ES9038PROを入手しました。AK4497も!(PART-4) 2017.1.8
(前ページはこちら)
すこし前ページが長くなってきたので新しいページを立ち上げました。
ソフトの構成は
機能ブロックごとにすこしまとめました。よく使うと思われるものを最初にまとめています。
よく使うページ
Menu NO |
表示(20列×4行 SC2004) | 表示(16列×2行 SC1602) | |
#0 FRONT PAGE |
![]() |
![]() |
起動時の画面 入力信号、入力周波数、クロック状態などを表示します。 詳細については下記。 変更パラメータ:入力切替 ・SPDIF0、SPDIF1,SPDIF2,SPDIF3 ・P1(PCM),P2(DSD) |
#1 | ![]() |
![]() |
キー操作での電子ボリュームの設定を行います。 この値を有効にするには#2でのEVOL selectで設定します。 変更パラメータ:減衰値 ・(キー操作で0.5dB毎に調整) |
#2 | ![]() |
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電子ボリュームの操作切り替えを行います。 変更パラメータ: ・外部接続のVR(可変抵抗)を使用 ・キーSWを使用(#1での設定値) |
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FRONT PAGEの表示詳細 @入力信号(SPDIF0〜3、P1(PCM),P2(DSD) A入力信号周波数1 ・(SPDIFの場合はDIX9211の計測値を使用. 192kHzmax) ・PCM.,DSD時はLRCKあるいはBCKの周波数より計測 BMCK周波数 ・動作中のマスタークロック周波数を表示します。 CES9038PRO内のDPLLレジスター(32Bit)を表示します。 D電子ボリュームの設定値を表示します。 Eクロック状態を示します。 FES9038PROのDPLL値とマスタークロックから算出される周波数を表示します。SPDIF,PCMの場合は1/64として、自動的にFS値に換算します。 GDSD入力時の動作を示します。 NR:Normal-DSD ST:SHIFTED-DSD HPCM入力時のフォーマットを表示します。 I2S32,I2S24,LJ32,LJ24,RJ32、RJ24,RJ16 |
フィルター関係
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#3 | ![]() |
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ディジタルフィルターの設定を行います。 変更パラメータ:フィルター特性 l#0 Fast Roll-Off Linear-Phase #1 Slow Roll-Off Linear-Phase #2 Fast Roll-Off Minimum Phase #3 Slow Roll-Off Minimum Phase #4 Reserved mode #5 Apodizing, Fast Roll Off, L-Phase #6 Hybrid, Fast Roll Off, Minumum Phase #7 Brick Wall Filter |
#4 | ![]() |
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IIRフィルターのバンド幅を設定します。 変更パラメータ:フィルター特性 #0 1.0757fs 47.44kHz #1 1.1338fs 50kHz #2 1.3605fs 60kHz #3 1.5873fs 70kHz; |
#5 | ![]() |
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THD補償ロジックの有効/無効切り替え 変更パラメータ:有効/無効 Enable Disabe |
#6 | ![]() |
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ディエンファシスの自動設定の有効/無効切り替え 変更パラメータ:有効/無効 Enable Disabe |
#7 | ![]() |
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ディエンファシスフィルターのバイパスの有効/無効切り替え 変更パラメータ:有効/無効 Enable filters Disabe filters |
#8 | ![]() |
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ディエンファシスフィルターの周波数設定 変更パラメータ:周波数 32kHz 44.1kHz 48kHz |
#9 | ![]() |
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ノイズディザーの有効/無効切り替え 変更パラメータ:有効/無効 Enable Disabe |
フォーマット関係
Menu NO |
表示(20列×4行 SC2004) | 表示(16列×2行 SC1602) | |
#10 | ![]() |
![]() |
DSD選択時の動作モード設定 変更パラメータ:DSD動作モード Normal DSD SHIFTED DSD |
#11 | ![]() |
![]() |
PCM選択時の入力フォーマット設定 変更パラメータ:PCMフォーマット I2S 32Bit, I2S 24Bit LJ 32Bit, LJ 24Bi RJ 32Bit, RJ 24Bit, RJ 16Bit |
クロック関係
Menu NO |
表示(20列×4行 SC2004) | 表示(16列×2行 SC1602) | |
#12 | ![]() |
![]() |
マスタークロック選択 変更パラメータ:クロック選択 ・基板上の100MHz水晶を使用 ・BCK信号逓倍+ジッタクリーナー使用 |
#13 | ![]() |
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ES9038PROのジッタ除去機能の有効/無効切り替え 変更パラメータ:有効/無効 Enable Disabe |
#14 | ![]() |
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ジッタクリーナ(Si5317)のバンド幅設定 変更パラメータ:バンド幅 LOWEST から HIGHEST までの5段階 |
#15 | ![]() |
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PCM入力時のDPLLバンド幅設定 変更パラメータ:バンド幅 DPLL-OFFおよび LOWEST〜HIGHESTまでの15段階 |
#16 | ![]() |
![]() |
DSD入力時のDPLLバンド幅設定 変更パラメータ:バンド幅 DPLL-OFFおよび LOWEST〜HIGHESTまでの15段階 |
#17 | ![]() |
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DPLLのロック速度 変更パラメータ:バンド幅 1024〜16384FLSedgesで16段階 |
#18 | ![]() |
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DPLL値の表示(上段:Lch、下段:Rch) |
#19 | ![]() |
![]() |
マスタークロックおよび DPLLから計算されるFSR値を表示 (SPDIF,PCMの場合はFS換算表示) |
#20 | ![]() |
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ES9038PROでの128fsモードの有効/無効切り替え 変更パラメータ:有効/無効 Enable Disabe |
#221 | ![]() |
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BCK逓倍におけるOVC(Over Clock)、Ecoモードの切り替え。 変更パラメータ:有効/無効 NORMAL(100MHz以下に設定) OVC Enable(100MHz以上を許容) ECO (50MHz程度に設定 ※OVCモードで使用する場合は自己責任でお願いします。 |
システム関係
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表示(20列×4行 SC2004) | 表示(16列×2行 SC1602) | |
#22 | ![]() |
![]() |
システムリセット(初期化)を行います。 この画面表示のときにPARA+スイッチを押すとシステムを初期化します。 ※以前はキーを押しながら電源を入れる方法としていましたが、DAC9038Dでは電源を落とさずにシステム初期化をできるように変更しています。 |
#23 | ![]() |
![]() |
LCDタイプの設定。 変更パラメータ:LCDタイプの設定 SC1602(16列×2行モード)のLCDを使用 SC2004(20列×4行モード)のLCDを使用 |
#24 | ![]() |
![]() |
#0のフロントページへの自動復帰時間を設定します。 変更パラメータ:復帰時間 OFF,FAST,MID、SLOW ※フロントページ以外のページ表示中にキー操作を一定時間しない場合は、 自動的にフロントページに表示を変更します。 |
#25 | ![]() |
![]() |
ES9038PROのチップIDとソフトバージョンを表示。 |
ひょっとしてまだまだ変更するかもしれませんが、主要の機能は変更できるようにしました。
ふう〜、ソフトよりHPにアップするのが時間かかりますね。
MASTER TRIMの設定は?
BBSで見たような気がするのですが、ES9038は個体差があって複数個使用する場合は出力レベルがばらつく可能性があるとのこと。
実際のところはどうなのか調べてみました。もし、個体差が大きくて左右で出力差があるようならMASTER TRIMを左右で個別に調整
できる機能も必要です。
で、計ってみると・・・・
テスタを交流電圧測定モードにして測定しました。
左右まったく同じでした(同じ写真を並べているわけではないので、念のため)。
![]() Lチャンネル出力 |
![]() Rチャンネル出力 |
でも折角なので・・・
ひょっとして必要になるかもしれないのでマスタートリムを修正できる機能を追加しました。
たとえばマルチチャンネルシステムに組み込むかもしれませんしね。
マスタートリムは31ビットありますが、それらをすべて変更する必要はないので、
上位7ビットのみ変更するようにしました。
マスタートリムは掛け算の定数みたいなものなので、数値がリニアに信号レベルに対応します(ログスケールではない)。
7ビットの分解能しか調整できませんが、たとえば1だけ減らすと約1%の出力減になりますが、これはデジベル換算で
約0.1dBです。まず、人間の耳では聞き分けできないレベルです。というわけで上位7Bit分の変更のみとしました。
もっとも、普通につかう分にはマスタトリムそのものの変更も必要ないでしょう。
追加の機能
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表示 | 内容 | |
$26 | ![]() |
![]() |
Lチャンネルのマスタトリムを変更します。 変更パラメータ:Lチャンネルマスタートリム 0〜127の間で変更(規定値は127) |
#27 | ![]() |
![]() |
Rチャンネルのマスタトリムを変更します。 変更パラメータ:Rチャンネルマスタートリム 0〜127の間で変更(規定値は127) |
こうやって、どんどんコマンドが増えるのだろうな〜。
そろそろ
製作マニュアルを準備しようかと思います。これが一番の関所(笑)。
思い出しました! 2017.1.9
ES90××に出力に個体差がある書き込みはこれでした。
ちなみに、書き込み中で28%という記述があります、なぜその数値があるかというと出力インピーダンスの抵抗値は
カタログベースで202±14%(Ω)とあります。おそらく、この14%が最大、最小の組み合わせとなると最大で28%の
誤差がでるということですね。
実際にES9038PROの1chあたりの出力の等価回路は下記のようになっているはずです。
1DACあたりの出力等価回路
今回のDAC9038Dでは8パラ出力で出していますので、全体的な回路はこんな感じになります。
8パラ出力の場合の等価回路
ちょうど出力インピーダンスが25.25Ωになっています。
この回路を意識することは、外部のアンプの設計に必要です。
さて、電流出力モードでどの程度の誤差がでるかを試すために、出力に抵抗を挟んで
チェックしてみましょう。最初は手じかにあった100Ωの抵抗を挟んでみましたが、ほとんど差がでないこともあり、
抵抗値を低くして24Ωの抵抗をGND間に挟んで出力電圧を測定してみました。
測定結果はこんな感じです。測定を進めると(下になる)とすこし高くなっていますが
ほとんど測定誤差みたいな差です。ひょっとして抵抗器の発熱により差がでているだけかもしれません。
出力端子 | 出力振幅(V) (Rms) |
出力オフセット (V) |
|
L-CH OUT2B | 0.546 | 0.829 | |
L-CH OUT2A | 0.546 | 0.830 | |
R-CH OUT2B | 0.548 | 0.832 | |
R-CH OUT2A | 0.548 | 0.833 | |
計算値 | 0.525 | 0.804 | VCC=3.3V 負荷抵抗R=24Ω で計算 |
でも計算値より5%ほど高めかな?これがひょとしてロット間での誤差になっているのかもしれませんね。
出力アンプの設計は?
これは色々と選択肢がありますが、回路定数については気をつけるところがいろいろあります。
(1)電圧出力モードで使う場合
ES9038PROを電圧出力モードで使用します。これは簡単で、出力に単純な差動アンプを接続するだけです。
差動アンプ周辺の抵抗値は高めにしておけば電圧出力モードでの動作になります。
たとえば約2Vrmsになるような回路構成は下記のようになります。
電圧出力モードで使用。出力は約2Vrms。
(2)電流出力モードで使う場合(その1)
一般的なIVアンプで一旦うけて、その後に差動合成するパターンです。IVアンプの正入力側をGNDに接続していますので、IVアンプには
かなりの電流が流れこみます。このときのIVに用いる抵抗(図中では47ΩのR5,R12)についてはその電流が130mA程度流れますので
1W級の抵抗が必要です。それよりなにより、IVアンプに用いるOPアンプ(図中のU1、U2)については
出力電流が130mA以上を流せるパワータイプにする必要があります。一般のOPアンプでは無理で、パワータイプのものが必要です。
電流出力モードで使用(IVアンプの正入力はGND接続)。出力は約2Vrms。
(3)電流出力モードで使う場合(その2)
(その1)と同様に、一般的なIVアンプで一旦うけて、その後に差動合成するパターンですが、IVアンプの正入力側をVCC/2に接続していますので、IVアンプには
(その1)の約半分の電流値になります。このときのIVに用いる抵抗(図中では47ΩのR5,R12)については電流が約60mA程度流れます。
IVアンプに用いるOPアンプ(図中のU1、U2)については出力電流が60mA以上を流せるパワータイプにする必要があります。(その1)に比べて
少ないですが一般のOPアンプでは無理で、パワータイプのものが必要です。
なおVCC/2を得るためには基板上からアナログ電源の3.3Vを取り出して2本の抵抗値で分圧する必要があります。その手間をかけて電流を半分に
できたとしても、いづれも普通のOPアンプは使用できないのでパワーOPアンプをつかう前提であれば(その1)の方がいいかもしれません(VCC/2を
得る配線にノイズが乗ることと、分圧抵抗によるボルツマン雑音が発生します)。。
一応この回路構成がメーカの推奨回路になっています(ただし4パラ出力です)。
電流出力モードで使用(IVアンプの正入力はVCC/2接続)。出力は約2Vrms。
(4)IV抵抗で受けて差動合成するパターン
簡単に電流出力モードで使用する場合は、下記のように一旦抵抗でIV変換した後に差動合成するのがいいでしょう。
電流出力モードで使用(IV抵抗で電圧変換したのちに差動合成)。出力は約2Vrms。
電源は余裕がいるな〜
電流出力モードで使用する場合にはDAC基板の出力が約130mA増えます。本基板では2個搭載しているので合計260mAです。
電源には余裕を持たせることをが重要ですね。
電源容量は DAC9038D
必要な電流容量を実測してみました。
できるだけ電流を消費するモードとして動作周波数100MHz、入力PCM384kHz、出力はすべて短絡、
さらにLCDおよび2桁LEDも接続しています。DACアナログ電源で最大予想があるのは、出力電圧がピーク値になったときは
レギュレータとしてはそれだけ電流を供給する必要があるということを示しています。
電源入力 | 内容 | 消費j電流 (mA) |
最大予想 (mA) |
備考 |
AVD1 | DACアナログ電源(右) | 258 | 320 | 左チャンネル値を流用 |
DVD1 | DACロジック電源(右) | 303 | 同左 | 左チャンネル値を流用 |
DVDD | 発振、ロジック部 | 322 | 同左 | |
DVD2 | DACロジック電源(左) | 303 | 同左 | |
AVD2 | DACアナログ電源(左) | 258 | 320 | |
合計 | (1444) | (1568) |
これらの結果からわかるように、すべてを独立給電する場合でも、それぞれの電源容量として400mA程度は準備しておいた方がよさそうです。
また、すべて共通で供給する場合は合計で2A程度の電源が必要になるでしょう(実績で1527mAであったことも)。
共通電源とするならスイッチング電源がいいかもしれません。シリーズ電源を使用するなら複数の電源を準備して独立給電かな。
いづれにしても、システムとして組むには電源には注意が必要です。
ようやく
マニュアルの骨子ができあがりました。さて、どこで添削しようかな〜。
思わず、印刷したファイルをもってお散歩へ〜。
近所の居酒屋でちょっと一杯のみながら製作マニュアルの添削です(笑)。
やっぱりアルコールが入ると、作業が進みます(爆)。
製作マニュアルも出来上がりました。
これが一番大変です(笑)。でも、これを作っておかないと、あとあと何がどうなっていたのかわからなくなるので備忘録としてきわめて重要です。
連休の終わりは
ゆっくり音楽を聴いて体と心を休めましょう。Raspberry Piを持ち出してきて、接続しました。
何が流れるかわらないWEBRADIOをBGMに本でも読んで、夜更かししましょう!
ソースにRaspberry PI 3をつないでみました。
384kHzでPCMを再生しています。
WEBRADIO再生中です。
さて、あすからもまた仕事だな〜。
基板の部分拡大です。 2017.1.10
近くで写すと、結構埃が目立ちますね。
まあ、それは無視して部品の取り付けの確認のためです。
さて、そろそろリリースしましょう。 2017.1.12
ちょっと潜在しているかもしれないPICのバグが心配ですが・・・、
次は電流出力モードでつかえるようなIVアンプを検討していきましょう。
アクセサリー追加 2017.1.17
ES9038PROが結構熱くなることもありヒートシンクをつけてみることにしました。
買いに行く時間はとれそうにないのでamazonで物色して調達です。
これなんかよさそうです。
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ICに比べたら放熱板の方が大きいのですが、チップコンデンサとの干渉がないかを一応確認しておきました。
手前の小さいチップコンデンサ(0.1uF)は背が低いのでES9038PROとは干渉しないでしょう。
実際に取り付けるとこんな感じです。
なんとなくパソコンのチップみたいな様相です。
小さい放熱板ですが、チップ温度はずいぶん下がったようです。
放熱板を触るとそれなりに熱いですが、熱を心配する必要はないくらいに下がったと思います。
もうちょっと大きめの放熱板にすればよかったかな?
(つづく・・・かな?)