ちょっと小粋に(電子ボリュームの巻き) 2013.4.26

こんな基板をつくってみました。
電源基板の半分のサイズでうsが、ちょっとお気楽につくってみたいとおもいます。


さて何の基板でしょう。

GWは色々と用事があるので、実際に作るのはGW明けになりそうな予感・・・

作ってみよう! 2013.5.4

まずは電源部からつくってみましょう。電源部は±6Vの電源をLM317/337で作って、ディジタル用の5Vを
7805で生成します。そして、リレー駆動部分も共通です。電源を組み立てて正常の電位がでるかを確認します。
なんてたって電源部分がだめなら、その下流の回路を全滅させかねませんから、電源部を組み立てて
電源電圧を確認することは鉄則だと思っています。


まずは電源部分だけを組み立て通電テスト。

電源部分はよさそうです。

電圧を測定してみるとアナログ部+6.03V、-6.01V ディジタル部5.05Vですから、設計どおりです。
では残りの部分も組み立てましょう!といってもさほど部品が多いわけでもないので、
簡単に出来上がってしまいます。
 OPアンプの増幅部分は電圧フォロアーとして、増幅率1にしました。抵抗を入れれば、
一定のゲインを稼ぐことができますが、今回はフォロアーで動かしていいでしょう。
その代わり、OPアンプの選定には少し注意が必要です。負帰還が深くかかりすぎると
発振するOPアンプもありますからね。

ほぼ全体の半田付けができました。

さて全体の動作確認!! あれ?

OPアンプにはバイポーラの4580を使いました。これは、中音域がとても濃厚な感じのするアンプで結構気に入っています。
それになんといっても安いです。そして、PICにプログラムを書いて搭載します。プログラムを書くといっても、
以前に作ったものを少しI/Oの定義を変更するだけなので、さほど時間はかかりません。

そして、プログラムを書いたPICをソケットに差し込んでテストです。

あれ?まず2秒後にMUTE用のリレーが動作するはずなのですが、動作しません。
PICの足の電圧を測定すると、ちゃんとHIGHレベルになっています。
あちゃー、ものすごく初歩的な間違いをやってしまったようです。
リレー駆動回路の配線を間違えてしまいました(笑)。


チョコチョコっと修正!

修正方法を検討してみると、パターンの切断ではなく、部品の取り付けの工夫で修正できそうです。
ということで、最初に取り付いていたトランジスタをはずして、新たにトランジスタを用意しました。
そして、コレクターリードをギュっと左側に折り曲げて、実装します。

取り付けるまえにトランジスタのリードをまげておきます。

そして、コレクターリードは隣のダイオードのアノードに接続して、修正は完了です。

修正完了!


無事動作しました!

今度は、電源を入れると無事リレーが2秒後にカチっという音とともに動作しました。
そして入力に信号を入れて、ボリュームを動作させると出力レベルが変わることと確認しました。
無事に動作しているようです。
 
ボリューム最大時。                        ボリュームを絞ると当然ゼロです。

ついでに周波数特性も調べておきましょう。
発振器の周波数をあげていきますが、500kHzくらいまでは波形の歪はほとんどありません。
しかし、1MHzくらいになると波形の歪と振幅の減少が確認できます。
これはOPアンプの性能なのか電子ボリュームの性能なのかはわかりませんが、
いづれにしても実用上はまったく問題のないレベルです。
 
f=200kHz                             f=500kHz


f=1MHz (ここまでくると波形が崩れます)。



動作確認の様子です。

さてもうひとつも作ってみましょう!

もうひとつの電子ボリューム(ここでネタバラシ)基板も組み立ててみましょう。先ほどの基板はNJW1159Dを用いたものですが、
こちらはLM1792Mを用いたものです。いづれも秋月で安価に購入することができます。

修正を考えて!
リレー駆動回路の修正が必要なことはわかっているので、修正しやすいように部品を配置しました。
リレーの逆電圧吸収用のダイオードは少し立てて取り付けています。そして、ダイオードのアノードに
隣のトランジスタのコレクターリードが取り付け易いようにしました。

こちらの基板の修正は少しエレガントに(笑)。

OPアンプはフォロアーで。

電子ボリュームの出力にはアンプが必要ですが、こちらも電圧フォロアーとしました。
したがって、抵抗は取り付けずに、オペアンプの出力とアンプの負入力を直接接続しています。
なお、こちらのアンプ基板のOPアンプには2114をつかいました。このICは少し高い(といっても
しれていますが)のですが、結構性能もいいです。

OPアンプの周りの回路は電圧フォロアーとしています(ジャンパーのみ)。

完成しました!
リレー駆動部の修正は少し残念ですが、完成しました。
かなりコンパクトです。

LM1792を使った電子ボリューム基板が完成しました。

こちらも動作確認です。入出力を接続して、電源On!
リレーも問題なく動作して、動き出しました。

動作確認の様子。

周波数特性はどうでしょう。

動くことは確認できたので、周波数をあげてみて出力波形を観察してみました。20kHzでは問題なし。
200kHzくらいまでは、まったく問題ありまえんが1MHzで少し波形がひずみます。
2MHzとなると振幅も減少しています。このくらいまで、周波数が伸びていればまったく大丈夫ですね。

 
 f=1kHz                         f=20kHz

 
 f=200kHz                         f=1MHz


 f=2MHz

お出かけ用の写真を撮っておきましょう。

(1)コードネームEVC1159

NJW1159を使った電子ボリューム基板(OPAは4580を使用)。

(2)コードネームEVC1972

NM1972を使った電子ボリューム基板(OPAは2114を使用)。

さて音質は?

すでに一度評価したことはありますが、また違うOPアンプとの組み合わせなので聞いてみましょう。

ソースは
少し半田付けをしたい気分でもあったこともあり、DAC2704を新たに組み立てました。
これも部品点数が少ないので比較的短時間で組みあがりました。
これをソースに用いた理由は、小型であるというのもありますが、
バスパワーで使えるので配線が最小で済む点が便利です。


久しぶりに作成したDAC2704

試聴の機器はすべてバラックですがこんな感じです。
DAC2704→EVC1972→RenewA12(ヘッドホンアンプ仕様)
です。


試聴時の構成です(EVC1972)。


さてさて 2013.5.12

試聴には久しぶりにプーランクの合唱曲を選択しました。「人間の顔」という曲ですが、ダブルコーラスの
非常に濃厚なハーモニーの曲です。こんなバラックの構成でも細かい息遣いももれなく伝えてくれます。
音質的にはかなりいいです。試聴を忘れて、全曲聴いてしまいました。

次はEVC1159 
こんどは電子ボリュームをEVC1159に入れ替えて試聴です。
こちらもいいですね。オペアンプの4580の音が支配的なのか、合唱の内声(テナー、アルト)部が
よりはっきりと聞こえる気がします。でも、たぶん気のせいでしょう(笑)。


試聴時の構成です(EVC1159)。

ちなみに

この電子ボリューム基板のサイズですが、A12基板やA13基板の半分のサイズにして、
ネジピッチもあわせているので、2階建にすることができます。これで、小粋なアンプを
つくろうかと思っています。


こんな感じで2階建にできるようにネジピッチをあわせています。

一応、

備忘録として、EVCに用いたICの性能です。性能的にはLM1972の方が少しいいようです。
でも、音的にはどうだろう?






ボリューム表示も確認! 2013.6.22

電子ボリューム基板にはLED表示用の出力も備えていますが、確認していなかったので今回確認してみました。
秋月に寄ったついでにアノードコモンの2桁の7セグLEDを買ってきました。

秋月で買った7セグLED(アノードコモンです)。

こんな感じで基板に取り付けましょう。

基板に配置します!

LED用の電流制限用の抵抗はチップ抵抗(1kΩ)をつかいました。これで十分に明るく光ります。
抵抗のサイズは1608です。これは秋月で1リール500円で売っているので、とても安くて助かります。
ただ、サイズ的には2012の方がいいかもしれません。ちょっと短い・・・。


チップ抵抗を取り付けます。

最後にICソケットをつけてPICを搭載すれば完成です。

完成しました!

あとは電子ボリューム基板のP12〜15を利用して接続します。
電源を入れると難なく数値が表示されました。
ボリューム最小値では00が表示されて、MAX時には80と表示されます。


問題なく表示もされました。

LEDの専用基板もつくってみました。

(つづく)