コンデンサは基板の部品面と半田面に分けて実装します。


標準的な配線方法

  
部品面の実装の様子。                     半田面の実装の様子。

PCM1744のシステムクロック(SCK)は256fsあるいは384fsの指定になっています。あいにく、メモリーバッファーは
128fs出力にしているので、そのまま基板のSCK出力を接続することはできません。ということで44.1kHz専用になりますが、
PCM1744のSCK入力には16.9344MHz出力を直接つなぎます。ちょうど、発振回路には取り出しに便利なランドを設けています。
ここから横取りです。

  
                 全体の配線の様子                           SCKは水晶発振出力から直接取り出し。

動かして見よう!

とりあえず、1kHzの正弦波を入力して動作を確認しておきます。無事動いているようですね。
こんなに簡単にDACが組めてしまうと、有る意味拍子抜けです。
でも、ちょっとオシロの輝線が太いような気がします。もう少し出力振幅を抑えて目盛りを拡大すると
結構な幅があります。これは、LPFが入っていないから仕方がないです。
デルタシグマ変調ですから盛大なスイッチング出力がでてきます。

ちなみに出力電圧は振幅で1.5V程度の様です。rmsにすると1.1Vくらいかな。
すこし低いですが、アンプに接続するには全く問題ありません。
  
 1kHz0dB出力(プローブ10:1)                1kHz -40dB出力(プローブ1:1)

実際に鳴らしてみよう!
いつものようにヘッドホンアンプに接続して聞いて見ましょう。を!結構生き生きした音がでてきますね。
ディジタルフィルターも軽めだし、LPFが入っていないのが逆に効果があるのかもしれません。


試聴のための接続の様子。

ディジタルフィルターの特性を比較してみると、明らかに違います。というか、PCM1744は申し訳ない程度に入れている感じです。
でも、これがローコスト化にも効いているのでしょう。このフィルター特性だから総合性能のS/Nが97dBでTHD+Nが-83dBと
PCM1794のハイエンド品に比べるとかなり見劣りがしてしまいます。
でも、それらはあくまで数値上の話しであって、聴感上のS/Nはもっと良いように感じます。

PCM1744のDF特性 PCM1794のDF特性

なにはともあれ、PCM1744はちょっとした息抜きに遊ぶのに適したICでした。


備忘録

試作基板は結局1枚しか使わなかったので、残りを使う時を考えて修正部分の備忘録です。


基板到着 2007.8.14

試作基板(その2)が到着。お盆なのに基板屋さんは営業されているのですね。お疲れ様です。
という私も16日から出勤です。16日って五山の送り火があるのに、なんでそんな日から仕事なんだろう、と思ってしまいます。
ご先祖様に「仕事があるから先帰るね」という感じで申し訳ない。
まあ、ご先祖様も今のせわしい世の中をご理解いただいているとは思いますがが・・・


基板到着。70um銅箔の金メッキフラッシュ!

盆休みも少ないので早速組み立てましょう。といっても、2回目ですから手馴れたものです。
SOICとチップコンデンサを黙々と半田づけ。1時間ほどやると疲れてくるので、ちょっとティータイム。
でもティ-ではなく、ドライジンに檸檬をすこし入れて、炭酸で割ってクイっとのどを潤す。
なんといっても今年の夏は暑い!家の中にいても熱中症に気をつけないといけないので、
つねに水分補給は重要です。(おいおい、昼から飲むなよ・・・・・)
一口いれると、手先の震えが納まってちょうどいいです。ウソ!反対に無茶苦茶作業が雑になります。
でも、SOICだからあまり気にせずにつけちゃえ!


基板完成!2回目の試作ですからジャンパー線は不要です。

あ、ジャンパー線は1箇所あります。ジャンパーというより、無音信号を検出するための時間設定する配線です。
”ResetTime”と書かれたところからT1〜T8に接続します。44.1kHzではT6に接続すると約0.7secの無音検知時間になります。
すなわち0.7sec以上無音が続くと、メモリーをリセット(正確にはアドレスポインターのみをリセット)します。
これはちょうどメモリの半分にデータを書き込んだ時間に相当するので、丁度よいタイミングです。

無音検知時間は0.7secにセット。

基板にいろいろと手を入れる前にお出かけ用の写真をパチリ。

お出かけ用の写真です。のっぺりした感じだな〜

動作確認!

動作確認といっても、それほど大きな変更をしていないので、あまり気負いすることはありません。
R-2R DACにつなげて、問題なく動作することを確認しました。


新たな機能
今回の試作で新たな機能として動作表示のLEDを追加しました。これは上記で述べたように、音楽の無音時間が続いたときに、
ポイントアドレスをリセットしますが、それがわかるようにしました。すなわち一定時間の無音が続くと、LEDが点灯してわかります。
消灯のタイミングは、音楽信号が入ってメモリに一定量溜まって、音楽信号を送出するときを待って消灯します。
すなわちこのLEDが点灯している間はメモリーバッファーボードから信号が送出されていないことになります。
送出されていないときは、常にゼロデータを出すようにロジック設計していますのでDAC出力は無音になります。

今回あたらに追加したLED。メモリーボードの動作状態がよくわかります。


アダプターボード(その1;DAC1794-3用)
今回の試作では既存のDACへのアダプターボードも設計しています。これはDAC1794-3用のものです。
先にユニバーサル基板でつくりましたが、やっぱり基板をおこすときれいに仕上がります。

DAC1794-3用のアダプターボード

このアダプターボードにはソケットを3つほど取り付けますが、手持ちにピッタシのものがなかったので、
長めのコネクターを短く切断して使用しました。

基板に取り付けるコネクタ。本来は28Pと8Pがあればベスト!

取り付ける側のDAC1794-3も少し追加改造します。データ線のところにピンを立てますが、さすがに1列では強度的には弱いので、
さらにもう1列追加します。追加のピンの信号自体は使用しません。アダプタボードを一定の強度を持たせて取り付けるためでだけです。

 
もともとの改造状況                    ピンを追加して2列に変更!これでしっかりアダプタを固定します。

こんな感じでアダプタボードが取り付きます。
もちろん動作のほうも問題なしです。でも、このアダプターボードをつけるにはちょっとケースの高さが必要です
アダプタ基板の下側にL型のピンを取り付けられるようにパターンは工夫しているので、実際にはそちらの方が
実用的かな?

DAC1794-3にアダプタを取り付けた様子。

アダプターボード(その2;DAC1704-4D用)
やっぱり高性能を狙うメモリーバッファーですからDAC1704-4Dにも接続できるようにしたいものです。
これもあわせてつくっています。

DAC1704-4D用のアダプターボード

実際に動くかどうか確認してみましょう。DAC1704-4Dを久しぶりにご開帳です。
左上にDAIが写っていますが、これは使いません。

DAC1704-4Dの内部の様子。右側はディスクリIVを搭載して高さキチキチです。

DAIからDACへの接続されている10Pのフラットケーブルをはずして、アダプター基板に取り付けなおします。
これで接続OK。DAC1794-4DのオリジナルのDAIは未使用になってしまいますが、仕方ありません。
メモリバッファーと接続して動かしているわけですから、ディジタルフィルタは除外されています。
すなわちNOSモードオンリーでの動作になってしまっています。本当はオリジナルのDAIの出力を
メモリーバッファーに入れて、メモリーバッファーの出力をオリジナルのディジタルフィルタ回路に入力できる
ようにしておけばスマートですが、そこまで計画的な設計はなかなか難しいものです(そもそも、そこまで
先を見越した設計は無理ですしね)。

メモリーバッファーからアダプターボードを介してDAC1704-4Dへ接続


動作確認!オシロの画面に写っているのは心霊写真ではありません(笑)。

オリジナルのDAIをはずしてしまえば、メモリーバッファーをDAI代わりにケース内に収められそうですが、
それにはかなりの改造になるので、また涼しくなったら考えましょう。


閑話休題(その2)

いや〜、暑いです・・愚痴モード。
仕事場の事務所も建屋が古いせいか冷房もあまり効きません。座っていても汗がでてくる・・・
対策は各自で卓上の扇風機を回している始末。その反面、他のセクションに行くと寒いくらい冷房が効いている。

こりゃ、空調格差社会だ〜!!!

まあ、盆過ぎはこんな気候だと諦めましょう。
しかし、盆休みといえば普通は8/16まで有る物だと古都育ちには常識(?)ですが、
大阪の会社なので普通に8/16から仕事が始まってしまいました。今年も五山の送り火は見れずです。
今年も例年のごとく、帰省したときに少し早いですが大文字を眺めて手を合わせておきましょう。

まだ、実家からはかろうじて大文字が見えます。

ちなみに帰省するたびに、ステレオには電源を入れるようにしています。
たまには電源を入れないと、コンデンサが朽ちてしまいそうで・・・といっても、年に3〜4回しか電源を入れないので、
あまり効果はないかもしれませんが、気は心です。

これらの装置はもう25年以上も更新していませんが、まだまだ元気に鳴ります。
(鳴るだけという話しもあるが・・・・)
スピーカはテクニクスのSB-6。25cmの3WAY平面スピーカです。これは兄貴からのお下がりです。
CDPはなくてレーザディスクプレイヤで兼用しています。パイオニアだったかな?まだ動くのが不思議です。
これはエイリアン2を見たくて買いましたが、LDも問題なく動きます。
アンプはONKYOのA-812かな?これは数年前にヤフオフで買ったものですが、製造年月日はかなり古かった
と思う。ことごとく表示の豆電球が切れていたので、LEDに取り替えた覚えがあります。
このステレオを揃えた頃は、オーディオには全然凝ってなくて、どちらかといえばスピーカの上にある
模型なんかにはまっていたころです。これらの模型も久しぶりに、ペラ(プロペラやスクリュー)を回そうとしても、
エンジン内の油が固まっていて硬かった。こりゃ、オーバーホールしてもだめだろうな・・・・・

でも、帰省すると自分の部屋の時計が止まっている(実際に時計も電池を替えていないので止まっているが)、
ので、妙に感慨深く感じる今日この頃です。

実家にあるステレオ。もう骨董品クラス?


以降はお気楽DAC3と記事を統合します。