マルチアンプ駆動あるいはネットワーク組込み? の巻き 2011.9.25

いまのスピーカはこれ。ちょっと前にウーハ内部がさびてボイスコイルの固着の憂き目にあい、
分解掃除をする羽目になってしまったが、まだまだ愛着がある。 
このスピーカのメインユニットはなんといってもミッドレンジ。
ATC社のSM75-150Sである。数字の75はボイスコイル径75mmをあらわしていて、ウーハのそれ(42mm)
に比べても圧倒的な大きさ。150はたぶん口径かな?そして最後のSは強力磁気回路をもったSUPERを
示しているとおもいます。

現在のメインスピーカ。ちょっと昔の撮影写真です。


ミッドレンジ ATC SM75-150S-08.これをつかってみたかった。

なぜ、このミッドレンジをつかってみたかったといえば仕事の関係でとある音響メーカの
会社を訪問することになって、試聴室でこのミッドレンジをつかったスピーカを聞かせてもらった。
NHKKのモニタースピーカとして開発されたスピーカであり、中島みゆきを聞いたが、その迫力と生生しさに
圧倒された・・・・。そのときにこのミッドレンジをつかってやる!と思った次第。
ちなみにそのときのウーハはTADの38cmだったかな?このサイズは部屋に入らないので、
即座にパスしました。
 試聴と同時にネットワークも見せてもらった(定数調整中の仮組みのもの)だが、
これがすごい。いったいどんだけ、C、LとRがつかってあんの!という感じで
おそらく今思い出すと30cm四方以上はゆうにあったと思われる板にびっしり高そうな
素子がへばりついていました。こんなにいるの??って感じ。
そりゃ、このミッドレンジの低域は400Hzでクロスオーバさせるから、自然とL,Cが巨大になってきます。

こんなネットワークは無理・・・・

ということで、マルチアンプシステムにあっさり日和ってしまったのだが、いざやってみると
これはこれで大変。ネットワークにしようと何度も思いつくが、スピーカの特性を生かすには
-6dBや-12dB程度のネットワークだと弱い気がするし、やはり-18dBあるいは-24dBくらいの
次数ががほしいところ。でもネットークを組み込んだら、システムがかなりすっきりするはず。
さて、マルチアンプを継続するか、それともネットワークに鞍替えするか?

今一度、比較をしてみると

マルチアンプ ネットワーク
長所 ・周波数の変更が比較的容易(Rの交換で済む)
 
実際には一発決めれば変更はしないが・・・・

・レベル調整が容易(アンプで調整可)
 
これは何度と無くやったな・・・・
・機器がシンプル(アンプは1台のみ)
 
いろいろとアンプを換えて楽しむことができます。
短所 ・チャンデバが必要
 
それほどたいした手間でもないけど・・・

・アンプがスピーカの数だけ必要(アンプを代えようと
おもったら6台分つくらないといけない)
 
これが一番のネックかな・・・

・配線が面倒
 このくらい我慢かな(笑)
・ネットワークの設計が難しい(低インピーダンスである
スピーカが相手)
・一度定数を決めたら変更が大変(お金もかかる)。
・レベル変更も素子全体に影響を及ぼす可能性有る。
・コイルの直流抵抗でダンピング特性が悪くなる。
・スピーカのインピーダンス補正回路をいれると、
 位相がかなり乱れそう(入れないとフィルタが効かない)

 
2−3dB違っても違いはなかなか聞き分けられないから、
一発決めたらそれで行っちゃいそうですが・・・・


ん・・・・ん、こんなん比較しても結論でないな・・・・。
でも性能的にはマルチアンプに軍配があがりそうなのですが、トータルに見ればどっちがいいかな???

ネットワークの設計

ちなみに今のシステムでネットワークを組むとどんな感じになるかな?
ちょっと調べて見ましょう。
HPを調べるとネットワークの計算に便利なところがいくつもみつかります。
たとえば

http://www.asahi-net.or.jp/~ab6s-med/NORTH/SP/netwark.htm
http://www.dynavector.co.jp/lecture/crossover/crossmain.html
http://aiwa.fc2web.com/nw/nw_design.html
などなど。

いや・・・助かります。

たとえばクロスオーバーを400、3000Hzで考えてみると

こんな感じかな? まずはスピーカの能率差やインピーダンス補正は考えていません。



ところでスピーカのインピーダンス特性と能率ってどうだっただろう?
すでに資料関係は捨てているので、再度ネットで探してみましょう。

(1)ツーイター Scan Speak D2905-9700


カタログありました。
インピーダンス:6Ω 能率:89.5dB

(2)ミッドレンジ ATC SM75-150S-08


インピーダンス:8Ω 能率:94dB

カタログが見つからなかったのですが、
ここにデータがありました。
出展:http://www.aeronet.com.au/atc.htm



(3)ウーハー Scan Speak 18W8540-00


インピーダンス: 8 Ω(6Ωじゃなかったかな?) 能率 88 dB  fs=28 Hz
カタログありました。



 まとめると下表のような感じです。ツーイターの能率がもっとも低い、かわった構成です。

インピーダンス 音圧(/W) 8Ω換算の能率
(同一電圧時)
ツーイター 6Ω 89.5dB 90.7dB
ミッドレンジ 8Ω 94dB 94.0dB
ウーハ 8Ω(6Ω)
パラで
4Ω(3Ω)
88dB
パラで
91dB
91dB

ツーイターと(ダブルでsの)ウーハーの能率は同じくらいになりますから、ミッドレンジのみ3dB落とせば
よさそうです。ということはアッテネータで0.7程度にすればよいということでしょう。
若干の抵抗を不可すればよさそうです。直列に2.2Ω、並列に20Ω程度の抵抗をいれればいいでしょう。

実際のネットワークは

コンデンサは1, 2.2, 4.7, 6.8の系列から選ぶ必要があるでしょう。
コイルは巻き戻せばある程度数値の微調整はできるので、計算値のままにしています。
それにしてもかなりのコンデンサが必要です。

コンデンサだけでいくらくらいかかるかな?

ちょっと試算。必要なコンデンサはMadisound.comから調達することを仮定しました。
フイルムタイプを前提としてSolenでそろえてみましょう。

容量 個数 単価
1uF 2個 $1.85 $3.7
2.2uF 1個 $2.5 $2.5
4.7uF 1個 $3.25 $3.25
6.8uF 2個 $3.9 $7.8
10uF 3個 $5.3 $15.9
22uF 1個 $7.9 $7.9
68uF 1個 $20.8 $20.8$
100uF 2個 $29.1
$58.2
合計 $119

合計$119程度です。円高ですから1万円弱で買えるでしょう。意外と安くすみそうです。
コイルも同じくらいです。空芯コイルをすべてピックアップしてみました。

容量 個数 単価
0.34mH $12.3 0.33mH $12.3
0.6mH $17.5 0.62mH $35
0.2mH $10.35 0.22mH $10.35
1.8mH $27.95 1.8mH $27.95
2.4mH $31.65 2.5mH $31.65
$117

片チャンネルで約$240、両chで$480 円換算で約4万円弱です。
さてどうしよう?

いっきに4way化?

もっとネットワークを調べようとしてスピーカメーカをみていたら、
ちょっと気になるスピーカがありました。FOSTEXのGS2000というものですが、
ダブルウーハーかと思いきやウーハとサブウーハに機能を分けて4wayになっています。
こうすれば口径が小さいスピーカでも低音が持ち上げられます(能率は下がりますが)。
この構成に私のスピーカを改造しようと思えば、ネットワーク以外にもエンクロージャーの
中に仕切り板が必要になりますが、さほど面倒ではないでしょう。
なんとなく面白いですね。
しかし、このスピーカのネットワークってものすごくシンプルです。
基本は-6dBのネットワークのようですが、ウーハはスルーの気がしてきました。


出展:http://www.fostex.jp/products/G2000

簡単なネットワークです。


周波数特性はいい感じですね。サブウーハが重低音をもちあげているのがよくわかります。

ここまでやろうとしたら、18dBのネットワークでやろうとしたら大変だな・・・・

(つづく)