AK5397を使ってみるかな? 2018.4.21

以前にADCを検討したのは、PCM4222をつかったADC4222でしたが、あれからすでに6年もたつんだな〜という感じです。
直近では、まだ基板自体はつくってはいませんが、秋月電子から安価なADCであるPCM1808がでたこともあり、それを使った
基板を設計してみました。PCM1808自体は96kHzサンプルで、いまとなってはかなりスペック的に見劣りするのですが、
実用上の性能を考えた場合には全く遜色ありません。なんせ50代になると聴覚も衰えて高い周波数も13kHzあたりが限界なので、
96kHzサンプルなんてわかるの?(笑)という感じです。でもオーディオを趣味とする身上においては、高スペックは精神衛生上はいいです(爆)。
PCM1808の魅力は先に書いたように、安さですね。180円でこの性能のADCが買えるというのは驚きです。
なんせオキラクにつかえるのが一番のメリットです。ちょっとしたアナログ信号をディジタルに変換したい用途にうってつけです。
 でも、せっかく作るなら、ついでに高性能版もあわせて検討したくなりました。

対象はAK5397かな?

旭化成から高性能なADCがでています。といういか、旭化成の半導体の戦略はかなり攻めの姿勢があるように感じていて、
色々な分野でのデバイスがでています。過去にROHMあたりがASICで事業規模と伸ばしたように、それを手本にしているのかな〜
とおもったりです。でも、これだけでの色々な素子を開発するには、かなりの開発組織が必要なはずで、それをどこから調達したのか
きになります。まあ、旭化成のような大企業ですから社内にも多くの人材がいるのでしょうね。事業再編の中で人材をかき集めているのかも
しれません。

さて、話はもどって・・・・
AK5397の最大の特徴はマニュアルを見ると768kHzまで変換ができるところですが、32fsに限られるようなので
分解能は16Bitになりそうです。ひょとしてモノにすれば32Bit相当になるかもしれませんが・・・lこのあたりはまだマニュアルを十分に
読み込んだわけではありません。
 768kHzは必要ないとしても384kHzであれば64fsまで対応していますので、いわゆる32Bit分解能の出力も対応できます。
ただ、384KHzの出力がえられたとしてもSPDIFに変換するデバイスがみあたらないので、PCM信号として出力せざるをえません。
SPIDFに変換するには、現時点では192kHzが限界のようです。


AK5397では384〜768kHzの変換が可能です。

へえ〜!
最初にAK5397が44PinのQFPとしった時は、また小さいパッケージだな〜と思いましたが、いざマニュアルをみると
ピン間隔が0.8mmとデカイパッケージです。いわゆるDACなどでは0.5mmのピン間隔が一般的になっているので、
それから考えるとと0.8mm間隔はなぜか異様にデカイ感じがします。
でも、自作するほうの身になればでかいほうが半田付けは格段にらくになります。


パッケージサイズは大きいです。助かるのはピン間隔がが0.8mmと大きいです。

入力回路は?
マニュアルをみていると入力はやはり差動入力になるようです。このあたりの回路はPCM4222のときとさほど大きくかわるものではありません。


マニュアルでの入力回路のサンプル例です。


さて、パターンを描いていきましょう!

他所のAD変換機もそうなのですが、ほぼハード制御になっています。普通のDACだとI2CやSPIでソフトコントロールするのですが、
ADCの場合はほぼマイコンを使わない設定になっています。おそらくS/Nを考えると、マイコンは使いたくないということかな?
それとも、DACに比べて変更するところが少ないのかな?
いづれにしてもハード設定だけだとパターンは複雑になりますが、ソフト開発が要らないのであとが楽です。


一通り描いてみました。

特徴は?

マニュアル通りの特徴のない構成になっていますが、アナログ5Vの電源はLT3042の超低ノイズレギュレータを用いています。
ディジタルの3.3Vは普通の3端子レギュレータです。OPアンプを動かす電源は±8V程度でいいでしょう。
そこから、アナログ5Vとディジタル3.3Vを調達しています。

基板が到着しました。

基板が到着しました。・

部品もDIGIKEYに注文していたものがとどきました。
パッケージの説明には192kHzとなっていますね。おそらく通常の64fsを前提とすれば192kHzまでということかな?

DIGIKEYからAK5397もとどきました。

AK5397のいいところはパッケージサイズが大きいのでハンドリングがしやすいです。
ピンピッチも0.8mmなのでSO-IC並みのゆったりさです。0.5mmになれてくると、おちゃのこサイサイですね。

AK5397は0.8mmピッチと大きいサイズです。

まずは必要な部品を搭載しました。

まずはこんな感じで完成しました。

お出かけ用の写真をパチリ

動作確認のためにセッティングパラメータを確認しておきましょう! 2018.5.8

基本的な設定として、192kHzサンプル、I2Sフォーマットでの設定としました。

設定の様子です。

電源ON!
さて、早速電源を入れてみましょう。動作確認のためにDACの接続が必要ですが、DAC4490-5をつないでいます。

まずはDAC4490-5を出力DACとして接続しました。

まずは無事動作しました。入力に正弦波と三角波をいれて入力信号とDAC出力とを比較してみました。


正弦波(1kHz)入力: アナログ入力(CH1:下)、DAC出力(CH2:上)


鋸波(1kHz)入力: アナログ入力(CH1:下)、DAC出力(CH2:上)


入力電圧をあげると
入力電圧をどんどん上げていき、およそ4Vを超えだすと出力がクリップ(飽和)しだします。
出力が飽和すると基板上のOVFのLEFが点灯します。

入力が過大になるとDAC出力が飽和します。


入力が過大になると、OVFのLEDが点灯します。

さて、動作確認ができました。

消費電流を確認 2018.5.9
 
正負電圧の消費電流を確認しておきました。192kHzでのサンプリング速度で実測値は
+15V:174mA
−15V:30mA
でした。+15VはADCのディジタル、アナログで部で使われるのでそれなりに消費電流は多いです。
-15VはOPアンプだけなので30mAと少ないですね。

(つづく)