ちょっとTea Time!? レトロなDAC(CS4331)を動かしてみる! 2020.5.3
なにか出てきた!
今年のGWは例年とちょっと勝手がちがうけど、時間もあるので部品箱を整理していたらこんな素子が見つかりました。
ひょっとしてDACかな?しかし、どうやって手に入れたのだろう?全然思い出せません。
ひょっとして貰い物だったかな?そうでなければ、以前に「現品.com」という通販サイトがあったので、
そこで購入したのだろうか?それならもう15年くらい前かな?
こんな素子が見つかりました。
型番をみるとシーラスロジックのDACのような気がします。
CS4331の様子
色々と調べると、どうやらシーラスロジックの中のクリスタルという事業部が出しているCS4331というDAC素子のようです。
カタログを読み進めると18Bit分解能で、48kHzまでに対応なので、かなり初期のものでしょう。それでもΔΣの構成なので、
無茶苦茶ふるいというわけではなさそうです。
どうやらこの素子のようです。
折角なので動かしてみましょう!
このままだと、また部品箱の肥やしになるので、折角なので動かしてみることに。
データシートには参考回路もありますが、こんな面倒な回路を組む気はありません。
それにしても、8PINのDACってほとんど、必要最小限の配線だけで動くようです。
必要なのは、PCM信号としてのDATA、LRCK,BCK、MCKの4本。
そして、アナログ出力が2本、電源がVDDとVSSの2本の合計8本です。
おそらく、これより少ないピンのDACはないでしょう。
音声信号は電圧出力のようなので、コンデンサでDCカットすればそのままアンプに接続できるでしょう。
マニュアルでの参考回路です。
必要最小限のピンしかない素子ですね。
組み立て開始!
素子自体はテープ収納になっていますが、すべてが5個セットになっていますが1個だけ4個のものがありました。
ひょとして、以前に動かしてみるために使ったのかもしれません。でも、覚えていないな〜。ひょっとして認知症が入っているのかも・・・(汗
まあ、それはさておき必要なものを準備です。
8PinのSMDなので変換基板が必要です。これは以前に作ったものがあるのでこれを活用です。70umのパターン厚さで
金フラッシュの豪華版です(笑。 って、いつもそれで作っているので、単に自家用でついでに作っただけですが・・・・。
必要な部品を揃えます。
変換基板は割り折ったあとは、切断面がギザギザになっているのでハサミで削りおとしておきます。
そしてCS4331は通常のSO-8パッケージに比べると、すこし幅が広いのでパターンから足がはみ出そうなので、
足の裏側まで半田を回して接続します。
ついでなので、パスコンの0.1uFのチップセラミックは裏側にとりつけました。実はこれはとりつけるんじゃなかったと後悔です。
それは後ほど。
ギザギザはハサミで綺麗にカットです。 半田は少し多めにつけて、確実にとりつけます。
基板のランドを使ってパスコンもとりつけました(左:BEFORE、右:AFTER)
動かしてみましょう!
CS4331を変換基板に載せたので、さっそく動かしてみましょう!
DAIにはFESP5142をつかいました。変換基板は小さくて軽いので配線で浮いてしまいます。
FESP5142の出力ポートに直接取り付けてみました。
さっそく、通電して信号を入れてみると問題なく動作しました。
電源電圧は3.3Vで動かしていますが、どうやら中点電位は1.2Vくらいで
出力電圧は2Vpp程度のようです。
アンプに接続するには、すこし小さいですが、まあ十分でしょう。
出力の波形です。
試聴してみましょう!
アンプに接続するには、アンプ側にもDCカットのコンデンサが入っているので、
ダイレクトにつないでもいいのですが、DC電圧がでたままだと気持ち悪いので、
一応カップリングコンデンサをとりつけました。容量は10uFです。
カップリングコンデンサをとりつけて鳴らす準備です。
いつものように、メインシステムの視聴用入力端子にとりつけて鳴らしてみます。
今回のCDは、久しぶりに倉木麻衣さんからセレクションです。
試聴時の接続です。評価する素子基板が小さいこと。
鳴らした印象ですが、まあ普通にいい音でますね〜という感じです。それ以上でもそれ以下でもないかな。
ちょっとしたお遊びに適したDACですが、ほとんど外付け部品もないので、あまりにも弄り甲斐がないのが寂しいところです。
もうちょっと弄ってみよう!
手元にまだCS4331が数あるので、もうちょっと弄ってみましょう。
とりあえず、あと3個同じように変換基板に搭載します。そして、それを並列に積み重ねてやって多パラにしてみようと思います。
多パラにするのに、基板の平面に実装すれば綺麗ですが、配線が面倒なので積み重ねます。
ただし、アナログ出力はそのまま接続すると不味いでしょうから、1kΩ(※)の抵抗をつけて重ね合わせます。
抵抗リードタイプだと配線もすこし面倒になるかも知れないので、チップ抵抗を使いました。
※この素子の最低負荷抵抗は10kΩですが、どうせ接続するアンプの入力抵抗が高いので、1kΩと低いですが
手持ちにあった抵抗を使いました。
まずは4つのCS4331を変換基板に搭載しました。
ユニバーサル基板にピンを立てて、まずは1階です。取り付けたら出力に1kΩの抵抗を取り付けます。
出来上がりはなぜか3パラ・・・・
出来上がりは3パラになってしまいました。なぜかといえば、最初に立てたリード(ピン)が少し短かったのと、
最後の1個をとりつけるときに向きを間違えてしまったのです。最初はピンの長さについては十分かと思っていたのですが、
変換基板の裏側に取り付けたチップコンデンサの高さが意外にあって、3階で一杯になってしまいました。チップコンデンサ
がなければよかったと後悔です。まあ、無計画に作っているので仕方ないですね。
修正のために、切り離して変換基板のランドの余分な半田をとろうと半田吸い取り器(スッポンタイプ)をつかったのですが、
基板が小さくてなかなかうまくいきまん。半田ゴテと吸い取り器の先端を当てるとすぐに動いてしまって、なかなか半田が吸い取れません。
痺れをきらして、3階建てで妥協しました(汗。
まあ、いいでしょう!
三階建ての出来上がりです。
残りの配線を行って完成です。
アナログ出力は1kΩの抵抗で合成しています。
裏側はシンプルです。
鳴らしてみましょう!
もう夜も遅いので、スピーカで鳴らすのはやめてヘッドホンで試聴です。
構成は
SRC4137 → DAC基板 → PRECISION EVOL HPA(MUSES72320をつかったヘッドホンアンプ)
です。DAC基板はSRC4137のPCM出力端子に直接とりつけています。まだ、電源も同じ端子から3.3Vを供給しています。
試聴の構成です。
こんな形で取り付いています。
普通に鳴りますね!
3パラにした効果はよくわかりませんが、とりあえずパラにしても問題なく鳴りました。
一応、この素子の上限は48kHzですが、クロックを上げて96kHzまで上げても鳴るようです。
ただし、すこしノイズがあります。音楽が鳴っているときは気になりませんが、無音時にすこし聞こえます。
88.2kHzまで下げたら、聞こえなくなりました。カタログ通り48kHz以下でつかうべきなのでしょう。
96kHzでも鳴りましたが、すこしノイズがでるようです。
まとめ
部品箱に眠っていたCS4331を鳴らしてみましたが、普通に鳴ってくれます。
周辺部品が一杯必要な高性能なDACもいいですが、ほとんど外付け部品無し配線も最小限なDACも
ちょっとした工作には楽しいです。
さてさて、残りのCS4331はどうしよう?
まあ少なくともこれで基板を作ることはないでしょうから、また部品箱の肥やしに戻るかな?
ほしい人が居れば、どうぞ〜ってな感じになりそうです。
その後 2020.5.4
ネットをくぐっていて、このCS4331ですが[現品.com」で100円/5個で売っていたようです。
おそらく、その時に私も買ったのでしょう。
(おしまい)