思い出したようにRenew A12Aを作るの巻き 2018.12.4
いままでの検討状況
A12アンプはLH0032の等価回路を参照したアンプユニットで、高速動作が可能なのと抵抗の部品点数が少ないので
部品の準備が簡単ということもあり気に入っている構成です。ただ、難がひとつあって入力のFETを選ぶということです。
いままではストックの多い2SK246をつかっており、それでは発振がおこりませんでしたが、その他のFETでは高い割合で
発振は生じてしまいます。
発振を抑えるためには、色々と対策がありますが、そのうちの一つとしてLH0032のデータシートにあるように
入力の+−間に270Ωと0.01uHを直列に入れる方法があります。
データシートに記述してある、位相補償回路です。入力の270Ωと0.01uFに注目。
この程度の追加なら、基板の裏面で空中配線をしてもいいのですが、この位相補償回路を入れ込んだパターンの
基板をつくってみました。ずいぶん前ですが・・・・
新しく作ったRenewA12A基板です。最後に”A"をつけて区分しています。
上図のRcとCcが位相補償用の抵抗とコンデンサを実装する箇所です。
半年以上前に作ったものですが、ようやく手をつけられそうです。
組み立ててみましょう!
それにしても半田付けという作業もひさしぶりな感じです。今年は引越しもあったし仕事もバタバタしたし、
時間はないことはないわけではなかったのですが、半田ゴテを握るということからすこし遠ざかってしまいました。
でも、やはり一度握ってみると楽しいですね。やはり自分は自作が大好きなんだと実感できます。
片チャンネル分を作ってみました。まだ位相補償回路は搭載していません。
動かしてみましょう!
まずは定番の2SK246をつかって動作させてみました。使用したランクはGRです。
まずは2SK246GRを搭載して動作させてみます。
2SK246はいつも使う素子ですし、とくに発振もなく問題なく動作しました。
発振もなく問題なく動作しました。
次は問題の2SK369です。
これは、以前に発振が盛大に起こったFETですが、これを使ってみましょう。
位相補償回路はデータシートと同じで270Ωと0.01uFを使いました。
Rcに270Ω、Ccに0.01uFを実装しました。
FETは2SK369に交換しました。
発振は抑えられますね
今回のアンプではゲイン11倍のアンプとしていますが、発振は起こってないようです。
ただ、大振幅だと発振がめだたない場合もありますので、入力信号を絞って入れて
みましたが、とくに発振している状況はみえませんでした。
小信号の入力でも発振はないようです。
やはり位相補償回路って効きますね!
随分昔に購入した2SK880で試してみましょう! 2018.12.5
いつかったのか忘れてしまった一品です。
たしかJ-FETが手にはいりにくくなったときに、チップタイプでもいいので購入しようとしたのかもしれません。
昔にかった2SK880です。
東芝の石だったんですね。AUDIO帯域のローノイズ用のアンプ向けのようです。
変換用のアダプタを作りましょう。
SMDタイプのFETが取り付けられるようにアダプタを組み立てましょう。短く切った基板とピンを組み合わせてつくります。
これらの部材をつかって変換アダプタをつくりました。
チップトランジスタを取り付けた状態です。どこに取り付いたかわからないですね。
2SK880を動かしてみましょう!
さっそくRenew A12Aに差し込んで動かしてみましょう。
こんな感じで取り付けて動かしましょう。
位相補償があっても周波数特性は良好なようです
色々と周波数を変えて入出力を確認してみました。もちろん発振は起こっていません。
だいたい-3dBの周波数域は1MHzといったところのようです。
周波数 10kHz 上:出力 2V/div 下:入力 500mV/div |
|
周波数 50kHz 上:出力 2V/div 下:入力 500mV/div |
|
周波数 200kHz 上:出力 2V/div 下:入力 500mV/div |
|
周波数 500kHz 上:出力 2V/div 下:入力 500mV/div |
|
周波数 1MHz 上:出力 2V/div 下:入力 500mV/div |
両チャンネルを実装しました
片チャンネルで動作を確認したので、両チャンネルを組み立てました。
一応入力のFETは両方ともソケットにしています。
両チャンネル分を組み立てました。
組み立てたあとはバイアス電流とオフセットを調整して完成です。オフセットはパワーアンプではないので、
10mA程度に設定しました。エミッタ抵抗は10Ωなので抵抗の両端電圧を100mV程度に設定です。
FETは2SK170を挿しています。
ついでに周波数特性を測ってみました。20〜500kHzの間で-1dB以内の特性なのでオーディオとしては
十分でしょう。低周波側をもうすこし延ばしたい場合はコンデンサの容量を大きくすればいいでしょう。
現状では1uFのフィルムをとりつけています。
周波数特性も問題なしです。
こんな投稿も 2018.12.10
A12回路の中ではトランジスタを3個直列に接続して約2Vの電圧降下を得ている部分があるのですが、トランジスタの
変わりに発光ダイオードに変更しては?という提案ですね。赤色のLEDの場合は順方向電圧は約2.2Vなので
ほぼ同じような電圧降下を得ることができます。
パターンの変更自体はできない(新しく作る予定がない)のですが、赤色LEDでも動作することを念のため試してみました。
トランジスタを外して赤色LEDに変更!
Q7の部分に赤色LEDを差し込んで、Q5からQ7にジャンパーを飛ばしました。動作させるとLEDが点灯するので動作していることが
わかる点はいいかもしれません、
このような感じでLEDにとり変えました。
通電するとLEDが薄暗く点灯しします。
動作は
トランジスタが発光LEDに変わっただけなので、動作としては問題ありません。
トランジスタをつかうかLEDを使うかは好みの問題でしょうね。価格的にはLEDの方が安いかもしれません。
ちなみにVfの大きい白色LED(Vf=3V以上)をつかうとどうなるかな?と思わず考えたりしましたが、
あまり動作点としては変わらないかな?
動作としては問題なしです。当たり前ですが・・・・
(つづく?)