ちょっとTea Time !? スピーカの振動変位を測ってみる? 2019.12.13
オーディオの中でもっとも難しいのは、やはりスピーカだと思います。
というのも、スピーカが変われば一聴して、ちがう音だとわかります。
いったい、どんな振動をしているのだろう?という疑問は前からありました。
ということで、やっつけ仕事ですが、スピーカの振動を測ってみることにしました。
正確には、振動が測定できそうかどうかを確認するのが、今回のお題目です。
で、測定対象としてはいきなり現在使用しているものを使うのは移動も大変なので、
最近、秋月で買った小さいスピーカをつかうことにしました。
秋月で買った小型のスピーカです。これを実験台にしてみました。
変位測定方式は渦電流方式で
変位を測定する方法自体は、世の中に山のようにあります。レーザを使うもの、画像処理をつかうもの、静電容量をつかうもの・・・・
で、今回は手元にある機器だけをつかって測定できる方法として渦電流式を用いました。いわゆる近接センサーみたいなものです。
渦電流式で測定するには、コイルが必要ですが、これは完全にやっつけ仕事で、手元のフェライト棒(φ4mm)にコイルを適当に巻きます。
コイルを巻くには、フェライト棒を電動ドリルに差し込んで、ぐるぐる回して巻きつけます。巻き数は数えていませんが、大体300回くらいかな〜。
巻きつけたコイルの線径は0.1mmです。まだこのくらいなら扱えます。0.1mmの銅線は千石(日本橋)に売っていました。
やっつけ仕事でフェライト棒にコイルを巻きつけます。
渦電流式の距離計ではターゲットとなる金属板が必要です。アルミでも良かったのですが、
できれば磁性のある鉄板が検出感度が高くなります。で、家の中でつかえそうな鉄板を大捜索です。
鉄板見つけました!
そういえば、今朝に鮭フレークを食べたことを思い出して、ゴミ箱から空き缶を拾ってきました。
この手の缶はブリキ材なので、鉄板でできています。これのできるだけ平たいところから直径20mm
程度の円板を切り出しました。
これを切り出してターゲットにしましょう!
こんな形でターゲットを作りました。
念のため、ターゲットの重さも測っておきましょう。
重さは0.59gでした。ちょっと小さいスピーカには重たいかな?
測定にトライ!
測定のセットアップは次の通りです。
・スピーカの中央部にターゲット(鉄板)を両面テープで貼り付け
・フェライト棒にまきつけたコイルをできるだけターゲットに近接(接触はさせないように)
ちゃんと、治具をつくってやればいいのですが、まずは測定できそうかどうかの感触を得るのが今回の目的ですので、
本当にやっつけ仕事です。
で、測定の方法はロックインアンプをつかいますが、
・ロックインアンプの発振器出力(100kHz、0.1V)を75Ωの抵抗を介してコイルに印加
・コイルの両端の電圧をロックインアンプに入力して同期検波
・ロックインアンプの出力をオシロで観測(オフセットが大きいので、オシロはACモードで測定)。
測定の様子です。
測定にはやや課題があって、手元のロックインアンプはどちからといえば、低周波領域を測定する目的のものなので
あまり、高周波数での追従性はよくありません。もっとも高い時定数でも100Hzなので、ほんとうにスピーカの低周波
領域しか測定は難しいでしょう。
ロックインアンプの時定数が比較的低いので、高周波の測定はできません。
測定結果は?
まずは100Hz正弦波でスピーカを駆動して出力を観測しました。
こちらは、綺麗な正弦波が観測できています。
なんとか測れそうな雰囲気ですね。
100Hzの正弦波での変位出力。
次は矩形波でスピーカを駆動してみました。できだけ低い周波数で駆動したかったのですが、
あまり低い周波数で駆動すると、オシロの写真が撮れません。そのため30Hzで駆動して、
カメラのシャッター速度もできるだけ落として撮影です。三脚なしなので、ぶれまくりです・・・・。
でも、結果としては正弦波とはことなり、なんとなく鈍った矩形波のような波形を得ることができました。
30Hzでの矩形波でスピーカを駆動した場合。
何とか測定できそうかな?
まとめ
なんとなく測定できそうな雰囲気を得ることができました。今度はもうすこし、きちったしたもので
測定にトライしてみましょう。
・センサであるコイルの固定と位置調整ができるような治具をつくる。
・測定はアナログオシロではなく、波形の静止ができるディジタルオシロをつかう。
夜のTea Timeの実験でした。
(続けたいな〜)