ちょっとTea Time!? 踏み台アンプを調べてみる! 2021.11.15

先日にオーディオセッション2021を覗いてみたときに一番印象に残ったのは踏み台のようなブツ。
最初はてっきり、説明者の演台かと思っていましたが、LED表示器器もあるしそうではなさそう。
サイズ的にはサブウーハかもと思いましたが、どこにもポートらしいものも見えません。
あとで、カタログをみたらパワーアンプでした。それも税込みで1300万円超!高ケエ!!

最初は踏み台(演台)かと思っていましたが、PLAYBACK DESIGN社のアンプでした。

スペックをみると、さすがって感じです。
なんせ4Ω負荷だと最大で1600w×2がだせるようです。

出力:1,600W×2(4Ω), 800W×2(8Ω)※バイワイヤリング接続対応
周波数特性:10 〜 100 kHz(-3dB)
S/N比:98dB (1W, 8Ω, 20Hz-22kHz)
THD+N:0.00054% (1kHz, 400W, 8Ω)
入力系統:バランス(XLR)×1
電源コンセント:IEC 3P, 20A×1
システムコントロール:REMOTE/RJ-45×1
消費電力:< 1W(スタンバイ時)/ 300W(無負荷時)/ 3000W(最大)
サイズ:W730 × D870 × H340 mm
重量:137.0 kg

メーカの取説から抜粋
 もうすこしデータが得られないかと思い、メーカサイトからデータシートを探してきました。出力電圧は最大で80V程度のようです。
そのため8Ω負荷だと出力が押さえられてしまいます。まあ、80Vに押さえたのは、コンデンサやトランジスタの耐圧を考えたためでしょうね。
それにしても、1600Wなんて一体どこで必要となるんだろう?

 

電源は230V必要な様子

最大消費電力は3000Wなので、100V電圧だと30A必要です。さすがに、家庭用のコンセントで30Aは難しいかな。
データシートからも電源は230Vが必要なようです。それでも電流は15Aになってしまうようです。エアコンのコンセントから
引っ張ってくるのだろうか?まあ、こんなアンプを使う人は、専用の配線を引くだけの経済的余裕はありそうです。

電源ケーブルはこんなものもがあるようです。でも、これって100V用では?

内部構成は

気になる内部構成も色々と写真がアップされていました。どうやら出力段はバイポーラでの5パラのようです。
このくらいであれば、自作も出来そうかな〜なんて(笑。


パワトラの間に入っている素子はなんだろう? 足が2本しか見えないのでダイオードと思いましたが、
いやいや、エミッタ抵抗の様子です。TO220パッケージの抵抗を使うことで放熱性も考えているのでしょう。
でも、この形状の抵抗って結構高いんだよな〜って、1300万円のシステムでは関係ないか!


特徴なのはパワー段に使っているトランジスタはTERMALTRACKというものらしいく、内部にダイオードが入っています。
そのため、足は5本です。このダイオードは温度補償用に使っていて、バイアス電流を一定化させるための目的があるようです。
このトランジスタはON-SEMIが製造しているようです。DIGIKEYでも500円程度で買えるので、一度使ってみるのも面白そうです。
とくに、用途がハイエンドオーディオってなっている点がいいですね。

THERMAL TRACK コンデンサには内部に温度補償用につかうダイオードが入っています。


このトランジスタはDIGIKEYでも購入可能です。

回路例としてはネットを探したらありました。バイアス電圧の正負側に補償をかけるように使われています。
ひょっとしてこうすれば、バイアストランジスタは熱結合する必要はないのかもしれませんし、うまく設計すれば
常にバイアス電流を一定化させることができるかもしれません。


harman-kardon-hk990-230-schematic-detail-power-amp-with-defective-thermal-track-transistors-marked_907277.png (1687×1047) (hifi-forum.de)

全体の内部構成は
 写真を見る限り、普通の構成という感じです。でも、サイズ的にそれぞれのパーツ(トランス、放熱板)は異様にデカいでしょうね。
しかし気になったのは、日本語のカタログにはデユアルモノ設計と書いてあったけど、モノラルアンプ2台の構成なんだろうか?
使ってるコンデンサが47000uF×6ってあったけど、片チャンネルあたり3本っていうのもおかしいしなあ〜。アンプ内部をみても
どうやら3個並列になっていて、それが正負側にあって計6個というのが正しい感じ。そしてトランスは2個ありますが、
それぞれをモノラルで使っているのではなく2個で正負の電源を構成しているような感じです。整流用のダイオードはケースの真ん中
あたりにありそうですが、ブリッジ型のものが1個だけのようです。

大きなアンプですが、内部構成はいたって普通な感じです。でも、個別にはデカそう!

今回、ちょっと気になったアンプがあったので調べてみました。
使用しているトランジスタが特徴的ですが、一般での入手も可能なようです。
面白そうなので、一度試してみるtのもいいかもですね。

(おしまい)