ぼちぼちっとな〜(PART2/DAC1794-5検討)の巻き。 2010.3.13

ちょっと在庫の少なくなっていたスペーサ関係の廣杉計器に発注。WEBから発注できるので便利だ。
ただし最小数量は50個なので、初期出費はいたしかたないが送料も振り込み手数料も不要だし、
それに単価が店で買うより随分安いのですぐに元が取れるはずだ。
なんせ30mmのスペーサで15円である。たぶん店で買うと50円くらいしているのじゃなかったかな?
でも、今回はニッケルメッキのつもりだったけど、生の快削黄銅のものを注文していた。
まあ、性能に関係する部分ではないので安かった分よしとしましょう。

廣杉計器で買うとスペーサも安いです。上記で約4500円。
ネジ付きスペーサ 30mm×50個、15mm×50個、10mm×50個
スペーサ 3mm×100個、5mm×100個

試作の電源基板も到着!

すこし前に注文していた電源基板も到着しました。今回は大きめの放熱板が使えるようにパターンを変更したものです。
ただし回路は従来と同じです。なお、スペースが窮屈になったので外部トランジスタを使えるようにとの配慮はありません。
もともと大きい放熱板と取り付けられるようにしたかったので、この基板で完結させるのが基本です。

完成した電源基板(リニューアル版)

この基板に取り付けられる放熱板は色々なサイズがありそうです。サイズの比較のために
いつもよく放熱板と一緒に写真を撮ってみました。
左上が秋月で買ったもので@100円です。右上が共立で買ったもので@180円くらいだったかな?
高さおよび幅も共立の方が一回り大きいですが、このくらいのサイズがあれば余裕でできそうでしょう。

上側:今回の基板で使える放熱板。 下側:参考


秋月(手前)と共立(奥)の放熱板を仮載せしてみました。

さっそく組み立て!
電源基板は部品も少ないのでおもむろに組み立てていきましょう。使用した放熱板は秋月のものです。
というのも高さ制限があるので高さ25mmの放熱板を使いたかったので秋月のものにしました。

組み立て途中

搭載する平滑コンデンサはこれまた秋月の4個100円の3300uF/50Vを使いたかったところですが、
高さを低くするために、共立のコンデンサを使用しました。
 
秋月のコンデンサ(3300uF)ではちょっと高さオーバー

平滑コンデンサを取り付けて完了です。お出かけ用の写真をパチリ。

正出力定電圧電源基板(TYPE-E)


正負出力定電圧電源基板(TYPE-D)

今回の基板では電圧制御回路は密集配置させていますので、その様子をパチリ。
トランジスタの向きの確認用として画像を保存しておきました。

正負出力版の電圧制御部分


正のみ出力版の電圧制御部分

動作確認!あれ?
トランスに接続して動作確認です。トランスはRA200を使いました。
回路の設定電圧は正負版が15Vで、正のみは5Vに設定しました。
で、接続して電圧を測定しみると

正負版
  正出力: 15.18V
  負出力:-15.25V
ここまでOKですね。

正のみ版
  出力電圧 : 0V
あれ?うまく動いていないようです。

原因発見!
動かない原因を探って行きますが、基準電圧源は大丈夫そうなので差動アンプがうまく動いていないようです。
取り付け部品を確認してみましたが、まずは問題ないようです。となるとパターンミスになりますが、
基板を眺めてみると、差動アンプの定電流回路のFETのソースがGNDに接続されていないようです。

動作確認中の様子


動作不良の原因箇所

修正!
FETのソースをGNDに接続すればいいのですが、べたアースのレジストを削って接続する必要があるかな?
と思っていましたが、極近くにアースに接続されているランドがあったので、そことジャンパー接続することで
対応させました。
 
 修正前                              修正後(どこかわかるかな?)

動作確認!

通電して測定してみると出力は5.05VとOKなようです。これで電源基板の完成です。


多パラPCM179xにチャレンジ! 2010.3.14

話は少し戻り、
もともとディスクリIV変換差動合成基板をつくろうと思った理由は、
LH0032の評判はいいのだが、いかんせん入手性が難しい。そのため、その特徴を活かすべく
等価回路で組もうと思ったことが理由の一つではあるが、大きな要因としてはLH0032をIV変換に
使用した場合に発熱が半端でないことだ。そのため放熱板は必須になるのだけど、発熱問題はケースに
組んだあとに気付いた。いまから放熱板を取り付けるスペースもないし・・・・、ということで
放熱のことを考えて一気にディスクリ形式にしようということで作ったようなものである。
現にディスクリIV変換差動合成基板では終段のトランジスタのみTO-220が使えるような基板パターンとしている。

ディスクリIV変換基板は組みあわせる相手としてDAC1794-3.5ディジタルのようなPCM1794モノ使用(2パラ相当)
であれば、放熱板がなくても特段問題なく組み合わせることができる。それでも終段のトランジスタはそれなりに電力を消費するので
トランジスタは暖かくなる。まあ、問題のない範囲だけど、少々の発熱でも安心して使えるようにと考えたのが
POWER-IVである。ここまで大きな放熱板は必要ないのがだが安心感も生まれるし、何よりも見ているだけで
力強そうな音が期待できる。それに、お茶目にアイドル電流を多めに流して完全A級で動かすのもおもしろいかもしれない。
もっともPCM1794の電流出力はゼロクロスしないので、ほっといてもA級動作にはなるとは思われるが・・・。
POWER-IVはDAC1794-3などの2パラPCM1794(実質4パラ)でも問題なく対応可能であるが、
POWER-IV自体はDAC1794-3.5デジタル(2パラ)と組み合わせることで検討は完了とする予定だった。

でも、ちょっと先週に身内で嬉しいことも有り、がぜん製作意欲が沸いてきた。
ちょっとお茶目に多パラのPCM179Xにチャレンジしてみたくなった。
散財確実だがDAC1794-3以来の弩級(?)DACにチャレンジしても良いだろう!

どの程度のパラ化までいけるかな?
ちょっと試算してみよう。
 パラ数の最大ネックは終段のトランジスタの発熱である。とくにPCM1794はゼロ出力時でも
相当の電流出力があるので、この電流を消費するだけの熱容量が必要になる。

そういえば今までのDACはほとんど最終的には8パラ差動までつくったなーと思い出してしまいました。
作ったのはPCM61P、PCM63P、PCM1704でしょうか。これらすべてはマルチビットのDACであり、
電流出力もすべて正負出力(ゼロ出力時はゼロmAなので使いやすかった)なので、
IVで受けるアンプも選択が楽だった。というのもゼロ出力時は基本的にはゼロ電流なので、
ほとんど放熱対策は不要になります。

さて、PCM1794をつかってパラにしたときに終段のトランジスタの発熱(消費電力)を超概算してみました。

PCM1794
使用個数
パラ数
(モノラル時)
ゼロ出力時
電流値(mA)
終段TRの
消費電力
(mW)(*1))
POWER-IVの
放熱板温度
(推定:℃))(*2)
12.4 186 35
24.8 372 39
49.6 744 49
16 99.2 1488 67

(*1)電源電圧は15VでIV出力後の電圧も最悪値のゼロとなるとして計算。
  (本来はIV出力後は一定の電位が発生するので消費電力は小さくなる)
(*2)放熱板(17PB25)の熱容量を25℃/K、周辺温度を30℃で計算


16パラまでやりたいところだけど、やはり放熱がネックになりそうです。
実際には16パラでも消費電力は1W程度になるので、大丈夫のような気もしますが、
4個並列(実質8パラ)がちょうどよいところになりそうです。

どの様に実現するか
実質8パラ(DAC素子4個)を実現するか考えてみましょう。DACをつくる時にはコンセプトが重要です。
今回のコンセプトは 「最強のハイエンドDACを作る!」って感じにしましょう。
まあ、看板倒れになることはよくあることです(笑)。

さて、掲げる要素は次の通りです。
1. 8パラ(PCM1794×4個)を実現。
  ただし基板レイアウトはそれ以上のパラ化にも対応可能なようにする(16パラも可)。
  また4パラ×2の構成にも変更できるように考慮(DAC1794-3相当)。
  なんせ、PCM1794を8個もつかうとなると結構散財です。

2. 基板サイズはPOWER-IVと互換
  早い話がPOWER-IVと2階建てを可能にしないと、ケースがとてつもなく大きくなる可能性があります。

3. デジタルとアナログの電源は分離
  結構アナログ部の電流が必要になりそうなので、分離できるようにしておいた方が無難でしょう。

4. 外部DAIとする
  最近再リリースしたメモリバッファーとの接続を可能に。
  ただし簡単なDAIであるDAC1242-DAIをオンボードにもできるように。
  というか、DAC基板自体がモノラル仕様になるので、DAIを載せる構成にすると冗長になってしまいます。

5. アナログ部は極力ベタアース化
 
 実は、最近ベタを塗るのが簡単になったので、ついつい(笑))。

ここまで煮詰まれば、あとはパターンを作成するだけです。
まずは4個のPCM1794をどのように配置するかですが、これはあまり選択子がありません。
デジタルとアナログのアースをうまく分離するには、4個縦に並べる必要があるので、
ICは基板の長手方向に4個並べました。周辺のコンデンサを考えるとあまり余裕はないです。
やっぱりこの基板サイズだと4個が限界でしょう。


PCM1794を並べてみる。意外とスペースをとりそう。

あとは配線を行うだけ!

こんな感じで完成しました。休みというのに一日中PCの前に座っているなんて不健康そのもの(笑)。
体を動かしてはいないけど、結構疲れました。バグはあるかもしれないけど、モノには勢いが必要です。
このまま試作に出してみましょう。
そうすれば、週末には組み立てに入れそうです。あ、今週末は土日とも出張だ!!!


パターンを書き終わったDAC1794-5。本来は”-4”だけど、4は縁起よくないので飛ばしました(笑)。

あ、すでに基板屋さんに発注をしてしまったけど、”2010-Feb”になってるぞ!! テキストをPOWER−IV
からコピペしたまま修正するの忘れた・・・まあ、いいか。どうせ、それ以上にシリアスなバグは出そうだし(爆)。
試作にあわせて、在庫切れになったPOWER−IVも追加で製作することにしました。

では、次の週末までしばらく趣味はお休み。明日からはまた仕事です。

DAC1794-5の構成

基板メーカより注文請書がでてきました。いつものごとく「製作データとして問題なし」で、発送は金曜日を予定しているとのこと。
土曜日に製作にかかれそうです。で、いまのうちに一気に書き上げたパターンの構成をおさらいです。

まずは全体の構成はこんな感じです。


DAC1794-5の基板上の構成

PCM1794は全部で4個のせましたが、2個つづのグループに分かれています。GOURP1とGROUP2としていますが、
それぞれのグループの出力は左右を選択できるようにしています。
たとえば、GROUP1を左、GROUP2を右と設定すればこれ一枚でステレオ構成になります。ちょうどDAC1794-3の
DAC部分のみを抜き出したかたちになります(もちろんDAI(Digital Audio Interface)は無いので等価ではありませんが).
この構成ではPCM1794-2個並列(4パラ相当)となります。


ステレオ構成とする場合(DAC1794−3相当)

そして、今回の最大の使い方である4個並列(8パラ相当)にするためには、GROUP1およびGROUP2の出力チャンネルを左右の
どちらかに統一してやります。このとき出力端子は気分的にも真ん中がいい(POWER-IVと互換がとれる)ので、端子を
もうけました。この端子をつかうときはGROUP1とGROUP2の出力を共通にしないといけないので、そのためのジャンパー端子も
設置しています。


4個並列8パラ構成の場合(左chの設定)


4個並列8パラ構成の場合(右chの設定)

基板到着! 2010.3.20

仕事(?)から帰ったら基板が到着していました。
今回の基板は部品面、半田面ともベタアースとしたため結構重量感があります。
いったい何gあるのかはかってみました。


DAC1794-5部品面(アナログ、デジタルはベタアース)   
 


DAC1794-5半田面(アナログはベタアース)    


重さ測定結果

重量測定につかったポケット型秤(DS-50)。分解能0.01g

ちなみに、同じサイズの他の基板とも比べてみましょう。
測定につかったのはDS-50というはかりです。最小分解能は0.01gとなっていますが、
精度が0.01gあるかどうかはわかりません。なんせやすかったですから(3000円くらいだったかな?)。
測定結果は次の通り。やはり、他の基板に比べて10%程度重いですね。

DAC1794-5  36.92g
平滑コンデンサ付き定電圧電源正負 32.30g
DAC2702 33.36g
POWER-IV 33.88g

あれ?
 基板をしげしげと眺めていて、なにか違和感を感じました。
一カ所シルクの間違いを発見しました。DACアナログ電源入力部のコンデンサC2の
“+”シルクの位置が反対になっています。まあ、このくらいの間違いならいいか! 
でも、組み立てる前でよかったです。電解コンデンサを逆接すると、最悪の場合は破裂してしまいますからね。
タンタルやOSコンだったらショートです。しかしCADで見ていても気付かないのに、実物をみるとすぐにわかってしまうのは不思議です。
やはり3Dの世界は偉大です(爆)。
さて、この間違い部分は忘れないようにメモをしておいて、一気に組み立てましょう。
しかし、いきなりこの調子だと、大丈夫かな〜〜(汗)。もっと致命的なミスもありそう・・・・

シルク位置間違い発見!まだまだ出てくるかな?

4つのPCM1794Aをいきなり搭載!
最初は動作確認のために1つだけPCM1794を半田づけして、動作を確認してから
残りの3つを半田づけしようかと思っていました。しかし、1つ取り付けてさらに周辺の
コンデンサ類をとりつけてしまうと他のPCM1794をとりつけるときに半田ごてが
はいりにくくなるので、思い切って4つ一気にとりつけることにしました。
まあ、いままで何回もパターンを描いてきたので、大丈夫でしょう。
と、この過信があとあと大問題になるかも(笑)。

部品の中では47uFのコンデンサが一番多い(21個)のですが、それでも全体の部品数は
少ないので短時間のうちにできあがってしまいました。今回は部品の背の高さを
低く押さえたかったこともあり、一部のコンデンサは寝かしてとりつけました。
 さて、まずは完成したのでお出かけ用の写真を1枚とっておきましょう。
通電したあとに灰になるかもしれませんしね(爆)。ちょっと色調が暗いです。もっとカラフルなコンデンサを
使えばもっとハイエンドに感じるかもですね(笑)。


完成したDAC1794−5。

動作確認

 このDAC基板はDACアナログ部は2系統(GROUP1,2)およびデジタル1系統の3系統の分離電源が使えます。
しかし動作確認のために電源をたくさん用意するのも大変なので5V単一系統で動作するようにしました。
そのためジャンパー箇所は2何カ所かあります。
1つ目はGROUP1とGROUP2のPCM1794の5Vアナログ電源を共通にするためのジャンパー(JP6)。
2つ目はアナログ部とディジタル部の5V電源を共通にするためのジャンパー(JP7)。
この2つです。


横着して5V電源一系統で動くようにするためのジャンパー

なおディジタル部にはPCM1794に供給する制御信号のバッファーとして74AC245を使用していますが、
これを3.3Vで動かすか、あるいは5Vで動かすかの選択ができます。
これは基板の半田面にジャンパーパッドを設けています。
今回はメモリーバッファー(5V動作)と組みあせるために5Vを選択しました。

       
バッファー(74AC245)の電圧選択   今回はMBと接続するので5Vを選択

話は変わり
最初はDAC1242-DAIと接続して動作確認を、と思っていました。
でも、最終的にはメモリーバッファーと組み合わせるのでそちらでテストすることにしました。

DAC1242-DAIはDAC1794-5の子亀状態で搭載可能です。

話はもとに戻り、
3.3V出力のDAI系と組みあわせる場合は3.3Vに設定します。メモリーバッファーはすでに
動作確認済みのものを用意しています。この電源は別に供給するのも面倒なので、
メモリーバッファーとDAC基板を接続する10Pのケーブルを通してDAC側から通電できるように、
ジャンパーを設定しました(省略)。ちなみにメモリーバッファーの所要電流は約110mAですので、
この程度の電流なら細いケーブルをつかっても問題ありません。
 メモリーバッファーの入力はいつもながらPCから入力して、
正弦波やパルスなどの基準波形が入れられるようにしました。

DACの出力確認にはIV回路をつなぐのが本来の姿ですが、動作確認だけですから単純に出力を抵抗で
短絡させるだけの簡単な構成にしました。さて、接続が完了したらおもむろに電源投入です。
動くかな〜。電源をいれる時が一番緊張するときです。


動作確認のために簡単に抵抗を挿入

動きました!
無事、オシロで波形が確認できました。ここまでくれば一安心です。

動いた!単純に抵抗をはさんだだけなのでオフセットがのっています。


あとはPOWER−IV回路に接続して動作確認を行いましょう。接続の前にIV抵抗値の変更です。
最終的には出力は2Vrmsとしたいので、波高値は約2.8Vになります。
差動合成で振幅は2倍になるので正負の片側の振幅は約1.4Vにする必要があります。
PCM1794が4個構成(8パラ)だと、流れる電流振幅は3.9mA×8=31.2mAになりますから、
抵抗値は1.4/0.0312=43.8Ωになります。E24系列から探すと43Ωあるいは47Ωあたりが良さそうです。
部品箱をあさっていると33Ωの抵抗が見つかったので、少し出力は低めになりますがこれで行きましょう!
どのくらいの電圧になるかな?
 0.0312×33×2=2.06Vです。ちょっと低いかな〜 でも取り付けてしまったので、まずは測ってみましょう。

POWER-IVと接続して動作確認中!

 POWER-IVとDAC基板は同一サイズですから30mmのスペーサで接続しました。
基板間の接続はまずは適当です。POWER-IVの電源も実験用電源から供給です。
さて、接続したあとにおもむろに電源投入しました。オシロの波形の振幅は約2Vになっていますから、
無事動作しているようです。ここまでくればしめたものです。でもやっぱり出力低いから抵抗値を換えよう!

IV抵抗値を33Ωにした場合。波高値で約2V。ちょっと低いかな〜

でも部品箱を探すと43Ωは1本だけ・・・ 47Ωは1/6Wしかない・・・・ とほほ!
ちょっと出力は大きくなるけど51Ωで行くことにしました。
出力振幅は3.2Vです。差動増幅後は2.25Vrms。まあ、良い値でしょう!


IV抵抗値を51Ωにした場合。波高値で3.2V。ちょうどいいくらいでしょう。

電源基板を追加で作成!!あれ・・・・
さて、ケースに収めるためには必要な電源基板も組み立てようと思ったところ、
小さめの放熱板(高さ25mm)が部品箱を探してもありません。おかしいな〜10個ほど買っておいたはずなんだけど、
どこにやったんだろう・・・ とりあえず無いと不便なので秋月に通販で注文しましたが、
到着はどう考えても来週半ば。3連休の間にDACを完成させたかったこともあり、ちょっと構成を変更しました。
最初はそれぞれ左右チャンネルのPOWER-IVにはアナログ(15V)の電源基板を個別にもたせる予定でしたが、
電源基板が1枚分しかないので、やむなく構成変更して、1枚の電源基板で2枚のPOWER-IVに電源を供給します。
またDACアナログ(5V)電源も同様に左右独立に電源基板を構成するつもりでしたが、こちらも共用です。
一応デジタル部との電源は分離することにしました。ちなみにディジタル(5V)とDACアナログ(5V)の
どちらがたくさん電流が流れるかを計算すると、

アナログ(5V)=  33 × 8 = 264mA
ディジタル(5V)  12mA(44.1kHz動作時) × 8 + 110mA(メモリバッファー)=206mA


となりますからアナログの方が少し大きいので、アナログの電源基板はすこし大きめの放熱板をつかうことにしました。
ついでに、コンデンサも秋月の3300uFをつかいましょう。ということで、大小2枚の電源基板を使い分けることにしました。


左がDACアナログ用、右がデジタル用。並べてみると放熱板の大きさの違いがわかります。

さらにMUTE回路も作成しておきます。リレーの電源は12Vですが整流後の電圧は10V強程度でしょうから
レギュレータは取り外しておきます。定格には2V程度足りませんが問題なく動くでしょう。


影の立て役者のMUTE回路。よくお世話になります。

さて、完成した基板群はこんだけ。全部で10枚の基板をつかいます(メモリーバッファーは2枚換算)。


NEW-DACを構成する基板群!なんと10枚もあります。こりゃ配線大変だ!

さて、完成した基板を一旦ケースの中に納めて、完成イメージをふくらませておきましょう。
今日は、これでゆっくりお酒でも飲みながらのんびりします。明日に配線をしていきましょう。


必要な基板をケースの中に納めてみました。DACだけなのに10枚も基板が必要です。

ケース内配線 2010.3.21
 これって楽しいような面倒なような(笑)。まずは、電源周りを組み立てます。
配線が完了したところで、通電して電圧の確認です。まずは無事にパスしました。

まずは電源回りを配線

それぞれ確認した電圧は

 IV用アナログ電源(15V系)  :実測 15.1V −15.17V
 DAC用アナログ電源(5V系) :実測 5.04V
 デジタル電源(5V系)      :実測 5.03V

次はPOWER-IV、DAC基板、そしてメモリバッファーの搭載です。電源部分の配線が済んでいれば
この部分はさほど手間ではありません。


まずはPOWER-IVをとりつけ。そしてオーディオ出力関連を配線。


次はDAC基板を搭載して配線。


DAC基板の反対側の様子。


最後はメモリーバッファーDAIを搭載し電源を配線。

 最後にメモリーバッファーとDAC間をフラットケーブルで接続します。
フラットケーブルとコネクタの圧着は店にお願いするか、専用工具を使って自分でやるか、
私のように万力をつかって適当に加工するかのどれかでしょうね。
いままで万力をつかって圧着して問題を起こしたことはないので、これが一番簡単です。


フラットケーブルと圧着用コネクターを準備。フラットケーブルも50Pの物を裂いて使用です。


万力を使って圧着。これで十分です。


ケーブルの完成です。


メモリーバッファーDAIとDAC基板間を接続

100均は何かと便利。

配線も終わったところで、ネジのゆるみ止めのため瞬間接着剤を流しておきます。
100均でも瞬間接着剤を売っているのでこれをつかうと便利です。

100均では1g入りが3個で100円。これ便利です。

完成!
ようやく完成しました。久しぶりの大作です。ケースがちょっと安っぽいかな?


DAC1794-5の全体写真をパチリ


反対側からもパチリ


真横からもパチリ

  
フロントおよびリアパネルはごくごくシンプルに!


 まずは適当なデジタル入力を接続して、オシロで出力を確認しておきました。
そして、その後にケースの蓋をして1時間ほど蒸らし、じゃなかった慣らし運転です。その程度発熱するかみて起きましょう。

1時間後
 ケースの外側は僅かに熱を帯びているのが感じられる程度ですので、ケース内の発熱も大したモノではないでしょう。
長時間電源を入れておいても心配はなさそうです。さすがに薄いアルミのケースだけあって放熱がいいのかな・・・(ちょっと寂しい)。
本当は外側の蓋のアルミについている保護用のプラスチックフィルムをとれば、もっと放熱性があがるはずです。
でも、これをとると傷が付きやすくなるからな〜っとちょっと思案。
さてさて本格試聴は明日ですね。

構成 
今回作成したDACの構成を忘れないうちにメモしておきましょう。



試聴 2010.3.22
今回の試聴はちょっと懐かしいマライヤキャリーのディスクを使用しました。
低音がちょっとわざとらしい出方の構成ですが、反対にこれが心地よいです。
昨日から通電しっぱなしで、すこしほんのり暖まったケースからでるためでしょうか、音にも暖かみがあるような気がします。
これこそプラシーボというやつでしょう。

最初の試聴のディスク

さて、覚えているうちに回路図と製作メモを書いておきましょう。

製作費って?
知らぬが仏という言葉もあるけど、一体どのくらいかかったのかな〜と思ってちょっと計算。
1.電源基板(正のみ:その1 小)約1300円
2.電源基板(正のみ:その2 大)約1500円(ダイオードにDF2をつかった)
3.電源基板(正負) 約2000円
4.メモリーバッファー 約14000円
5.POWER-IV 3500円×2
6.DAC1794-3.5 約13000円×2
7.ケース 3000円、トランス6000円、スペーサ1000円、スイッチ200円、
  RCAコネクタ 450円、ACインレット100円、配線材料1000円くらい
総計 63,550円なり
もっとも部品を購入するための通販費や交通費は入っていないけどおおよそ6〜7万円といったところでしょうか。
結構散財したな〜。でも、すくなくとも市販品よりかは随分安いし、これだけの構成のものって持っていて痛快です。
知らない人には馬鹿げた話しでしょうけどね(笑)。

PCM1794価格の憂鬱
 
それにしても円高が進むのに、なぜPCM1794Aは値上がりしているのだろうか?
現在はdigikeyで1個2291円である。消費税を含めると2405円。
今回のプロジェクトでは8個使用したのでトータル19240円です。
PCM1798を使えば安価になるのですが、残念ながらdigikeyには現在のところ在庫はありません。
それに、たぶんPCM1798で組んだらおもいっきり後悔しそう。なんせPCM1794の方が性能がいいですからね。
ちなみにPCM1798は日本橋のデジットでも売っているのをみました。
記憶しているところでは@950円なのでまあ普通かな。さて、PCM1794に話を元に戻して、
digikeyでは数量ディスカウントがあります。100個以上になれば@1883円(消費税込み )と
大幅に安くなります。ということは共同購入をすれば8個でも15000円くらいになりそうです。
メーカなんかはリール単位で買うだろうし、もっと安いのでしょう。


PCM1794一括購入企画も無事終了!

基板の頒布と同時にPCM1794Aの一括購入企画もおこないましたが、無事終了し発送も終わりました。
忘れちゃいけないのはカード払いだから、引き落としが約2ヶ月後にあるということかな(笑)。


(おしまい?)