ちょっと Tea Time !? サブウーハを試してみる! 2021.9.9

気持ちのいい低音を再生したい!

 20年以上前になると思うけれど、オーディオに凝りだしたころはスピーカばっかり作っていて、それこそ
月産ペースでした.中でもFOSTEXのFW208を2発で作ったトールボーイはかなり気持ちのいい鳴りっぷりでした.
なにがよかったかといえば、たまたま箱とバスレフポートの相性がよかったのか50Hzあたりで見事に共振します.
すなわち共振点になると、スピーカのコーン紙の振幅がほとんど止まり、バスレフポートからのみ盛大に低音がでる状態です.
なぜ、コーン紙が振動していないのにポートから風圧を感じるのかが不思議でしたが、これが共振というやつなのですよね.
で、おそらく50Hzあたりがすごく盛り上がる特性だったこともあり、POPなんか聞くととても低音が豊かで気持ちのいい鳴りっぷり
でした.ただ、当然のことながら50Hz以下は見事に出ませんでした.
.
 いま使っているスピーカは18cmウーハをダブルでつかったバスレフで、共振点は47Hzにありますが、さほど強く共振している
状態でもないのでそれ以下の周波数も再生できているのですが、以前に作ったスピーカに比べるとやはり低音が物足りない感じです.

音楽はやはり気持ちよく聞きたいですから、豊かな低音がでてほしいものです.
ということで、サブウーハを導入してはどうだろう?ということで試してみることにしました.

ヤフオフで落札!

サブウーハを導入しても、やっぱり期待はずれになってしまう可能性もあり、まずはお試し気分で安く入手することを考えて
ヤフオフで物色です. 設置スペースを考えると縦長なものがいいので、BOSEのバズーカ砲みたいなものも考えていましたが、
人気があるのか結構な値段になってしまいます. ということで、あまり誰も手を出していないような物を物色して落札です..
オークション終了間際に開始価格で入札して、そのあとはお風呂に. もし誰かが高値更新したら縁がなかったということで
諦める程度の軽い感じでの入札です. でも風呂から上がったら落札していました. 縁があったのですね.

まずったかな?

落札したのは下図のようなDENONの20cmウーハが2個ついたサブウーハです. これが気に入った理由は
スピーカが前面にある点. 取り外しができますからね. もし、使えなかったらスピーカだけ取り外して、ということもできます.
で、まずったのが落札したあとで調べて気づきましたがウーハのエッジが上下で違うらしいです. なにやら高調波歪を打ち消すために
上のウーハのエッジは凸で、下のウーハのエッジは凹になっているようです. 同じウーハじゃないんだあ〜.ちょっとまずりました.

でも、スピーカが前面にあるおかげで、置き場所にこまるようなら奥行きを短くすることができます. なんせ奥行きが410mmもあります.
メインのスピーカが300mmしかないので、サブウーハだけ10cmも飛び出すのはちょっと違和感がでてしまいます.


DSW-707というサブウーハを落札しました.

とりあえず到着待ちです.  楽しみが一つ増えた感じで嬉しいです.

おもちゃ到着! 2021.9.11

予想より早く到着しました。重たいのでしばらく玄関においておいたら、
「邪魔、2階にもって上がれ!」と妻からオーラがでていたので、早々にもって上がりました。重い〜。
でも、いつも思いますがオークッションで送る方は梱包やなにからで大変だなあ〜。

こんな形で届きました。

中身の確認です。とくに大きなキズなどもなさそうです。普通の中古品といった感じです。
もともと、少々のきずなんかは気にしませんが・・・。どちらかといえば、大きなキズがあっても
機能に問題なければ、その分安くなるのでありがたいのですがね。


大きなきずとかもなさそうです。

動作確認してみる

出品者に到着の連絡をするためにも、まずは簡単な動作確認です。
ウーハを触ってとくにボイスコイルなどとの接触がないかを確認です。
で、気づきましたが結構ダンパーが堅いです。こんなもんかな〜。
以前に買ったSCANSPEAKの18Wなんか、ダンパーゆるゆるだったけどな〜。

コーンも動かしてみましたが、とくに問題なしです。


音出し!

発振器につないで、LINE入力で音出しです。とくに問題なく音もでました。ボリュームもフィルターも
調整できるようです。
とりあえず、動作品であることが確認できました。 この時点で出品者に受領連絡です。

再生周波数は?

発振器につないだついでなので、再生周波数等を調べてみました。
まず、ポートの共振周波数は34〜35Hzにあるようです。このあたりの低音がかなりでます。
この周波数帯ではコーン紙の振動は最小になっています。

さらに周波数を落とすと、コーン紙の振動が大きくなりますが音はどんどん小さくなってきます。
再生としては30Hzあたりが限界のようです。28Hzになるとほとんど音がでていません。
まあ、このあたりの周波数は聞こえない可能性もあるので、再生できているかどうかとはあまり関係ないかもしれません。
取説からは下限が20Hzとあるので、レベルは小さいでしょうが再生はできるのでしょう。

フィルタの調整は50〜200Hzで設定できるようですが、発振周波数を40Hzにしてフィルターを弄りましたが、
ほとんどレベルが変わらないようです。結構急峻なフィルターが入っているようです。

うれしいことに
届くのは本体のみと思っていましたが、付属品も入っていました。
なかでも、一番嬉しいのは取説がはいっていたことです。ネットで探してもでてこなかったので諦めていましたが、
取説があるとなにかと安心です。

DSW-707の取説


RCAケーブルとスピーカケーブルも入っていました。
取説がついていたのがなにより嬉しいです。

とりあえず鳴らしてみる
まずは空きスペースに差し込んで、手っ取り早く接続しやすいところで2WAYのスピーカに
接続して鳴らしてみます。すこし、スピーカの前列から飛び出していますが、ラックよりかは
引っ込んでいるので設置そのものには問題はなさそうです。まあ、奥行きが小さいことに
こしたことはありませんが。

空きスペースに差し込みました。

低音がでるといいな〜

2WAYとサブウーハと一緒に鳴らすと、最初はすごい違和感を感じました。一つには今まで聞いていた音と全然
違うことももありますが、サブウーハ側のフィルターの設定が低すぎたようで、2WAYの低音とサブウーハ
の低音との合間に大きな谷間ができていたようで、2つのスピーカばバラバラに鳴っている感じです。そこで
サブウーハのフィルターを高目にすることでいい感じになってきました。このあたりは、マイクをつかって
測定してみないとだめですね。変な周波数特性に耳が慣れてしまったら、なかなか元にはもどせそうに
ないので。

で、小型の2WAYにサブウーハを追加すると一気に音が豊かになります。本来なっているはずの楽器の音が
ちゃんと聞こえますし、漂う空気がちがいます。いままで、スピーカセレクターで2WAYを選んでも、「ああ、こんな
音だったね」と素通りすることが多かったのですが、おもわずじっくり聞いてしまっていました。

中をみてみましょう!

どのようにこのサブウーハをつかっていくかを考えるためにも、まずは中をあけて構造を理解しておきましょう。
ということで、ねじ回しをもって分解にかかります。

まずは背面!


背面はパワードサブスピーカなので入力端子や放熱板がついています。


背面のネジをはずすとアンプ回路ができきました。一応、スピーカの内圧の影響をうけないように
別室の空間が設けられています。でも密閉空間なのでかなり温度上がるだろうな〜。




入力部の様子です。ステレオからモノへの変換や、プリアンプやフィルタ回路などはOPアンプをつかったアナログで構成です。
結構シンプルですね。フィルター回りのフィルムコンデンサの数が4つ程度であることを考えると、フィルタの次数は4次で-24dBくらいでしょう。



使っているOPアンプは4558です。定番ですね。


こちらは電源とパワーアンプ回路です。こちらもOPアンプをつかったシンプルな回路です。終段のトランジスタは1段です。
バイアス電圧を発生させるトランジスタはとくに熱結合はしていないようです。というかバイアスやオフセットを調整するVRがありません。
オフセットについてはDCサーボにしているのかもです。一番手前の抵抗周辺の基板が黒くなっているのが気になります。
抵抗がかなり熱をもっているのかな〜。


終段は2SC5100/2SA1908でした。Pc=75Wです。


内ケースはネジをすべて取り外してもはずれません。どうやら接着してあるようです。


つぎは前面!


バスレフポートの部分はネジを外しても取れませんでした。こちらも接着しているようです。


スピーカは簡単にとれました。防磁型なのでキャンセルマグネットがついています。
さらに磁気シールドもあります。背面にアンプがあるから、それへの影響を考えているのかな?



スピーカの取り付け穴から覗くとバスレフポートが見えます。結構長いです。ほとんど奥に届きそうな長さです。

バスレフの共振周波数は?

バスレフの共振周波数は実測では34〜35Hzでしたが、簡易式の検証もふくめて計算してみました。

キャビネット容量:  約41L
             外寸法365x560x256 で板厚約15mmなので内容積は45.8L
             アンプケース約4L
バスレフポート:   φ64×230相当
             φ45×230が2本

この諸元を下記式にいれるとf=30Hzになりました。まあ、実測に近いかんじですね。内容積は色々と入っているので
もうちょっと小さいのかもです。またポートサイズの測定値もあてになるかどうかです。
 


改造するなら

@まずはパワーアンプを取り除いて、スピーカ単体への変更
A専用のアンプを作成(LM3886のパラアンプがいいでしょう。電源も買ってあるし)
Bフィルター作成(DIV5142で高次フィルタを作成)
C専用のDACを準備(これはよりどりみどり。色々とあります)。
ここまではいいのですが・・・
D音量調整・・・どうしよう・・・・コントロールアンプの大改造になっちゃうな〜。

なんとなく、改造をしだすとシステム全体を弄ることになりそうな感じです。
とりあえずは、普通に内蔵のパワーアンプをつかってお気楽に低音を楽しみましょう!

サブウーハ雑感 2021.9.12

サブウーハを入れると低音が心地よくてつい、サブウーハのレベルをあげてしまいます。
最初はいいのですが、しばらくすると低音だけが耳についてモワモワする感じになってきます。
なんとなく空気が重い。おそらく、これが嫌でサブウーハをやめちゃう人がいるんじゃなかろうかと思ってしまいました。
サブウーハの設定レベルは勿論適正値があるでしょうが、心なしか鳴っているな〜という小さいレベルの
ほうがいいようです。切るとすこし寂しい程度がベストかな〜。
まあ、おそらくそのレベルでもかなりの電力をスピーカが消費しているとは思います。

では、わずかな低音のために、高価なサブウーハを入れるのか(中古だったので安かったですが)?
ということになりますが、所詮趣味ってそういうものですよね。コストパフォーマンスなんて関係なし。
ちょっとでも良くなることには、タイ米、じゃなかった大枚をはたくんですよね。

妻:「これ何?大きいな!」
私:「サブウーハっていうねん。これで低音がでて音がよくなるんや」
妻:「鳴ってへんやん」(鳴っていないという関西弁です)。
私:「よく聞いてみいや」
妻:「ようわからへん」
私:「・・・・・・」

まあ、興味のない人にはこんなもんですね。趣味人の受難は続きます。

(おしまい)