NOSDAC復刻版(NOSDAC2)の開発記

ことの始まり



最近こんなDACを手に入れて遊んでみました。
1個の中に18BitのDACが2個入りです。たぶんPCM58P相当が2個分という感じでしょうか。
名前からするとPCM1702(20Bit)の前のタイプかな?

悪い虫がうずいてNOSDAC復刻版の企画をすることにしました(去年より忙しいのでなかなら進まないだろうな)。
どちらかといえば、DAC1704-4Dみたいに組み立ても難しく、コストもかかるDACではなくて
DAC基板配布の原点にもどって、できるだけ簡単に組み立てられて、それでも趣味性を失わないようにして、
また安く・・・・・という構成を考えています。
仕様: ノンオーバ & 8倍オーバサンプリング切り替え式
              PCM1700×4個で2パラ差動(ドータボード増設で4パラ差動も可)
オペアンプIV変換+LPF             
電源回路搭載(たぶん普通のレギュレータ)
     部品調達を容易にするためチップ部品は使用せず。

配布時期は未定ですが、目標はGW前?かな〜


え〜い、設計しちゃえ!

思い立ったら吉日。明日も休みなので夜更かしして勢いにまかせて、一気にパターンを書いてみました。
復刻版ということで新しい機能はありませんが、はじめてDACを作る人にも簡単なようにトランスを付ければよいだけの構成です。
基板サイズも220mm×130mmくらいです。


試作版発注!


とりあえ、試作基板はこんな感じです。いろいと追加でPADを入れています。まずはこれで動作確認予定です。
基板が仕上がるのはたぶん、2/Eでしょう。このレイアウトでは電源部は内蔵していますが、電源部のないバージョンも試作しています。
さて、簡単な電源内蔵型か、それともいろいろと遊べる電源非内蔵型か、どっちが受けるでしょうか?いまからドキドキです。

電源基板も新規設計!


ついでにLM317/337をつかった電源基板も設計しました。これは単に設計しただけです(試作には出していません)。
出力数によって3つのバリエーションがありますが、さてさてどうしたものか。
LM317/337をつかうことで、出力電圧可変になりますので、たとえばディジタル部の電圧を落としてノイズを下げるという試みもできるかもしれません。
たぶん4Vくらい下げても動くのではないかな? 


配布内容はどうしよう?
たぶん気になるところでしょうね。私もとても気になります。
というのも、すべての部品を揃えるのは大変だし、高い確率でCR類は高音質なものに変更される可能性ありますしね。
というわけで、今回も基板+IC類のみの形にしようかとおもっています。IC類はDACは勿論のこと、ロジックICや電源ICなども
含める予定です。CRだけなら、地方でも結構そろうのではないしょうか。

ちなみに現時点の配布予定価格は NOSDAC2(PCM1700 2パラ差動)電源内蔵型の基板+ICで9,000円前後でしょうか。
まあ、どのくらいの数を作るかで前後はしますので、あくまで目安です。


電源回路の入っていないNOSDAC2


一応これも試作中です。電源は左右独立する場合も考えて、入力側の端子のみ増設しています。製作完了は3/4頃です。



(2005.2.27) 来週には基板が手に入るので、いまの内に回路図を清書しました。
部品表を作って部品をいまの内に準備しておけば基板がくればすぐに試作にかかれます。
しかし、相変わらずの手書きの回路図ですが、どうも図面だけへCADに慣れません。
やはり機械系出身の性(サガ)でしょうかね(単なる歳?)。


さて、こんな感じで部品を揃えました。今回はパスコンはすべてフィルムコンデンサを使う予定なので
0.1uFのコンデンサを100個ほど手に入れました。あと、DAC基板の電解コンデンサにはOSコンをつかいます。
これは、DAC部は2階になるので、背の低いコンデンサが必要なためです。



(2005.3.2) 今日、帰宅したら基板が届いていました。いくつか種類がありますが、NOSDAC2の電源有りと無しバージョン。
そして、4パラ化のための増設ボードです。なお、一番上の基板は手持ちにPCM58Pが10個あるので、ついでに作ったDACです。
これもNOSで動くようになっています。

しかし、基板が届くととても部品を実装したくなります。週末まで我慢しようと思っていましたが・・・・・。
恐らく特急作業で2時間程度で出来るはずなのでPM9:00から作業開始です。



組み立てる基板はこちら。電源部無しのNOSDAC2です。




まずは背の低い抵抗やSOP(DF)を取り付けます。


SOP(DF)の取り付けは、セロテープで固定して半田付け!いつもはもっと横着して取り付けますが、
製作マニュアルを書くための写真撮りも兼ねているので、丁寧に作業をしています。



次はICソケットを取り付けます。本来は交換する可能性のあるオペアンプのみソケットを使えば良いのですが
なんせ初めて作る基板なので、どんなトラブルがあるか判りませんので念のためICソケットを取り付けます。


次はコンデサ類を取り付けます。写真ではわかりにくかもしれませんが、今回はパスコンはすべてフィルムコンデンサ
(ルビコンのもの)をつかいました。とくにDAC回りは2階建てになるので高さ制限があります。そのためコンデンサ
が浮かないように注意して取り付けます。



さて、あとはICを挿して完成です。一気に4パラ化用の増設ボードにも半田付け。
ここまでで約1時間半の道のりでした。やはり部品をあらかじめ揃えておくと作業が早いです。
でも、もう少し時間をかけてゆっくり作りたかった(笑)。



基板をドッキングさせた様子です。サイズが215×105mmあるので結構大きいです。
逆に大きいので結構作りやすかったですね。

動作確認

ここまで作って、電源を入れずに寝るのはとても無理なので、手持ちの電源を取り付けて動作チェック!
音の確認ではなく、最初はオシロで波形をみてチェックします。一番複雑なディジタル部はOK。
あとは簡単なDAC部とIV&LPFですが、ここにいくつかバグがありました。複雑なところは
チェックをこまめにするのですが、簡単なところほど見逃してしまうものです。
でもバグ自体も、簡単に見つかる部分であったのと修正も楽でしたのでチョイチョイと手直し。
音声出力端子から波形がでるのを確認しました。NOSモードにすると、いつものギザギザの波形が見えてきます。

さて、音だしは週末です。今日はここまで。

息抜きDAC

(2005.3.3)NOSDAC2の音だし前に、もう1つ組み上げました。PCM58PのシングルDACなので
製作もあっという間です。ちょうど息抜きにぴったしです。
それに、NOSDAC2でディジタル部のバグが無いのが判っているので動作確認に神経使う必要もないので
OPアンプ以外はICソケット無しです。


なにか特徴が欲しかったので、薄く作ってみました。部品高さ10mm以下で統一です。

新しい電源基板


(2004.3.4)LM317/337を使った電源基板です。このページの上の方にパターンレイアウトがありますが、若干違います。
掲示板でもリクエストがあったようにC-ADJの実装ができるようにしています。
新しい電源基板は2種類で1つはDAC用に5出力あるもの。もう1つは正負の2出力のものです。



組み立てた様子です。左側は以前にリリースした汎用電源基板Sで右側が今回試作したものです。
サイズや基板の端子位置は同じにしていますので、置き換えも容易です。

試聴用意!


もちろんバラック状態ですが、一通り鳴る状態にセットアップしました。
だいたい、ケースに収納したときのレイアウトも見えてきそうです。

(2005.3.5)さっそく試聴。いつも音だしのときは、緊張します。ラフマニノフのピアコンを鳴らしました。
最初の印象は「ちょっと派手目?」です。
同じBB社の18BIT−DACのPCM61Pのような中域モリモリの元気印とは少し傾向が違います。
かといってPCM1702/PCM1704のような繊細な感じともまた違う。どう表現すればいいんでしょう。
これってOPアンプ(5534)の音なのかもしれません。OPA134辺りに変えれば違う印象なるかもしれません。
でもって、相変わらずNOSと8FSの違いは判りませんでした(笑)。波形は全然違うのですがね。


NOS/11.025kHz正弦波              8FS/11.025kHz正弦波


NOS/1.1025kHz正弦波              8FS/1.1025kHz正弦波


NOS/インパルス               8FS/インパルス

ディスクリートIV&LPFに挑戦!

一度やってみたかったので、基板をつくりました。ディスクリートオペアンプ基板A1,A2と使います。
IV用にスルーレートが高いはずのA2(4枚)を、LPFにはA1(2枚)をつかいます。部品を挿して半田付けするだけなのですが
意外と時間がかかりました。発振防止のためのコンデンサはA1では220pF、A2で47pFを使いました。
A2の発振は大丈夫でしたが、A1では最初47pFをつかっていましたが、10MHzで僅かに発振していたので、容量を上げました。
部品はすべて汎用品なので、製作は1枚あたり1000円以下でしょう。トランジスタも2SC1815/2SA1015だと
5円/個くらいで買えるので、もっと安く作ることもできます。


場所もとるので、3段重ねです。下2枚がIV用で一番上がLPF&差動増幅器です。
ユニバーサル部分にLPFのCRを実装しています。下側の基板のVRは一度組むと調整ができなくなるので
一度通電してオフセットのゼロ調整したのちに組み上げます。


10mmのスペーサが使えるように電解コンデンサは寝かして取り付けます。
これで全高は40mmくらいですから、薄手のシャーシにも組み込めます(っていつになったら組み込めるかは別)。


バラックで動作確認。勿論、NOSDAC2のオペアンプはすべて抜いておきます。
全体を組み上げたのちに、オフセット調整を行います。
0.2mV以下に収まりますのでカップリング用のCは取り付けません。

どんな音がするの?

いままでの音と大きく違います。何が違うかといえばピアノ! 和音の倍音が豊かに鳴る感じです。
でも、これも5534との比較だから言えるのかもしれません。DAC1704-4Dと比較すればいいのでしょうが、
たぶん「気のせい?」という結果になる可能性も高いので、もう少し時間おおいてから挑戦したいと思います。

電源内蔵のNOSDADC2

(2005.3.6)ついでにこちらも実装しました。やはり電源回路が載っている分、全体の製作は楽です。
トランスを付けるだけなので配線もスッキリします。
でも音は電源無しNOSDAC2と少しちがいます。音の広がりが少し良いかな?という感じです。
たぶん、搭載しているコンデンサが違うからでしょう。DAC周辺にSANYOの低ESRのコンデンサをつかいました。
背が高いので寝かしています。容量を150uFと大きくしたのがいいのかな?
それとも電源部のコンデンサかな?よくわかりません(汗)。

これで、NOSDAC2の動作確認は一通り終了しました。
要修正個所も把握できたので、開発完了。いよいよ量産体制にかかります。
乞うご期待!