Renew Discrete AMP シリーズ復活?の巻き。 2015.7.1

Renew Discre IVをつくっていて、ムラムラっと他のディスクリ基板も表面実装部品に
こだわったものを作りたくなってしまいました。
 ということで4つの特徴のある基板を一気に描いてみました。

A1タイプ 標準的な構成の
2段差動増幅アンプです。
A2タイプ 初段をダイヤモンドブリッジ
にした回路です。高速です。
A6タイプ 電流アンプです。超高速です。
A2の動作安定化を図ったような回路です。
A12タイプ お気に入りのLH0032等価回路のアンプです。


あ、忘れてた。

これらの基板を作っても、評価用の基板もなければ動作が面倒です。
以前にリリースしたものもありますが、ついでにリニューアルしましょう。


ついに・・・ 2015.11.2

長年つかっていたPCが逝ってしまいました。環境の移行に丸一日かかってしまいました・・・。


思いたって・・・

ディスクリアンプを見直しているついでに、お気楽なヘッドホンアンプを作ってみたくなりました。
電子ボリューム(LM1972)とDUALオペアンプを使用したアンプです。これでも、小型のスピーカなら十分に鳴らすことができるので、
ディスクトップにいいかな〜と思っています。


電子ボリュームとの組み合わせでおきらくなヘッドホンアンプを描いてみました。


本題に戻って・・・

 
ディスクリアンプ用の評価基板も作っておきましょう。

簡単な差動アンプでLPFも構成できるようにしました。さらにMUTE用のリレーも搭載できるようにしました。

 ディスクリアンプ用の評価基板です。

しかし、勤務環境が変わって、ほんとになかなか作業が進まないこのごろです。

ベタを塗って完成させましょう!


こちらはオキラクヘッドホンアンプ HPA1972mk2です。



こちらはディスクリアンプ用評価l基板です。


ディスクリアンプ群もベタ塗りできました。

ディスクリアンプについてはステレオ分として2枚一組にするので、ちょっとレイアウト変更が必要です。


こんな感じで2枚一組になります。出力側をミシン穴にしています。

基板ができました。 2015.12.19

ディスクリ基板は2枚しか写っていませんが、全部で5種類あります。

組み立てていきましょう! 2015.12.20

まずはベースプレートから組み立てましょう。これがないと、個別の基板の評価ができません。

まずはベースプレートから組み立てていきましょう。

もんだいはどのような回路にしようか?ということです。このベース基板では差動入力もできますし、
もちろんシングル入力でも使用可能です。
まず、最初に個別基板が評価できるようにようにと、単純な5倍の増幅率をもつシングル入力のアンプとして
動作できるようにベース基板に部品を実装しました。NFBの抵抗の組み合わせは3.9kΩと1kΩの組み合わせです。
組み立ては部品点数も少ないので、短時間で組みあがりました。

まずはシンプルなシングル入力アンプとして組み上げました。お出かけ用の写真をパチリです。

とりあえず

これ単体では動作確認はできませんが、すくなくともMUTE用のリレーが問題なく動作するかどうかだけ確認しておきました。


MUTE回路の動作だけ確認しておきました。

A12基板を試してみましょう。

今回、あらたにパターンを描いたのは4種類(A1,A2,A6B,A12)になりますが、
1つづつ動作を確認していきましょう。回路的には問題ないことは確認していますが、パターンは別です。
それに、今回のパターンでは表面実装部品が多くつかえるようにしているので、思わぬ間違いがあるかもしれません。

最初はA12基板です。

Renew A12基板です。

組み立ては表面実装部品を多用すると、リードの切断の手間が不要なので意外と短時間で組みあがります。
もっとも時間がかかるのは、チップトランジスタの実装です。というのも、テープから取り出したトランジスタは大概、
裏返って机の上に転がるので、それを持ち上げて向きを整えて・・という細かい作業に手間取ったりします(笑)。

とりあえずRenew A12基板が完成です。

入力のFET以外はチップ部品をつかいました。トランジスタは秋月で売っている2SC2712/2SA1162です。
位相補償用のコンデンサも秋月のチップセラミック(100p)です。
チップ抵抗も、手持ちのものを多用しているので定数もかなりいい加減です(笑)。
もともとの設計値で470Ωのものを510Ωにしています。また750Ωも同じく510Ωです。
このあたりは、かなりの融通があります。

表面実装部品を多用しています。

ベースボードに実装してみましょう。

ベースボードにコネクタで差し込んでみるとこんな感じです。

ベースボードと合体です。

通電していきましょう!

まずは1枚を差し込んで動作確認です。

動作確認の状況です。

アンプの増幅率は5倍に設定していますが、問題なく増幅されていることがわかります。
また、オフセット調整については、トランジスタのペアリングはしていませんが、VRを少し動かした位置で
ゼロ値になりました。

問題ないですね。上が出力(5V/div)、下が入力(1V/div)です。1kHzです。


100kHzの入力時です。周波数特性も問題なしです。

つぎはどの基板かな?あれ?

次はA6B基板ですが・・・・

ひと目みて何か違和感があります。どうやら不要なランドがあったみたいで、というより不用意に打ったNFBライン
のランドが負電源ラインに干渉していました。ということで、ドリルの歯を使ってグリグリと削除です。
φ3mmのドリルで手で3〜4回ほど回してざぐりして修正です。

こんなところにミスがありました。

まずは完成です。
A6B基板も表面実装部品を多用しました。

A6B基板が完成です。

動作確認をしてみましょう。

ベース基板に取り付けて動作確認です。
問題なく動作しました。

動作確認の様子です。

あとはひたすら作っていきましょう!

A1基板です。

A1基板が完成。これも動作確認完了です。

A2基板です。
これもA6Bと同じミスがありました。同様にドリルの歯をつかってグリグリと修正です。

A2基板を修正しました。


A2基板も完成。動作確認完了です。

少し物理的な特性をみてみましょう!

入力に矩形波を入れて、極力位相補償のコンデンサの値を小さくして特性をみてみましょう。
コンデンサ無しの場合の発振の有無の確認も目的の一つです。
以前にも同じような調査をしましたが、今回は表面実装部品をつかったこともあり、再測定です。

位相補償Cなし(f=100kHz) C=15pF(f=100kHz) C=15pF(f=500kHz) C=15pF(f=1MHz)
A1
すこし発振しています。


Cを入れると発振が収まりました。
写真はボケボケ(笑)。




A2
結構発振しています。

Cを入れると発振が収まりました。


結構すばやい立ち上がりです。
A6B
C無しでも発振はないようです。

イコール条件ということで15pFを入れました。
A12
位相補償なしだと、盛大に発振しています。

Cを入れると発振収まりました。


なかなかいい立ち上がりです。

一応周波数特性もみておきました。
オーディオ帯域ではまったく問題ないのですが、ここまで調べたのでついでです。
すべて位相補償用のコンデンサを15pFいれています。-3dB振幅が落ちた周波数の値です。

周波数特性
A1 4.8MHz
A2 7.2MHz
A6B 2.1MHz
A12 6.0MHz

周波数特性は、なんか上の特性とj感覚的にマッチしないところがありますが、
振幅だけをみるとこんな結果になりました。

そろそろリリースできるかな?

(つづく?かな?)