ちょっとTea Time!? 7404競走 2019.10.1
部品箱を整理していたら、CMOS版の各種7404がみつかりました。
なんで、こんなに一杯の種類を買ったのか過去のHPを調べていると、9年ほど前になります。
内部抵抗を調べるのに買ったようです。ちょうどR-2R DACを検討の中ですね。
で、そのときは内部抵抗に着目していましたが、スイッチング速度はどうなのかを調べておこうと思います。
データシートをみれば、わかるのですが実力値も把握しておきたいものです。
色々とでてきた7404です。U(アンバッファータイプ)もあります。
調査の方法は、すべてのゲートを直列につないでその遅延時間をはかるだけでのシンプルなものです。
測定回路。6ゲートを直列に並べて遅延時間を測定します。
評価のためには、変換基板にとりつけます。
変換基板にとりつけ。ついでに半田ジャンパーで配線もしておきます。
変換基板は6枚つづりでつくったものを利用しましたが、互いに切り離すのが面倒なので
そのままとりつけました。そして、クリップで挟めるようにリード線を半田づけしておきます。
ソケットをつけてもよかったのですが、ちょっともったいない気もしたので、
測定はすこし面倒ですが、クリップを毎度挟みなおして行います。
変換基板にとりつけたそれぞれの7404です。
一応パスコンもとりつけています。
測定してみましょう!
高精度クロックジェネレータを発振器につかって、遅延時間を調べます。
測定実験の様子です。クリップを挟むのが意外と面倒だったです。
測定結果は以下の通りです。条件を揃えるためにすべて3.3Vで駆動しています。
中には5Vで動かすことを前提のロジックいICもありますが、まあいいでしょう。
ロジック | 波形 上:入力信号(Aの位置) 下:出力信号(Bの位置) 横軸20nS/div、縦軸2V/div |
遅延時間 (1ゲートあたり) |
74AC04 | 約3.8ns ※カタログ値 4.5ns TYP. 内部抵抗は低いのですが、 あまり速度は速くないようです。 結構オーバーシュートがでます。 |
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74LVX04 | 約1.8ns ※カタログ値 4.1ns TYP. カタログ値より随分早いです。 出力波形もきれいです。 |
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74LVC04 | 約0.8ns ※カタログ値 2ns TYP. カタログ値より随分早いです。 測定した中では一番高速です。 いつもはこのLVCをつかっています。 結構オーバーシュートがでます。 |
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74LCX04 | 約1ns カタログ値はMIN1.5nSのようです。 これも結構高速です。 でもオーバーシュートも大きいです。 |
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74LVU04 | 約1.3ns カタログ値は最大値で13nS |
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74AHCU04 | 約0.8ns ※カタログ値 3ns TYP. AHCって意外とはやいんだなあ〜 という印象です。波形もそんなに汚くないなあ〜。 |
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74HCU04 | 約3.3ns ※カタログ値は4.5Vで7ns,2Vで19nSなので 3.3Vだと10nsくらいかな? HCUも意外と早い!AC並みです。 |
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74LVCU04 | 約0.67ns カタログ値で最低で2.4nS程度のようです。 |
こうやって眺めると、速度的にはLVCシリーズをつかうのが良さそうですが、波形をみると結構オーバシュートが大きいです。
これを抑えるためにはダンピング抵抗などが必要です。それに対して、すこし低速タイプを選ぶとオーバシュートも小さいです。
やはり使う場所に応じて、適切な素子を選ぶのが理想的です。案外AHCシリーズが使いやすいかも?と感じた今回の実験結果でした。
(おしまい)