ぼちぼちっとな〜、の巻き。 2010.2.17
しばらく半田ごてに通電しない日がつづいたので、なぜか無性にコテを握りたくなってきた。
目的もなく作るのもなんなんだけど、ふとメモリーバッファー基板が目についたので、これを組み立てることにしよう。
部品類は部品箱をあさればなんとかなるだろうと思いつつ、半田作業を進めます。
なぜメモリーバッファーにしたかといえば、目に付いたということもあるのだけど、表面実装部品がほとんどなので
リード線のくずが出にくいこと、そして半田ごてを握っているという実感を得るには十分な半田付け数であることかな。
おかげで、途中でちょっといやになりました(笑)。しかし、メモリーバッファーって今回で作るの何枚目だろう?
すくなくとも5枚以上はつくっているような気がするな〜。
まあ、今回は時間は十分にあるので丁寧に半田付けしていきましょうた。
やっぱり部品が足りない。
ロジックICの74164と7420が足りないようです。表面実装品なので日本橋にはないだろうな〜
ということで通販のお世話に。でも、これだけだと送料の方が高くつくので、その他の部品も併せて買い込みましょう。
こうやって部品箱が肥えていくんですよね。
74164と7420が足りません。
もちろんメモリーバッファーを作るというからには、最終的にはDACを作ろうと思っている。
最近つくった、ディスクリIV変換差動合成基板がなかなかいい感じなので、ちょっと色気を出して
きちんと組み上げようかな〜とたくらんでいます。
ディスクリIV自体は、すでに何回か試したことがありましたが基板として作成したのは4回目くらいでしょうか。
直近ではDAC1794−3やDAC1794−3.5があったような気がします。
このディスクリIVで気をつけないといけないのが、終段のTRの電力損失です。今一度、整理して見ましょう。
PCM1794をシングルでモノモードで使う場合。
これはDAC1794-3.5に相当します。
PCM1794の電流出力値はゼロ値出力時に6.2mAになります。そしてモノモードだとこの倍ですから12.8mA。
つねにこの値がIV回路に流れることになります。最大値はさらに大きくなりますが、平均値としてこの値で
考えればOKです。IV抵抗値を360Ωとすると、発生する電圧値は4.6Vですから、電源電圧を15Vとすると
最終段のTRが消費する電力は(15-4.6)×0.0128=0.133Wとなります。
このくらいなら普通のエポキシモールドでも大丈夫でしょう。
PCM1794の出力特性(平均で6.2mAの出力電流)
PCM1794を2パラでモノモードで使う場合。
これはDAC1794-3に相当します。IV抵抗値を150Ωで計算すると、TRの消費電力は0.29Wです。
こりゃ結構厳しいですね小型エポキシモールドだと限界です。といことでTrの容量と熱対策については
十分考慮する必要がありそうです。
話はもどって、ディスクリIV変換差動増幅基板でも取り付けるTRには余裕が必要です。できれば、
小型の放熱板をとりつけたほうが精神衛生的には良さそうです。
DAC基板を作る。
そういえば、DAC1794-3.5ディジタルの在庫が切れてしまいました。このシリーズはもう作らないと思っていたのですが、
IV基板のリリースによって、少し需要が増えた感があります。しかしこのディジタル基板をIV基板と併せてつかうには、
サイズがアンマッチなので2階建てにできません。もっとも2階建てにする人は少ないと思うのですが、
小生のように横着して作ろうとしている人には基板が重ねられるメリットは大きいでしょう。
ということで、DAC1794-3.5ディジタルはちょっとだけマイナーチェンジして、IV変換基板と同一サイズにすることにしました。
これは、すでにリリースしている電源基板等と同じ大きさになりますので2階建てだけじゃなくて3階、4階と拡張することも可能です(笑)。
実際に書いてみるとこんな感じです。あまった部分には蛇の目パターンをいれておきました。
ちょうど縦方向には7個分のパッドが確保できたので14PのDIPを縦方向に実装できそうです。
といっても何を載せるかな?一番いいのは整流回路とレギュレータがいいかもしれませんね。
今回リニューアル予定のDAC1794-3.5ディジタル(左)とオリジナル(右)
さて、IV基板の製作前にDACアナログ基板を発注しましょう。
メモリーバッファー完成! 2010.2.20
注文していたICが配送されてきました。海外便でも4日もあれば到着するのでものすごく便利です。
海外通販は便利です。
ICをのせて、あとはCR類などを半田付けすれば完成です。今回はゆっくり丁寧につくったので
半田付けの確認はいらないでしょう。
完成したメモリーバッファー(何枚目かな?)
完成後は動作確認のために電源をつないで、適当にディジタル入力をいれて出力波形を
観測しておきます。まあ、問題なく動いているでしょう。本当はDACにつながないとわからない
のだけど、また今度でいいでしょう。折角なので、周波数を調整(トリマー)して、CDプレイヤーと
同期をとるようにしておきました。LEDの点灯周期は10秒くらいなので、十分でしょう。
さて、来週(2/24)にはIV変換基板が納品される予定です。
LT3080基板の修正版到着!2010.2.24
今回の試作の中にはこの基板もいれました。やっぱり、こういった小型の5Vあるいは3.3V
電源があると便利です。今回のDACプロジェクトでもこれを使おうかと思っています。
組み立ては簡単です。今回は5V仕上げにしたかったので、抵抗値は500kオームが必要
ですが、E24系列をつかうことから470+30kオームにしました。510kオーム一本でも
誤差は2%ですから問題はないでしょう。ちなみTTLの電源電圧の許容値は5%(0.25V)です。
PCM1794のディジタルは3.3Vですが、許容値は3-3.6vと10%は許容しているようです。
PCM1794のアナログ部は4.75-5.25Vですから5%ですね。まあ2%の誤差を許容して抵抗1本
で収めるか、誤差は極力減らすとして抵抗2本にするか、このあたりはこだわりですね。
もっとも電圧が高くなると、それだけ消費電力も増えるので地球環境にはやさしくないかな?
ちょっと計算して見ましょう。
5.1Vと5Vの違いですが、電流値を仮に50mAとしてみましょう。一日平均して2時間通電
するとして、1年間の消費電力差は0.1×0.05×2×365=3.65Whになります。1kWhが27円
とすると約0.1円。一本5円の金属皮膜を償却しようとすると50年間!こりゃ、電量差
はほとんど関係ないですね。
でも、この考え方には根本的な間違いがあり、シリーズレギュレータを使う限り、
ICに加わる電圧が高かろうが低かろうが消費電力はかわりません。単に電力がICで消費
されるのか、レギュレータで消費されるかの違いだけですからね。一番いいのは
電源回路の1次側の電圧を極力さげることでしょうか。5V電源なら8Vもあれば十分ですから
できるだけ、その値に近くしてあげることでしょう。
ミス修正したLT3080利用の電源レギュレータ基板
その他ディスクリIV変換差動増幅基板、MINI-AMP基板などを再リリースしました。
あ〜自分の分まで〜!! 2010.2.25
ディスクリIV変換差動合成基板を誤ってすべて放出してしまいました。自分の分が〜〜・・・・・
再度製作するにしても、ものすごく余りそうだし、どうしよう??????
ちょっと嗜好を変えてみるかな?
とりあえずDAC1794-3.5デジタルを作る。
嗜好を変えるついでにDAC素子も違うものをつかってみることにしました。
PCM1798です。これはPCM1794とピンコンパチですが、出力電流も低めです。
でも、何よりもいいのは安いです。ちょうどPCM1794の1/3くらいの価格です。
音はどうかはわかりませんが、たぶんディジタルフィルターの構成が違うくらいかな?
と想像しています。
今回はPCM1798を使ってみた。
DAC基板は部品点数も少ないので、1時間もあれば完成です。
完成したDAC1794-3.5デジタル(マイナーチェンジ版)
POWER-IV計画発動?
ディスクリIV変換差動合成基板はコンパクトな基板に2ch分のIVアンプと差動合成機能があるので
PCM1794のシングル利用と合わせるにはちょうどいい感じです。でもDAC1794-3などのように
パラのPCM1794出力だと電流出力はかなり大きいので発熱が気になります。やはり発熱を抑えるためにも
放熱板はあった方がいいでしょう。それに、取り扱う出力電流が大きくなると、アンプの方も終段が1段だと
ちょっと心許ないものがあります。
ということで、まずA12アンプ基板の終段をダーリントンにしたものを描いてSPICEで動作を確認しておきました。
回路は単純に終段が変更されたものになっているだけです。内部でダーリントンになっているトランジスタを
使えば回路の変更はいらないのですが、ダーリントントランジスタも種類はそんなに多くない(売っているところも少ない)
ので汎用品がつかえうるように回路もオーソドックスなものにしておきました。
A12回路の終段を2段にしたアンプ。
さて、放熱板をとりつけたIVアンプ基板となると、さすがに1枚の基板j上のステレオ分(2ch)はのせられません。
1枚で1ch分になってしまいますが、放熱板の配置をどのようにするかはちょっと悩みます。
ケース1:回路構成と同じ
まずはこんな感じで放熱板の配置を考えてみました。回路図と同じようなアンプの配置になるので
見た目がわかりやすいです。でも、この配置だと問題があります。1つはトランジスタの放熱板へのネジ止め
がしにくい(ドライバが入らない)ことが想定されます。それと、こちらはシリアスな問題になる可能性がありますが、
基板を2階構成にすると熱の放散がしにくいことが想定されます。すなわち基板の中側にある放熱板の熱がうまく
逃がすことができないということです。それと、基板上の配置が対称にならないので美しくないことかな。
ケース1の放熱板配置。
ケース2:対称配置
ケース2の問題点を解消するために、放熱板を基板の外周に配置したものも考えてみました。
こうすれば、基板を2階建てにしても放熱はし易くなります。それに回路配置も対称になりますから
見た目も美しいでしょう。空いたスペースにはサーボ回路も実装できそうです。
ケース2の放熱板配置(あれ?上の放熱板の向きが反対?)
ケース2の場合でパターン作成
早速ケース2の場合でパターンを描いてみました。電源投入時のポップノイズを消すために
ミュート用のリレーも使えるようにしてみました。このリレーは秋月電子で売っている12Vの
小型のものです。
ミュート用に使うリレー @80円
描いてみたPOWER-IV基板。
あとはベタを塗れば完成!ベタを塗る前にもう一度配線パターンを確認しておきましょう。
なお、最近はベタ塗りはCADソフト内にあることがわかりました。CADソフトを10年くらい使っている
しらなかったのですよね。いままで勿体ない時間をつかっていたものです。
さて、さっとベタを塗って完成かな?
ベタを塗ったPOWER-IV基板
とりあえず、この基板は別件の試作に合わせて特急で作れることになりました。
(うまく紛れ混ませることができた)。
電源基板もちょっと変更
POWER-IV基板の放熱容量だと、最大でPCM1794のモノラル4パラ(実質8パラ)でも
駆動できそうです。でも、それ以前にアイドル電流も結構流すことができそうなので、
電源部もそれなりに増強する必要があります。有る程度熱容量の大きな放熱板を
搭載できる電源基板が必要になりそうです。ということで、電源基板についても少し
新しいものを描いてみることにしました。
定電圧電源基板正負
定電圧電源基板正のみ
こんな感じ!
でPOWER-IV基板が完成しました。
POWER-IVの部品面。リレー(右下)って意外と小さい。
POWER-IVの半田面。結構込み入ってます。
実装にかかる!
まずは背の低い部品からとりつけます。入力のFETは秋月の2sk246(BL)をつかいました。
その他のバイポーラトランジスタは2SC1815/A1015(GR)です。部品点数は多いですが、
部品の種類は少ないのでパーツボックスから探すのにあまり時間はかかりまません。
まずは小さい部品から半田付け。
最後はパワートランジスタをとりつけます。今回は汎用のトランジスタということでTIP31C/32Cをつかいました。
Ic=3Aのものですが、その他のTRでも全然問題ないでしょう。最初は放熱板に軽くネジで借り止めしておきます。
基板に放熱板を半田付けしたあとは、トランジスタを放熱板に本締めして、あとはトランジスタを半田付けします。
今回使用したトランジスタ。
動作確認はDAC基板(DAC1794-3.5Aディジタル)と合わせて行いました。
放熱板の下に見える青いものは絶縁テープです。一応、基板のレジストで絶縁されているはずなのですが、
万が一レジストにキズが入って放熱板と基板パターンがショートすると面倒なことになるので、念のための処置です。
本来はトランジスタをフルモールドタイプにすれば問題ないのですが、今回は横着しています。
動作確認
まずは、POWER-IV基板のみの動作確認です。DACとは接続せずに単独で電源を入れて確認します。
そうすることでIV変換部は入力電流ゼロの状態ですから、出力電圧を測定することでオフセットの調整が
できます。今回の基板では、とくに無調整の状態でもアンプのオフセットは20〜40mVの間に収まっていました。
この程度の値ならオフセット調整用のVRは不要かもしれません。反対に、ない方がいいのかな。
オフセット値を測ってから、VRを取り付けるかどうか判断してもよいかもです。
もっともサーボ回路を組み入れるならオフセット調整用のVRは不要でしょうね。
なお、アイドル電流は10mAに設定しました。使用したエミッタ抵抗が5.1Ωなので、抵抗器の両端電圧が概略50mV
程度になるように設定します。
さて、POWER-IV基板単体での動作が確認できたので、DACと接続してみました。
DACと接続して動作確認。
出力は問題無く出ました。アンプ部の動作が確認できているので、当たり前といえば当たり前です。
で、折角なのでお出かけ用の写真を撮っておきました。
お出かけ用の写真です。
少しアングルを変えて撮ってみました。
試聴!
試聴の為にはスレレオ分を作らないといけないので、もう一枚を作りました。一枚を既につくっているので
2枚目は大体勝ってがわかっているので製作時間も半減です。製作が終わば、さっそくDAC基板とPOWER-IV基板を
接続していきますが、サイズが同じなので3階建てにしてみました。こうすれば配線も楽です。
3階建ての基板群。下からDAC1794-3.5デジタルとPOWER-IV×2
真横から見てみるとこんな感じ。長いスペーサの高さは30mm
試聴のために、配線をしました。そしてアンプに接続して試聴です。
試聴のために基板間を配線しました。
試聴版は?
ちょっと懐かしいところでこんなディスクを引っ張りだしてきました。年代を見ると14年前の発売です。
でも、曲自身はそんなに古さを感じないのがドリカムの良いところかな。
なぜか懐かしさにつられて、アンプのボリュームも大きくなってきました。
今日は、このディスクをのんびり聞きながら週末の夜を過ごすことにしましょう。
今回の試聴版!
しかしPOWER-IVってDAC1794-3.5デジタルに対しては完全にオーバスペックだな〜。
ケースに収めよう!2010.3.6
今回はタカチ電機のMB-9というケースを使うことにしました。雨の中を日本橋のディジットまで行って
速攻で買ってきました。このケースのサイズは210x90x350と少し大きめ。お値段は@3000円とちょっと高め。
穴加工したMB-9ケース
穴あけ加工が済んだらスペーサを取り付けていきますが、なんとも沢山いること。
だいぶ部品箱の在庫が無くなってきたので、そろそろ廣杉計器に注文しないといけない感じです。
メーカから直接買うとかなり安いです。でも、最小個数が50個だったりするので、これはトレードオフです。
沢山スペーサーを使います。
もう一度基板類を並べて穴開けのピッチが問題ないか確認しておきます。
大きめのケースですが、こうやって並べるとあまり余裕はありません。
基板を並べてみると完成時の姿がだんだんイメージできます。
あ、忘れた!
すっかり忘れていました。POWER-IV基板はMUTE回路があるのです、これを載せないと勿体ない!
でも、どこに載せようかな・・・・(汗)。
載せ忘れたMUTE基板
ちょうどACインレットの下あたりにスペースがありそうです。MUTE基板もユニバーサル部分は入らないので
切り離して短くして取り付けましょう。ちなみに、基板の切断には木工用の鋸をつかっています。
でもガラス繊維を切ったりしたら、早く刃が痛むだろうな〜
ちょうどいい場所がありました。
新たに穴をあけて、MUTE基板の取り付け位置を確保
ここまで加工をしておけば、あとは平日の夜でも作業を進めることができそうです。
まずは、まだ完成していない電源基板類を作って行きましょう!
あとはルンルン気分で作業ができそうです。
追加で必要な電源基板も完成!
電源基板は部品点数も少ないので時間がかからないのがいいです。
追加の電源基板。
電源基板も出来たことなので、一度すべての基板をケース内に押し込んでみました。
やはりPOWER-IVは迫力あって見えます。しかし、基板の枚数も多いので配線は意外と大変そうです。
必要な基板類を搭載してパチリ!
ぼちぼちっとな(PART2)の巻き。 へつづく。