MOSFETリレーを調べてみる!の巻き 2011.8.14


ことの発端はこの書き込みです。


電磁式リレーは便利なもので、非常に単純な構造ですが絶縁型のスイッチングができる便利なデバイスです。
ただし問題点としては、機械的動作である点(動作速度、有接点)が最大のデメリットになります。
それを克服するために半導体リレーととしてSSRやMOSFETリレーがありますが、それをパワーアンプにつかった
ものがあるのですね。メーカならばらコスト重視でたぶん使わないと思っていましたが、高級品はこの
限りではないようです。それと、半導体の中を音信号が通る抵抗があるかと思っていましたが、
そのあたりは大丈夫なようです。

で、どのような形でつかっているか早速しらべてみました。
アンプ(A-46)のカタログを開いてみると、MOSFETスイッチの写真が飛び込んできます。
これだけアップだとどのような型番かはすぐにわかりますね。

出典:http://www.accuphase.co.jp/cat/a-46.pdf

DIGIKEYでさっそく調べてみて、そのデータシートをダウンロードしました。
ON抵抗は2.6mΩのきわめて小さいFETをつかっているようです。
でも、それほど高くないですね。DIGIKEYで1個300円くらいです。

出典:http://www.semicon.toshiba.co.jp/docs/datasheet/en/Transistor/TK130F06K3_en_datasheet_090417.pdf

で、この素子をどのようにつかっているかですがカタログを見ると、片チャンネルあたり4個つかっているようです。
パラ接続かな?

出典:http://www.accuphase.co.jp/cat/a-46.pdf

そもそもMOSFETをつかったリレーとはどのような動作原理なのかをレビューしておきましょう。
このあたりは、WEBで調べると色々とでてきます。オムロンのHPでは絵付きの解説がありました。
これがわかりやすいかもかもです。
ポイントはフォトダイオードアレイで内部のMOSFETのゲートをONにしているということでしょうか。
そのため、外部との絶縁を図ることもできます。

出典:http://www.omron.co.jp/ecb/products/pry/114/g3vm/index.html

もうすこし、ブロックダイヤグラムで示してあるとわかりやすいので、探してみるとこのようなものがありました。
もう一つのポイントはAC信号を通すために双方向性のMOSFETをつかうということです。双方向性といっても
N型のFETを2個シリーズで使うだけのものもあるようです。

出典:http://www.okita.co.jp/home/okita-up/japan/products/photomos/mos_tech/J-Circuit_Block_Ope.pdf

回路的にはこんな感じのようです。出力はFETがシリーズにつながっています。
N型のMOSFETをDS、SDで繋いでいる形になっています。

出典:http://www.okita.co.jp/home/okita-up/japan/products/photomos/mos_tech/J-Circuit_Block_Ope.pdf


実際に駆動するには?

ゲートを駆動するには電圧が必要ですが、それには起電力型のフォトカップラーが用いらています。
どのようなものがあるかを調べてみると、色々とでていきます。入手性に問題があるようだとDC-DCコンバータを使うのも
ありかな〜と思っていましたが、DIGIKEYで簡単に手にはいりそうです。

起電力型のフォトカップラー

ちょっと実験してみよう!
まずはSPICEで。

どんな回路で実験するかですが、ここはシンプルに下図のような回路で試してみましょう。
FETのS(ソース)を結合しておいて、互いのFETのD(ドレイン)を回路に接続します。
そしてD-G間にはコントロール用の電源を接続します。

実験のための回路

この回路で動作するかどうかについては事前にSPICEでチェックしておきましょう。
G-D間に電位を0Vから5Vに変えると、負荷抵抗の両端に電位が発生することがわかります。
もんだいなくスイッチとして機能しているようです。

G-D間電位が0Vの場合                          G-D間電位が5Vの場合

実物でトライしてみましょう!

部品箱をゴソゴソと探してこんなFETをみつけました。おそらくパワーアンプを作ろうかと思って買い込んだものだと思います。
秋月電子で4個200円のものでした。ON抵抗は0.13Ωとすこし高めですが、実験には問題ないでしょう。

実験に用いたMOSFETです。

FETの両方のS(ソース)をとりつけるのでFETを向き合わせて取り付けます。
そして、あとは必要な配線をするのですが、面倒なのでワニグチクリップで済ませました。
まずは負荷抵抗には2kΩを接続して、入力も発振器(DDS)を接続しました。

実験中のFETの周辺です。

まずは、G-D間電位を上げていって、どのように出力が変化を観測しました。
この手のFETはGD間電圧は4V以上必要ですが、2.55VでONしました。

これを見るとスイッチとして動いてみるようですね。

 G−D間電位: 0V  G−D間電位: 2.33V
 まだ完全にFETがONしきっていない。
 G−D間電位: 2.55V
 これで完全にFETにON
上側:出力電圧(負荷抵抗の電位)、 下側:入力電圧(f=1kHz)

周波数特性は?

この状態で、周波数を変更してみましたが1MHzでも問題ないようです。周波数特性はオーディオ帯域ではまったく気にする必要はないのかもしれません。

f=10kHz f=100kHz f=1MHz
上側:出力電圧(負荷抵抗の電位)、 下側:入力電圧

パワーアンプに接続してみる!

つぎは小型のものですがパワーアンプに接続してテストです。負荷抵抗は3Ωに変更しています。


実験の様子。アンプはディスクトップオーディオ(?)の巻きで使用したお気楽ミニパワーアンプです(見えませんが・・)

このMOSFETスイッチで注意すべきところは、高周波になるとゲート容量を通じて入力信号が出力に漏れやすくなります。
そのため負荷抵抗が小さい(負荷抵抗値が高い)場合には注意する必要がありますが、パワーアンプではたぶん大丈夫
だともいますが念のための確認テストでもあります。
ということで、ここでのテストはON/OFF時の波形を両方載せています。

まずは1kHzで比較的振幅の高い状態でのテストです。これは問題なく、
綺麗にON/OFF制御が行われています。

 OFF時(下:入力、上:出力) f=1kHz         ON時(下:入力、上:出力)f=1kHz

つぎは20kHzで調べてみました。これも問題なく、OFF時にも漏れ電圧はほとんどありません。

 OFF時(下:入力、上:出力) f=20kHz       ON時(下:入力、上:出力) f=20kHz

最後に小振幅ということで100mV程度の振幅で調べてみました。
こちらも問題ないようですね。小振幅でも問題なく伝達がされています。

 OFF時(下:入力、上:出力) f=20kHz       ON時(下:入力、上:出力) f=20kHz

さてさて

動作の方は確認できました。
こういったMUTE回路はリレーもないので信頼性の点においてもよさそうです。
このようなMUTE回路(スピーカプロテクション回路)もあっても面白いかな〜。


ところで 2011.8.16

MOSFETリレーの構造図ででてくる制御回路というのがあるのだが、どんな回路なのだろう?
MOSFETのゲートって寄生容量が大きいから、それをうまく扱うためのものという想像はつきますが、
どこかに具体的な回路図がないか色々と探してみましたが、見あたりません。


制御回路ってどんな回路?

こういうときは、特許を調べるのが一つの手です。特許庁での検索サイトで色々なキーワードを入れて
みたところ、「半導体リレー MOSFET」でそれらしいところがリストアップできました。
一番古いものでも2005年の公開ですから、MOSFETリレーの歴史もかなり浅いもののようです。

その中から1件ピックアップしました。ちょうどこれになります。
特許の名称も「半導体リレー」です。

このなかに従来技術として、このような回路がありました。

特許の中に示されている従来技術。

どうやらこの制御回路で、ドライブ用のMOSFET(図で3番)のゲートを効率よく充電、放電させる役割を
もっているようです。具体的な仕組みは特許を読んでみてください。ここでは割愛します。
一連の発明も、この回路をベースにして若干の工夫を加えて、動作速度を上げたり緩和させたりしている
ようで、基本形は上図でよさそうです。

たぶん、この制御回路が無ければうまく動かないのでしょうね。FETのゲートに溜まったチャージが抜けなくて
OFFにならなかったりするのかもしれません。

早速実験?

こんな感じで結線(だぶんわからないでしょうが)して、ゲート電圧のON/OFFを結線の有無で試してみました。
MOSFETのONは素早いですが、OFFは相当ゆっくりになります。結線をはずしてから完全にOFFになるまで
2秒程度かかってしまうようです。
 たとえばゲートに溜まったチャージを抜くためにシャント抵抗を並列に挿入する手もありますが、
フォトダイオードの駆動力が小さいので、あまり小さい値はつかえません。かといって大きな値にすると
チャージを抜くのに時間がかかってしまいますから、やはり上記のような制御回路が必要になるのでしょう。

MOSFETのON,OFF時間を手動ですが試しているいる様子です。

やっぱり、ここではちゃんとした現象を調べるためにフォトカップラを入手して色々と調べたくなってきました。


フォトカップラーが入ってきました。 2011.8.20

周始めに注文したフォトカップラーが到着しました。海外便でも速くて便利ですね。

注文していたフォトカップラが入ってきました。

表面実装部品ということもあり変換ピンを使おうかな〜ともおもいましたが、
ピンのピッチが2.54mmなので直接蛇の目基板にとりつけです。
最初はちゃんと動くかどうかを確認するために、四方にジャンパー線を取り付けました。

まずは単体で動作を確認出来るように線を取り付け。

結構電圧高くでます!

まずはフォトカップラのLEDに20mA程度の電流が流れるようにして、出力側の電圧を測定しました。
開放時で11.07Vありますから結構な電圧がでてきます。負荷抵抗に1MΩを接続しても10.78Vですから
MOSFETを駆動するには十分な電圧が発生します。
その出力をMOSFETに接続して、動作することは確認できました。
1MΩの負荷抵抗をつないでやれば、ON/OFF時の速度も速そうです。
これならば、制御回路はなくてもいいかもしれません。しかし、きちんとした
発振器に繋いで評価しなくっちゃわからないです。

まずは単体での動作確認

ということで、発振器として外付けの信号を入れようかと思いましたが、
20mAのLEDを直接駆動することはできませんから、ドライバーが必要です。
トライバー回路を基板にのせるくらいなら、ということでPICを載せることにしました。
外付け部品なしで済みますから、ドライバ回路つくるよりも簡単です。
簡単な発振器回路なら数行でプログラムが書けますし、それにPICのピンは25mAまで
流すことができので、駆動力は十分です。

PICを載せて発振器の代わりです。

PICから50Hzの矩形波を出してフォトカプラのLEDを駆動してやります。
フォトカプラの出力をそのままMOSFETに接続しただけでは、やはりOFFすることができませんでした
(これはMOSFETのゲートに溜まったチャージが抜けないため)。

ということで負荷抵抗(シャント抵抗)を1MΩあるいは500kΩにして調べてみましたが、
1MΩでは10mSの間にOFFしきれませんでした。500kΩまで負荷抵抗を小さくすれば
5mSくらいの遅延速度でOFFできそうです。さらに小さい値にすれば、さらに早くOFFできそうですが、
負荷抵抗値を小さくすると出力電圧が低下するのでMOSFETのON抵抗が上がってきます。
やはり制御回路は必要になりそうです。

負荷抵抗1MΩではOFFできず。           500kΩの負荷でも5mSくらい遅れます。
MOSFETのOFF特性を調べました(下:制御信号、上:MOSFETのスイッチング状態)

どんな制御回路にしようかな?

特許にでているようなMOSFETと抵抗をつかった制御回路は簡単そうですが、どのような定数のものをつかえばいいのかな?
抵抗値はかなり高抵抗なものは必要そうですが、かといって高くしすぎるとドライブのMOSFETのON時間が長くなりそうです。
かといって小さくしすぎると、制御用のMOSFETがONしそうにありません。結構調整が面倒かもです。

ということで、ここはあっさりと違う回路に日和ってしました。
フォトカプラが手元にあったので、これで強制的にドライブ段のMOSFETのチャージを抜いてやろうといものです。
さて、そうと決まればMOSFETも少し抵抗値の小さいものに取り替えて、一枚の基板に納めて評価回路をつくりましょう。
今度はFETには秋月ででている、ON抵抗が小さくて、かつ安価なMOSFETをつかいました。
もう一つ、これを選んだ理由は放熱板が金属だからです。一般にMOSFETの場合はドレインが放熱板になりますから、
放熱板に直接半田づけして線がとりだせることができるからです。

つかったのはこれ。

さて、最終的な評価基板はこんな形になりました。
2つのMOSFETのソースを接続して、ドレイン間をスイッチに見立ててつかいます。

評価基板の完成です。

作った回路はこんな感じです。

さて、フォトカプラーでドライブ用のMOSFETを強制的に抜くわけですから、OFFはかなり早い時間です。
これならリレーとしては十分ですね。

追加のフォトカプラでMOSFETをOFFさせると
早く切れます(上:制御信号、下:MOSFETのスイッチング状態)



評価してみよう。 2011.8.21

パワーアンプ(高精度パワーアンプ)のMOSFETリレーとダミー抵抗(5Ω)を接続して実験です。
実験の様子

1.MOSFETリレーがONの場合
これについては以前にも調べましたが、高い周波数までよく伸びています。
振幅の低下もほとんどみられませんから伝達特性は高いでしょう。
  
 f=1kHz                           f=10kHz                          f=100kHz
MOSFETリレーがONの場合の波形(下:アンプ出力波形、上:ダミー抵抗の波形)


2.MOSFETリレーがOFFの場合
気になるのはむしろこちらです。MOSFETなゲートの入力容量も大きく、高周波数だと素子を抜けていきます。
どのくらい抜ける(音が漏れる)かをみていいくために、アンプの出力は高め(振幅20V)にて、負荷抵抗の両端の電圧を測定してみました。
 
f=100Hz ほとんど漏れはない               f=1kHz 抜けが観測されはじめる。

 
 f=10kHz 約2mV程度の抜けあり。          f=20kHz 約4mV程度の抜けあり。


 f=100kHz 約20mV程度の抜けあり。


MOSFETリレーがOFFの場合の波形(下:アンプ出力波形(プローブ1/10)、上:ダミー抵抗の波形)

測定の結果はアンプの出力振幅に対して周波数10kHzあたり2mVの抜けになるようで、周波数にほぼ比例しています。
10kHzでは2mVでから、減衰率でいえば-80dBになるので、アンプをフルボリュームにして、スピーカに近づけばかすかに
聞こえる程度でしょうから、実用上は問題はないでしょう。能率が高いスピーカだと、それなりに聞こえてしまうかもしれません。
(低域がカットされるから、シャカシャカ音が聞こえるかな?)。
スピーカ保護のMUTE機能としては十分ですが、完全無音を実現しようとした場合はもう少し工夫が必要です。

おそらく、もう一組のMOSFETリレーを負荷に並列に繋いでおいて、MUTE時にはONをして漏れ音をバイパスさせる方法とか、
あるいは電磁リレーを負荷に並列をつないでもいいでしょう。まあ、そこまでする必要があるかどうかはこだわり次第でしょう。

ちなみにメーカ製はどのようにしているのか、気になるところです。
A-46のプロテクション全体をみるとMOSFETの他にもリレーは色々とのっていますが、
位置的に離れているので、たぶんこれらは違う用途に使われているのでしょう。


出典:http://www.accuphase.co.jp/cat/a-46.pdf

A-46のカタログを眺めていると、面白い記述がみつかりました。
通常のアンプでは無い記述です。
スピーカOFF時のリークですから、まさにMOSFETからの漏れですね。

10kHzで-55dBでありますが、上での実験では10kHzで-80dBより低い数値になっているので、さらに大容量のFETが
使われていることが想像できます。でも、-55dBならかなり漏れますね。スピーカをOFFにしても、プリのボリュームを上げれば
結構な音量で聞こえてくることが予想されます。

音漏れを防ぐためには
こんな構成でいいのかな? スピーカに並列につなぐMOSFET-2についてはかならずMOSFET-1に先立って
OFFにする必要があります。またMOSFET-1がOFFになってからONにする必要もあります。
でないと、スピーカよりはるかに抵抗値の少ないMOSFETに過電流が流れてしまいます。

この構成だと、音漏れは防げるかな?
実験が必要ですね。

早速実験!!!
もう一組のMOSFETスイッチが必要になるので、別の基板に新規に組んでみることにしました。
こうなるならブレッドボードにしておいた方がよかったかな〜と思ってしまいます。
でも、ブレッドボードは便利なのですが、接触抵抗が大きくて電流をながしたらりする実験は不向きで、
測定時の波形がかなり変化したりするんですよね。
ということで、秋月でかったユニバーサル基板に組み立ててです。この基板は両面スルーホールの
もので、最近は表面実装部品をつかう機械も多いのでスルーホールがでないと試作がしづらいです。


実験用に完成した回路!

MOSFETのON/OFF制御はPICで行っています。MOSFETのチャージを高速に抜くためのフォトカップラは
登載せず、単にシャント抵抗(1MΩ)だけで抜くようにしています。そのため、MOSFETのOFFの時間は
余裕をみて30msをかけています。このあたりの制御にPICはとても便利です。
さて効果は!

効果抜群!!!!

やはり、効果はかなりありますね。信号漏れがぴしゃりと無くなります。実際には減るだけですが・・・・

音漏れ防止用のMOSFETがOFFの場合          音漏れ防止用のMOSFETがONの場合
周波数100kHz時



音漏れ防止用のMOSFETがOFFの場合          音漏れ防止用のMOSFETがONの場合
周波数10kHz時


たとえばスピーカの抵抗が4Ωだとすると、MOSFETの抵抗が10×2=20mΩですから、約1/200、
すなわち約-46dBほど低くなることになります。
ここまで低くなると、もうスピーカに接続しても音は聞こえなくなります。実際に試してみましたが、
うんともすんとも聞こえないようです。これなら、MUTE回路だけでなくスイッチ回路としても使えるかな?
スピーカの切り替え回路とつくってもおもしろそうだけど、1chあり左右で8個のMOSFETをつかうのは
かなり贅沢だな〜。リレーの方が遥かに安くついてしまいます。単純なスイッチの方がさらに安いな〜。
でも、機械的接点の削除を目的にMOSFETを検討しているのだから、MUTE回路自体はあっても良さそう
です。ステレオで音漏れ防止も含めると計16個のMOSFETを使うことになるので、結構豪勢です。

こんなMOSFETでも試してみる!

R-2R DAC検討したときに用いたMOSFETですが、SO-8の小型のパッケージにもかからわらず
低ON抵抗で、また大電流も可能です。数Aは大丈夫なようなので、通常のシステムにも使用できそうですが、
ディスクトップシステムやヘッドホン用途ならサイズ的にもちょうどいいかもしれません。


試してみたSO-8の小型のMOSFET。

さっそく組んでみたのがこれです。このMOSFETはP、Nの両方が載っているので、2個のMOSFETを
用いて、容量の大きくてON抵抗が小さいN型をメインスイッチに、そしてP型を音漏れ防止用のバイパス用
に設定しました。

実験的に組んでみたMOSFETリレー(小さいです)

いい感じ!

評価用にディスクトップ用のアンプとスピーカとヘッドホンを接続して試してみましたが、音質的には問題なさそうです。
いま使っているディスクトップシステムに組み込んでみたくなりました。

しかし、MOSFETをつかったリレーって意外と便利かもです。

さてさて、次なる展開は・・・・

(2011.8.30)
実際にアンプに組み込んでみようかと思っても気になることがいろいろとあります。
というのもMOSFETをONさせるためにはフォトカップラが必要で1個あたり10-20mAの電流が必要です。
ACCUPHASEのようにスピーカA.B2系統をONさせようとすると合計4個のフォトカップラが必要です。
となると必要な電流は40−80mAです。何を気にしていつかといえば、電流制限抵抗での熱消費です。
たとえばアンプの電圧が40Vだとすると、フォトカップラのLEDの順電圧は1V程度でしょうから、必要な電力
の大半は電流制限抵抗で消費されます。20mAとすると40Vで800mWですね。1Wあるいは2Wの抵抗が必要です。
なんか、これってものすごく違和感を感じます。されに4個のフォトカップラをONするとなると3.2Wの電力消費が必要です。
40Vならまだしも60Vの電圧なら4.8W!!! アンプじゃあるまいしMUTE回路にこれだけの消費電力を費やすのかな?
という気がします。
 MUTE回路、とくにフォトカプラなどの電流を必要とする回路をアンプの高圧電源で動かすのは、
非現実的な気がしてきました。
ではどうするか?


こんなのどうだろう?

高電圧でも使えそうなDC-DCコンバータを探していたらこんなのが見つかりました。
LM5008A(0.35A)とLM5009(0.15A)がありますが、どちらも95Vまでの入力が可能なようです。
それに、外付け部品もすくなくてすみそうです。

 
こんなの使えるかな?



回路はきわめてシンプルです。

評価ボードもあるようです。ボードレイアウトの参考になりますね。

NS社のLM5008の評価用ボード。

さらに固定電圧出力なら、さらに外付け部品の少ないICもあるようです。
60Vまでの入力電圧になりますが、必要最低限の外付けでDC-DCコンバータができてしまいます。
いっそのことフライホイールダイオードも内蔵してくれればいいのにな、と思ってしまいます。



フライホイールダイオードにはショットキーバリアーダイオードなどが使われますが、秋月で探していたら
ちょうど表面実装の手ごろなサイズのものがありました。

さて、なぜDC-DCコンバータなるものを調べだしたかというと、先ほど述べたように抵抗だけでLEDの電流制限を行おうとすると、
やたら容量のおおきな抵抗が必要になるということがあるのですが、もうひとつは高電圧をあつかうのが難しいということです。
全部ディスクリートで構成すれば問題ないのですが、部品点数が多くなってしまいます。これは回路技術の稚拙さに依存するのですが、
電源ON時の遅延回路だけなら簡単なのですが、電源OFF時にいかにすばやく切るかを考えると、ちょっと工夫がいりそうです
(簡単な回路で実現しようと思っても、なかなか思いつきません)。またオペアンプなどは便利な素子ですが、電源電圧も単電源で
通常は36Vを超えて使用することはできません(最大定格が18V×2が多い)。かといって、3端子電圧レギュレータをつかうにしても、
これ自身が最大電圧が40Vです(7805などの5V品だと、最大電圧は35Vとさらに低くなる)。

いっそのこと、MUTE用の電源を準備することを前提にしてもいいのですが・・・・・・

まずは高精度パワーアンプ用のMUTE回路から

電源であまり悩まないところから考えてみましょう。まずは高精度パワーアンプ用のMUTE部を
MOSFETリレーに置き換えるための基板を検討してみました。数の枠線の寸法に収めるように
すれば、現在すでにケースに組み立てたものをほとんどバラすことなしにとりつけられそうです。

この部分の上に取り付けられるサイズに収めましょう。

書いてみた基板はこんな感じです。使用するトランジスタはAcuuphase A-46につかっている
TOSHIBAのTK130Fを使用することを想定しています。というか、MOSFETはドレインをタブからとる
パターンも結構多いので、こちらの方がパターン上からも便利そうです。


でも、そのタイプのMOSFETもすぐには入手できないので、まずは秋月で買ったMOSFETのタブを切って、
リードをまげて類似の形にしておきました。タブは1mm程度の厚みがありますが、銅合金だとおもうのですが
やわらかいのでニッパで簡単に切れました。

TO-220形のMOSFETをチョキチョキ切ってリードをまげてTO-220SM型に変更です。

もう1つのMUTE基板は

電源の回路が決まらないと進まないのですが、4ch分のMOSFETスイッチを搭載します。

これが作ってみたかったMOSFET-MUTE回路。

機能的には
 1.スピーカA、Bの切り替え(音漏れ防止スイッチ付き)。
 2.スピーカ4台の切り替え器
 3.MOSFET並列による超低ON抵抗MUTE回路(2並列、3並列、4並列)
 4.アンプ切り替え機能(4アンプ1スピーカ)。
 5.アンプ切り替え+スピーカ切り替え(2アンプ、2スピーカ)


要はスイッチの組み合わせでいろいろなことができると面白いかな!っと思っています。


なるほど! 2011.9.9



いま使っているリレーの置換えバージョンだと改造が最小限で済みそうです。
ON機能だけのリレーしか実現しにくいため、汎用リレーの置換えは無理ですが
こんな感じで、できれば面白いかもです。

両面実装すれば2ch分の切り替えができますが、片面のみ実装してもいいでしょう。
D1-D4でブリッジを組んでいますが、これはリレーに加わる電圧の正負がどちらかわからないためです。
ジャンパーでやってもよいのですが、間違える可能性もあるのでダイオードブリッジを入れました。
チップダイオードは秋月で20個200円程度であるので、ちょっとつかいたくなってしまいます。
LEDの電流制限抵抗はチップ抵抗ではないのですが、これはフォトカプラに流す電流を15mAとすると、
抵抗で消費される電力は約150mWになります。これだと1/8Wのチップ抵抗だと焦げてしまいます。
すこし容量の大きな1/4Wクラスの抵抗をつかうことが必要なので、このパターンにしました。

 



こんな感じで2枚の基板lを組み立ててリレー換わりです。


週末のお楽しみが到着!

すこしDC^DCコンバータで遊んでみようと思い、週始めに注文したICがとどきました。
こうやってみていると、やっぱり自分って工作が好きなんだなっとつくづく思ってしまいます。

到着したLM2597HV 5V固定のDC-DCコンバータです。


標準的な回路はこんなかんじ。あれ?、、もっとシンプルなものがあったはずだけど・・・・・

テストしてみよう! 
2011.9.10

どの程度のコイルを使えばいいのかを確かめるのが今回の目的なのですが、
テストの条件として、必要な電流量は最大で200mAを想定しています。これはMOSFETのゲート駆動フォトカプラ8個が
20mAですべてONした場合に160mA必要なのと、PICに約20mA、その他に20mA程度の計200mAを想定しているかだです。
実際にはLEDの電流も15mA程度で十分なので、総量150mAもあれば十分ですが、すこし余裕をもたせました。

準備したコイルは秋月で買えることを前程として、47uH(表面実装品)、100uH、220uHです。
表面実装品の47uHがつかれば一番いいのですが、電流容量的には難しいかな?という予想もあります。
なおコンデンサについてはCin、Coutはどちらも100uFにしてみました。
出力電圧は5V固定です。

今回試してみたコイル(インダクター)

テストなので回路はブレッドボードに組み立てました。右端の抵抗は負荷抵抗(47オーム)です。

ブレッドボードに組み立てて実験の開始です。

実験結果一覧

結果の一覧は下記のとおり。負荷電流はいづれも222mAです。

図の見方は上側がオシロのCH.2で、出力電圧のリップル。下側はCh.1でダイオード部の電圧(プローブは1:10)でDC−DCのスイッチング状態になります。

入力電圧
15V
入力電圧
30V
入力電圧
48V
(電解コンデンサの耐圧50Vぎりぎり狙い)
L=47uH
リップルが400mV近くになります。
波形がひずんでいるので、コイルの容量が
小さくて磁気飽和しているようです。
このコイルは少しつかえそうにありません。
L=100uH
リップル約70mV

リップル約80mV

リップル約80mV
L=220uH
リップル約40mV

リップル約40mV

リップル約80mV

リップルはL=220uHが小さいようですが、波形はL=100uHの方が素直でリップルの変動も少ないようです。
Coutの値をもっと調整すればリップルは少なくなりそうですが、おいおい追い込んでいきましょう。
まずはDC-DCコンバータの動作が確認できました。これで、小型の電源が組めそうです。
ちなみに、この回路での効率は76%前後(L=100,L=220uH)でした。L=47uHのときは60%程度に落ち込みました。

DC-DC回路を搭載して完成?
 AC入力による平滑回路(半波整流)と3端子レギュレータも搭載できるようにしました。
次の試作の機会があればつくってみようかな。

まずは基板図面は完成?

念のため
 

基板に搭載予定の表面実装用のDC−DCコンバータのIC(LM2594)についても動作確認を行ってみた。
これは表面実装部品ということもあり、小さい基板に半田付けで組み込んでみました。
部品として少し変更したのは出力コンデンサにOSコンを搭載してみました。
入力側のコンデンサもOSコンにしてみたかったけど、50V耐圧のOSコンを持っていない(あるのかな?)
ので入力側は汎用の電解コンデンサです。

こんな感じで組み込み

を?
びっくりです。上で測定したリップルに比べて約1/10に減少しています。
こりゃ、出力段のコンデンサに何を選ぶかで、リップル特性はかなり変わるのかもしれません。
あるいはブレッドボードと基板に組み込んだ違いかな?ブレットボードは結構、インピーダンスが高いので
影響がでやすかったりします。あるいはICの特性だろうか?LM2594とLM2597の違いは考えにくいですね。
こりゃ、調べてみないといけないです。

OSコンの効果かな?リップルが7mV程度と非常に小さくなりました。

元のブレッドボードで実験再開!

下記のような結果になりました。OSコンデンサの性能が遺憾なく発揮されてますね。
ブレッドボードでのテストのためか、やや上記の基板に組み込んだものよりリップル値が大きくなっていますが、
相対比較にはいいでしょう。しかしながら、こういった高周波用途にはOSコンはいいですね。
DC-DCの出力側コンデンサには積極的につかっていきましょう。

使用コンデンサ
(出力コンデンサ)
リープル波形 リップル値
汎用電解コンデンサ
100uF/50V
約100mV
(前より増えてる?)
OSコンデンサ
100uF/20V
約12mV
(汎用コンデンサの1/9)

とてもいい!
MUSE両極性
470uF/25V
約40mV
(汎用コンデンサより小さいが
、OSコンに比べるとまだまだ大きい)

まずは基板を試作 2011.9.19

つくってみないことには評価もできないので、まずは数枚試作してみましょう。
10月頭には手にできそうです。

ありゃ・・・・ 2011.10.9
基板発注にミスがあったようで、結局納品になるのは来週になりそう・・・
とほほです。

ようやく基板が到着です。 2011.10.13


リレーの置換えを考えた基板です。リレー4個分を1枚につづりました。


高精度アンプの電源基板にあわせたMUTE回路です。


MUTE回路だけでなく、スピーカのセレクトも想定した基板です。MOSFETが一杯必要です。

金メッキの部分が多いから結構製造コストかかっているかな?

まずは代替リレーから
まずはリレー基板のベース部分と電子部品が実装される側の基板を分離して、
ミシン目のところを軽く紙やすりで整形します。

まずは基板を分離して製作準備。

使ったMOSFETは秋月で5個350円で売っているPJP75N75をリードフォーミングして使いました。
74A75Vで、オン抵抗も11mΩと低いのでスペック的にもOKです。

TO-220のMOSFETをリードフォーム

この代替リレー基板ではチップダイオードをブリッジにして使っています。
というのは電磁リレーのコイルは極性がありませんから、どのような電圧がかけられるかは不定です。
そのため、電圧がどのようにかけられてもフォトカップラが起動するようにダイオードブリッジの後に
フォトカップラに電流が流れるようにしています。
つかったチップダイオードは安いもので十分なのでこれも秋月で20個200円のものをつかいました。

秋月電子さんは安くて助かります。でも、在庫が安定しないのが玉にきず。

あとは、ちゃっちゃと実装して完成です。この代替リレー基板では2回路ありますが、
1回路しか使用しない場合は片側のMOSFETとフォトカップラは実装不要なのですが、
まずは動作確認から両面に部品を実装しました。
 
こちらはA面                     こちらはB面

最後はベース基板と半田付けで直角に組み立てて完了です。直角に組み立てやすいように
半田パッドは基板の端まで伸ばしています。

これで代替リレーの完成!


半田付けしている部分のアップです。2枚の基板は合計8箇所で半田づけされて固定されているので
強度的にもけっこう強いです。

半田付けしている部分のアップです。

次はMOSFET-MUTE基板です。  2011.10.14

この基板に搭載するMOSFETはアキュフェーズにつかっているTK130にするかP75N75のどちらにしようかな?
まだ、動かなかったらショックも大きいので安価なP75N75にしておきましょう。
TK130はMUTE切り替え基板にとっておきましょう。

どちらのMOSFETを使おうかな?

部品も点数も少ないのであっという間に完成しました。
お出かけ用の写真をパチリ!です。

MOSFET−MUTE基板が組みあがりました。


備忘録の回路図です。

動作確認の方法は 2011.10.15

PICマイコンにプログラムを書くのはそれとして、MOSFETリレーの動作確認って案外面倒です。
というのもメカニカルリレーなら”カチ”という音がするので、動作することがわかるのですが、
MOSFETリレーは当然のことながら無音です。ということで、動作確認にはテスターを当てて、
抵抗値の変化を観測します。OFFの時はほぼ無限大の抵抗値がONのときはほぼ0Ωになります。

MOSFETリレー基板の動作確認にはテスターのプローブが必要です。

MOSFETリレー回路の構成では、DC入力およびAC入力のどちらも対応しています。
ACとDCのどちらの入力かは、PICマイコンに判定させるようにしています。
ということで、DC入力およびAC入力での確認が完了です。


DC入力での確認。定電圧電源をつかって確認します。


AC入力での確認。トランスは少し低めの8VACを使いましたが、問題なく動きました。


こちらも完成!
2011.10.16

マルチチャンネル用のMOSFETリレーも完成しました。
まだ通電はしてませんが、これからのお楽しみです。
しかしMOSFETが16個も乗るのは結構豪快です。

マルチチャンネル用のMOSFETリレー基板です。

すべてのMOSFETをTK130にするには、すこしお財布が厳しいので
TK130と安価なP75N75を交互に配置しています。音が通るところはTK130を使って、
音漏れを防止するのはP75N75に役割分担をさせようとおもいます。
もっとも使い方はいろいろと変わるので、全部同一銘柄で統一したほうが
いいかもしれません。でも、いまさら付替えるのも大変だな・・・・

MOSFETは銘柄を交互にしました。

ソフトの動作確認! 2011.10.19

最初にテスターの抵抗計で作業を進めていましたが、チェックに時間がかかりすぎるので、
LEDを取り付けて動作の様子が一目でわかるようにしました。
同じくスイッチも取り付けています。

テストの様子

ソフトの動作モードは4つのジャンパーで設定できるようにしています。
ジャンパーはM1-4あるのでこんな感じで割り当てました。

M1 電源ONからの起動時間(MUTE時間) 開放:3sec 短絡:1sec
M2 機能OFF電圧 開放:-30% 短絡:-10% (電源ON時の電圧を基準としています)

なお電源はAC、DCのどちらもで動作可能で、CPUでどちらで動いているかは判別します。
M3、M4 M3開放、M4開放: 4スピーカ構成。
            1台のアンプで最大4台のスピーカのON/OFF制御を行うことを想定した機能です。

M3短絡、M4開放: 2スピーカ構成。
            1台のアンプで2台のスピーカのON/OFF制御を行います。
            音漏れ防止用のスイッチ制御もあります。

M3開放、M4短絡: 2アンプ2スピーカ構成。
            2台のアンプと2台のスピーカを使うことを想定しています。
            アンプの切り替えは排他制御をしています。

M3短絡、M4短絡: 4アンプ構成。
            4台のアンプを切り替えることを想定しています。
            アンプの切り替えは排他制御をしています。


と、表にしてみましたが図で書かないとわかりにくかな?

細かいことはマニュアルに書いていきましょう。

どのくらいの電圧で動くのだろう? 2011.10.23

DC-DCコンバータの性能が今ひとつわからないので試してみました。

DCで動かしてみる。

まずはDCで動かしてみましたが下限は6Vくらいでも問題ないようです。3端子レギュレータより電圧の余裕度は大きい感じ。
ただし、余裕をみれば8V以上が精神的には安心かな。

消費電流を測ってみる。

入力電圧 消費電流 消費電力
30V 30mA 900mW
18V 48mA 864mW
12V 68mA 816mW
8V 98mA 784mW

こんな感じでおよそ900mWが消費電力ということだろうか。
効率を80%程度と見積もるとおよそ5Vラインは140mAの電流が流れることになります。
これはフォトカップラ8個に15mAの電流を流しているので、およそその値に合致します。
DC-DCコンバータを使わずに、3端子レギュレータや外部5V電源をつかうには200mA程度の容量のある
電源をつかえばいいでしょう。ただし3端子レギュレータだと、消費電力も結構ありますから放熱板はとりつけた
ほうがよさそうです。

ACで動かしてみる。

次はトランスに直結して動かしてみましょう。
基板上の平滑コンデンサC1は100uF/50Vのものを実装しているので、この状態で調べてみます。
まずはRA40トランスのAC16Vを入れてみました。
リップは当然でてきますが、整流後の電圧は十分に高く、安定した出力がえられています。
 
C1=100uF/50V 入力AC16Vの場合 左:整流コンデンサの波形  右:DC-DCコンバータの出力(問題なく5Vがでています。)

つぎにAC8Vで動かして見ましょう。
この場合は整流後の波形は必要な電圧を下回ることがわかりました。
100uFの容量では少し小さいみたいです。
 
C1=100uF/50V 入力AC8Vの場合 左:整流コンデンサの波形  右:DC-DCコンバータの出力(5Vを切ってしまいます。)

そこでC1を390uF/25Vのものに入れ替えてみました。
そうするとリップルは小さくなり、必要な電圧を確保できました。出力も5Vが綺麗にでています。
 
C1=390uF/25V 入力AC8Vの場合 左:整流コンデンサの波形  右:DC-DCコンバータの出力(問題なく5Vがでています)

といことで、低めのAC電圧で動かす場合にはコンデンサの容量は大きなものが必要になるようです。
AC8Vくらいなら470uF/16V、AC12Vなら220uF/25V,AC16V以上なら100uF/50Vでよいでしょう。

ようやく完成! 
お出かけ用の写真をパチリです。

完成したMOSFET SWITCH CONTROLLER v1

試聴してみる!

さっそく手持ちのアンプとスピーカの間に挟みこんで聞いてみましたが、機械的な動作音もなく
スピーカのON/OFFができるのって、なんか気持ちいいです。それに音漏れ防止機能をONに
して動作させると、アンプのボリュームを上げても無音のままなのでこちらも気持ちいいです。
ただし、基板の電源が切れると音漏れが生じてしまういます。ただし、基板の電源が切れるという
ことはアンプの電源も普通は切れている状態になるはずですね。

さて、これで機械的な接点の信頼性不良から開放された音が楽しめそうです。
どのようにアンプに組み込んでいこううか、また考えるネタができました。

ヘッドホンアンプに組み込んでみた 2011.11.27

よくつかうヘッドホンアンプに組み込んでみることにしました。
このヘッドホンアンプは高精度アンプをベースにしてつくったもので、本来はパワーアンプとしてつかえる
容量のものをあえてヘッドホン用として使っています。

ひさしぶりのご開帳!


とりかえるのは、黒く見えるリレーとその左下の電解コンデンサ(1000uF)です。
MOSFETリレーは消費電流が小さいので、電源OFF時にアンプより先に切れるように
MUTE回路の平滑コンデンサの値を小さい変更しました。値としては100uFでいいでしょう。

この部分を攻めます。


作業は単純ですが、結構面倒です。電源基板のとめネジをはずして裏返して、
半田吸い取り器で丁寧に半田を取り除きます。どうしても、半田の残りがでてしまいますが、
あとは強引に部品を引っこ抜きます。
 
裏返して半田を吸い取って部品を取り除きます。


あとは新しい部品をとりつけるだけです。ただ、今回の改造は狭いところだったので半田ごてが入りにくかった。

MOSFETに取替え完了!

さっそく試聴!

まずは少しボリュームを上げた状態で電源ON!すぐにかすかに音が聞こえます。これはMOSFETの音漏れなので
しかたないのですが、感度のよいヘッドホンだから聞こえるのでしょう。
そして3秒後くらいに、一気に大きな音がでてきました。リレーがONした状態です。
でも、ちょっと気持ち悪いです。いままでは、リレーがカチっといって動作した状態がわかったのですが、
今回は完全に無音です。動作したのかどうか、ものすごく不安になります。慣れてくるでしょうが・・・・。
音質は全然変わっていなかいかな?よくなったかな?よくわからないですね。
もともとリレーも新しい状態ですから、変化はほとんど感じませんでした。
もっとも、リレーなんかで音色が変わったらややこしくてたまりません。
リレーはあくまでもリレーであってほしいものです。

さて、電源OFFにするとすばやく音が消えます。いや、ぐっと小さくなります。これも音漏れの状態ですね。
そして、しばらくすると、かすかにサワっと小さい音がして音が聞こえなくなりました。おそらく、最後に
アンプの電源OFF時のポップ音がわずかに通過してきたのでしょう。

いや、MOSFETっておもしろいな!

あれ?
アンプのケースの蓋が閉まらない・・・・。このMOSFETリレーは元もリレーよりわずかに背が高いので、
それが邪魔したようです。もともとケースの高さぎりぎまでスペーサしか手元に無かったので、それで
基板を浮かせていたのが原因です。さっそく短いスペーサにとりかえなくては。
最後にちょっとだけオチがついてしまいました(笑)。

(つづく?)