ACS712を試してみました。 2017.9.1
ホール素子を用いた電流センサが秋月から販売されていたので買ってみました。
一般の電流センサはシャント抵抗をつかって、両端の電位を計測する方法が多いのですが、
これは絶縁タイプです。すなわち電流の強さを磁場で計測(ホール素子で検知)しています。
こんな構成です。電流線の横に配置したホール素子で磁場を計測します。
メーカはアレグロマイクロシステムという会社ですが、米国に本社をおいているようです。しらなかった〜。
5AタイプのACS712ELCTR-05B-Tを買ってみました。
とりあえず動かしてみましょう!
チップパッケージはSO-8なので変換基板にとりつけます。手元の変換基板では
すこしランド間隔が広かったこともあり、すこし変則的な取り付けを行いました。
こんな感じで取り付けです。
電流を流して測定してみましょう!
適当につなぎこんで測定開始です。
電流入力は電流値のわかる電源を接続しました。一応そのまま接続すると電源からみると
ショート状態になるので、すこし負荷のつもりで0.47Ωの抵抗をはさみこみました。
あまりショートの状態とはかわりませんが(笑)。まあ、気は心ってやつです。
ACS712の電源は別に5Vを供給してやります。そして、電圧出力をテスターで測定です。
あれ?
測定結果はこんな感じです。あれ?感度が0.170V/Aですね。
カタログでは185mV/Aになっているのに、なんでこれだけちがうのだろう?
測定結果です。
直線性はあまりよくありません。カタログスペックでも1.5%です。これは
測定する側の精度もあるので上記は参考に。
電流計の精度の問題かな?
感度がカタログに比べて大きく違うのが気になります。電流計の狂っているのかな?というのがまず
おもいついた疑問。で、調べてみました。
電流計は無罪。
電源の電流とテスターの電流計を比較してみましたが、同じ値です。ということは電源の電流計は問題なしだな〜。
2つの電流計の値は同じです(最小桁は1つちがいますが、これはディジタル表示の問題でしょう)。
パターンレイアウトの問題?
この素子がホール素子を用いていることから、ひょっとしてパターンレイアウトが悪いと
パターンからの磁場を拾ってそれで誤差がでるのかな?ということも考えられるかもしれません。
ということで、すこし電流の流すレイアウトを変更してみました。
BEFORE。黄色線のようにICの裏で平行なパターンがある。
AFTER。足から直角に電流を流すように変更。
これでOKかな。
こんどは感度が0.188V/Aになりました。カタログ上ではMIN 0.180V/A、MAX 0.190V/Aなので
スペック範囲ないです。
感度がカタログと合いました。
なるほど、ホール素子をつかった電流センサを使うときは配線に注意しないといけないですね。
ただ、感度が変わるだけなのであとで補正すればいいだけかもしれませんが、このICは内部で
温度補償もしているので、やはり所定の感度になるように配線しないとまずいでしょう。
ひとつ勉強になりました。
さて、どのようにつかうかな〜
(つづく??)