1.2Vのレギュレータは?の巻き 2013.3.10

面白そうなレギュレータ?の巻き ではTPS7A47を使用しましたが、低ノイズなのは歓迎だけど
なんせ出力最小電圧が1.4Vなのが玉にきず。ES9018Sのディジタルにつかうには1.2Vの
出力が必要です。
1.2Vの電圧レギュレータにはZLDO1117をつかっていますが、おそらくこれは汎用品でしょうか。
もうしすこし1.2V出力が可能な電圧レギュレータを探してみることにしみましょう。

ZLDO1117-1.2V

(1)TPS795XX
TIからでているレギュレータです。ノイズは33uVと優秀です。最低電圧は1.225Vとすこし1.2Vを越えますが2%程度の誤差なので
問題ないでしょう。





(2)MAX8902これは0.6Vから出力できるのでOKですね。ノイズも16uVと秀逸です。




(3)LT1763
これもノイズレベル20uVと秀逸です。


ノイズレベルだけでいけばMAX8902がよさそうです。
パッケージがTDFNということで、すこし小さそうです。
2mm×2mmなんてハンドリングできるかな?

こんなパッケージ

さて、どれを試してみようかな?

整理してみよう! 2013.3.15

その他探してもいろいろありそうなので、ちょと整理してみました。
もっとほかにありそうだけど・・・・・
ADP150の性能がいいけど、1.8V以上なのが残念です。

メーカ 型番 電流 ノイズ パッケージ 備考
TI TPS795XX 500mA 33uV
MAXIM MAX8902 500mA 16uV TDFN
Linear Technology LT1763 500mA 20uV SO-8
NPCなど LD1117 1A 0.003% SOT-223
AD ADP150 150mA 9uV TSOT 1.8V以上

パッケージのことも考えるとLT1763が使いやすそうです(SO-8なので1.27mmピッチのSMD)。

LT1763のピン配置

このICは電圧調整が可能ですが、最低出力電圧の1.22Vで動作させるためには
下記の回路例からもあるようにR2=0Ω、R1=開放 とすればよく、外付け部品なしで使えます。


アプリケーション例

DAC9018Sのパターンを引きなおしてみました。

DAC9018Sのリニューアル版として1.2V電源部分を変更したパターンを検討してみましょう。


従来のパターン(LDO1117-1.2を使用した場合)


LT1763を使用したパターン


ADP151があるんだ! 2013.3.20

こんなコメントいただきました。


ADP150は知ってましたが、その姉妹シリーズに1.2V固定のレギュレータがあるんですね。
情報ありがとうございます。

使い方は簡単で、入出力にパスコンを入れるだけです。
固定電圧ですから、78XXと同じですね。


ただしパッケージが少し小さいです。でも1mmピッチのリードなので半田付けはさほど難しくないでしょう。


これを使用することとしてパターンを引きなおしてみましょう。

まずはCADに新しい部品パターンを追加です。

ADP151のパターンです。

DAC09018Sの電源基板パターンを引きなおしてみました。
放熱ができるように、ADP151の接続パターンは少し面積が大きくなるようにしています。



アドオンにするなら
DAC9018Sのアドオンボードにするなら、どのランドが使えそうか調べてみると、
ちょうどいい位置にランドがあいています。
ただし、GNDのランドはベタ面直接ですから、すこし容量の大きなコテが必要になるかもしれません。


DAC9018Sに取り付けるならこのランドが使えそうです。


パターンを引くとこんな感じです。

DAC9018S用のアドオン1.2Vレギュレータ基板です。

DAC9018Dもパターンを描いてみましょう!

DAC9018Dのアドオンボードも考えてみましたが、使えそうなパッドがなくて断念。
メイン基板のレギュレータのパターンを描いてみました。


DAC9018Dの1.2Vのレギュレータパターン

ためしに買ってみました。 2013.3.25

ん!予想通りの小ささです。

いくつかADP151を買ってみました。

変換基板に取り付けてテストです。ピンピッチは0.95mmだけど1.27mmピッチ基板なら
搭載できます。

変換基板にとりつけ

テストはブレッドボードです。負荷に10Ωの抵抗を接続して120mAの負荷をかけます。

テストの様子

電圧を測ったら1195Vでした。まずは優秀ですね。

出力電圧はほぼ1.2Vです。


基板がこない? 2013.4.6

本当は今日納品の予定だったのですが、関税でひっかかったとの連絡があり
来週になりそうです。平日に基板が到着してもなにもできないんだけどな〜。

現在製作中は
 Renew DAC9018D(1.2Vレギュレータ変更版)
 Renew DAC9018S(1.2Vレギュレータ変更版)
 DAC9018S用アドオン電源基板(1.2V)
です。

まあ、週末は春の嵐の模様なので、家でのんびりしましょう!

基板到着! 2013.4.9

週末をはさんだので4日遅れで到着しました。まずはADD-ONの電源基板です。
小さいので複数枚をミシン穴でつなげています。

出来上がったDAC9018S用のアドオン電源基板

割り折ったあとは、バリをはさみでカット!簡単にバリを落とすことができました。
これも基板が小さいからですね。
 
はさみでバリをカット!                                    こんな基板です。小さいですよ!

すぐに完成!

電源用のチップコンデンサは1uFを使用しました。電解コンデンサはOSコンです。

完成したADD-ON電源基板

マザーに取り付け!

マザーであるDAC9018Sにとりつけますが、まずは最初についている1.2Vのレギュレータから取り外します。
これは、足をニッパでブチブチ切って、頭の半田を溶かせば簡単に取れます。

オリジナルの電源レギュレータが取り付いた状態      はずした状態。

本体基板に取り付け!
完成したところで、本体基板にとりつけいます。ちょうど本体基板の下図の黄○を活用してとりつけます。


取り付け完了!

こんな感じでとりつきます。

動作確認!
さて、電源を投入して動作確認です。
とくに問題はなさそうですね。レギュレータの電圧出力も1.201V、1.195Vですから問題ありません。
しばらく通電してもレギュレータの発熱は感じない程度です。

動作確認の様子。

次はRenew DAC9018Sを作りましょう!

基板はこんな感じです。単に電圧レギュレータのところを変更しただけですので、違いはほとんどわからないでしょう。


電圧れレギュレータのパターンはこんな感じです。

電圧レギュレータのパターン

製作は比較的簡単です。DAC9018S自身とても部品点数が少ないので、比較的短時間に出来ました。
気をつけるところといえばES9018Sの半田付けです。半田付けしたのちに入念にチェックすることが必要です。

DAC9018S(電源変更版)が完成しました。

あれ?

電源を入れるとLCDに”ES9018S RUN NG”と表示されます。
どうやらES9018Sを認識していないようです。
おもむろに電源をしらべてみると、1.2V系ですがアナログは1.2Vありますが、ディジタル系は0Vになっています。
パターンをよく見ると、IC10のEN端子が接続されていませんでした。ん・・・こんなところを間違えるなんて!!!

  
  アナログ系の1.2Vレギュレータ(ENが接続されている)    ディジタル系の1.2Vレギュレータ(ENが未接続。IC10の左下ピン)

修正は簡単なので、適当なリード線をつかってEN端子を3.3V入力に接続します。これで完了!

修正の様子。

FFDAC9018Sを一旦初期化して、再スタートです。問題なく立ち上がりました。

さて音を聞いてみましょう!


その前に・・・・Renew DAC9018Dを組み立てる! 2013.4.18

レギュレータの変更だけなので、おそらくミスはないとは思うのだけど、Renew DAC9018Sでポカミスをしたこともあり、
念のため組み立ててみました。やっぱり表面実装部品が結構あるので、組み立てにはそれなりに時間がかかります。
それと、やっぱり細かい部品が多いです。


完成しました。ちょっと暗いかな?


どうしてもフラッシュの光がはいっちゃうな〜


レギュレータ部の拡大です。

写真はさておき、動作の確認です。

まずは一通り配線をしてLCDを取り付けて、電源ON!
無事液晶も動作しました。I2Cエラーもでていませんから、とくに問題はなさそうです。
でも、なぜかDACがアンロック状態です。
ひょとしてPICのEEPROMに変なデータが残っている状態で書き込みをしたものだから、
それが悪さをしているかもしれません。ということで初期化です。
初期化はP15に接続されているスイッチを押しながら電源をいれると初期化ができます。
ちゃんと”初期化してます”という表示がLCDに現れます。日本語じゃありませんが(笑)。


最初は動かなくてちょっとあせりました。


初期化をすれば、この通り。無事に動き出しました。

正弦波信号をいれて動作の確認です。問題ないようですね。


信号もOKです。

あらら 2013.4.20
前作のDAC9018Dの一部の部品のGNDパタンへの接続がなかった(動作上は問題ない)
ところの修正がないことを、マニュアルを書き直していて気づきました。
ということで、今回もチョコチョコっと修正です。
  
ジッタクリーナ周辺のC19の修正(左から、@修正前 A近くのレジスト削り B半田ブリッジで修正)


  
IC20周辺のパスコンのGND接続修正(左から、@修正前 A近くのレジスト削り B半田ブリッジで修正)

マニュアルもチョコチョコっと修正して、TOPページに掲載しました。

(つづく)