ゲイン・フェーズ・アナライザーを考えてよう!の巻き 2017.1.29
オーディオに限らず電子工作をするにはいくつかの計測器などが必要です。
いま、手元で動いている計測器などはこんな感じです。
1.テスター
電圧、電流、抵抗値などを計る必須のものです。最低限はこれは必要ですね。テスターは導通チェックにも重宝しますが、
安物だと導通時のブザーが鳴るタイミングが遅いものがあります。これは、ものすごくストレスの原因になるので、できるなら
買う前にチェックした方がいいでしょう。いわゆる有名なメーカ品なら大丈夫だとは思います。
2.オシロスコープ
アナログタイプのもっとも廉価なものですが、20MHzのものを使っています。
20MHzなので50MHzを超えるようなロジックは観測不能ですが、オーディオ帯域だとまったく問題ないです。
周波数カウンタや、測定条件の表示機能があるものをつかっているので結構便利です。
オシロは必ずしも必須ではないとは思いますが、これが一台あるとないとでは、まったく測定の質がことなります。
買っても損はないと思います。オークションなどをみれば1万円程度で購入することもできるようです。
オシロは画面に測定条件等の表示があるものが便利です。
3.ロジックアナライザ
これはメモリーバッファーのバグ探しに難航したときに秋月から購入しました。
でも、それっきり使うことはないです。というか、そういった用途が最近ではないからですが・・・・
秋月で購入したロジアナです。ほとんど出番がありません。
4.電源(その1)
菊水の電源です。中古で安価に手にいれました。18V1Aと容量は大きくありませんが、定電圧、定電流駆動などができます。
可変電圧電源は電子工作ではあると便利です。
菊水の電源です。HPの画像からひっぱってきました。 http://k-tai.watch.impress.co.jp/cda/parts/image_for_link/191341-41371-4-1.html
5.電源(その2)
スイッチング電源を利用した定電圧電源もつかっています。+5V3A,±15V0.5Aと小さいものですが、これも重宝してつかっています。
6.発振器
これも必要でね。アンプなどの動作を調べるには1台あるとなにかと便利です(オシロとの併用になりますが)。
DDS(ダイレクトディジタルシンセサイザー)であるAD9834をつかった自作ですが、正弦波、三角波そしてロジック方形波をだすことが
できます。周波数も1Hz単位で1Hz〜約6MHzまで出力可能です。さらに出力振幅とオフセット電圧が変更可能になっています。
発振器もあると便利ですね。というかほぼ必需品に近いです。
中身はとても簡単です。水晶、DAC、DDS、OPアンプ1個、ロジックIC、PICで構成されています。
これだけです。
現状は、上記の測定器類で色々と実験などをして楽しんでいますが、やはりもっと色々とそろえたいものです。
欲しい測定器は・・・・
いまのところ揃えたいのは、多出力の電源です。とくに5Vと3.3Vや1.2Vなど最近では色々な電圧を要求する素子が多いので、
それらを供給可能な多出力で、かつ電流も測定できる電源がほしいな〜といつも思っています。回路図はすぐにでもかけますが、
なかなか着手できないでいます。
つぎに欲しいな〜と思っているのがゲインフェーズアナライザです。
ゲインフェーズアナライザーって?
いわゆる周波数特性の測定器ですが、振幅だけでなく位相も同時に測定するものです。振幅だけの周波数特性なら
いまある発振器とオシロがあればなんとかなりますが、位相も含めるとなるとすこし大変です。
なぜ位相が必要かといえば、ネットワークのフィルターなどでは、位相特性をみておかないとディップや山だらけになりかねませんからね。
まあ、なくてもSPICEでシミュレーションすることで代用も可能ですが、やはり実測できることの利点は大きいです。
というわけで、ゲインフェーズアナライザーを考えていきましょう。
構成は?
構成自体は簡単です。こんな感じです。このくらいなら、手持ちの部品でなんとかなるかもしれません。
必要箱をあさってみましょう。
DDSが2個必要ですが、昔に変換基板に実装したものがちょうど2個ありました。
DDSであるAD9834が基板付きで2個みつかりました。
乗算器となるAD734とLPFに使うスイッチトキャパシタタイプのLPFもありました。乗算器はどういう役割かといえば、
原発振のDDS2の信号の位相に対して入力信号を検波する目的で使います。検波後は2fの周波数になるので、
それをLPFを通して直流に変換すれば、指定の位相に対する振幅値が得られます。
AD734は高いですが、いつかゲインフェーズアナライザを作ろうとして買ったまま放置したものです。
あとは可変ゲインアンプだが・・・・・
可変ゲインアンプを構成する部品のアナログスイッチ(帰還抵抗値を変更してゲインを切り替えるスイッチ)が
みつからない〜。DG201あたり色々と買った記憶があるのですが、どうも見当たりません・・・。
どこだろう?ひょっとして帰省先に保管しているんかな?
おいおい、探すとして、作れるところから作っていきましょう。
ありました!
色々と探していたらアナログスイッチの定番の201がみつかりました。
同じ場所にプログラムゲインアンプと記憶しているのだけど、いまは亡きDATELのAM553もありました。
DATELってMURATA POWER SOLUTIONに買収されているんですね。
このICのデータシートを探そうとしましたが、なかなかヒットしません。こりゃ、使えないですね。
やっぱりOPアンプとアナログスイッチで可変ゲインアンプをつくることになりそうです。
アナログスイッチ(+α)がみつかりました。
まずはリハビリ!
AD9834が動くかどうかも含めて、まずはブレッドボード上で組んでみて動くかどうか確認です。
PICのソフトも過去に作ったソフトをみて、ようやく思い出してきました。
まずは動くかどうかを念のため確認しましした。
大丈夫ですね。綺麗な波形がでてきました。
ぼちぼち作っていきましょう。 2017.2.1
まずは2つのDDSを搭載して動作確認です。ポイントは2つのDDSを同期させて、
同相および90度位相ずれが生成できることを確認します。
ボチボチ作っていきましょう!
同相での動作です。 | 90度位相差での動作です。 |
DDSの同期運転が確認できました。
さて、これから入出力を作っていきましょう!
ボチボチっと 2017.2.6
いろいろと考えながら必要になる部品をとりつけていきます。回路図は頭の中だけですが、
たぶんこれだけのICで足りるはずだと思い、ICソケットをとりつけていきます。
もし、さらにICが必要になったら親亀小亀でいきましょう(笑)。
おそらく追加で必要になるといってもOPアンプ程度なので、それならなんとか空いているスペースに押し込めるでしょう。
回路図を頭の中に描きながら組み立てていきます。
今回の基板では入出力の設定はRS232をつかう予定なので、USB−RS232の変換基板を搭載しています。
これは秋月電子で買えるので便利につかっています。
秋月電子で販売されているこの基板は結構便利なので、よくつかっています。 |
後編につづく。
(つづく・・・かな?)