AK4493を入手しました。 2018.1.31
以前にBBSで話題になりましたが、ようやく旭化成の最新のDACであるAK4493を入手しました。
パッケージは48LQFPです。
ピン配置は
ピン配置については、AK4490とほぼ同一です。DVDDが追加されていて、外部から1.8Vを入れるか、あるいは内部のレギュレータを使うかを
LDOEで選択します。あとはTESTEなるテスト端子が付いています。TESTEについては使わないでしょう。
AK4493 | AK4490 |
レジスターマップは
こちらもAK4490、AK4493、AK4497とほぼ同じです。AK4493はどちらかといえばAK4497に近いです。
いづれにしてもソフトはほぼ変更なしでつかえるでしょう。
AK4490のレジスターマップ
AK4493のレジスターマップ
AK4497のレジスターマップ
どんな構成にするかな?
いろいろなご意見をいただいております。
AK4493は比較的安価なので(というかES9038PROやAK4497が高すぎるのではと思いますが・・・)、4個使いを基本にしようかな
と思います。DAC4490-5と同じような構成なら基板サイズはSTDで収まりますが、電源を強化するとWIDEになりそうです。
ところで、電源容量がどのくらいになるのかな?
電源容量は?
AK4493は結構多種の電源が必要です。それぞれの電源電圧と電流を確認しておきましょう。
まずLDOE pin=L、すなわちDVDDには外部1.8Vを供給することを前提とします。
1.DVDD Digital CORE(1.8V)
これはディジタル部分のコア部分の電源です。ディジタルなので動作周波数で消費電流が変わりますが
デバイスマニュアルを覗くとFsによる電流が記載されています。
44.1kHz時 typ=8mA MAX=12mA
96kHz時 typ=14mA MAX=21mA
192kHz時 typ=22mA MAX=33mA
となっています。周波数があがるほど電流値が増えていますが、AK4493自体は768kHzまで動作するので、
もうすこし上の周波数での推定値が必要です。ということで、すこし外挿してみました。
そのために得られているデータ値から1次近似線を導出する。
768kHzで外挿計算してみると、
typ=76mA, Max=114mA
となります。最大で114mAかあ〜。結構大きいですね。AK4493が1個だけなら大したことはありませんが、
4個使うとなると114×4=456mAは必要です。余裕をみるなら500mAは用意しておきたいところです。
ADM7154の最大出力電流は600mAなので、これがいいでしょう。LT3045は最大で500mAなので、すこし
余裕がありません。
ちなみに3.3Vからドロップダウンさせるとすると(3.3-1.8)*500=750mWの電力消費ですので、放熱部は十分に
考える必要がります。5Vからドロップダウンさせるのは難しいでしょう。
2.TVDD 外部ディジタル(3.3V)
これは外部ICとのディジタル信号のインターフェイスをとる電源なのでDIX9211やPICとの接続を考えて
3.3Vに設定します。必要とする電流は最大で1.5mA程度なのでAK4493を4つ使ったとしても気にする必要は
ないでしょう。
3.VDDL/R アナログ電源(5.0V)
これはDAC内部のアナログ部の電源になります。これはtypで33mA、最大で50mA流れます。AK4493が4つでは200mAです。
ただし、5V電源については基板外部から供給することを前提とするのでとくに容量についてはケアはしなくていいでしょう。
4.AVDD アナログ部クロックインターフェイス(3.3V)
これもインターフェイスに使われるので最大で1.5mAと小さいです。VDDL/Rからドロップアウトさせるレギュレータを使えばいいでしょう。
これこそLT3042(最大200mA)をつかえばいいでしょう。
5.VREFHL アナログ出力基準(5.0V)
これも最大で1.5mAと小さいです。電圧の範囲が狭くて最小でVDDL/R-0.5、最大でVDDL/Rとなっています。
ということで、VREFHLについてはVDDL/Rと共有にするのがいいでしょう。
電源をまとめると
5V電源入力でアナログとディジタル部を分離供給するして、
アナログ部: 5V→VDDL./R,VREFHL→LT3042(3.3V)→AVDD(3.3V)
ディジタル部: 5V→LCD→ADM7154(3.3)→TVDD(3.3V)→ADM7154(1.8V)→DVDD(1.8V)
→ADM7154(3.3V)→PIC、DIXなどロジック回路
という構成でしょうか。レギュレータにADM7154を3個、LT3042を1個つかう結構贅沢な構成です。
気になる表記も
TVDDとAVDDは別電源にしようかと思っていましたがデータシートをみると気になる表現があります。
ちょうど下線の部分です。
TVDDはAVDDはそれぞれディジタルとアナログのインターフェイスの電圧を設定しますが、そりゃ同じでないといけないですよね。
ばらばらに供給すると電圧差が生じることは避けられないですから、一緒の電源から供給した方が無難でしょう。
こんな感じかな?
DAIにDIX9211を使うことを想定するとロジック部分はDAC4497-2.1と同じ構成になるので、DAC4497-2.1の基板をベースに
描いてみました。意外と窮屈な実装です。
まずはこんな感じで描いてみました。
番外編でPiDAC4490-1.1をAK4493に換装しています。
基板製作にかかりましょう!
基板製作できました。 2018.2.27
こんな感じです。
部品を実装していきましょう! 2018.3.3
今回も極力表面実装部品を選択してとりつけていきました。電解コンデンサなども大容量のセラミックコンデンサに交換しています。
その理由は、背を低く抑えることができるのと、寿命が長くなるかな〜との期待からです。音的にはどちらがいいかはよくわかりません。
ちなみに背を低くしたい理由ですが、まだ試作段階でもあるので、なにか間違いがあればIC等をとりはずす可能性もあるわけですが、
その場合に背の高い電解コンデンサがあると、作業がかなり大変になってしまう点もあります。
すべての部品がのりました。
まずはお出かけ用の写真を撮っておきましょう。
お出かけ用の写真です。
部品を半田付けしている最中に気づいた修正箇所もすこし備忘録として記しておきます。
1.C28,C42の+側の配線忘れ
なぜ抜けたのか不思議な面がありますが、表面実装部品をつかったので、電源ラインのパタンのレジストを剥いで
ジャンパー線を飛ばします。普通の電解コンデンサとつけた場合は、C28とC42の+側については、それぞれC29、C43に
基板の裏面側で接続することになります
C28の+側配線忘れ(黄色の部分) C42の+側配線忘れ(黄色の部分)
修正例 修正例
2.C13のGND接続抜け
これは単純なミスでした。基板の裏面側でベタGNDに接続します。
対象箇所です。
C13のGND側のレジストをすこし剥いで、半田ブリッジしておきます。
さて、動作確認にはいりましょう!
ひさしぶりに作業再開です。 2018.3.12
しばらくはチャンネルデバイダであるDIV5142に注力していたこともありましたが、
ひととおり完成しつつあるのでDAC4493-5も作業再開です。
こちらは結構難航しました。プログラム自体はDAC4497-2.1をすこし変更するだけで済むのですが、
さらに基板に色々と修正が必要なところがあり、それに気づくのに時間がかかったりしました。
でも、気づけば単なるポカミスだったりして、結構反省材料になったりします。
その1つは、GNDラインを描くのを忘れることが多くて注意はしていたのですが、逆にGNDラインを
余分に引きすぎてトラブルを引き起こしました。具体的には出力をそのままGNDに接続していたりして、
電源をいれたらいきなり電流が1A近く流れて、焦りました。まあ、これらも反省材料です。
動作確認にこぎつけました。
基板の修正を加えて、再度電源を入れると無事動き出しました。
こんな感じで動作確認を行っています。
出力を確認できました。
ソフトもDAC4493-5用に修正を加えています。
さて、PCM./DSD入力も確認しましょう。
夜も更けてきたので、また明日以降にやりまししょう。
あわせて修正基板も描いていきましょう。
V2基板が到着しました。 2018.3.29
パターンを修正したv2基板が到着しました。
出張が続いてなかなか手にすることができませんでしたが、ようやく手元に届きました。
夜の夜更けですが一気に組み立てました。
新規の部品を使うのはもったいないので、主要な部品はすべて前の基板から張り替えました。
新しい基板が完成しました。電解コンデンサはすべて大容量のセラコンに交換してみました。
元の基板から主要な部品はすべて取り外しました。おかげで前の基板は無残な姿です。
動作確認してみました!
一気に通電です。無事動作すすことが確認できました。
ドキドキの動作確認の様子です。
無事動きました。
さて、忘れないうちに製作マニュアルをつくりましょう。
ようやくマニュアルを書きました。
DAC4493-5Manual.pdf
そろそろリリースします。 2018.4.14
(つづく)