GWオフミの巻き 2008.5.3

今日は久々のオフミ。場所は豊中のDora氏邸である。
今日の小生の出し物はDAC2台と電子ボリュームプリということで、トランクケースに詰め込んだ。
車で行くのなら、適当な梱包でいいのですが今日は飲み会付きということで、電車で出陣します。

トランクには一杯シール張っていますが、これを買ったときはあまりにも地味だったので、
すぐに自分のものだとわかるように手元にあるシールを片っ端から貼ってやりました。
気付けば、ちょっとリゾート用の雰囲気。仕事には使いづらくなってしまいました(笑)。

集合は曽根駅に10:00。こんなトランクもってたら大抵は蛍池で降りると回りは思うだろな〜とおもいつつ
曽根駅に下車。いや〜曽根駅なんて大学生のときはたまに遊びに来ましたが、それ以来なので20年ぶりくらいです。
駅そのものが高架になっているし、道路も大幅に拡幅されていて周囲は大きく変わってしまいました。

曽根駅からはDora氏の車で移動です。
 
 中身は怪しげな装置です。          大きくかわった曽根駅周辺

さっそくオーディオルームへ!

Dora氏のオーディオルームは初めてでしたが、これぞ趣味の部屋!って感じです。
ちなみに今回のオフミでつかったスピーカは写真中央のオーディオフジックの小型のブックシェルフです。
うまくセッティングされていて、そのサイズからは想像もつかないほどの音がでていました。

しかし、雑誌でしかみたことのないような機器がところせましとびっしり置いてあります。
それも専用の防音部屋なのでかなりの音をだしても大丈夫そうです。うらやましい〜
 
オーディオルームに入った瞬間、その機器の多さに圧倒されてしまいます。         今回の試聴につかったスピーカ。

オフミ開始!

オペアンプの聴き比べ!(その1)

午前中のコマはオペアンプの聴き比べ(その1)です。
すでにDora氏が予選で絞り込んだ16個のオペアンプを一気に聴き比べるという、ちょっとして体育会系のひたすらランニングみたいな感じの内容です。
ちなみにこれらのオペアンプはすべて慣らし済みとのことです。すべて交響曲を24時間以上大振幅(クリップはしないレベル)で通電してあり、
予選時も12時間以上は通電!もし慣らさないと今回1位の物でも予選落ちするらしいです。
OPA134なんかは「捨てたろか!」と思うほどひどい音らしいです。この予選と慣らしだけで2ヶ月近くかかったということで、Dora氏の情熱には
感服してしまいます。

厳正に選ばれたOPアンプですから、比較試聴も厳正に行われます。
交換時には「はい、目をつむってください」という注意がはいります。ずるはできません。
16個のオペアンプを聴くだけならいいのですが、合間に基準オペアンプ(NSのLM741)を入れますので、都合32回連続して聴くことになります。

試聴用のディスクは曲が長いと大変なので、ちょうど1分間で完結する女性ボーカル物(I's CUBE 羽 (TV mix))が選ばれました。
どうやらNHK−BSの番組で使われたもののようです。


試聴につかったオペアンプ群

試聴につかわれた機器はスピーカは先ほど紹介してオーディオ・フィジック(Audio physic Brilon)。
CDトランスポートはP-0s(写真右下)。これは動作時に独特な音がします。
DACはPurcell+Delus(176.4KHzまでアップサンプル:写真中央下))。
プリアンプはクラウン IC150A(写真中央上)のもので、これのオペアンプを取り替えて試聴します。
このアンプは複雑な帰還回路を持ったACアンプらしいです。
またもともとの電源電圧が18Vだったようなので、3端子レギュレータを15Vに変更して、
他の一般のオペアンプが使えるように改造してあるとのことです。オペアンプは取り替えられやすように
TEXTOOL(ゼロプレッシャーソケット)がつけてありました。
パワーアンプもクラウンD150(一番手前:半分切れている)です。


試聴時の機器構成


下側がP-0s。これの動作音は特徴的です。


クラウンのプリアンプのオペアンプを取り替えて試聴しました。

採点方法
各自に配られた採点表はこれ。最初の試聴時にはOPアンプ名はわからない状態で聴き比べをします。
そして741を基準として、非常に良い:2点 〜 非常に悪い:−2点 の5段階で採点していきます。
そして、16個の比較試聴が終わったのちに、全員の結果を集約した後、OPアンプ名が公開されました。
と、書くと簡単ですが、やり始めると大変です。

比較試聴は大変!
最初の1、2個はいいのですが4個あたりから、「まだ3/4残っている・・・・」。
そして8個終わったら「やっと半分だ!!!!」。
そして残り2個くらいになって「もうすぐ終わる。がんばれ!」
といった感じです。ほとんど体力勝負の世界です。
たぶん後半は集中力はかなり落ちているだろうな〜。


各自の採点表。

ちなみに16個のオペアンプと16回基準オペアンプの1分間ソース試聴で約1時間強かかりました。
終わった時にはちょうど昼過ぎ。食事をしながら、採点結果の発表と相成りました。

結果はいかに!

計7名の被験者(?)の結果をまとめたのが下表の通りです。
成績がよかったのがTL071,OPA134、LME49710など比較的安価なものばかりです。
反対にビンテージ物が成績がよくなくて、みなさんホットしたご様子。なんせ、それがいいとなると、
いくらお金があっても足りないですからね。ちなみに下のAは小生です。

オペアンプ聴き比べ(その1)

被験者
順位 OPアンプ名 合計得点 A B C D E F G
1 TI TL071 7 -1 2 2 2 2 1 -1
1 BB OPA134 7 1 1 0 1 2 1 1
1 NS LME49710 7 0 2 1 2 0 2 0
4 NEC C4071(TL071のセカンドソース) 6 0 1 1 2 2 0 0
5 AD AD744 4 -1 1 2 0 0 2 0
5 BB OPA627 4 1 0 -1 1 1 2 0
6 TI NE5534 3 2 1 0 -1 1 1 -1
7 NS LME49710(放熱板付き) 2 -2 1 1 0 0 2 0
7 AD OP37 2 2 1 -1 -1 1 1 -1
9 BB OPA604 1 -1 1 1 1 1 -2 0
9 NS LME49710(メタカン) 1 -1 0 -1 1 1 1 0
(9) NS LM741(これが基準)
11 SIGNETICS 5534(ビンテージ品) -1 -2 1 0 0 0 0 0
11 BB OPA37(*) -1 -2 0 2 1 1 -2 -1
14 LT LT1028 -2 -2 0 -1 0 0 1 0
15 AD OP07 -3 -2 1 -1 1 1 -2 -1
15 PMI OP27(ビンテージ品) -3 1 1 -2 -1 1 -2 -1
(*)BB OPA37ではハムが発生。

オペアンプの聴き比べ!(その2)
午後の部は、Kさんがもってきたプリをつかってオペアンプの聴きくらべ(その2)です。
このアンプの回路は非反転アンプ、ゲイン10倍、位相補正なしのシンプルなDC回路構成になっています。
今回の基準となるオペアンプはその1で評判の良かったTL071系ということでNECのC4071が使われました。
今回の比較ではDUALのオペアンプも含まれます。

Kさんが持ってきたプリアンプ。スイッチでオペアンプが切り替えられるようになっています。


試聴しているときの参加者の後ろからパチリ!雛壇状に並んでいます。

このときの試聴には実は罠が仕掛けてありました。本来はオペアンプの聴き比べですが、
中に2個だけ電子ボリュームが紛れていたのです。もちろん、これは被験者はしりません。

結果は次の通りですが、まずは電子ボリュームの評価が低くてみなさん安心したようです。

成績上位にOPA2134がはいっていますが、シングルのOPA134はそうではありません。
この違いはなんなんでしょうね。その他上位はLM4692や2114など、庶民の味方が多いです(笑)。

オペアンプ聴き比べ(その2)

順位 OPアンプ名 D/S(*1) 合計得点
1 BB OPA2134 D 4
1 NS LM4692 D 4
1 JRC 2114 D 4
4 AD AD744 S 3
4 AD AD797(SOP) S 3
6 NS LME49710 S 0
6 BB OPA134 S 0
6 TI  TL071 S 0
(6) NEC C4071(これが基準) S
9 CL CS3310(電子ボリューム) ワナ -2
9 BB OPA627 S -2
9 SONY 4559 D -2
9 AD OP275 D -2
13 AD AD797 S -3
14 BB PGA2311(電子ボリューム) ワナ -4
15 AD AD811 S -5
(*1)D/S D:DUAL OPAMP    S:SINGLE OPAMP
Dual OPAMPは6時間以上ホワイトノイズで慣らし有り。
AD797,2114,4559は慣らし無し。

ちなみに、午前中のオペアンプ聴き比べ(その1)に比較して、オペアンプの差が小さいという意見が多かったです。
これは搭載しているアンプの回路の違いに依存するのかもしれません。
でも、どちらかといえば、その2はお昼ご飯を食べたあとなので、ちょっと神経が鈍っているのかも(笑)です。
実際には、目を閉じて瞑そうされていた方もおられたようです(爆)。

DAC聴きくらべ!
さて、オペアンプの聴き比べも終わったので、つぎはDACの聴き比べです。
今回、小生が持参したのはDAC1794-3.5(BBのPCM1794使用)とDAC1242(新潟精密のFN1242使用)です。
いずれもメモリーバッファーを搭載しています。フロントパネルは同じなので、小生にも区別はつきません。


小生が持ち込んだDAC2台(同じケースで同じフロントパネルです)。

比較は厳密にということで、もちろんブラインドです。音量差があると結果が狂うので、
基準音源(単音)で、音量差を1%以内にあらかじめ調整しておきます。

ここで、小生のDAC2台ありますが、どちらがどちら(PCM1794かFN1242か)は
わからない状態です。

3台のDACがありますが2台づつの比較試聴です。もう1台のDACはDelius(dCS)です。


結果は・・・・・

ヒロA(1台目)との比較は次のとおり。ちょっとうれしくなりました。

ヒロAとDeliusとの聴き比べ
ヒロ A Delius 同じ
良いと思った人 4 2 1

ヒロB(2台目)との比較は次のとおり。ちょっと残念ですが、値段差がありますから(と自分で納得)。
おもしろかったのは、P0とDAC間のディジタルケーブルを交換すると評価が変わりました。

ヒロBとDeliusとの聴き比べ
ヒロ B Delius 同じ 備考
良いと思った人 3 4 0
2 6 0 P0のディジタルケーブル変更

最後に、ヒロAとヒロBとの聴き比べです。これは明らかに違うようで、私も含め
みなさんヒロAを選択されました。

ヒロAとヒロBの聴き比べ
ヒロ A ヒロ B 同じ
良いと思った人 8 0 0

種明かし!
では種あかしです。ヒロA、ヒロBはなんだったのか?これは私が発表しました。
フロントパネルでは区別付かないのですが、バックパネルが違うのでわかります。

答えは
 ヒロA : DAC1794−3.5 (BB/PCM1794)
 ヒロB : DAC1242 (新潟精密/FN1242A)

でした。個人的には納得するような、そうでないような・・・・
まあ機器やソースとの組み合わせもありますが、ちょっと複雑な感じです。

ついでなので、Delius側はクロックリンクを入れた場合と入れない場合とでDAC1794-3.5との比較をしました。
結果は次のようですが、クロックリンクがあるとDeliusの本領が発揮されるようです。
やっぱりディジタル系のクロックは重要なのでしょう。これは後述するルビジウムではっきりすることに・・・・

ヒロAとDeliusとの聴き比べ
ヒロA(PCM1794) Delius 同じ 備考
良いと思った人 3 5 0 DELIUSはClock link 有
4 2 2 Clock link 無

内蔵介さんもDACを持ってきておられました(写真撮るの忘れました)。
PCM1704をベースとしてアップサンプリングとメモリーバッファーがはいっています。
PCM1794に比べると細身に感じることがありますが、このフォーカスの鋭い音が個人的には好きです。

ルビジウム発振器の効果

今回はわざわざMさんが名古屋からルビジウム発信器をもってきてくれました。これを基準クロックにしたらどうなるかという実験です。
本人曰く「所詮、クロックなんて絶対精度はいらないのだから、どちらかといえば位相雑音が小さい水晶の方が有利のはず」
ということで、本人もルビジウムの効果はないことを期待されていたようです。
で、接続してみて視聴すると、答えは音だしから2秒後に出てしまいました。
「ルビジウムいいやん!」という結果です。
なんか、少し音が大きくなったような感じでレンジが増した印象です。
こりゃMさん、本格的に取り組まないといけないですね(笑)、と周りからリクエストわんさかです。

ちなみにこのルビジウム発信器は触ると熱いです。なんとこんな小さい筐体で30Wの電力を消費するようで、
大きな容量の電源が必要です。


これがルビジウム発信器。意外と小さい。
動作時は熱いです。

試聴は終わって・・・

オフミの後の飲み会が5時過ぎに設定してあったため、ちょっと視聴の最後の方は時間的に余裕がなかったこともあり、
装置の中身拝見は場所を移して、飲み屋の中でやりました。


間違って醤油をかけないようにしないと(笑)。

久しぶりのオフミで、ブラインド試聴をすると結構つかれてしまいました。
でも、ブラインドだと先入観がないので自由に判断ができますので、有用な結果がえられます。

あわよくば違う条件で何回も繰り返して、オペアンプ評価順位の再現性などを確認すればより信頼性の高い結果が得られることでしょう。
とはいえ、そんなことは大変です。それにもまして今回は時間がタイトでした。
そのため残念ながら電子ボリュームなどがお披露目できませんでしたが、また次回のお楽しみにいたしましょう。

(おしまい)