ディスクトップオーディオの巻き(PART2)

前編
お気楽ミニパワーアンプの拡張動作

いままでお気楽ミニパワーアンプは15Vで動かしていましたが、どのくらいの出力が得られそうか
試してみることに。電源はRA40-144のトランスをつかって非安定出力をつかいました。
電圧は無負荷時で23V強あります。このままの電圧をパワーアンプ基板に供給するには、オペアンプを
交換する必要があります。というのも通常のオペアンプの最大電圧は18Vくらいなので、23Vを供給しよう
ものなら、即座に死んでしまいそうです。ということで、入力電圧の高いOPA2604にあらかじめ交換して
おきました。OPA2604は動作電圧24VまでOKなので、こういった用途には助かります。ただし、最大電圧は
25Vなので、あまり余裕がないので注意は必要です。
 お気楽ミニパワーの負荷には2+2+3Ωでトータルで7Ωの負荷をつなげています。
使用しているトランジスタはIc=3Aのものなので、あまり低い負荷でのテストはちょっと怖いものがあります。

OPA2604に交換して電源を接続

発振器をつないで、いざ出力確認です。
三角波をつかって、最大出力を確認しました。15Vは出ているようです。このときの電源電圧は19V強
まで下がっています。電力消費も大きいのでトランジスタも負荷抵抗も加熱していきます。

上:入力(ch1)、下:出力(2ch、1/10プローブ)

15Vの振幅ということは、どのくらいの電力出力が得られそうかを計算すると、
7Ω負荷時で約16Wということになりそうです。これだけ、出力が得られたら
ディスクトップでは十分です。


日本橋へ買いだし 2009.4.29
そろそろディスクトップシリーズを箱に入れようと思い、必要なケースなどを日本橋へ買いだし。
必要なものだけ買おうと思っていたけれど、目の前にプレートセメント抵抗が10円で売っているのを発見。
箱の中に色々な値が混在しているので必要な値を探すのがちょっと面倒ですが、パラアンプの製作を考えて
約80個ほど購入。よく使いそうな値の0.22,0.47、1Ωの3種で揃えました。
こんなに買って、アンプ何台つくるねん!って言われそう・・・・

1個10円だったら安いのかな?

さて、今回のディスクトップシリーズをいれるケースはタカチのMB-7です。
寸法はW160、H85,D250の小型のものです。ディスクトップシリーズですから
あまり大きなケースは不釣り合いですからね。といっても、ちょっと大きいかな(笑)。
あまり高級には見えないですが、値段とのかねあいもあります。
この手のケースの最大のメリットは1mm厚のアルミで作られているので、
加工が大変楽なところです。

今回使用のケース。

ケースを包装から取り出して、中に基板類を並べて配置を検討します。
今回は中に基板を3段重ねにしていれる予定です。アンプ用の電源コンデンサは
空いたスペースに入れる都合上、細長い基板の電源をつかいました。
トランスはいつものRA40です。これだけ容量があれば、ディスクトップシリーズといえど
本格的な使用も可能です。

まずはケースの中に仮配置

基板は3段重ね。下からお気楽ミニパワーアンプ、DAC2702USB-DAC、A7-beta
の順番です。ちょうど真ん中にソースがあって、下側がスピーカのパワーアンプ基板、
上側がヘッドホンアンプ基板になります。

3段重ねの基板類

基板類の配置がきまったところで穴開けです。1mm厚のアルミですから
あまり手間はかかりません。四角い穴もハンドニブラがつかえるので、簡単です。

ケースの穴開け加工が済んだところ。

加工が済めば、部品類をとりつけていきましょう。ここまでくると完成形が見えてきます。

部品の取り付け

基板は下からつけていきますが、まずはお気楽ミニパワーアンプ基板です。
トランジスタはケースの底面に取り付けて、ケースを放熱板のかわりとしています。

最初はお気楽ミニパワーアンプ基板をとりつけ。


パワーアンプ基板回りの配線が完了。この時点で通電してバイアス電流を再調整しました。
バイアス電流はあまり流さないほうなので10mAにしています。
お気楽ミニパワーアンプ基板回りの配線完了

そのつぎはDAC2702USB−DAC基板のとりつけです。電源はトランスからではなく、整流後の回路から
供給しました。こうすることで、見かけ上のコンデンサ容量が増大します。DAC基板内の整流ダイオードは
取っ払うかどうするか考えましたが、あっても支障ないのでそのままにしています。
この段階で、忘れずにヘッドホンアンプ基板(A-beta)用の電源線を取り出しておきました。
オンボードでは12Vの三端子レギュレータが載っています。

DAC2702 USB-DACをとりつけ。

この段階で忘れずにFUSEも取り付けておきましょう。横着してFUSEは配線に直付けしました。
こんな装置でFUSEが切れるのは非常事態ですから、交換することもほとんどないでしょう。
直づけしたFUSEはそのままでは危ないので、絶縁テープで被覆しておきます。

こんな感じでFUSEをとりつけ。2.5Aのものをとりつけました。


一応、絶縁テープで被覆します。

最後にA7-beta基板(ヘッドホンアンプ用)を載せて、その他の配線をすれば完成です。

完成したディスクトップシリーズ!

横から基板群を見るとこんな感じ。ちょうど高さがマッチしています。A7基板のトランジスタが
すこし高さオーバしたので、傾けています。

横から見たディスクトップシリーズ基板群

いざ試聴!

試聴にはスピーカが必要ですが、ディスクトップ用に新しく購入しました。
ONKYOのD−108Mというものです。1本のバラ売りが可能なところを見ると
AV用でしょうか。2本で定額給付金にちょっと足せば買えるお値段です。
本来はスピーカも作ろうかと思いましたが、それをやりだすとGW中には間に合いそうに
ないので諦めました。

入っている箱も小さいです。


久しぶりに購入したスピーカーです。

ディスクトップの名前の通り、机の上に並べて試聴の準備です。

机の上に並べてみました。

このスピーカは型番(D−108M)から見ると10cm口径のような印象ですが、実際の振動板の
直径は7cm程度しかありません。この直径のスピーカからだと低音は期待できないかな〜
と思っていましたが、そんなことはないようです。バスレフ構成となっていることも相まって、
結構低音がでてきます。もっとも大型システムのような佇まいはありませんが、ディスクトップ
としては十分です。小型ならではの定位の良さもあります。
 一つ気付いたのはリスニングポイントによって、音の広がりがかなり変わります。どちらかと
いえばスピーカに近づいて目の前くらいの位置になると、急に音が広がります。まさにディスク
トップにうってつけです。

ヘッドホンでも試聴

ヘッドホンはバラックのときでも鳴らしていますが、アンプの駆動電圧が12Vと低いながらも
A7-beta基板は十分な音量を確保してくれます。ヘッドホンのインピーダンスが50Ωですが、
低音も豊かに鳴らしてくれます。いい感じです。

ディスクトップシリーズ完成!

なんとかGW中に1つの作品ができました。ケースをもう少しいい物にしたら良かったと思う
ときもありますが、このような質素なケースでも中身は充実しています。見た目より中身で勝負!かな(笑)。

さて、今日はこのアンプを聞きながらちょっといいワインでも飲みましょう(すでにボトル1本が
空いてしまってますが・・・)。ほろ酔い気分で音楽に浸る・・、そして気付けば気持ちいい惰眠
の世界です。やっぱり自作オーディオって楽しいです。