Renew DAC1704は復活するか? 2013.8.7
PCM1704を使用したDACが在庫切れ(絶版?)になってから、かなり日が経ちます。
PCM17104の素子自体も在庫はあるようですが、値段もかなり高くなっています。
値段が高いということは、需要があるが在庫が少ないということでしょうか?
ひょっとして、いま市場にある在庫を逃すと二度と手にはいらないのかもしれません。
それにしても、つくづくPCM1704って銘石だな〜っと思います。
24BitマルチビットDACの最高峰であり、レーザトリミングなど非常に手のかかる製造工程が
必要で高コストになりがちなため、ΔΣ全盛の現在にあっては少し時代に合わないところがあり、
絶滅危惧種的な存在ですが、その音は極めて繊細で、クラシックを聞くにはもってこいです。
私の家にも、DAC1704-4DとDAC8D(PCM1704-K版)があり、手放せない存在です。
というか、もう2度と作ることはできないでしょう。とくに8Dだと、32個のPCM17014が必要ですから、
それだけで、大枚をはたくことになります。
基本的にはPCM1704をつかったDACはRenew DAC1704が最終バージョンと思っているので、
これを再製作するかどうかが悩ましいところです。
それにもまして悩ましいのが、Renew DAC1704を動かすにはディジタルフィルターを搭載した
DAI(Digital Audio Interface)が必要です。これについてはRenew DAI for DF1706がありますが、
設計としては少し古い(調整が多い)ので、これをあわせて製作するのもどうしようかな〜っと思ったりします。
それに、手元に予備のPCM61P(18Bit)、PCM58P(18Bit)、PCM63P(20Bit)などもあることだし、
これらを動かすにも、それらに対応したDAIがあると便利かな〜っとおもったりします。
ん〜どうしよう。
とりあえず・・・・・
製作するかどうかは別としてNew DAI for DF1706 を考えてみましょう。うまく設計できれば
あわせてRenewDAC1704と試作を考えてみましょう。
基本的な構成は・・・・
・RenewDAI for DF1706と同じ基板サイズ、ピン配置とすることで置換えもできること。
・出力Bitは16〜24で選択できるようにする(他のマルチビットDACに対応)。
・電子ボリューム機能も搭載する。
というところかな。CS8416やDF1706をソフトモードで動かせば、部品点数も少なくなるし
PICを載せれば周波数判定もソフトで行えます(DF1706は174kHz以上ではオーバサンプルレートは×4に
設定しないといけません)。
まあ、久しぶりにアートワークを描いていきましょう。
作成途中です。
なるほど 2013.8.9
こんな意見もいただきました。
SPDIF信号だけでなくPCM信号も直接受けられるようにすると、たしかに便利そうです。
それにUSB−DACからの直接入力もできます。JCはPCM信号の前段に取り付けることが
できるので、外付けになりますが既存のJCにそれほど難しくなく接続できるでしょう。
しかし、これらの機能を実現するとなると、機能は同じでも、搭載する部品点数が増えますから、
既存のRenew DAI for DF1706とはすこし、パターンレイアウトを変更する必要がありそうです。
変更といっても、基板端子の位置を少しずらすだけですが・・・。あと、基板全面をつかって
ゆとりのあるレイアウトとしていきましょう。
少しレイアウトを変えました。
しかし、今日は暑かったな〜。
さて、これから帰省しよう〜っと!
アートワーク再開!
残りのアートワークを完成させました。比較的余裕あるか?と思っていましたが、
そこそこの密度になってしましました。
New DAI for DF1706のアートワークがとりあえず完成です。
あたらしいPCMソースの基板?
こんなご意見をいただきました。
あきスペースはすでにないのですが、PCM2707あたりを載せて容易にPCM出力が得られる基板があると便利そうです。
基本的にはデータシートの回路をそのまま採用していますが、PCM信号出力はGND分離ができるようにアイソレータIC
を挟んでいます。
このためPCM2707はバスパワーで動作させています。
PCM2707をつかった基板のアートワークも描いてみました。
リクエストにお応えして
フィルムコンデンサのところに表面実装部品がのるようにとのリクエストをいただいたので、
できる範囲でパターンを追加しました。
SMDのフィルムコンデンサが搭載できるように少し変更しました。
こんな提案も!
すこし調べてみまししょう。マニュアルの日付は2012年3月なので、比較的新しい石のようです。
とにかく1個で4c分の入出力があるので、これ1個でPCM信号のバッファリングができそうです。
パターンを書き換えてみましたが、部品点数も少なくなりました。
部品点数が少なくなりました。
あらあら 2013.8.25
週末に基板が到着する予定でしたが、納期が遅れたようです。
月曜日にデータを基板会社に送付したら、金曜日発送されて土曜日の午前中に到着するのがいつものパターンですが、
どうも、最近納期遅れが散発しています。まあ、基板は発注しましたが
部品を発注するのを忘れていて、基板がきても何もできませんでしたが・・・・
さて、試作は来週へ持ち越しです。
基板到着! 2013.8.27
いくつか基板が届きましたが、あまり時間もないのでDAC2707(PC2707使用DAC)のみ組み立ててみましょう!
今回のDAC2707は2枚1組になっていますが、ひとつはディジタル出力にSi8440を用いたもの、もうひとつが
ADum1100を用いたものになっています。これで、ディジタル出力素子による音の違いが判れば面白いかな〜っと
思っています。
基板到着です。左右では微妙に違います!
さっそく組み立て!
まずはSi8440をつかった方の基板を組み立てます。
まずは動作確認のため必要最小限の部品のみを搭載しました。
あれ、水晶発振回路のRの取り付けが抜けているな〜(笑)。
組み立て途中です。
必要最小限の部分をくみたてて、いきなりPCのUSBに接続しました。
ある意味、緊張の瞬間ですが、あっさりと認識してくれました。
PCが認識してくれました。まだXPを使っていま〜す!
本格動作確認!
まずは、この基板を作成した最大の目的であるPCM信号がでるかどうかを確認しておきましょう。
Si8440は外部からの電源を必要とするのですが、まずは簡単にPCM2707のVpp(3.3V)から借用することに
しました。
PCMでの動作確認の様子です。
出力ポートを確認してみましたが、問題なくPCM信号がでているのでホットしました。
DATA信号 LR信号(44.1kHz)
BCK信号(2.8224MHz) システムクロック(11.291MHz)
あれ?
出力をPCMモードにしていると、アナログ信号がでません。なぜだろう?
PCの音量設定が問題かな?と思っていろいろといじりましたが、アナログ出力はでません。
ひょっとして
データマニュアルを再度見直してみると、気になる表現があります。
どうやらSPDIF出力モードにしないとアナログ出力モードがアクティブにならないようです。
こんな記述があります!
SPDIFモードに切り替え!
この基板ではディジタル出力をPCあるいはSPDIFの切り替えが可能です。具体的にはJP2をHに接続すれば
SPDIFモードになります(LがPCMモード)。で、おもむろにSPDIFIモードに切り替えてみましょう。
SPDIFモードに切り替え
うごきだしました!
無事にSPDIF信号とアナログ信号が出ました。これで、ほぼ動作確認は終了ですね。
つぎはADum1100をつかった方の基板も試してみましょう!
SPDIF信号です。 アナログ信号も出ることを確認しました。
お出かけ用の写真です。
もう一枚も完成しました!
ディジタルバッファーにADum1100をつかったもう一枚のDAC2707も完成しました。
ADum1100をつかったDAC2707
並んでツーショットです。
ジッタクリーナと接続してみました。
PCM出力をジッタクリーナに入れて動作をみてみましょう。
DAC2707のディジタルバッファーの電源はジッタクリーナから供給を受けますので、
10Pのコネクタの電源端子のジャンパーを飛ばしておきます。
10Pコネクタから電源を受けるようにしています。
ジッタクリーナとは10Pのケーブル1本で簡単に繋がります。メインテナンス用のLCDには正常値が表示されている
ようで一安心です。
ジッタクリーナと接続してみました。
つぎは、いよいよ
NewDAI for DF1706を組み立てましょう。
New DAI for DF1706の基板です。
部品はさほど多くないので、組み立て時間はさほどかかりません。
でも動かすにはソフトが必要なので、これが少し時間がかかりそうです。
仕事に余裕ができたときに、とりかかりましょう!
でも、ここまでできれば意外とすぐにできるかもしれません。勿論、基板にミスが無ければですが(^^;
とりあえず部品が搭載できたので、お出かけ用の写真です。
ん?向きが反対だな〜
ソフト作成! 2013.8.31
まずは基板パターンが正しいかどうかの確認ついでに、ソフトを組んでみました。
CS8416はI2Cでうごして、DF1706はI2Sで動かす変則的な構成です。DF1706もI2Cで動けば
配線も簡単だったんだけど、すこし古いICでもあるので、おそらくこのころはI2Cはなかったんでしょう。
まずはPCMの動作を確認!
まずはCS8416だけを動かすためのソフトを書き込んで動作確認です。
これは問題なくいきました。
CS8416の動作確認です!
DF1706は・・・・
こちらは電子ボリューム等の機能もあるので、その確認のためにもVRをとりつけました。
あと、入力端子のプルアップ抵抗が外付けになっているので、これを基板にとりつけました。
単なるパターン上のド忘れです(笑)。
電子ボリューム用のVRとプルアップ用の抵抗をとりつけました。
VRの取り付けた様子です。
順調です・・。
ソフトならびにハードの動作確認も順調です。この基板は外部からのPCM信号も受け入れられるので、
そのソースとして先日完成したDAC2707を接続しました。
PCM2707と本DAI基板との接続です。
出力信号(ワード信号)の確認。8倍オーバサンプリングなので周波数は352kHzになっています。
RenewDAC1704と接続!
動作はやっぱり、RenewDAC1704と接続して確認しなくっちゃ!
ということで、部品箱から探してきました。箱に入れようと思ってなかなか手が進まないままです。
でも、新しいDAIが出来たこともあるので、一気にケースに入れるかな?
RenewDAC1704と接続しての確認です。
動作確認できました。やっぱり8倍オーバサンプルなので波形は綺麗です。
色々組み合わせ! 2013.9.13
次はこんな感じで組み合わせてみました。
DAC2707 → ジッタクリーナ → New DAI for DF1706 → RenewDAC1704
だんだん接続する基板が増えてきました。
あれ?オシロの出力をみても波形がでてきません。ディジタル信号はでているのだけど、なぜアナログ信号がでないのかな?
原因はDAC2707の出力は右詰標準フォーマットではなくて、I2Sなんですよね。
ということでDAI基板のフォーマットをI2Sに設定しなおして、再度電源ONです。
I2Sフォーマットに切り替えました。
無事動き出しました。
最終確認?
ソフトの最終調整です。
JP3の”X4”の端子は使うこともないと判断して、ボリュームLED表示用の出力端子に割り当てることにしました。
電子ボリュームのLED表示器が使えるようにソフトを修正しました。
とくに問題はないようだけど、念のためASRCと接続して44.1〜192kHzで動作することも確認しました。
192kHzになると96kHzOverのLEDが点灯するようにしています。
ASRCとの接続も問題ないようです。
音だししてみよう!
手元にあるもう一枚のRenewDAC1704を持ち出して、電源配線をして接続します。
まずは入力はSPDIFでオシロ上で動作を確認しておきます。
久しぶりに動かしたので、ジャンパーピンが少し接触不良気味だったので、
すこしスライドさせて、接点を復活させました。
まずはオシロで動作確認!
折角なので
最近つくった基板類を総動員です。
DAC2707 → DUAL JITTER CLEANER → New DAI for DF1706 → Renew DAC1704 の構成としました。
RenewDAC1704の出力にIVアンプをつけたかったけど、ちょっと音だしをはやくしたかったこともあり、
簡単にIV抵抗だけとりつけて、その出力をアンプにつなぐことにしました。
横着してワニ口クリップでアンプにつないでみました(笑)
色々な基板が繋がっています。
アンプにワニ口クリップで接続です。
やっぱりPCM1704はいいなあ〜
ソースはPCからになりますし、またいい加減な配線ですが無事音だしも完了です。
いい加減な配線とはいえ、やはりPCM1704の音はいいですね〜。
やや細身だけど、極めて正確な音がでてきます。クラシックには最適ですね。
もっとマルチビットのDACは復活しないかな〜と思うこのごろです。
忘れてました・・・・
DAC2707リリースしましたが、USBコネクタの分離基板を最初のロットは添付予定です。
ヘッドホンアンプ大改造? 2013.9.8
ヘッドホンアンプ考!の巻き。にも記載しました、ヘッドホンアンプの構造改革です。
DAC2707 → DUAL JITTER CLEANER → DAC9018S → A13アンプ基板 → ヘッドホンアンプ基板
としましたが、電源基板の容量不足に陥っちゃいました。結局はジッタクリーナを取り外して
DAC2707 → DAC9018S → A13アンプ基板 → ヘッドホンアンプ基板
の構成になりました。
こんな感じでDAC2707を活用しています。
さてさてNewDAIforDF1706とRenewDAC1704、DUAL JITTER CLEANERをどのようにくみ上げるか、
構想を考えていきましょう!
(つづく)