リレーアッテネータのリレー変更を検討する!の巻き。 2022.11.14
少し前に、こんな投稿をいただきました.
そういえば、On抵抗が1Ωのフォトリレーが秋月電子から1個50円ででていて、それをつかったリレーアッテネータを作りましたが、
秋月電子で在庫もなくなり、そして基板も在庫が無くなってしまいました.
いま、秋月電子でOn抵抗の小さいものを探すとTLP241が該当しますが、1個140円程度とちょっとお高いです. これを
28個揃えると、それだけで4000円ほどかかります.
そこで、TLP241までOn抵抗は低くはありませんが、2ΩというTLP592Aが安価にでているようです.
秋月の中ではこれが一番On抵抗が低いフォトリレーのようです.On抵抗は150mΩです.でもちょっとお高いです.
これも比較的On抵抗が低くて2Ωです.一番の魅力はその値段でしょう. 10個で600円です.
リレーアッテネータ基板もまだ需要があるようなので、追加で作りたいところですが同じものでは面白くないので
TLP592も使えるようにパターンを検討してみましょう.
DIP4とDIP6の共用パターンにするには
よくあるDIP4のフォトリレーとDIP6のフォトリレーですが、そのピン配置はコンパチではありませんが、極めて似ています.
すくなくともLEDのピンレイアウトは同じです.
DIP6の場合はPin5のソース端子があります. これは直流回路の開閉にはFETをパラにすることで電流が稼げるメリットを
狙ってつけられた端子です. ただ、音声信号のような交流信号では使えませんので、これはかえって邪魔です.
そこで、このピンを予め切断しておけば、Pin5,4のパッドを短絡することでDIP4との共用パターンとすることができます.
TLP241(DIP4) | TLP592(DIP6) |
サイズが大きくなるけど
DIP6はDIP4と比べると1.5倍の面積を必要とするので、従来パターンを流用するのはかなり厳しいです.
また従来パターンではフォトリレーのLED駆動にトランジスタを外付けで使っていましたが、本来は不要にできるものです.
というのもLEDの駆動電流は5mA以上あればいいのと、LEDのVFが1.15Vと小さいのでフォトリレーを2個直列にしても
PICでダイレクトに駆動できます. そして、すべてのフォトリレー(28個)がONになったとしても、PICに流れる電流は
高々70mA(LED電流5mA)〜140mA(LED電流10mA)程度なのでPICのスペック(VSSへの流入電流300mA)からも余裕があります.
なぜ、従来パターンでわざわざトランジスタを入れていたかと言えば、単にその前の電磁リレーをつかったものからの
パターンを流用したためです.
ということで、今回はトランジスタを省略することで基板面積を稼ぐこととして、DIP6の共用パターンとしてみましょう..
LEDの動作電流は5mAあればいいので、PICでもダイレクトに駆動できます.
これは前作のリレーアッテネータ(MOS)基板です. トランジスタでフォトリレーを駆動しています.
早速パターンを描いてみましょう!
さっそくDIP4とDIP6とが共用できるパターンを描いてみました.
フォトリレーをPICでダイレクトに駆動するので、トランジスタは省略です. 電磁リレーの駆動にはトランジスタをつけています.
DIP4とDIP6のフォトリレーの共用パターンです.
この基板の動作電圧は5Vとしていますが、PICの動作電圧は基板上のレギュレータで降圧して3.3Vとします.
PIC自体は5Vでも動作するので、3.3Vのレギュレータはなくてもいいのですが電源OFF時の元電源(5V)の
電圧低下を検知して、素早くMUTEリレーを動作させるためにあえて入れています.
すこしパターン変更 2022.11.18
こんなコメントもいただき、すこしパターンを変更しました.
すべての抵抗にSMDパターンも加えました.
SMDだと、色々な実装をやっても部品がかさばらないのがいいですね.
中には結構アクロバティックなものがありますが(笑.
SMDの実装では色々と遊べます. 勿論普通の部品でも出来ますね.
すこし修正 2022.11.22
こういったBBSの投稿もあり、すこしパターンを見直しました。
すこし見直しました。
ほとんど間違い探しの世界ですが、主要な点は下記です。
・MODE1,MODE2
従来はH,LのどちらかなのでMODE1,2で4通りのモードしか選択できませんでしたが、
H,Lに加えてM(無接続)を加えることで9通りのモード選択ができるようにしました。
・IN1,IN2
プルアップ抵抗を追加できるようにしました。外部とI2C通信を考えています。
・外部取り出し電源選択
従来は5Vのみでしたが、5Vと3.3Vの選択が出来るようにしました。
その他、細かい所は何点かあります。
こんな感じで完成かな〜。
回路図です。
TLP592の実力は? 2022.12.08
データシートではRon抵抗は最大2Ωとなっていますが、実力ベースはどうなのかを調べてみました.
実際に2Ω程度あるなら抵抗値あるいはアッテネータのテーブルをすこし変更する必要があるかもしれません.
秋月で10個入りを購入です.
測定としてLED電流とRon抵抗の関係を調べてみました.
回路構成はLEDには直列に1kΩの抵抗を入れて、リレーの負荷には150Ωの抵抗を入れています.
そして、それらの抵抗を実験用電源に接続して、電圧を印加したときのLEDのVfならびにリレーの
ドレインードレイン間電圧を測定です.そこから、LEDの電流とRon抵抗を計算です.
測定の様子です.
実力は0.6〜0.7Ω
測定結果としてはRon抵抗は実測で0.65Ω程度という値がでました.
想定よりかはだいぶ低いです. 前作でつかったPS7200がちょうど1Ω程度ですから、これよりも低いですね.
この値なら、前作と同じ抵抗ネットワークテーブルを使えばいいでしょう.
なお、LED電流の最小推奨値は5mAですが、実際には1.5mA程度からONするようなので、
5mAというのはかなり余裕をもたせた値のようです.
Ronの実力は0.6〜0.7Ω程度のようです.
LEDのVf値も実測しましたが、およそ1.2Vです. ということは2個直列でつかうと2.4Vです.
ここから電流制限抵抗が導出できて、電源電圧5Vとした場合は510Ωでちょうど5mAになります.
1kΩでも良さそうですが、その場合は2.6mA程度なのでちょっと危ないかなあ〜.
LEDのVfは1.2V程度です.
基板到着 2023.1.19
基板ができてきました. 1か月も経つとだいぶ忘れているな〜.
基板ができてきました. 実装する部品はあるかなあ〜.
実装開始! 2023.1.20
一気に部品を実装です. ふう〜.
なんか、白いフォトリレーが新鮮です. いままでは黒だったからな〜.
すべての部品が実装できたので、まずはお出かけ用の写真です.
あ、うっかりしてた! 2023.1.21
この基板のフォトリレーはパッケージが6Pinと4Pinのどちらにも対応しているのだけど、6Pinのものを搭載する場合は、予め
5番Pinを切り落としておく必要があることをうっかり忘れていました。
ということで、実装したあとでニッパを持って5番ピンをプチプチ切りにかかります。
もう、古いニッパだと刃先が太くて刃も鈍っているので完全に切れません。できるだけ新しくて先の細いニッパ―を探して作業です。
念のため、足も引き抜いておこうとおもって、半田面から半田吸い取り器を使います。ピンごと吸引できるかと思っていたら
ピンにはストッパがついていたので、抜けません。仕方がないので、半田を吸い取ったあと、部品面からピンセットで残ったピンを
抜いていきました。ピンはちょっと力を入れると簡単に抜けました。これができるのも半田吸い取り器を修理したおかげで、吸引力が
高まったためだろうな〜。
ニッパをつかって接続してはいけない5番Pinをブチブチと切っていきます。本来はこれだけで十分なはずですが。
念のため、半田を吸い取って、部品面からピンセットでピンを抜いておきました。
ピンにはストッパーがついているので半田面からは抜けませんでした。
ピンを抜いたあとの状態です。違いはわかるかな?
ソフト作成
さて、ハードもこれで完成なのでソフトを組んでいきましょう。
従前のソフトをベースにしますが、ピン配置が変更になったことと、フォトリレーのONが従来はロジックハイですが、
今回の基板はロジックローになっているので、このあたりの変更が必要です。
あとは、モードの設定が増やせるようにしたのでそれをどうするか。使うか使わないかも考えていきましょう。
とりあえずは、まずは従前のソフトの移植から進めましょう。
今回使うPICはPIC18F25Q10がベースです。最大64MHz動作で16kWのROMがあります。
従前のソフトなら容量的に大丈夫ですが、I2CでグラフィックLCDを駆動しだしたら、パンクするだろうな〜。
フォントデータだけでも4kB必要だしなあ〜 と色々と考えながらの作業です。
#あ、今日は昼からお出かけだあ〜。
ソフト修正 2023.1.23
まずは前作のソフトのI/O関連を再定義の修正です。 まずはこれで問題なく動くはずですが・・・・
まずは、エンコーダを接続して動作させます。 Small-LED4の表示は問題ないのですが、
なぜか、MUTE解除用のリレーが動きません。調べてみると、リレーの極性の間違いでした。
このリレーのコイルは極性があるタイプであることを忘れていたようです。
いや、逆起電力防止用のダイオードの向きが合っていることを考えると、単なるポカミスかもしれません。
いずれにしても修正です。
修正はリレーの配線部分の入れ替えです。
黄色のパターンを切断して、赤色の部分をジャンパーして、配線を入れ替えます。
こんな感じで入れ替えました。修正例です。あ、半田のカスが残っている・・・・。
これでリレーも問題なく動くようになりました。
あとは動作確認です。基板に信号を入力して、出力信号がVOL値に応じて変化することを確認です。
ポイントは、ボリュームの1ステップで0.5dBすなわち約5%変化しますが、単調増加性あるいは単調減少性が
保たれているかどうかです。 確認の結果、問題はなさそうです。
動作確認中です。
1ステップ毎に振幅が単調に変化するかどうかを確認です。
これで、前作と同機能なところはまでは確認できました。
現時点でPICのROMの占有率は42%なので、余裕があるといえばあるし、大幅な拡張を行うには
厳しいというところもあります。まずはスタンドアロン装置としてのリリースかな〜。
リリースします。 2023.1.19
マニュアル作成です。基本は従来機と同等の機能です。
PhotoRY_ATT(MOS2)Manual.pdf
酒の肴? 2023.2.2
酒の肴として、呑んだついでにこんなものを作ってみました。
電子ボリュームの音量表示用にちょっとレトロな感じを出そうかと思って、
以前にデジットで買った蛍光表示管を使ってみました。
5Vで動くように、DCDCで18Vまで電圧をあげてドライバーICに供給しています。
フィラメントは5Vから20Ωの抵抗を接続しています。
表示も明るくて、半透明板を通すといい感じなのですが、
消費電流がデカい!5V電源で300mAくらい必要になります。
それに表示できる情報も少ないなあ〜←わかっていました。
まあ、気が向いたら何かの表示につかってみましょう。
ああ〜酒の肴にはならなかったなあ〜(笑。
蛍光管をつかった2桁の表示器です。
半透明板を通すといい感じです。
ちょっと電流が多いいなあ〜。
(つづく?)