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PiPA5756Dualのソフトを書こう!冬休みの工作です。 2018.1.5

PiPA5756Dualは2017年内に仕上がるかな〜と思っていましたが、さすがに年末はバタバタしてしまって冬休みの工作に持ち越しになって
しまいました。ということで帰省に持っていくバッグに色々と基板などを詰め込んで出発です。いろいろといっても、PiPA5756DualとRaspberry Pi3とその他ちょっとした
もの程度なので軽いものです。帰省先にも半田付けなどができる環境はできています。

まずは開発環境を整えよう。

PiPA5756Dualにはアンプ素子が2つありますのでスムーズな開発を行うためにスピーカは4つ必要になります。
スピーカを取り付けなくてもソフトの開発はできるのですが、
いちいちオシロで振幅を確認するのも面倒ですし、それにポップノイズなどの発生状況を確認するためにも、
実際に音が出るようにしておいたほうが便利です。
 今回の開発のために接続したスピーカは小型のものということで以前に「福島の玉使い」さんから教えてもらったALTECの
小型スピーカをつかいました。

ソフト開発にはこれを使いました。


4つ並べて音だし環境を構築です。

やっぱり箱が欲しい!

このスピーカユニットですが、当然ながら小型なために低音はでません。それにユニット単体で鳴らすと、
どうしてもシャカシャカと面白くない音にしかならないので、なんとか箱に入れたいな〜という気になります。
で、最初は紙コップみたいなものがないかを探しましたが、どうやらなさそうです。
で、見つけたのがビール缶です。さすがに年末だけあって、一杯転がっています。いや、平日から転がっている?(笑)。
このビール缶を切り取った口の円周長がちょうどスピーカのそれに合致しそうな感じがしてきました。
で、やってみるとバッチリです。ほとんど隙間なくスピーカが納まります。
あとは、音漏れしないようにテープで固定すれば完成です。
やはり箱があるとないとでは大違い。低音もでてくるようになりました。
缶の中ではプレミアムモルツが一番音が良さそうです(笑)。
ちなみに、缶の中には吸音材としてキッチンペーパを詰め込んでいます。

箱ならぬ缶にスピーカを装着して鳴らしています。

本格的にソフトを書いていきましょう!

環境が整ったところで本格的にソフトを書いていきます。

動作モードは4つ
このPiPA5756Dualでの動作モードは4つあります。2つのDUAL STEREOアンプとする場合と、2WAY用のBi-AMPの使い方です。
モードは基板上のジャンパースイッチで切り替えます。

MODE0
MODE1

2つのDUAL STEREOアンプ構成です。
MODE0は1つのボリュームで操作、
MODE1は完全に完全に独立させて個別のボリュームで操作します。
MODE1
2WAYでのBi-AMP構成です。スピーカ側にネットワークが必要です。
MODE3
WAYでのBi-AMP構成です。fc=2800Hzのクロスオーバフィルター付です。


電子ボリュームは操作性を考えて

TAS5756は電子ボリュームを内蔵しており0.5dBステップで-103dBから+20dBまで可変可能です。
今回は-103dBから0dBの範囲を基本として使用します。一番簡単な電子ボリュームの設定はボリュームつまみと
減衰量を1対1で割り当てることですが、こうすると非常に操作性に違和感が生じます。
というのも通常つかう範囲は-40dB〜-20dBになりますが、1対1で割り当てるとボリュームが12時の位置で-50dB
程度となり全然小さい音しかでません。普通に鳴らそうとするとボリュームを3時くらいまで回さなければなりません。
これではなんとなくアンプに非力感を感じさせてしまいます。一般的(?)にはボリュームの位置は9時から12時までが
常用範囲になると思われるので、その範囲に-40dBから-20dBの範囲が入るように下図のような3段折れ線の減衰
特性を持たせることにしています。あとは、ジャンパー一つでゲイン全体を+10dBできるようにもしてみました。


 電子ボリュームは操作感を考えて3段折れ線の特性にしています。

バランス調整は
バランス調整は左右の調整と、2WAYだとツーイタ(TW)とウーハー(WF)のバランスの調整を備えました。
特に左右のバランス調整なんかは、最近のアンプでは付いていないことが多いようですが、2WAYのユニット間のバランスは必須でしょう。
 これらのバランス調整にはMN型の特性を持たせています。さらに、最大減衰量もジャンパーで-11dBと-20dB
が選択できるようにしました。-11dBって約3〜4倍程度の差であり結構大きな値ですが、人間の耳の感覚って対数ですので
あんまりその差を感じない場合もあるので-20dB(10倍)も加えました。
 なおバランスはあまり使わないことも想定して、ジャンパー設定で無効化(バランスはセンターに)できようにしています。
使わないバランスのために可変抵抗をつけるのも勿体無いですしね。

バランス特性です。

ソフトも完成しました!

冬休みは結構じっくりと時間がとれましたので、ソフトも集中して完成させることができました。
さてさて、今回やりたかったPiPA5756DualでのBi-AMP構成で試聴してみましょう!

試聴してみる!

帰省先にある2WAYのスピーカを持ち出して鳴らしてみることにしました。
このスピーカはFOSTEXのFW137をウーハに持ち、FT66Hのホーンツーイタをもつ2WAYです。
全体をばらして結線をしだすと大変なので、FT66Hを絞りきってウーハのみで使います。
そしてツーイタ代わりに開発でつかったALTECの小型スピーカを代用としました。
小さいスピーカなので高域も結構得られるでしょう

こんな感じで試聴の環境をセットしました。


上から覗いた状態です。

音楽ソースにはRaspberry Pi3を使っています。ところでRaspberry Pi3の消費電流ってかなり大きいといわれていますが、
実際に測定してみるとあまりたいしたことはありません。VOLUMIOで音楽を鳴らす程度ではあまり電流は
必要ないということでしょう。

P3でVOLUMIO使用時もさほど電流は流れないようです。

音は?

今回は大黒摩季さんのCDをUSBに焼きこんで試聴してみました。割と軽快な曲をセレクションしました。
最初からMODE3(Bi-AMP構成でネットワーク機能あり)で鳴らしましたが、いい感じです。ALTECのスピーカの
効率いいのか、バランスはすこしFW137寄りがベストポジションのような感じです。
 ただALTECのスピーカも高音はよくでますが、FT66Hほどは音の浸透力はないようです。まあ、値段は全然
ちがいますしね。

 ちなみにMODE2((Bi-AMP構成でネットワークなし)に切り替えて鳴らしてみました。こちらの方が見かけ上
は音量が上がって聞こえます。というのもネットワークでの減衰がありませんから低域と高域のレベルが2つの
スピーカ分になりますから当然です。音量があがるのはいいですが、音がにごって聞こえます。これは完全に
2つのスピーカの音が交じり合ってしまうからでしょう。MODE3にした方が音がすっきりして低音から高音のつながり
もいいです。

さてさて、ソフトも完成しました。マニュアルもボチボチと書きましょう。

ちょっとドレスアップ!

以前に神戸に行ったときに画材屋さんでアクリル板のハギレ数枚合わせて100円で売っていたので
思わず買い込みました。ということで、これをつかって基板のベースプレートを作ってみることにしました。
切断用にはプラスチックカッターを調達です。

神戸三宮で売っていたアクリル板のハギレ。これで100円です(実際にはさらにもう1枚あります)

アクリルカッターでアクリル板に表裏面に3回程度切り込みを入れて、あとは力をいれて曲げれば
パキ!といって簡単に切断できます。ということで標準サイズの基板用とワイド版の両方のベースプレート
を作成です。

こんな感じでベースプレートが完成しました。

いい感じ!

基板の上下にアクリルプレートを取り付けてみましたが、いい感じです。これで不意な接触によるショートや
埃などが防げそうです。

アクリル板をとりつけるとちょっといい感じになりました。PiPA5756Dualの完成です。

ディジタルフィルタの変更は下記でトライ中です。
Purepath Studioを勉強する!の巻き

(つづく?)