CS8416をつかってみよう
話しは変わって 2006.7.19
どうやらDIR1703の入手が難しくなっているらしいです。
私も最近はDIR1703をDIGIKEYから注文しなかったので気付かなかったのですが、取り扱いを中止しています。
ん・・・復刻版の基板を出してもいるにもかかわらず困ったものです(部品が無ければタダの板・・・・)。
もう少しメーカ(TI)も生産情報等を流して欲しいものです。といっても個人相手にそんなことするわけないですね。
たぶんメーカのHPを注視していたら判ったことでしょうが・・・・・
私の手持ちとしてはDIR1703は1レール分はあるのですが、ほとんどがASRCとADCの基板に紐ついているので、
予備は数個程度しかありません(う、かなり売れ残り基板があることがバレてしまう・・・・)。お分けしたいのは山々ですが、
こちらも事情もあるので難しいものです。
DIR1703を使用した理由はジッタ性能がすばらしく(75ps)良いので、それに惹かれたということになります。
それとお気に入りのバーブラウンであったというのも大きな理由です。
しかし、今後簡単に手に入るDIRといえば、秋月/共立でのTC9245くらいでしょうか。
CS8412/14も手に入るようですが、私自身はお目にかかったことはありません。
あ、JINSONさんの基板とelectrartさんの基板を買ったときに、CS8412がついてきました。
でも、店頭だったらどこにあるんだろう・・・・
やはりDIGIKEY通販で買えるメリットは大きいです。ほかにどんなDAIが買えるか調べてみました。
キーワードに”AUDIO RECEIVER"と入れるとSTA120,CS8415,CS8416なるものが引っかかってきます。
96kHzまでにはすべてが対応しているようですが、そのなかでも192kHzまで対応しているのはCS8416だけのようです。
CS8416は@790円ですから、それほど高くありません。
買い溜めてあったCS8416
じつはこのCS8416はASRCを評価する段階で2個ほど買っていることに気付きました。それと1個頂いたものがあります。
ASRCの動作確認をいつかやろうと思って、なかなか手が着かなかったんですよね・・・・・
でも、ちょうど良い機会なので、ちょっと動かして見ましょう。
なんちゅう分量!
まずはCS8416のデータシートをダウンロード。
そして、何も考えずにプリントアウト・・・・・なかなか終わりません。
なんと62ページもあるじゃないですか。ほんとに、もっとみじかくまとめてくださいよ、メーカさん。
分厚いデータシート!
ぱらぱらとめくって必要そうなところにマーキング。そして、接続図を書いてみます。
なぜかこのCS8416って47kΩの抵抗を沢山つかうんですね。でも、なぜ47kΩなんだろう?
単にプルアップ、プルダウンなら20〜100kΩ程度でもよいような気がするんだけど・・・
それに抵抗値の誤差も記されていないのも困ったものです(とりあえず金被1%をつかっておきましょう)。
データシートに手書きで配線図をカキカキ。
いざ組み立て!
CS8416はSUNHAYATOの変換基板に取り付け。電源にはパスコンを取り付けておきます。
でき上がった基板はこんな感じ。部品も少ないので、さほど時間もかからず完成。
久しぶりにユニバーサルで組みましたが、これだけでもちょっと面倒でした。
基板完成!
動作確認!
いきなり入力はASRC経由で192kHzをいれてやります。動くかな?
わかりやすいように左チャンネルのみデータを入れてやりますと、LRCKのアップレベルのときのみに
信号が出てますね(これであってるのかな?)。
でも、とりあえず動いていることが確認できました。
ちょっとリセットが難しい。
リセット回路は単純にCRの遅延回路にINV回路(7404)を入れているだけですが、
電源をOFFして、直後にONするとうまくCS8416が起動しません。恐らくCR(10uF、10kΩ)のチャージが
抜けないまま電源が投入されると上手くリセットシーケンスがはたらかないようです。
そのため、Rに並列にダイオードを入れて、コンデンサのチャージを早く抜くようにしました。
それっとCの容量を小さくしました(1uF)。そうすれば、リセットは安定してかかるようになったようです。
でも、ごくたまに起動しないときがあります。もう少しマニュアルをよく読めばリセットの注意がみつかるかもしれません。
次の手は?
CS8416の動作回路が確認できたのは良いのだけれど、多分ニーズがあるとすればDAC1704-4D用の
DAI基板代替品かな?ちょうどCS8416もTSSOPパッケージ(0.65mmピン間隔)もあるので、DIR1703と置き換えれば
基板のレイアウト変更も最小限で済みそうです。DF1704の制約から192kHz動作はできませんが、
NOSモードであれば192kHzが試せそうです。またDF1706に変更すれば、192kHzもいけそうです。
もう少し考えてみましょう。
お、DIR1703入荷情報 2006.7.20
「アスカ情報システムさんで、8月の上旬ごろにDIR1703の再入荷があるそうです。」
との情報をいただきました。となると、しばらくCS8416 DAIは必要なさそうです。
ちょっと作業はペンディング・・・
でも、CS8416の動作確認が出来たのは収穫です。
ついでにリセットのかけ方について
夜な夜なやっていてリセットのかけ方のコツがわかってきました。CS8416の電源は2種類必要で
3.3VのVA(アナログ電源)とVD(ディジタルコア)と、5V(あるいは3.3V)のVL(ロジック電源)があります。
いままでリセット回路はVLの電源をつかっていましたが、どうやらVDの電源を基準にリセットシグナルをつくった方がよさそうです。
考えれば明らかなのですがディジタル回路を駆動しているのはVDですからね。VDはVLからレギュレータでドロップして作られる
場合が多いでしょうから、VlとVDの立ち上がりの差とかがあると、うまくリセットがかからないと推測しています。
ということでVD電源に接続したCRで作った遅延回路の出力をRSTに接続すると、安定してリセットがかかる(CS8416が起動)
ようになりました。もっとも安上がりです。こんな感じです。
やっぱり描いてしまいましょう。
あとベタを塗るまでは出来ていたので、ついでなので完成させてしまいましょう。
何かの試作のときにでも作るか考えてみよう〜っと。
(クリックすると大きくなります)
話しは変わって(その2)
CS8416の単体の動作確認はできましたが、最終的にDACをつないでフォーマットの確認をしておきましょう。
もっとも簡単に接続できるものにR−2R DACがありましたので、これをつかってみました。久しぶりの登場です。
CS8416基板に出力用の10Pのコネクタ端子をつけてDACとは10pのフラットケーブルで接続すれば完成です。
5V電源はDACからCS8416基板に供給されるようになっています。
動作実験の様子。
あれ?動かない。こいつが原因か!
CS8416もDACも動作確認できているものなので、つなげただけで動くはずなのですがなぜか動きません。
CS8416の信号線(DATA、LR,BCK)を観測しても何もでていません。
なるほど、わかりました。DAC側にはデータ線にプルアップ抵抗(51kΩ)が入っています。
CS8416はソフト/ハード制御の切り替えは、電源投入時のデータ線(P26)のプルダウン/プルアップで判別しているので、
他にプルアップ抵抗が入っていると干渉しちゃうんですね。
ということで、DAC側のプルアップ抵抗は取り外して、再度電源ON。
無事立ち上がりました。
相変わらずのNOS波形(2kHz) パルス波形
CS8416ってR-2R DACを24ビットで動かす一番簡単な構成かもしれません(SOICなら半田付けも簡単だし・・・)。
無惨に折り取られたアレイ抵抗素子・・・
またまた話しは少しもどって 2006.7.24
CS8416はSOIパッケージもあるので、こちらの方が半田付けし易いでしょう。
DF1704/06があるので、どっちみちSSOPの半田付けは避けられませんが、
CS8416だけつかう場合もあるでしょうから、少しでもリスクを減らした方がいいでしょう。
CS8416およびDF170Xの電源は3.3V,5Vが選べれられるようにしてみました。
これでDF1704およびDF1706の両方に対応できるでしょう。
(クリックすると大きくなります)まだベタは塗ってません。
ベタも塗ってほぼ完成!
完成!2006.7.30
一応配線を見直してミスを修正。それと、リセット周辺について、
もう少しパターン変更の自由度が上げられるようにしました。これで発注予定です。
盆前にはできあがるでしょう。
基板発注!2006.7.30
いつものP-BANさんに発注しました。試作としては多目に作っているので、バグがあろうが無かろうが頒布対象にします(笑)。
ついでにCS8416も購入しましょう。
お盆直前に動作確認ができるでしょう。
いまからドキドキです。
あリャ、バグみっけ!
シルク印刷にバグありました。"for PCM1704-4D v.4" とありますが正しくは"for DAC1704-4D v.4"でした。
この手のバグは、ご愛嬌です。
あリャ、バグみっけ!その2 2006.8.1
ディジフィルのリセット用のCR回路のR1の片側がGNDにつながっています。本来はVddにつながいといけな(悲)。
修正は簡単ですが、ここまマニュアルをじっとにらんでDFのRST端子はプルアップされている記述があります。
ということは、R1は不要ですね。ただしプルアップ抵抗は50kΩ程度が想定されるのでC1の値も1uF程度にしましょう。
これで抵抗1本実装不要になりました!っとポジティブシンキング。
しかし、まだまだミス見つかるかな?・・・・これ以上みつかるとだんだん気が重くなるので、もうパターンは見ないことにしましょう(笑)。
一段落つけるためにも、いつもの手抜きマニュアルを書いておきましょう。勿論回路図は手書きです(一部ワープロをつかいした。ちょっと進歩?)
独り言 2006.8.3
DIGIKEYで取り扱っているDigital Audio ReceiverにSTA120というのがある。データシートをみてみると、なにやら見たことのあるピン配置。
あ、CS8414と同じだ。ということはCS8412とも同じってこと?
機能的にもCS8414と同じような感じ。ちがうのは動作電圧がSTA120の方が3.3Vなところくらい。
STA120がSOPパッケージだから、28P-DIPの変換基板に載せて、ついでに3.3Vのレギュレータを載せればCS8412/14にのせ替えできるのでは?
それにSTA120は@615円だし、10個買えば@535円と結構お値打ち。
でも、@790円だせばCS8416が有ることだから、あえてSTA120は使わないといえば使わないか・・・・・・
NOSDAC3構想?・・・
DAIが新しくなると、DACも新しいものが欲しくなる気が・・・・・・
それにCS8416が192kHz出力できるのだから、それを活用したDACをなんか作りたくなってきました。
192kHzを受けるとすると今のところディジフィルならDF1706になるけど、これについては既に製作中のDAIで実現できちゃいます。
DACならPCM1794が一番簡単につながるのだけど、これについてもDAC1794D-woDAIを使えば良いことになりますね。
やはりディジフィル無しのNOSDACシリーズを検討してみようかな?
それにDAC63S-miniのような電源回路も込みのものが、コンパクトに収まって良いかな?と思ったり。
で、CS8416の出力をNOSDACとして使おうとすると、一番簡単なのは右詰めフォーマットにしてPCM1704を接続すること。
でも、どうせ考えるなら16ビットから24ビットのDACまでNOSモードで動作できるようにすると便利ですよね。
それにPCM1704は結構高い・・・・
では、どうするか?
CS8416を左詰めフォーマットに設定して、LRCK信号をBCK信号を基準にシフトレジスタで遅らせればよさそうです。
走り書きメモ
24Bit遅延対応とするには74164が3個並べればいいですね。そして取り出しタップを選べば16〜24Bitまで1Bit刻みのDACがつけられることになります。
といっても現在のDACって16,18,20,24bitのものしか見たことがありません。22ビットはなぜなかったんだろう?
ちょっと頭の中を整理。
DAIはCS8416を使う(ハードウエアモードで使用)。入力は4chフルにつかう。
DACは未定(たぶんPCM63)。でも動作モードはNOS(ノンオーバーサンプリング)。パラ数は基板サイズから2くらいかな?
IVは抵抗変換? でも出力高くすると歪みが出ちゃう。高精度を狙うとすればやはりオペアンプをつかったIVかな?
フィルターはGIC?でも抵抗値の選定が難しい。やっぱりサレンキーか多重帰還かな?
電源回路はLM317/337が簡単で高性能。でもアンプ部はディスクリかな?
全然きまらないです。お盆休みに頭をつかってみましょう。
独り言2 2006.8.5
TIのHPを見るとPCM1794は新規設計に使わないで下さいとでている。そして後継素子はPCM1794Aらしい。ピンコンパチで末尾にAが付いているので、
なにか電気的にも改善させたかと思えば、電気パラメータはすべて同じらしい。ということは、たぶんソフト上の不具合を少し修正したくらいだろうか?
あるいは機能を追加したのかな。なるとなれば型古となったPCM1794の投げ売りがあって、1個100円くらいで買えたら嬉しいな〜。
1794の8パラ!なんて面白いかもしれないけど、抵抗IV以外は無理だろうなと思う。なんせ10×80mAを駆動できるオペアンプはかなり特殊!。
まあ、ディスクリートアンプにすればこのあたりの制約はなくなるのだか・・・・・
だけどPCM1794みたいにピンコンパチの後継素子がでるものは良いけれど、DIR1703みたいに後継素子がないものは困ってしまいます。
メーカとしても極めてマーケットの狭い自作マニアのために素子を提供することは無いでしょうしね。
自作する人はメーカの生産状況や市中在庫を常にワッチして、どの素子であれば手に入るか、あるいは入りにくくなるかの情報を仕入れることが重要だ!
ということなんでしょう。
#PCM1794Aが新しく設計されたということは、PCM1794は今しばらく安定供給されるということになるな〜。
CS8416+PCM1794という組みあわせは定番DACとして案外良いかも・・・・。こんどは反対にCS8416が生産中止になったりして・・・・
試作開始! 2006.8.12
基板が到着しましたので早速試作してみましょう。部品点数はDIR1703をつかったDAIに比べて少ないので短時間で組み立てができます。
CS8416に4chの入力選択端子があるため、外付けロジックが不要な点が大きいのです。
また今回のDAIではパルストランスによる出力回路を省略した点も部品点数が少なくなっている要因です。
到着した基板!早速つくりましょう。
今回の試作では同時に2枚つくりました。1つはDF1704も搭載したフルスペックバージョンです。これでDAC1704での動作確認を行う予定です。
もう一つは最小構成で作っています。いわゆるCS8416の動作を色々と試すためのものです。この構成なら色々いじって壊れたとしても、被害は最小限にとどまります。なんせ、この基板上でもっとも高価な石がDF1704ですからね。へんなピンなどを触って壊そうものならショックが大きいですから。
一応製作マニュアル(DRAFT)を見ながら製作しますが、部品表にはかなりのヌケや間違いがあることがわかりました。
それらについてはVer.1にUPするときに修正します。
試作基板その1。フルスペックバージョン 試作基板その2。最小構成バージョン
最小構成バージョンでは、DATA信号を取り出す場合にはジャンパーをしておきます。
これはなにかというと、CS8416のDATA出力はプルアップあるいはプルダウンで、ICの動作モードが違ってきてしまいます。
ハードウエア制御にするにはプルダウンとしますが、接続するIC(具体的にはDF1704)が内部でプルアップされていると動作が不安定になると考えたので、
CS8416とDF1704の間に7404のゲートを2つ挿入しています(DRAFTの回路図には入っていません)。
最小構成ではこのゲートの7404ですら使いませんので、途中をジャンパーしておきます。
最小構成バージョンの場合はジャンパーが必要です。
動作確認をしてみよう。
まずはオシロを使ってフルスペックバージョンの基板をチェックします。入力はPCからの出力(48kHz)を接続しておきます。
テストの様子
動作確認は出力コネクタCN1,CN2から信号が出ていれば問題ないはずですから、LRCKおよびDATA信号を観察してみましょう。
下の図にあるようにDF1704をつかった8fsモードでもNOSモードでも無事動いているようです。
8fs出力時(48×8=384kHZ) NOS出力時(48×1=48kHZ)
CS8416からの直接信号取り出し
DAC1794-woDAIなどを接続するには、CS8416からの制御信号を直接取り出すのが簡単です。そのためのコネクタが用意してあります。
CN4をつかいますが、一応ダンピング抵抗を取り付けておきましょう。
ダンピング抵抗としては通常の1/4W抵抗器をつかってもよいのですが、チップ抵抗や1/6Wの抵抗器をつかうとコンパクトに収まります。
下図が実装した状態になります。
チップ抵抗を用いた場合 1/6W抵抗器を用いた場合。
基板の裏面にはジャンパー線を4本配置します。基板のパターンには配線し易いように予めパッドがつくってあります。
本当はこの線を予めパターンとして入れておけばよいのですが、引き回しが長くなりそうだったので諦めました。
正直なところ、このCN4は完全な後付なので配線のことまで手が回りませんでした。
CN4と接続するジャンパー線。勿論DAC1704-4D用のDAIとして使う場合は不要です
おっと、忘れてはいけないのはCN4に5Vを供給するジャンパーも取り付けておきましょう。
接続するDACカードにはここから電源を供給します。
5V電源を接続するジャンパ(左側の線)
DACと接続!
接続するDACは5V単一で動く物が簡単なのでR-2Rを用意しました。10Pのフラットケーブル1本で接続完了です。
DACとDAIを接続!
では、動作確認をしてみましょう。入力にはASRCを接続して2kHzの正弦波を48,96,192kHzのサンプルレートで入力してみました。
CS8416ですから192kHzで動作しているようです。さすがに192kHzともなると信号の補間が効いてきますので信号が滑らかになります。
48kHz 96kHz 192kHz
さて、次は最後のチェックとしてDAC1794D-woDAIとDAC1704-4Dに接続してDAIとして動作を確認しておきましょう。
ここまでくれば、大丈夫でしょうけど念のためです。
この先は盆休み明けまでお預けです。あわせてリリースの準備にもかかりましょう。
DAC1794D-woDAIと接続する。2006.8.14
DAC1794D-woDAIと接続する場合は、DAIも最小構成バージョンでOKです。わざわざ不要な部品を取り付ける必要はありません。
ASRCの出力の換わりにこのCS8416-DAIを接続すると問題なく動作しました。
入力周波数も32kHzから192kHzまで変化させましたが問題なくロックします。
DAC1794D-woDAIとの相性はよいのですが、DAI側の空きスペースがかなり勿体ない気がしないでもありません。
DAC1794D-woDAIとの接続テスト。
DAC1704−4Dと接続する。2006.8.14
もともとの目的であるDAC174-4Dと接続してみましょう。これが動かないとシャレになりません。
DAC1704-4Dと接続する前に、DAI基板にリクロックアダプタも事前に搭載しておきました。
今回のDAIではリクロックアダプタとはネジ4本で留められるので、強固な固定が可能です。
写真では、コネクタの無い側のみネジ止めしていています。実用上はこれで十分だと思います。
リクロックアダプタをつけたDAI コネクタ部の様子
さあ、いよいよDAC1704-4Dに接続です。接続のための10Pのフラットケーブルを付け替えます。
電源は動作確認だけなのでワニ口クリップで接続します。
こちらも、問題なく動作しました。
本来はこのDAIに載せ替えたほうがいいのかもしれませんが、オリジナルのDIR1703を使ったDAIも気にいっているので多分このままでしょう。
DAC1704-4Dとの接続テスト。結構ケーブルが散らかります。
CS8416を汎用で使うために 2006.8.17
S8416をつかったDAIをディスクリートDAC(PCM1704,1702,63,58,61,etc)にディジフィルを介さず直接接続するためのロジックについては、
少し上の方で手書きの回路を載せましたが、少しロジックを清書してみましょう。
ポイントは
1.CS8416はLEFT JUSTIFIED FORMATに設定する。
2.LRCKをロジックICの74164で必要クロック数をシフトさせる。シフトのためのクロックはBCKを反転させたもの。
3.シフトさせたデータはそのままR-CHのWCLKになり、反転させたものはL-CHのWCLKになる。
4.DATAはそのままDAC-ICに入力する。
といったところです。20BitのDACを使う場合で74164が3個、7404が1個で済みます。
でもう少しお茶目なことを考えると、データの途中をマスクしてやれば20BitDACを1〜20BitDACのように任意のビット数の分解能としてつかうことができます。
ビット分解能を変えたときにどの程度、音が変わるのかの実験ができます。R-2Rのときの実験をより精度高く行うことができそうです。
CS8416を20BitのDACに直接接続するロジック。
CS8416を20BitのDACを使用し有効ビット数をnにするロジック。
週末に時間があれば一度組んでみましょう。CS8416とDAC63-4Sや4Dとつないでみるのも面白いかもしれません。
あ、そのためにもロジックICを買わなくっちゃ(SOPならあるけどDIPがない・・・・)。
簡単に実験するならR-2R基板を活用すると74164の配線が楽かな?
日本橋には行けず・・・・ 2006.8.20
残念ながら時間が無くて欲しい(74HC86,164など)は買えず。仕方なし、あり合わせのロジックICをつかって組みましょう。
74164はR-2Rの基板についているものを流用しちゃえ!(一杯作ったことだし)。7486(EX-OR)もNANDゲートとINVがあれば何とでもなります。
まずはCS8416のモード設定変更
デフォルトは右詰めフォーマット(Right Justified)になっているので左詰め(Left
Justified)に変更します。ジャンバー線の変更をマニュアルで確認すると、
左から2番目のAUDIOのビットをLにするだけで良いようです。では、Hにつながっている線を切ってジャンパを追加。これで変更は完了です。
念のため、オシロでフォーマットを確認しておきましょう。Lチャンネルのみデータを入れていますが、左に揃っていますね。
左詰めフォーマットに変更するためのジャンパー フォーマットの確認。上段:LRCK、下段:DATA
ではNOS動作変換回路を製作!
シフトレジスタの74164はR-2Rに載っているいるものを使うので、この基板にコネクタをつけるためのユニバーサル基板をスペーサで取り付けます。
ちなみにこのユニバーサル基板はDAC8D-SUPERをつくったときの余りスペースに入れたものです。さてシフトレジスタの回路はR-2Rの部分がそのまま
使えますから、以外と配線の量は少なくて済みそうです。EXORが必要だったところは、74HC20と74HC04をつかってごまかします。
配線自体は案外簡単に完了しました。
R-2Rの上にコネクタ用の基板を取り付け 配線完了!以外と簡単にできました。
ロジックの確認!
DACにつなぐ前にオシロでロジックを確認しておきましょう。
まずは20BitのDACを接続することを想定していますが、WCK信号はデータのちょうど20個目くらいでLレベルになっているので大丈夫そうです。
ついでにビット分解能を8ビットにしてみると、データは先頭の8ビットだけになっていますね。ロジックは問題なく出来ているようです。
つなげるDACはお勉強DACVあるいはDAC63S-miniのどちらかを選びたいと思いますが、今日は遅いので続きはまた明日!(正確には今日なのだが・・・)
20BitDACに接続する場合の信号 上段:WCK、下段:DATA(20Bit分) データビットを少なくした様子 上段:WCK、下段:DATA(8Bit分)
お勉強DACVと接続 2006.8.20
接続実験はお勉強DACVをもってきました。リクロック基板を外して、そのピンのところに10Pのケーブル2本で信号を供給してやります。
ついでに5V電源もDACから頂いています。
このDACにはPCM63(20Bit)が載っているので、これをまずはこれをつかって実験してみましょう。
お勉強DACVとの接続の様子
載っているDACはPCM63Pです(20Bit)
ビット分解能による違い
R-2Rの実験記でも評価しましたが、もう一度ビット分解能を変えて音楽がどの様に聞こえるか試してみました。
1ビット:
いわゆるON/OFF信号になります。音楽がなっているようにも聞こえますが、ノイズのようにも聞こえます。
なんとなく地球を半周回ってきた微弱な電波を受信しているラジオのような感じです。
4ビット:
ここまでくると音楽はハッキリとわかります。それに、音色もハッキリと聞き取れます。
でも音楽全般は雑な感じ。安物のラジオがなっているようです。一番の問題はバックグラウンドのノイズですね。
かなりヒス(?)が聞こえるので常用するには難しいでしょう。
8ビット:
このあたりから十分に音楽が楽しめるクオリティになってきます。でも難点はノイズですね。
音楽の音の大きいときは気になりませんが、ピアニシモになるとノイズが目立ちます。
12ビット以上:
いや〜もはや実用領域でしょうか。ぱっと聞いた分では違いが判らないかも。でも、ビット数が上がるとノイズも減り、音楽の透明度が上がります。
今回はビット数による動作の確認がメインだったので、音楽性の評価は十分ではありませんが、時間があればどの分解能が自分にとって、
必要十分な分解能かをチェックしてみようかな(単に耳が悪いことだけを証明しそうになりそうなので半分怖い気もします。)
1ビット分解能(ON/OFF信号です) 4ビット(まだまだ離散信号です) 8ビット(細かくなってきました)
12ビット 15ビット 18ビット
他のDAC−ICとの接続
この変換基板は配線1本の変更で対応DACのビット数が変えられるので、ついでの動作確認としてPCM61P(18Bit)とPCM1704(24Bit)で試してみました。
どちらも、問題なく動きました。しかし最近ではDA変換機能のみのICがほとんど生産中止になりそうな勢いです。
あのPCM1704ですら生産中止まっしぐらかも。そのためDF1704/06もラインアップから消えるのもまじかかもしれません。
DF内蔵のDACは部品点数も少なく性能も高いので、セット品にはいいのですが、
自作のアイテムとしてはもう少しいじりがいがあればなと思います。やはり時代の流れでしょう。
PCM61P(往年のDAC−ICです) PCM1704(最高峰マルチビットだが供給が・・・)
回路図はこんな感じです(間違っていたらごめんなさい)。
さて、折角変換回路の動作も確認できたのでNOSDAC3も考えてみましょう。
というわけで続きはNOSDAC3の検討記へ。