リレーアッテネータでMOSリレーをつかうと・・・? 2021.1.3

リレーアッテネータはリードスイッチをつかった電磁リレーによる減衰器(ボリューム、アッテネータ)ですが、
リレーにフォトリレーを使われた方がいます。なかなかチャレンジングです。)



フォトリレーはLEDに流す電流により動作速度が大きく異なるのですが、低い電流で使われていたために動作時間が長くなっていたようです。
LEDの電流制限抵抗を修正するには数多くの抵抗の入れ替えが必要なので、PICでの時定数を長くすることで対応させていただきました。
その結果は、問題点は解決されたようです。


解決してなによりです。

フォトリレーの長所&短所は?

私自身、フォトリレーについては低On抵抗のものは高価だという先入観をもっていました。
ちなみに秋月でリードリレーと同じく低On抵抗のTLP'241A(0.15Ω)だと、1個150円します。
リードリレーの約2倍の値段です。でも、そこまで低くなくても1Ω程度のものだと、例えば
PS7200K-1Aだと1個50円と逆にリードリレーの半額程度です。
 こりゃ、フォトリレーを使うのもありかもしれません。

ちなみに、秋月で入手できるフォトリレーの一部を整理してみました。
フォトリレーもOn抵抗の高いものなら60円程度で入手できるようです。

区分 型式 価格
(秋月)
On抵抗
(Ω)
On時間
(ms)
Off時間
(ms)
備考
電磁リレー SS1A05D 90円 0.15 0.5 0.2 不良率が高い
フォトリレー
(MOSリレー)
PS7200K-1A 50円 1.1 0.1 0.1
TLP241A 150円 0.15 2.8 0.3 低On抵抗
TLP175A 65円 50 1 1
TLP222G-2 120円 50 0.3 0.1 2回路入り

フォトリレーならリードリレーのような動作不良に悩まされることはなさそうですし、
動作音もないので案外快適かもしれません。というか、リードリレーでも普通は不良品なんて
ないはずなんですけどね。

低On抵抗のフォトリレーばかりが必要ではない

 安価なフォトリレーだとOn抵抗が高いことが気がかりでしたが、考えてみれば低on抵抗の
ものはそれほど必要ないことに気づきました。
 リレーアッテネータに使う抵抗値は1Ωから180kΩとかなりダイナミックレンジがあります。
1Ωの抵抗のOn/OFFには低On抵抗のリレーが必要になりますが、180kΩの抵抗のOn/OFFには
まったく必要ありません。抵抗器自体の誤差が金属被膜として1%ありますから、180kΩなら
1%は1.8kΩです。フォトリレーのOn抵抗が0.1Ωだろうが50Ωだろうが影響なしです。
そう考えると、抵抗値にあわせてフォトリレーを選択するのがいいかもしれません。
たとえば、
 1〜33Ω(3本)    On抵抗0.15ΩのTLP241A(150円)
 100〜以上(11本)  On抵抗1.1ΩのPS72000K(50円)
とすれば、リレーの平均単価は71円になりますからリードリレーより安価になります。

さらにフォトリレーのいいところ?

さらにフォトリレーはリードリレ-より小さいです。DIPだけでなくSOPパッケージもあるので
小形になるかもしれません。でも、考えるとLEDの電流制限抵抗が必要になるので、
あまりサイズは変わらないかな〜。
 でもフォトリレーはラインアップがいくつもありますが、ほとんどピンコンパチでもあるの
自分の好みにあわせて調整できるかもしれません。

フォトリレーを使う場合の気がかりは?

以前に、MOSFETをスピーカ用のリレーにつかったことがありますが、そのときに問題になったのは
音の漏れです。MOSFETをリレーにつかう最大の利点は、とくにかく低On抵抗(数mΩ)でかつ
大電流(数10A)を流すことができるのでリレーより優れた性能をもちます。ただし、最大の問題は
MOSFETの巨大なゲート容量のために高周波数での音漏れが発生することした。リレーアッテネータ
だと影響が大きそうな気がしましたが、考えてみればフォトリレーにつかうMOSFETは小容量なので
ゲート容量も1pF以下(パワーMOSだと数1000pF)なのでほとんど影響はないでしょう。
まあ一度試算してみる必要はありそうです。

基板を描いてみようかな

フォトリレーをつかう場合、1個あたりの動作電流は10mA程度必要になる場合もあるので、
PICだけでドライブするのは結構厳しいところがあります。そのため、増幅用のNPNトランジスタは
必要になるでしょう。
 あと、MUTEにつかうリレーですがここをフォトリレーにしてしまうと、音漏れがでそうなので
ここだけは機械式のリレーにします。機械式のリレーは接点抵抗が小さいので確実なMUTEが
期待できます。

まずはフォトリレーのフットプリント作成です。DIPと表面実装のどちらも使えるように
しておきましょう。あと、2回路入りもつかえるように、並べておきましょう。


フォトリレーのフットプリント(2個分)です。

さて、全体をフォトリレーに置き換えたパターンを描いてみましょう!

#あ、明日からまた仕事ですね・・・・。

フォトリレーの順電圧って意外に低い 2022.1.4

最初はフォトリレーのLEDの順電圧(Vfかな?)は赤色LEDと同じ2.2V程度あるかと思っていました。
2個同時に直列で駆動すると順電圧が4.4Vになって、駆動トランジスタの電圧降下0.6Vを足すと
ほぼ電源電圧の5Vになってしまいます。そのため直列は無理かな〜と思っていましたが、
データシートをみると、どのフォトリレーも順電圧は1.2〜1.4Vのようです。意外と低いな〜。
これなら、直列にしても大丈夫でしょう。並列駆動すると電流制限抵抗が2個必要ですが、
直列にすると抵抗が1個になるので部品点数が減ります。それよりも部品点数が減ると
パターンの引き回しが楽になるのがうれしいです.

ということで、まずはパターンを描いてみました。
ベースはリードリレーをつかったリレーアッテネータ基板です. ベースというか、リレー部分を入れ替えただけです.
同じハードにしておけばソフトもほぼ共通でつかえますからね.


まずはこんな形でパターンを書いてみました。

リレーのOn抵抗の影響は?

さてさて、フォトリレーですがリードリレーに比べると、どうしてもOn抵抗が高くなりがちです.
そこで、リレーのOn抵抗の影響はどんなものになるか。
これは割と容易に推察できるのですが、用いる抵抗器で値の低いものは
大きな減衰をさせるためのものなので、リレーのOn抵抗値が高いと、設定した減衰量よりゲインが高くなってしまいます。
しかし、減衰の大きなところのみへの影響になるはずなのであまり実害はないと思われます。
一応、計算してみました。

以下にON抵抗を変化させた場合の計算結果をまとめてみました。

リレーのON抵抗値 設定減衰量に対する実際の減衰量および誤差 備考
 0Ω

(理想的な場合)
ほとんど誤差はありません。
0.1dB以下です。
0.15Ω

リードリレーあるいは
フォトリレーでもRonの
小さいものを使った想定です.
この程度の抵抗値だと
ほとんど影響なしですね。
1.1Ω

秋月のPS7200K-1Aを想定
(4個で200円です)
これが大本命かな.


-75dB以下はほぼ一定になってしまい、これ以上は減衰しません.
ただ、このあたりの減衰量ってほとんど聞こえないので
実害はないでしょう。それ以外の領域ではほとんど誤差無しです。
50Ω

一般的なフォトリレーの場合です。
-55dB以下はほぼ一定になります。
ここまでしか減衰できないと、すこし使い勝手が悪いかもしれません。
このRon抵抗のフォトリレーをつかうなら、もうすこし抵抗ネットワークの値
を大きくしたほうがいいのですが、そうすると今度はノイズの面で心配です。

これだけ見ればON抵抗1.1ΩのPS7200Kで十分な気もします。それにこれが一番安いですからね。
でも、一部だけでも0.15Ωの低ONのフォトリレーをつかうと、高減衰領域での誤差も改善できるでしょう。

ということで、試しに計算してみました。
リレーは片片チャンネルで14個ありますが、そのうち何個を低ONのものに取り替えればいいかを調べます。

リレーのON抵抗値 設定減衰量に対する実際の減衰量および誤差 備考
1個だけ低Onのリレーに交換する。

抵抗値1ΩのON/OFFに使用します。
これで十分な精度がでそうです。
2個を低Onのリレーに交換。

抵抗値1Ω,4.7ΩのON/OFFに
使用します
1個交換した場合との違いはほとんどありません。

これならば1個のみの交換で良さそうですね。


上記の結果から、1個(ステレオなので2個)のフォトリレーのみを低Onのものに取り替えれば、ほかは1.1ΩのON抵抗のものでも
十分な減衰量と精度がでることがわかりました。

ただすこし面倒になりそうなのは、PS7200K(1.1Ω)の動作速度は0.1msですが、TLP241A(0.15Ω)の動作速度は2.8msとかなり遅くなります。
すこしON抵抗の高いTLP241B(0.2Ω)をつかえば動作速度0.8msと3倍以上早くなりますが、それでもPS7200Kにくらべて1/8倍の速度です。
一番遅いリレーにすべてを合せる必要はないのですが、このリレーが動作するときのみリレー切替の遅延時間を調整することになりそうです。
ちょっとソフトが面倒かもです。

あああ、勘違いだあ〜!#しばらくして気づきました

On抵抗の異なるリレーに変えてもあまり誤差が出ないな〜と思っていましたが、なにか釈然としません.
そして、1個のリレーだけ低On抵抗に変えるだけで、誤差がほとんどなくなったのではあまりにも不自然です.

で、プログラムを見直して気づきました. プログラムではOn抵抗を加えた状態で設定値の減衰量になるように
リレーのOn/OFFの組み合わせを
「再度」最適化
していました.
知りたかったのは、On抵抗ゼロで最適化したテーブルの元で、リレーのOn抵抗が変わったときの誤差がどうなるか.
でした.

でも、考え方をかえればあらかじめ使用するリレーの(概算でよいので)On抵抗が分かっているなら., 
プログラムの定数を変更するだけでこと足りるということだなあ〜. ということで、
 @すべてTLP241A(0.15Ω)をつかった場合
 AすべてPS7200K(1.1Ω)をつかった場合
 B基本はPS7200K(1.1Ω)で1個のみTLP241A(0.15Ω)をつかった場合

の3つのテーブルの準備しておけばいいかもしれません.

でも、やっぱりOn抵抗に影響を知りたいから再計算するかな〜???
ああ、.酔っぱらった状態でやるとまた、なにか間違えそう.


ON抵抗誤差を再計算してみよう! 2022.1.15

さて、前回計算前提を間違えてしまったのでもう一度誤差を再計算してみましょう。
これは、
 ON抵抗ゼロを仮定したプログラム(現状のもの)で、実際にON抵抗があった場合の
誤差を計算する。
 ということです。すなわちフォトリレーに変更した場合にどの程度の誤差がでるかということです。

ON抵抗 設定値に対する実際の値と設定値に対する誤差 コメント
すべて0Ωの場合
(理想)


再掲です。
誤差は最大でも0.1dBなので
ほとんどありません。抵抗の
誤差程度でしょう。
すべて0.15Ωの場合

リードリレーあるいは
低抵抗のフォトリレーを
用いた場合の最悪値
見かけ上は問題ありません。
-70dB以下では1dB程度の差
がでますがほとんど無視できるでしょう。
すなわちリードリレーあるいは0.15Ω
のフォトリレーを使えば、現状のプログラム
は変更なしでもいけそうです。
すべて1.1Ωの場合

フォトリレーとしてすべて
PS7200をつかった場合
を想定しています。
-70dB以下では6dB程度の差
がでます。これはON抵抗値が大きいので
減衰しきれないための誤差です。
あと。、-50dB以下で2dB程度の差が発生します。

ただし、実用域(概ね-40dB以上)では設定値
に対する誤差はほとんどありません。
大減衰域での絶対値を気にしなければ
すべてPS7200でもいいですね。

1個はTLP241(0.15Ω)で
のこりは1.1Ωの場合

フォトリレーとしてPS7200(1.1Ω)
をベースとして、1Ω抵抗器
のON/OFFのみTLP241(0.15Ω)
をつかいます。
-50dB以下で2dB程度の差が発生しますが、
それ以上の誤差は押さえられます。

あともうちょっとかな。
2個はTLP241(0.15Ω)で
のこりは1.1Ωの場合

フォトリレーとしてPS7200(1.1Ω)
をベースとして、1Ω,4.7Ω抵抗器
のON/OFFのみTLP241(0.15Ω)
をつかいます。
誤差は1dB程度に収まりますし、発生するのも
-70dB以下の領域ですから、現状のプログラムを
変更なしで使うならこれで十分でしょう。

わかったこと

・現状のプログラムを使う場合は、フォトリレーとしてすべてPS7200(1.1Ω)をつかっても実用上は問題ないが、
 -50dB以下での絶対値が気になる場合は2個はTLP241に交換したほうがベター。


ということですね。これ以前の検討結果を考えると、あらかじめON抵抗をみこした定数テーブルにしておけば、
1個だけTLP241に交換するだけでも、絶対値としても0.1dB程度の精度に押さえられる減衰器になりそうです。
まあ、0.1dBというと1%ですからほの抵抗の誤差とコンパラですから、そこまで追い込めれば十分でしょう。
基板作成開始 2022.1.16

まずは基板メーカにデータ送信です。うまくいけば来週には基板が手元にとどくでしょう。


フォトリレーの抵抗は 2022.1.29

そろそろ基板も納品されそうなので、基板作成に必要な部品の準備です。

秋月でPS7200Kを購入です。

まず実際のOn抵抗を測定してみましょう。
変換基板にとりつけて、10mA程度の電流を流してシリーズにつないだ1Ω(5%)の抵抗の
両端電圧とフォトリレー端子の電圧を比較してフォトリレーのOn抵抗を測定です。


フォトリレーのOn抵抗の測定です。

1Ω抵抗の両端電圧が10.6mV、フォトリレーの出力端電圧が10.5mVでした。
ということで、On抵抗は0.99Ωです。1Ωの誤差が5%あるので、
On抵抗はおそらく0.94Ω〜1.04Ω程度でしょうか。カタログ値の1.1Ωより少し
低いようですね。
 まあ1Ωとして考えればいいでしょう。

以前にこういう投稿をいただきました。


リレーのOn抵抗を1Ωとして、実際に実装する抵抗器から1Ωを差し引いておいて
 1Ω   → ジャンパー(0Ω)
 4.7Ω → 3.3Ω

ととすればいいかもしれません。こうした場合にテーブルをすこし変更して、どの程度の誤差が生じるか計算してみましょう。
3.3Ωだと-60〜-50dBの中で一部ですこし誤差が大きいところがあります。誤差といっても0.4dB程度なので問題はないですが、
3.3Ωではなくて3.9Ωのほうがいいかもしれません。


 1Ω→ジャンパー(0Ω)、4.7Ω→3.3Ωの場合。一部誤差が少し大きいところがあります。


次に3.9Ωで再計算してみましょう。
計算結果としては、誤差は大幅に小さくなって0.1dB以下におさまりました。
 
1Ω→ジャンパー(0Ω)、4.7Ω→3.9Ωの場合。すべての領域で0.1dB以下の誤差におさまりました。

ひょっとして3.6Ωのほうがいいかもしれませんが、3.6ΩはE24系列になるので入手が難しいかもしれません。
でも、一応3.6Ωでも計算しておきましょう。
 結果としては、すこし悪くなっりました。一か所で0.2dBの誤差がでています。

1Ω→ジャンパー(0Ω)、4.7Ω→3.6Ωの場合。一か所で0.2dBの誤差が発生しています。

ちなみに、3.9Ωがよいのなら、4.7Ωのままにしておけばどうなるでしょう?
この場合は誤差はすべての領域で0.1dBにおさまりました。
4.7Ωのままでいいでしょうね。4.7ΩならE6系列になるので、入手も楽でしょう。


1Ω→ジャンパー(0Ω)、4.7Ω→4.7Ω変更なしの場合。すべての領域で0.1dB以下の誤差におさまりました。

結論としては、1Ωの抵抗をジャンパーにするだけで、残りの抵抗値はすべて変更なしで良いでしょう。

備忘録
リレー設定のためのデータテーブルです.
0x0,0x2,0x4,0x7,0x9,0xc,0xf,0x12,0x15,0x19,0x20,0x24,0x28,0x2c,0x31,0x35,0x3b,0x42,0x48,
0x4e,0x54,0x5b,0x66,0x84,0x8c,0x7e,0xa1,0xab,0xb5,0x129,0xcd,0xd9,0xea,0x13f,0x148,0x14e,
0x156,0x161,0x169,0x188,0x191,0x21b,0x30d,0x311,0x22e,0x31a,0x1da,0x1eb,0x1f9,0x250,
0x258,0x341,0x26c,0x28b,0x27e,0x29f,0x381,0x38a,0x414,0x702,0x3ac,0x2f3,0x70d,0x3d2,
0x52e,0x440,0x723,0x62f,0x635,0x551,0x46a,0x473,0x493,0x49d,0x597,0x4b7,0x679,0xa10,
0x820,0x6b3,0x6c1,0x7bc,0xe12,0xb2f,0xb35,0xf22,0xf27,0x860,0xb53,0xa5f,0xd4a,0xb70,0x9a4,
0xb9a,0xaae,0xf6c,0x8e2,0x9e8,0xea8,0xaf5,0xdcc,0xece,0xdeb,0xdfa,0x1404,0x130a,0x130e,
0x1014,0x1613,0x121c,0x1126,0x1e15,0x1e1a,0x1038,0x1736,0x1441,0x1f33,0x164d,0x1754,
0x1760,0x156b,0x1788,0x167c,0x1a75,0x1d8f,0x1c9a,0x12d1,0x11e5,0x10f5,0x14f6,0x19ea,
0x1fe9,0x1ef9,0x2303,0x2706,0x3400,0x2c0c,0x3407,0x3f09,0x340f,0x2325,0x252a,0x3321,
0x3a24,0x253c,0x2f3f,0x3537,0x2c50,0x2959,0x2180,0x3e52,0x227c,0x20a1,0x2ea4,0x2eaf,
0x379d,0x22d2,0x34b8,0x24f0,0x2bf9


基板到着!早速作ってみましょう! 2022.1.31


ようやく基板到着です。2週間ちょっとかかりました。

部品の中で一番面倒なのが抵抗です。なにが面倒かといえば指定の抵抗値の物を探しだすことです。
部品箱の中には抵抗は整理してありますが、整理してあるといっても、10Ω台、100Ω台といったように
おおざっぱな整理なので目標の数値の抵抗を探すのに時間がかかります。最初のうちは、抵抗値順に
並んでいたのですが、戻すときについ横着してしまうのですよね〜。


完成です。まずはお出かけ用の写真をパチリ!


R15,16は0Ωなのでジャンパー線です。

まずは基板は完成しました。

動かしてみましょう! 2022.2.5


まずは必要なI/Oを取りつけます。


入出力をつないで動作確認です。

今回の動作確認における観測はディジタルオシロをつかってみました。画像がPCに直接取り込めるようになったので、
そちらの方が便利かなあ〜ということで、その操作性の検証も含めています。

まず、ソフトとしてはRELAY-ATTと同じものです。とくにフォトリレー用に定数テーブルを変更したものではありません。


減衰率0dB:入力CH1. 出力CH2 1kHz,三角波



減衰率-20dB:入力CH1. 出力CH2 1kHz,三角波


減衰率-40dB:入力CH1. 出力CH2 1kHz,三角波


減衰率-60dB:入力CH1. 出力CH2 1kHz,三角波 流石にこのレベルになると測定ノイズが目立ってきます。
2chの縦軸は1mV/divです.

今回のテストで、従来の制御ソフトでも、まずもって問題なく動作させられることがわかりました。
抵抗器で1Ω指定のところはジャンパーにしておけば、減衰誤差もさほど大きくないでしょう。

さて、ではフォトリレーにあわせてすこしプログラムを改造しましょう。
改造ポインンとは
 ・リレー定数テーブルの変更
だけです。リレー動作遅延については100us〜450usをカバーしていますが、
フォトリレーの動作速度が100usなのでこの範囲なので十分なはずです。

ソフト修正!

修正にあわせて、PICのラベルも作成しました.


これが完成バージョンになるはずです.
今回は新しくPIC18FのQシリーズを使いました.

試聴前に消費電流をを測定です. Small-LED4を接続した状態なので、そちらに
電流がかなり取られていますが、それでも最小で180mAで最大で240mA程度でした.
リードリレーバージョンより消費電流は小さいかな?

 
消費電流はリレーの動作状態で変わります.

試聴してみましょう!

さてアンプにつないで試聴です.
まず一番知りたかったのはボリューム切替時のプチノイズですが、リードリレーのときより小さい様子です.
でも、気にならない程度には存在しました. リレーの動作遅延時間を100〜450usで変えてもほとんど変化しない
ので、ひょっとしてもっと小さい値の方がいいかもしれないので、これは後ほど試してみましょう.
 で、音楽の様子ですがリードリレーと同様にクリアーな音です.これは、やはり減衰素子には半導体が使われますが、
いわゆる入力から出力への信号経路は抵抗のみであり半導体が入っていないことが大きいかもしれません.
まあ、そんなことより休日にのんびり音楽が聞ける方が楽しかったりします.

リレー遅延時間の影響は?

従来のソフトでは100〜450usで50us刻みで調整できるようにしていましたが、
今回は少し制御幅を変更してみました.
ステップは下記の通りです.
 30us、60us、100us、200us(既定値)、400us,800us、1.5ms、3ms
で、色々と切り替えてみましたがボリューム変更時のポップノイズはほとんど変わらないようです.
ということで、早めの設定ということで200usあたりを既定値に設定しました.

んん〜すこし不気味

フォトリレーになったことでわかっていたことですが、音がしません. MUTEリレーが動くときは
勿論カチと音がしますが、それ以外は無音です.リードリレーのときはカサカサとわずかに音がしていたのですが、
それがないと動いているかどうか音ではわかりません.ちょっとリードリレーのときに比べて不気味な感じです.
まあ、駆動部がない分、寿命的には良い方向になるでしょうけどね.
それ以前にあのリードリレーの初期不良に参りました。

あれ?
 動作確認はエンコーダをつかっていたけど、念のためVRでも動作させてみることに.
マニュアルをみてIN1にVRを接続しますが、動作しません. 隣のIN2に接続するとVRで音量が変化します.
あれ、マニュアルの記載間違えたかな?
で、色々調べてみると前回使っていたPIC18F26K20と今回使ったPIC18F27Q43ではAD入力のチャンネルが少し
変わっているようです.
 もう〜、こんなのは同じにしておいてくれよ〜.
というのも、PIC18F26K20ではAD入力は10本でしたが、PIC18F27Q43では24本、すなわちほぼ全てのI/Oポートが
AD入力に使えるようになっています.そのため、番号の振りなおしをしたのでしょう. まだ助かるのは
チャンネル0〜3については変更ないので、大部分のソフトは単純に以降できそうです. でもチャンネル4以降は
もう全然違います.
 まあ、文句を言ってもはじまらないので少しソフトを修正です.マニュアル通りになるようにしておきます.
なんせマニュアルの図を変更するのが面倒だったりしますから(笑.

完成!
 製作マニュアルも書きました。
 超手抜き版です。
 10分でできました(笑。
 PhotoRY_ATTManual.pdf

基板パターンのバグがありました。 2022.2.27
 重要な指摘をBBSにいただきました。フォトリレーのパタンに一部バグがありました。
 1dB程度の減衰量の誤差が散発的に発生します。常用域での単調増加性にはあまり影響がないので、
 試聴したときには気づきませんでしたが、
 マニュアルに修正方法を追記しました。



修正!


まずはこの部分のフォトリレを外します。半田を追加しておいて、
交互に温めれば簡単にはずれます。



パタンをカットです。ついでに余分な半田も取り除いておきましょう。


再度、取り付け直して修正完了です。

(つづくかな?)