LH0032をつかったIV/差動合成基板を作る!の巻き 2009.11.24

ひょんなことから縁があって入手したLH0032をつかったIV+差動合成基板。
久し振りの半田ゴテを握ることになりそうだけど、さてさていつ完成するでしょうね。

LH0032をつかった記事はこちらにもあるので参考いただきたい。ksさんのブログである。
http://d.hatena.ne.jp/platycerus/20091114

LH0032とはいかなる石か?

FET入力のオペアンプを3種比較してみた。1つはOPA134。これは安価で結構気に入って使っているオペアンプです。
もうひとつは、リファレンスとしても使えそうなOPA627。これをオーディオに使うのはかねがねもったいないと思うのだが、
結構人気がある。しかし、結構高い。

OPA134PA

OPA627AP

LH0032C

用途 オーディオ用 計測用 高速汎用?

Slew Rate

20uV/S

55uV/S

500uV/S

Bandwidth

8MHz

80MHz(Gain=10)

70MHz

Input Impedance

10E13Ω

10E13Ω

10E12Ω

Input Offset

0.5mV

0.28mV

2mV

Offset Drift

2uV/

2.5uV/

15uV/

Output Current

35mA

45mA

100mA

Ib

5pA

2pA

5nA

入力バイアス電流

CMRR

100dB

110dB

60dB

コモンモードノイズ抑制

Open loop gain

120dB

116dB

70dB

PSRR

106dB

116dB

60dB


さて、こうやって比べてみるとよくわかるります。
LH0032CはSlewRateと出力電流がたくさんとれるところに特徴がありますが、その他はあまり高くない。むしろ、低い部類にはいるでしょう。
とくに耐ノイズ性に関する項目が低いのが気になります(CMRR)。もともとビデオ信号あたりを扱うのが目的と思われるので(でも汎用品かな?)、
この程度の数値でいいのでしょう。というか、厚膜ハイブリッドでつくっているので必然的に性能が出ないのかもしれません。
とはいいながら、オーディオ用で考えればそれほど広い帯域はいりませんし、もともといい加減な人間の耳が相手ですから、
そこそこの性能があればまったく問題なく使えます。

こういった、ちょっと畑違いの石をつかってみるのもオーディオならではの楽しみです。

完全回路?

 データシートを探していると、等価回路がみつかります。COMPLETEとあるので、
等価ではなくそのもの回路のようです。



構成としては2段差動増幅になっていますが、ちょっと2段目に工夫がありますね。
LH0032自体を調達するのは難しいところもありますが、こういった回路でくんでみるのもおもしろい気がします。

まずはSPICE

さっそくSPICEにかけてみました。使用した石は2SC1815/A1015です。入力のFETは2SK117と極一般的なものばかり。


まずはゲイン20dBにせってしていますが、位相補償用のC1が無いと高周波数のところでゲインが増えてしまっています。
これでは発振するので、C1に47pF程度をいれておきました。C1=10pFが最低値くらいですが、安定性を確保する点では
47pFくらいがいいかもしれません。しかし、あくまでシミューレションの結果なので、実際は変わってくるでしょう。


C1がない状態


C1=10pFの場合 これが最小値くらい。



C1=47pFの場合 このくらいの方が安全。

組んでみる?

久し振りにブレッドボードを引っ張り出してきて、回路を組んでみました。
意外と面倒なのですが、部品をどのように配置するかは何となくパズルを解く楽しさがあります。
しかしながら、簡単な回路なのですがこれでもトランジスタを16個も消費します。
でも2SC1815/A1015が大半なので安いです(笑)。

ブレッドボード上に組み立てた回路

さっそく電源を入れて、入力に適当な矩形波を入れて観測してみました。
ブレッドボードは組み立てるのは簡単ですが、配線が長くなってしまうので、電源ラインが貧弱なので
どうしても波形が乱れてしまいます。このあたりは、少し間引いて結果を観察する必要があります。

ディスクリ回路の方ですが、位相補償Cが無いと発振している様子がよくわかります。
ということで、手元にあった22pFのコンデンサを挿入してやりました。発振は止まりますが、
やや出力の波形の立ち上がりに鈍りがでています。これはしかたないでしょう。
        
位相補償C無し(上:入力100mV、下:出力1V)     位相補償C=22pF(上:入力100mV、下:出力1V)


次はLH0032CG

次はLH0032をブレットボードに取り付けてテストです。流石に、IC1個なので取り付けは簡単です。


こちらもディスクリ回路と同様に動作を確認してみました。
位相補償Cがないと、やや低い周波数ですが発振がみられます。オシロの横軸が200nSなので発振の周波数は10MHzといったところでしょう。
それで、位相補償用に22pFを入れると発振は収まります。
ディスクリ回路に比べると同じ位相補償Cの容量ですが、波形の立ち上がり、立ち下がりがやや遅い様です。
このあたりは内部に使っている素子にも依存するでしょう。
もう少し、詳しく調べてみるとおもしろそうです。

位相補償C無し(上:入力100mV、下:出力1V)     位相補償C=22pF(上:入力100mV、下:出力1V)


ディスクリ回路とLH0032CG比較
位相補償Cは同じ22pFにして、同じ入力(矩形波)を入れた場合の波形を比較してみました。
同じ回路でも、素子によって違いがあることがよくわかります。
ディスクリ回路の入力段を変えてみると、どうなるかな?

上:ディスクリ回路(2SK117)   下:LH0032CG

入力のFETを2SK246と2SK30Aで試してみましょう。簡単に取り替えられるのはブレッドボードのよいところです。

2SK246をつかった場合はLH0032CGと非常によく似た波形になっています。

上:ディスクリ回路(2SK246)   下:LH0032CG

2SK30Aの場合は、幾分立ち上がりが早いようです。波形の特性も素直なので、
この回路には2SK30Aがよく合うかもしれません。それに安いですからね(笑)。

上:ディスクリ回路(2SK30A)   下:LH0032CG


入力をバイポーラに変えてみる。 2009.12.13

入力のトランジスタ2SK30Aを2SC1815に変えてそのまま動くかどうか調べてみましょう。
すべてバイポーラが使えるとなると、結構使用可能なTRの範囲が広がります。

まずは位相補償C=22pFで動かしてみました。ん〜ちょっと発振気味です。
もうちょっとCを増やす必要があるかもしれません。

下:入力(100mV/DIV)、上:出力(1V/div) 位相補償C=22pF

47pFを追加して、合計69pFにしてみました。ん〜これでも、ちょっと発振気味です。
というか、なんとなく前よりひどくなった気もします。ブレッドボードだから問題あるのかな〜。
ちょっと詳しく調べてみる必要がありそうです。

下:入力(100mV/DIV)、上:出力(1V/div) 位相補償C=22+47pF

一度SPICEにかけてみましょう。入力のFETをバイポーラに変更してみました。



周波数応答の解析結果は、高周波数側でゲインが上がっています。これでは発振するのは無理はありません。



ということで、帰還抵抗のR10に位相補償用のCをパラってみました。

結果は良さそうです(下図)。周波数特性がおとなしくなりました。


ということで、試してみました。でも結果はよくないようです。周波数特性は確かに落ちていますが、
発振は残っています。こりゃ、もう少し検討する余地がありそうです。

下:入力(100mV/DIV)、上:出力(1V/div)
位相補償C=22pF、帰還抵抗(9kΩ)に47pFをパラ。


もとに戻ってIV基板を組み立てる! 2009.12.19

ちょっと話をLH0032に戻して、基板を組み立てることにしましょう。
この基板は見てのとおり、LH0032が3つ載ることになるが、
その他にトランジスタ(メタカンの足配置)が8個程度必要になります。
このトランジスタはLH0032の主にローカルレギュレータになっていますが、
今回は外部から15Vの定電圧電源を接続することにする予定なので、
このレギュレータ部はパスさせることにしました。


人とCADが違うと全然雰囲気の違う基板になります。

とりあえず1枚完成。電圧レギュレータの部分がないと、部品点数が少なく
さっぱりした感じになります。


電源のパスコンには10uFのタンタルと0.1uFのセラミックをそれぞれ、基板の上下にとりつけました。
 

いまの段階では位相補償用のコンデンサは取り付けていませんが、これについては様子を見ながら
つけていこうと思っています。

さて、テストのためにはDACを用意しないといけないのですがちょうど手元にないので、どうしよう?
あたらに1枚つくるかな?それとも今有るDACをばらして流用するかな?
ちょっと考え中!

やっぱりDAIは作りましょう! 2009.12.27

手元にDAI基板の予備が1枚あったので、作ることにしました。折角なので部品はそれなりのものを投入!
といってもOSコン程度です。そういえば、電源ラインには1000uF/6.8Vの大容量の物も投入しています。
なお、DAI基板は在庫切れですが、年明けくらいには何枚か作ろうかと思っています。

DAIの完成基板!

動作チェックは5Vの電源をつないで、CDからディジタル信号を入力。
PCM1794Aの出力確認ですが、電流出力なので51Ωの抵抗をGND間に接続して測定することにします。
これはとくに問題無しです。一発で動作確認できました。
でも、最近老眼が進んだようで、ICの半田付けは眼鏡を外した方がよく見えることにきづいて、
ちょっとショックを受けています。

DAI基板のテストの様子

IV変換基板と接続!

やっぱり発振
先ほどつくったIV変換基板を接続して電源をつないで、電源投入!
出力はでているようですが、位相補償C無しでは発振するようです。

激しく発振しています。

ということで発振防止用にすべてのLH0032に100pFのコンデンサを入れることにしました。

発振止めのCを入れた様子。まだ半田付けはしていない。

発振止まりました!

100pFで発振とまりました。もっと小さい値でもいいのでしょうが、この値にしてしまいましょう!

音楽信号の出力状況。発振がとまっています。

一応出力の確認のために、PCから正弦波と矩形波をつくって、入れてみました。
綺麗な波形がでているので、これで動作確認完了です。ちなみに矩形波で波がでこぼこしているのは、
ディジタルフィルターの影響ですから、これは異常ではないです。あしからず。
  
 4kHzの正弦波出力                    4kHzの矩形波週出力

IV変換基板完成!

位相補償用のCを取り付けて、IV変換基板の完成です。さて、もう一枚同じものをつくらないと
いけないし、その他電源回路も必要ですが、年内には完成しそうです。

完成したIV基板


その他の基板も完成!

一気に他チャンネルのIV基板と電源基板もつくってしまいました。電源にはアナログ用、ディジタル用そしてDAC用の3電源をつかうことに
したのですが、ちょうどDAC1242用の電源基板が目にとまったので、これをつかいました。これ一枚ですべてそろいます。
それにLM317,337を使用した基板なので、部品点数も少なくて済みます。
電源基板に搭載した電解コンデンサは以前にデジットで購入した1000uF/50Vのものです。1個20円だったので沢山買い込みましたが
なかなか使う機会がありませんでしたが、ようやく日の目を浴びたって感じです。
 
完成した基板群                                    電源はDAC1242用の電源基板を使用

これらの基板群を格納するケースにはタカチのMB-7を使います。このケースは1mmのアルミで出来ているので
加工がとても楽です。ただし、あまり高級感はありません。
高さが結構ありますから、基板を重ねてつかうには便利です。
ケースのサイズは160mm×幅85mm高さ×250mm長さです。
この厚さ(1mm)のケースだとハンドニブラーがつかえるので電源コネクタなどの四角穴あけも簡単です。

ケースはタカチのMB-7

いよいよ実装!

今回の実装では基板サイズがすべて違うので、すこし面倒です。
まず最初はIV基板が一番したにきます。

IV基板は一番下。

そしてその上にDAC基板。

IV基板に覆いかぶさるようにDAC基板

そして、一番上は電源基板です。ちょうと4階建てになっています。

一番上は電源基板。

組み立てはセオリー通り電源から組み立てます。そして、組上がった状態で電源を入れて電圧を確認。
この作業を怠ると、DACやIV基板を接続して、電源を入れた瞬間に後悔する羽目になります。

電源基板の配線完了

電源基板の動作が確認できたあとは、一気に配線をしてしまいましょう。
このように書くと簡単そうですが、電源が一番上にあると配線の順番がややこしくて、結構面倒です。
といっても、1時間もあれば配線は終了するでしょう。
完成!


ようやく完成しました。DAC1794のLH0032バージョンですね。

右側からパチリ。


左側からパチリ。


4階建ての基板の様子。スペーサを一杯つかいました。

失敗!!
製作の途中で気付いたのですが、発振防止用の位相補償Cの取り付けを1箇所間違えていました。
ケースの蓋をする前でよかったですが、修正は結構面倒でした。

位相補償Cの取り付け位置を間違えた!(笑)

試聴かな?

年末の休みも少しあるので、試聴は明日にしましょう。今日は、ちょっと机の上を片づけなくっちゃ!


表面実装部品を取り寄せる!

ちょっと茶目っ気がでてきました。LH0032と同じ回路と表面実装部品で、ギューとコンパクト
に作ったら面白そうです。でも、部品集めが難儀しそう。バイポーラトランジスタは秋月でチップ
トランジスタが売っていましたが、DUAL FETがありません。DIGIKEYを探していたら、見つかったので
試しに買ってみました。 手にした瞬間”小さい”です。リードピッチは0.65mmですから
SSOPパッケージと同じです。これで6ピンしかありませんから、ピンセットではさみ損ねて
跳ねでもしたら、どこにいったか探すのは困難そうです。

しかし、ここまで小さいとユニバーサル上に組むこともままなりませんね。
どうしよう?

DUAL FET

とりあえず、どのくらい小さく組めるかパターンを描いてみましょう。
比較のために、通常の部品をつかった場合と表面実装部品の場合を書いてみました。
表面実装部品をつかった方が面積でも1/2以下と小さいのです。ただし、こちらは
位相補償用のCやオフセット調整用のVRは未実装です。しかし、いいかれば半分程度にしか
小さくならというのも現実かな〜。部品間隔をもっと詰めればいいのですが、
そうすると半田付けが大変なような気がします。さて、さてどうしよう?

通常の部品を使用(32×32mm)        表面実装部品使用(25×16mm)

まずは普通サイズの基板を描いてみた。これだと、今までに作ったDAC1242-2やDAC1242-3のアナログ部と入れ替えて
音質評価に使えそう。TRが16個になるのでそれなりの実装密度になってしまいました。
ついでに評価用ボードも作成してみました。以前作ったパターンもあるのだけど、少しサイズダウンして、
電源基板などと同じサイズにしました。これだと、2階建てで組み立てるのが便利になり、装置の小型化ができます。
しかし、ベタパターンを塗るのって久し振りだな〜。


ディスクリ基板A12と評価用基板


表面実装TR使用時の懸念点 2010.16

チップトランジスタは小さいのがとりえだけど、その小ささ故にコレクタ損失(Pc)が一般に小さいく
100〜150mW程度になってしまいます。となると、発熱が気になります。
とくに終段につかうトランジスタが一番苦しいはずです。
IV変換に用いたとすると、PCM1794パラでは最大20mA程度は流れることになりますが、
どの程度のコレクター損失が発生するかを計算してみます。
電源電圧を15Vで、IV抵抗値を360Ωとすると

コレクター損失=電圧×電流
         =(電源電圧−IV抵抗値×20mA)×20mA
         =(15−360×0.02)×0.02
         =0.156(W)
         =156mW

いきなり定格値オーバです。安定してつかうには、最大定格の1/2〜1/3では使いたいものです。
たとえばPCM1794をシングル(10mA)でつかうとすれば

コレクター損失=電圧×電流
         =(電源電圧−IV抵抗値×10mA)×10mA
         =(15−360×0.01)×0.01
         =0.114(W)
         =114mW

これでも厳しいですね。IV抵抗値を750Ωにすれば

コレクター損失=電圧×電流
         =(電源電圧−IV抵抗値×10mA)×10mA
         =(15−750×0.01)×0.01
         =0.075(W)
         =75mW

結構大きな値ですが、まあ大丈夫かな〜。ちょっと心配だな〜。
終段のトランジスタはチップじゃない普通のトランジスタを使うのがいいかもしれません。
あるいは、チップだけど大きなサイズのものが必要になるかもです。
まだまだ検討は必要な感じですね。


秋葉へGO! 2010.1.9

出張時に秋葉によってチップトランジスタを物色してみた。秋月を覗いてみると
こんな型番のトランジスタがあった。



フィリップのトランジスタである。しかし、外国のトランジスタの型番ってなんで
統一性がないのだろう?日本みたいに2S○△△△というようにつけておいて
くれたら、それがNPNなんかたPNPなんか、あるはFETかバイポーラかもすぐに
区別がつくのに。
 さて、このトランジスタは秋月ではコンプリでおいてあるのが便利なので、買って
みた。
 チップサイズはSC-59と呼ばれるものであり、Pcも大きめで250mWあるので
これをつかえば良さそうな感じだ。というのも以前買ったチップトランジスタは
SC-79サイズでものすごく小さくてPc=100mWしかなかったからだ。
ちなみにSC-59サイズはこのぐらい。

SC-59のパッケージサイズ

このサイズをつかって基板を描いてみようかな?

でも意外とチップトランジスタって必要な面積が大きかったりします。普通のトランジスタと比べても、
あまり変わらないサイズです。ということであれば、共通パターンにしてみましょう。

SC-59パターンとTO-92のパターンサイズはほぼ同じ?

アンプのパターンを書き直してみました。前回に書いたものに比べてやや長方形にしています。
これは、基板上の配置するにはこの方が収まりがいいからです。

LH0032の等価回路で描いてみたパターン

そして、IVアンプと差動合成回路を全部描いてみるとこんな感じになりました。
基板サイズはDAC1794-1.5やDAC1242-1.5などと同じサイズです。
2段重ねにしてDAC1794-1.5のアナログ部を変更したら面白いかな〜と思っていいます。
しかし、これってものすごくトランジスタが沢山必要です。全部で96個!
まあ、2SC1815/A1015を使うので有れば、全部でも300円足らずではありますが・・・・・
半田付けが大変そうです。

IVアンプ+差動合成基板

一部を抜き出してアンプモジュールなるものも描いてみました。

週明けくらいに、再度チェックして試作をしてみましょう。


番外編? 2010.1.13

秋月でも売っているLT3080をつかった小型の電源基板。LT3080は抵抗一本で電圧調整ができるので便利らしい。


LT3080電源基板

もう一つは番外編ではないかもしれないけど、ミニアンプ。ディスクトップシリーズにいいかな〜と描いてみました。
出力段は秋月にあったダーリントンTRがいいかもしれません。

MIINI-AMP基板

どこまで試作できるかな〜。その前に配線チェックしなくっちゃ。こりゃ、今週一杯かかりそうだ。


ついつい 2010.1.21

買っても作るのかな〜と思いつつ、目につくと買ってしまいますね。
こうやって部品箱はデッドストックの山になっていくのかな〜っと思ってしまいます。

でもこのトランジスタは沢山足ありますが、単なるダーリントントランジスタとしても使えますし、
そのための足の配列になっていますから何かと使えそうです。
試作基板が到着したら、これでアンプを組んでみようかな。


基板到着! 2010.1.23

22,23とはちょっと遠出していたが、夕方に帰ったら基板が届いていた。
早速、組み立ていこう!まずは簡単そうなものから手をつける。

LT3080電源レギュレータ

これはすごく簡単な回路です。、

これは今回の中でも小さいサイズになるので、3枚綴りにして数を稼げるようにしました。
レギュレータ基板って結構使いそうですからね。基板は切り離しやすようにミシン穴をいれています。
ポキっと折って使用しましょう。

3枚綴りでつくった基板。

折ったままだと、端面にバリがでるので紙ヤスリ等で少し削って平らにしてやります。
削っていて気づくのが、意外と基板って柔らかいので、すぐに削れていきます。

割折ったあとは、紙ヤスリで簡単に仕上げ(右側)。

あれ?
やってしまいました。ICの足パターンを間違えてしまいました。このICは5本足ですが、
前3本後2本ですが、間違えて前2本後3本の配列にしてしまいまし。
こんな間違いもあるんだな〜(って普通ないだろ!)


ランドパターンまちがえちゃいました(笑)。

でも、IC側のリードを少し修正すれば解決です。ペンチをつかってちょい、ちょい。
リードの長さにも余裕があるので前2本分を後3本から修正してもこの通り。

IC側のリードフレームを変更

組み立てに入ります。
まず、整流ダイオードは表面実装部品も取り付けられるパターンにしていたので、
折角なので手持ちのものをつかいました。秋月で20個入り300円で売っていたものです。

ダイオードはショットキーを使ってみた(秋月の40V,2Aのもの)

電圧の調整は抵抗と半固定抵抗が直列で使えるようにしていますが、今回は3.3V用にしたので、
抵抗値の330kΩはE24系列にありますから、VRは必要ありません。ということで、裏に設置した
ジャンパー用のパターンに半田を盛ってショートさせておきました。

可変抵抗器は使わないので、裏はジャンパー半田。

完成!半田付けなら10分もかからないでしょうね。いつものようにお出かけ用の写真をパチリ。

完成しました。あっという間です。

そして、トランスを接続して動作確認。出力電圧は3.32Vでした。誤差は1%以下ですから十分でしょう。

さて、次は何をつくろうかな。


MINI-AMP基板をつくる!


IV基板を作る前に、その回路の基本となっているMINI-AMP基板を作って確認してみましょう。
こちらは3枚綴りになっています。なぜ3枚なの?とつっこまれそうですが、あまり意味はないです。
でも、この手の小さい基板ってほっといたら無くしそうなので沢山あったほうがいいかな〜(笑)。

MINI-AMP基板は3枚綴り。なぜ3枚?

手でぼきぼきと折って、ヤスリで端面を仕上げて個別基板になりました。



組み立てる回路はこんな感じです。アンプ用ということですが、パワーアンプも睨んでアイドル電流調整用の
VRもつけられるようにしています。でも、最初は普通のアンプということで、VRは取り付けず動作させる
ことにしました。

動作確認用の回路図

部品点数もさほど多くないのですぐに完成してしまいます。入力のFETについてはDUAL FETを使いました。
これはdigikeyので購入したものですが、フィリップのPMBFJ620というものです。
参照:http://www.nxp.com/documents/data_sheet/PMBFJ620.pdf
DUALというだけで、特性はそろっているかどうかわかりませんが、同じダイでしょうからある程度は揃っている
ことに期待です。

 
完成したMINI-AMP基板                        入力のFETはDUAL品を利用

動作が確認できたら、実際にアンプ基板としても使えるか確認して見ようかな。
というのもエミッタ抵抗には定番のMPCが取り付けることを前提としたパターンになっています。

エミッタ抵抗はMPCを取り付けるパターン

動作確認!

電源と発振器をつないで、そしてオシロのプローブをとりつけ〜と色々大変です。
MINI-AMP基板はそのサイズも小さい(38×58mm)なので、プローブを取り付けると
浮いてしまったりします。

動作確認時の様子。

通電すれば、まずは素子が熱くならないか確認します。これは鉄則です。もし熱くなればすぐさま電源を切って
部品間違いやパターンミスがないかを確認する必要があります。今回は幸運にも大丈夫なようです。
さっそく、オフセットの調整をしてみます。オフセット用のVRには今回は秋月で売っていたバーンズの表面実装VR
(10kΩ)をつかってみました。普通のVRでも良かったのですが、これは5個100円ということもあり安かったです。
試作用にはこれでいいか〜という感じですが、バーンズですから品質もしっかりしたものだと思います。
問題はゼロ点調整したときのVRの位置ですが、結構ずれている様な・・・やっぱりDUAL FETといっても特性は
揃っていないのかな?でも、VRの調整範囲に入っているということでよしとしましょう。

ゼロ調したときのVRの位置

あとは、実際に波形を入れて動作の確認です。10kHz程度の三角波をいれてオシロで観察しました。
問題ないようですね。

動作確認。下:ch1、入力(50mV/div) 上:ch2.、出力(500mV/div)

動作が確認できたので、アンプに改造!といきたいところですが、今
気持ち的には、まだ他の試作基板があるのでそちらに触手が動いてしまいます。


ディスクリ基板A12を作る!

こちらも2枚綴りにしてしまいました。

2枚綴りのA12基板。

あまり悩むことなく部品を実装して完成です。

完成したA12基板

ディスクリ基板の動作確認には評価用基板があると便利なので、
こちらも合わせて作りましょう。

ディスクリ基板の評価基板。


ディスクリ評価基板を組み立てる! 2010.1.28

この基板は色々な回路が組めるようにしてみたこともあり、通常の非反転増幅器として
つかうことを考えるとジャンパー部が多くなります。これは致し方ありませんね。

非反転増幅器の回路構成にする。

くみあがったので、A12基板を搭載して動作チェックです。

動作チェックの様子

A12基板のゼロオフセットを調整します。今回は入力のFETには2SK30Aを用いましたが
全然ペアリングしていないこともあり、かなりバランスがずれた位置でゼロ調となりました。
まあ、この程度なら大丈夫でしょう。

ゼロオフセットはこの位置。

出力波形を確認しておきますが、大丈夫の様です。まあ、こんなところでは失敗しないようになりました(汗)。

出力は問題無し。下:入力、上:出力

次はDCサーボ用の回路を追加します。これを入れればあまりゼロ調を気にする必要はありません。
でも、DCサーボ用にコンデンサとFET入力のOPアンプが必要になります。どちらがいいかは好みですが、
DCサーボを入れると少しお財布に厳しいです。といっても、OPA134だと250円くらいかな?
会社でのおうどん1杯分くらいです(笑)。

DCサーボのためのコンデンサとOPアンプを実装。

DCサーボを入れると、ほとんどなにもしなくても出力のオフセットはゼロ電位になります。
この効果はなかなか捨てがたいです。

出力オフセットはほぼゼロ(赤線がGNDレベル:ch2)

次はトリのIV基板!
今回のメインはこれなのですが、結局は最後になってしまいました。
なんせ部品点数が多いので、作るのには気合いがいります。

IV基板

でも、気合いをためて一気につくりました。やっぱりしんどいです。
動作確認はま違う日にしよう〜っと。今日は遅くなったので、もう明日の為に就寝です。

組上がったIV基板

この基板はトランジスタを84個もつかいます。半田付けも大変ですが、トランジスタの向きを
間違えないにしないといけません。間違えて電源をいれてしまえば、間違えたトランジスタだけでなく、
周辺も巻き添えにしかねないですからね。ということで、チェックは入念にです。注意一秒怪我一生。
ちょっと例えがちがうかな(笑)。
さて、この基板は電源ラインのパスコンは裏面にとりつけています。要所にチップセラミックCを取り付けています。

パスコンの取り付け。

動作確認!
動作確認のためには、電源ならびに電流出力DACが必要ですが、一から作るのも大変なので、
既存のDACを一旦ばらして流用することにしました。ということでLH0032をつかったDACをばらして
使うことにしました。配線が短いので接続が大変ですが、動作確認だけですから無理矢理接続します。

動作確認の様子

あとは、入出力線を接続しておそるおそる電源をいれ、信号を入れます。
オシロをビクビクしながら見ていますが、無事に信号がでることを確認できました。
一安心です。ここまでくれば怖いものはありません(笑)。

無事に信号が出ました!

基板上のオフセット調整用VRをいじって、出力オフセットがゼロになるようにします。
音楽信号を入れて信号を観察。もちろん、こちらも大丈夫です。

アナログ信号もOKです。

試聴!
ここまでくれば、やはりアンプに接続して音を確かめたくなります。ということで、早速試聴です。
音源はこれ。four playです。ベースのリズムが効いたのジャズです。

試聴につかったディスク

ん〜!!!快調に鳴りますね!思わず小躍りしてしまいそうです。
こりゃ、ゆっくり聞くためにケースに入れなくっちゃ!


MINI-AMPをふたたび 2010.1.30

MINI-AMPを普通のパワーアンプに変身できるかを確認するために、再度組み立ててみました。
出力段のパワートランジスターはダーリントンタイプの"SB1226/2SD1828をつかってみました。
これは秋月で2ペアが250円で売られているものです。Ic=3Aなので結構な出力が出せます。
さらにIc=8Aのものも2ペアが400円だったかな。秋月は安く部品が手に入るので便利ですが、
いつまでも同じ物がおいてないので、ある時に買い込む必要があります。
 入力のFETは2SK246をつかいました。とくにペアリングはしていません。これも秋月で買ったものです。
エミッタ抵抗は0.47Ωです。

完成したパワーアンプ。放熱板は仮です。

とくにFETのペアリングはしませんでしたが、ゼロ調のVRはほぼ真ん中で調整完了です。
こんなこともあるものですね。日頃の行いが良いのかな?(笑)

ゼロ調VRの調整位置

アイドル電流は約10mAに設定しました。VRを右一杯に回したときに、アイドル電流が最小に
なるようになってしまいましたが、これはご愛敬。
さて、出力に4.7Ωの負荷がかけられるようにして実験開始です。

動作チェック時の様子

電源は実験用の15V0.5Aのスイッチング電源をつかいました。まずは無負荷時の最大出力電圧をみてみましょう。
オシロで見ながらクリップする直前の電圧を観測しますが、約13Vまで得られるようです。電源電圧15Vで、
この値だと優秀です。

無負荷時(下:入力ch1、上:出力ch2)クリップ直前  無負荷時(下:入力ch1、上:出力ch2) クリップ後

負荷抵抗をつないで測定した場合、最大電圧は約9Vまででました。これは電源の制約のためですが、
この電圧までかかるとトランジスタに2Aは流れますから、定格(3A)に近づくので注意が必要です。
でも、これだけの電流が流れれば実際にスピーカにつなげばうるさいどころか、近所迷惑な音量に
なるはずです。
 波形の崩れもなく、周波数特性もよさそうです。パワーアンプとしても十分につかえそうです。

4.7Ω負荷時(下:入力ch1、上:出力ch2)クリップ直前

ということで2枚分、スレレオ構成にできるようにもう一枚作って動作を確認しておきました。
いつケースに収まることやらです。

完成したMINI-AMP基板



ディスクリIV変換差動増幅基板をケースに収納! 2010.1.31

今回試作したディスクリIV変換基板をケースに収納しました。
まずはIVC基板が一番下に来ます。


次はDAC基板(DAC1794-3.5Aディジタル)


そして最後は電源基板です。3階建てになります。


これで、落ち着いて試聴に移れそうです。


ちょっと脇道 2010.2.6

LT3080の電源基板の修正版をカキカキ。次ぎに作るときは間違えないようにしないと。

IC1周辺のパターンを変更


ちょっとページも長くなってきたので、
ぼちぼちっとな〜の巻き。 になし崩し的に移行します。