Renew A12を作る!の巻き 2012.8.14
小型のヘッドホンアンプを作ろうと思い、ミニアンプ基板を探してみましたが、基板箱の中には見当たらず。
そのためディスクリA12基板(LH0032オペアンプと同じ回路)の構成で、アンプを作ることにしました。
パワーアンプが目的なので、出力段の回路もダーリントンにしているのと、汎用の差動アンプ(LPフィルター付き)
になるように若干変更しています。
一気に試作!です。
いつもの基板サイズに2回路入っています。真ん中で切り離せばさらに小さくなりますが、
切るのは結構大変です。
試作した基板の部品面
試作した基板の半田面
1回路分のアートワークはこんな感じです。出力段のトランジスタは基板上に実装もできますし、
基板の外にも出しやすいように端子も設けています。少し変則的なのは初段のQ1,Q2がインライン配置に
なっている点かもしれません、この訳はのちほど・・。
基板のパターン(1回路分)です。
回路図にするとこんな感じです。汎用的な差動アンプの構成も可能ですし、さらにフィルター付きアンプにもできるように
なっている点がよくわかるかとおもいます。実は検討中のDAC1794−6の出力アンプにも使いないな〜とも考えています。
回路図です。
一気につくっちゃえ。
部品点数も少なくできますから、夏休みの工作としてつくっちゃいましょう!
まずは背の低い抵抗からとりつけます。出力段のエミッタ抵抗には2Wの2.2Ωの抵抗を用いました。
これくらいならスピーカの駆動用にしても大丈夫でしょう。
まずは抵抗器から取り付け。
抵抗器をとりつけ終わったら、トランジスタや電解コンデンサなどの背の高いものをとりつけていきます。
背の高い部品をとりつけ。
入力のカップリングコンデンサは何をしようか少し悩みますが、部品箱を探すと以前に日米商事で買った
2.2uFのコンデンサがあったのでこれをつかうことにしました。100個で1500円だっとおもいますj。いや、
消費税が加わって1575円でした。しかし、もうすぐすると1650円(税率10%)になっちゃんうんですよね。
使用したカップリングコンデンサ
カップリングコンデンサを取り付けたあとは、Q1、Q21には直接トランジスタを実装せずに、
丸ピンソケットを取り付けました。どんなFETがいいかを聴き比べるためです。
一気に動作確認!
ここまでできたら、一気に動作確認です。まずは出力段のトランジスタを接続します。
小型の放熱板をとりつけて基板の外にとりつけました。そして、電源線をとりつけます。
今回トランジスタは汎用品のTIP31C(NPN)IとTIP32C(PNP)です。
動作確認のための接続。
FETには2SK30Aをつかいました。D(ドレイン)、S(ソース)は入れ替え可能なので、
とくに向きは気にしていません(笑)。
Q1,Q2にFETをとりつけ。
まあ、ご愛嬌です!
動作確認は問題なくできたのですが、バイアス電流のVRの回転方向が逆でした。
右に一杯回した状態が最小値になるようになっていました。まあ、ご愛嬌です。
念のため、周波数特性なんかもみておきましょう。入力に正弦波をいれて測定しますが、
200kHzでもほとんど減衰はありませんから周波数特性としては問題なしです。
ちなみに、製作した基板はゲイン11倍にしています。
f=20kHz、下(入力)、上(出力) f=200kHz、下(入力)、上(出力)
ステレオ構成に!
動作確認ができたところで、こんどはバラックの状態ですが試聴の準備です。出力トランジスタを
とりつけると同時に電源線も両チャンネルにいきわたるように配線します。この配線は基板の裏でおこないました。
左右に電源線をとりつけます。
そして、出力にヘッドホン端子をとりつけて試聴の準備は完了です。
こんな感じで試聴の準備は完了。ソースはFFDAC1795を使っています。
どのFETがいいかな?
今回の基板作成の目的の1つでもあるFETの聴き比べです。いつもはあまり銘柄は気にしていませんが、
色々と手元にあるので、どれが自分の好みにあいそうか試してみることにしました。
試したのは下記の5種類です。このなかでDUAL FETがありますが、これがはまるようにQ1,Q2をインラインに
配置しています。
2SK30A(Y)。秋月で購入 DUAL FET 2SK150(BL)
2N7000。汎用FET。秋月で購入 2SK246(BL)。秋月で購入
2SK170(BL)。秋月で購入
聴き比べの音楽ソースは軽快なリズムの大黒マキさんのナンバーから選んでいます。
1.まずは2SK30Aから
音質比較といっても、絶対比較なんかできないので当然のことながら相対比較になります。
それも主観まみれになりますが(汗)。まあ、きにせずにトップバッターは2SK30Aを選んで、
まずは採点の基準つくりです。
さて、2SK30Aで試聴してみました。破綻なく鳴りますし、かなり音質もいいです。
でも、普通といえば普通です。よし、これを基準にするぞ〜。
2.2SK150Aはいいな〜
次は2SK150Aです。実は今回の試聴の本命です。そのためプラシーボ全開の感想です(笑)。
でも、いざ聴いてみるとプラシーボとはいいがたい差を感じました、まずは、音がキラキラして高音の
伸びが違います。音の迫力も、ガンガン目の前に迫ってきます。古い素子ですが、いいですね。
おもわず試聴を忘れて聴き続けてしまいました。
2SK150Aはいいです。
3.2N7000は普通だな〜
次は2N7000です。これはいわゆるN−FETの汎用品です。試聴しると、普通に鳴るのですが
なんとなく透明感が低い感じです。2SK150Aの後に聞いたから感じるのかな?これでも過不足は
ないのですが、ちょっと面白みに欠けます。
http://akizukidenshi.com/catalog/g/gI-03918/
4.2SK170もいいね〜
次は部品箱に眠っていた2SK170です。試聴してみて、最初の印象は「落ち着いた音だな〜」です。
まず音楽がゆっくりと流れます。それでもってクリヤーで細かい音もよく聞こえます。
これはクラシック向きにはいいかもです。マキさんの音楽とはちょっと趣きが異なるかもしれません。
2SK170です。
5.2SK246も捨てがたい〜
最後は2SK246です。これも来ましたね〜。音がキラキラして明るいです。
爽快感を感じますし、音の浸透力もあります。音としては2SK150Aに近いかもです。
どれにしようかな?
聴き比べてみて、優劣はつけがたいけと2N7000以外ならどれもよさそうな感じです。
まあ、素子を固定せずに気分に応じて取替えられるようにしておくのがいいかな〜。
一応・・・
お出かけ用の写真も撮っておきました。
(つづく?)