ちょっとTea Time!?  プッシュスイッチの押し時間を調べてみる! 2023.3.6

プッシュスイッチは押してON,離してOFFの簡単なものだが、押し方によっては多くの情報を与えることができます。
PC操作のマウスのダブルクリックなんかは好例です。
ただ、定量的にスイッチの押し時間がどのくらいになるのかを測定したことがなかったので、
いざプログラムを組もうとしても、その閾値がわかりません。

現在、新しいアンプを製作中ですが電源スイッチにはMUTEのON/OFF機能も付けようとしているので、
スイッチの押し時間についてすこし定量的に測定してみることにしました。

測定は簡単です。 スイッチの接点にプルアップ抵抗を取り付けて、適当な電圧を加えて
接点の電圧を測定するだけです。 スイッチONでLOWレベル、OFFでHIGHレベルになります。

測定には、RasPiで組んだデータロガーを使います。


測定の様子

測定対象と結果
 
測定に用いたものはどちらも秋月で購入した2つのスイッチです。
 
 普通の基板用の小型プッシュスイッチです。すこしフニャとした感じ、押す力も少々必要です。



 普通の基板用のタクトスイッチです。丸いキャップが付いています。
 押す力も小さくストロークも小さいです。またカチと押した感じがわかるので使いやすいです。

測定結果は次表のようになりました。
押す力が軽くてストロークの短いタクトスイッチの方が全体にON時間が短い傾向傾向となることがわかりました。
まあ、感触的というか定性的にも理解できますね。


小型プッシュスイッチ

タクトスイッチ
測定値
シングルクリック
0.16

0.11 ON時間(s)
ダブルクリック 0.27 0.20
2回目押しまでの時間(s)2回目押しまでの時間(s)
2回押し 0.68 0.65
確実押し
0.65
0.5 ON時間(s)
長押し
2.0

1.4 ON時間(s)

判定基準の検討
 上記の測定結果から、スイッチ操作における判定基準を検討です。
 基本的には小型プッシュスイッチでもタクトスイッチでも共用でつかえる基準にしようかと思います。

@シングルクリック:   押し時間が0.3秒以下で一度のみのONの場合はシングルクリックと判断する。
Aダブルクリック  :   1回目のスイッチが押されてから、0.4秒以内に2回目のスイッチが押されて、
               0.5秒以内に2回目のスイッチが離された状態はダブルクリックと判断する。
B確実押し     :   0.5秒以上連続してONされた場合は確実押しと判定。
C長押し      :   1.5秒以上連続して押された場合は長押しと判定です。


こんな感じでまずは基準をきめてみました。
もちろん、すべてて区分する必要はなく、またすることは無いでしょう。
というのも、すべて区別しようとしたら最初にスイッチが押されてから、すこし時間が経たないと
結果が得られないので、スイッチを押した瞬間にパラメータをしたい場合などでは、
タイムラグが生じてしまいます。

まあ、実際には操作感覚をみながら微調整することになるでしょう。

(おしまい)