どんな構成にしようかな?
制御レジスターは全然ちがいます。 2016.10.22
データシートをみていると、制御レジスターは全然ちがいます。かなり、ソフト的に手が入れられたことがわかります。
それにしてもADCがありますが、どうつかうのだろう?マニュアルを読み進めると、出力レベルを調整するための
外部信号のチェック用につかうようですが、いまいちどういう信号をADCに入れるのか、まだわかりません。
マニュアルを読み進めればわかるのかな?とにかくマニュアルが簡単すぎて細かいところが全然わからないので
ESS社の特徴でしょう。
ES9038PROとES9018Sの制御レジスターの違い
ES9038PRO |
ES9018S |
Register 0: System Register
Register 1: Input Selection
Register 2: Serial data Configuration and Automute Enable
Register 3: Reserved
Register 4: Automute Time
Register 5: Automute Level
Register 6: De-emphasis Filter & Volume Ramp rate
Register 7: Filter Bandwidth and System Mute
Register 8: GPIO1-2 Configuration
Register 9: GPIO3-4 Configuration
Register 10: Master Mode and Sync Configuration
Register 11: SPDIF Mux and GPIO Inversion
Register 12: Jitter Eliminator / DPLL Bandwidth
Register 13: Jitter Eliminator / DPLL configuration & THD Bypass
Register 14: Soft-Start configuration
Register 15: GPIO Input Selection & Volume Configuration
Register 16-23: Volume Control
Register 24-27: Master Trim
Register 28-29: THD Conpentation C2
Register 30-31: THD Conpentation C3
Register 32:Programmable FIR RAM Address
Register 33-36:Programmable FIR RAM Data
Register 37:Programmable FIR Configuration
Register 38-41:DAC Channel Mapping(38:DAC1-2,39;DAC3-4,40:DAC5,6,41:DAC7-8)
Register 42-45:Programmable NCO
Register 46:ADC Configuration
Register 47-52:ADC Filter Configuration
Register 47-48:ADC Filter Configuration(ftr_scale)
Register 49-50:ADC Filter Configuration(fbr_scale1)
Register 51-52:ADC Filter Configuration(ftr_scale2)
Register 53:Reserved
Register 54:Reserved
Register 55-56:Reserved
Register 57-61:Reserved
Register 62:+18dB Channel Gain
Register 63:Auto Calibration
Register 64:Chip ID and Status(READ ONLY)
Register 65:GPIO Readback(READ ONLY)
Register 66-69:DPLL Number
Register 70-93:SPDIF Channel Status/User Status(READ ONLY)
|
0-7 Volume of DAC0-7
8 Automute_lev
9 Automute_time
10 Mode Control 1
11 Mode Control 2
12 Mode Control 3
13 DAC Polarity
14 DAC 3/4/7/8 Source IIR Bandwidth,FIR Rolloff
15 Mode Contol 4
16 Automute loopback
17 Mode COntrol 5
18 SPDIF Source
19 DACB Polarity
20-23 Master Trim
24 Phase Shift
25 DPLL Mode Control
27 Status(READ ONLY)
28-31 DPLL NUM
37 PROGRAM OF FILTER
38-41 Stage1 FIR Coefficiewnt
42-45 Stage2 FIR Coefficiewnt
48-71 SPDIF Channel Status Data |
とにかく組んみて、レジスターの機能を確認するかな?
まずはピン配置がER9018Sと同じということなので(厳密には違っていて、従来NCだった端子がGPIOに拡張されています)
DAC9018S用の基板に実装して確かめてみるかな?
ちょっと問題あり・・・・
ES9038PROの裏面はEXPOSED PADになっており、開放かGND接続が必要です。DAC9018Sの基板にとりつけようとする、
他のパッドと干渉しそうです。絶縁のためにテープでもはれば問題ないのですが・・・・
こうなったらいきなり新規設計にはいるかな?
DAC9018Sの基板には取り付け難しいかな?
どんな構成にするかな?
そうこうしている間に 2016.10.31
もうひとつのフラッグシップのAK4497EQも入手できました。
AK4497については入手しようとして、メーカである旭化成マイクロの代理店に問い合わせましたが、
口座がないということで、さらに系列の商社を紹介してもらっての手続きです。納期が3ヶ月かかると
いわれていて、年内は無理かな?と思っていましたが思ったより早く入手できました。
それにしても高いですね〜。
ES9038PROとAK4497EQの2ショットです。サイズはまったく同じQFP64です。
裏面はこんな感じ。ES9038PRO(左)とAK4497EQ(右)の両方も裏面はサブストレートがみえています。
さて、これからはこのページはES9038PROとAK4497の検討記を両方パラに進めていきます。
なんとなく混乱しそうですが・・・(笑)。
まずはコードネームDAC4497-2
DAC4490-5の構成をベースにして、AK4497をシングルや、DUAL MONOなどで使える基板を考えていきましょう。
最初は4つ乗るかな?と思っていましたが、チップサイズが大きいのでちょっと無理のようです。これについては基板を大きくすれば
容易に解決する問題なのですが、素子の価格が価格だけに4つ乗せるのはちょっと躊躇です。
それに
データシートをみていて気づきましたが、VREFHとVREFLの間に挟みこむ電解コンデンサの値がやたら大きいです。
AK4497では2200uFとなっています。この電解コンデンサはもともと電源コンデンサと同じなので、
電源側に大容量のものがついていればいいはずなのですが、データシートとしてはできるだけ近くに大容量の
コンデンサを配置してほしいということかもしれません。でも、実際にはそれほど大電流を要求するわけでもないし、
容量よりESRなどの性能を重視したほうがいいのかもしれませんが、いづれにしても大容量のコンデンサが搭載できるように
基板のレイアウトを検討です。それもあって、最大で2個の搭載に落ち着きました。
VREFHとVREFLの間に大容量のコンデンサがデータシートでは配置されています。
実際に基板アートワークを書いてみると、2個でぴったしですね。
ちなみに、DAC4490-5と素子以外のパターンはおなじに見えますが、実は大きく異なっているところがあります。
その一つは、IC2には7474の分周期を搭載しています。というのもAK4497はDSD入力で24MHzもサポートしていますが、
入力するためにはその周波数をPIC側に認識してAK4497に通信する必要があります。
ただし、PICの計数機能の周波数がおよそ20MHzが実質上の限界なので、24MHzではうまく計数できない可能性が高いです。
そのため、あらかじめDSD入力のときのBCK周波数を1/4にしておいて計数できるようにしたわけです。
コードネームはDAC4497-2です。
SimpleEntryDAC for AK4497も考えてみるかな?
その前に
パターンについていろいろとリクエストをいただいたこともあり、反映させてみました。
べたGNDを塗るとパターンの修正が難しくなりますが、それ以前ならまだ修正は簡単です。
・ディジタルとアナログ電源の分離
・一部の部品の配置変更(チップコンデンサの裏面へ配置)
電源については、ディジタルとアナログの電源は分離しましたが、5V単一でも動作できるように
パターン上にジャンパーを設けています。
こんな感じでパターンを少し修正してみました。
さらに左右のアナログ電源を分離できように修正してみました。
DAC9038PROにかかりましょう。
まずどんな仕様にしようかと考えましたが、
・できるだけシンプルに(ジッタクリーナは搭載しましょう)
・LCDも乗せられるといいな〜(20*4行タイプ対応)。
・基板サイズは統一(大きめのDAC9018Dと同じ)。
・ディジタル、アナログ電源は別回路に。
まずはこんなところでしょうか。
まずはPIC周りから部品を配置していきました。
アートワーク中にBBSなどでもS-DSD(Shifted-DSD)機能もあればとのご意見をいただき、
ました。となると大変だなあ〜。
以前に作ったDAC9018DのときはS-DSDの機能も搭載させて、かつあのサイズに収めるのは
苦労した覚えがあります。
できるだけ配線を減らすために、IOエクスパンダーを2個使いました。
IOエクスパンダを使えば、I2C制御線(2本)だけで、複数本(PCA9539なら16本)のIOが
あつかえますからね。この発想は最近の車と同じで、CPU1個で車の各種の電装品を制御
しようとすると、電線のハーネスが巨大なものになるので、通信信号線だけにして
電装品にはそれぞれ通信用のマイコンを搭載するやりかたです。そのため1台の車には何10個も
マイコンが乗っているらしいです。
さてさて、S-DSD機能を載せるとなるとDAC9018Dのマイナーチェンジ版にしたほうがいいかな?
しばし、瞑想・・・(笑)
そうしよう!
DAC9018Dについては一度リニューアルして、さらにバージョンもV2になっているので
基板自体のバグも取れているので、その方が失敗するリスクも減らせられそうです。
というわけで、ES9038PROに合うようにパターンを修正です。
見た目の外見はDAC9018Dとほぼ同じです。
大きく異なるのは、ES9038PROの周辺です。なんせES9038PROはES9018Sとピンコンパチ
ではあるのですが、IC裏面にサーマルパッド(?)が露出しているので、これと干渉しないように
しなくてはいけません。
というわけで、結構配線の取り回しは考えさせられます。どこに線を通してやろうか、
パズルみたいなものです。まあ、それでも全体を1から作ることを考えれば頭の体操力は
すこし少な目でしょうか。
DAC9018DのES9018S周辺のパターンです。サーマルパッドがないのでIC中央にもランドがあります。
ES9038PRO周辺のパターンです。サーマルパッドを避けて配線です。
20桁のLCDに対応に!
と考えたのはいいのですが、ジャンパーピンを立てる場所がありません。
20桁のLCDと16桁のLCDは電源とGNDのピンが入れ替わっているので、そのまま
差し替えてつかうことはできません。どこかでLCDに対応させて電源、GNDを入れ替える
ジャンパーピンを設けたかったのですが・・・
苦肉の策?
LCDの接続ピンの近くに、小さいですがランドを設けて、配線変更ができるようにしました。
16桁のを用いる場合です(これがデフォルト)
20桁のを用いる場合です(間違い探しだな〜)
ダメだし?2016.11.7
いや〜、ダメだしがありました。単なるDAC9018Dの焼きなおしかと(笑)。
実は、私自身も気になっていて折角ES9038PROを入手してそのままでもいいんかと。
とくに、電源部については新しい素子もでているのそれらの組み合わせも検討の価値有です。
Renew DAC9018Dでは1.2VのレギュレータにはADP151-1.2をつかっていました。
これ自身もNOISEが9uVの大変優れたものですが、さらにその後につかったTPS7A47では4.17uVと
さらに高性能になっています。
ちなみに、ES9038PROのDNRは132dB以上ですが、これはリニアに換算すると4000 000以上です。
すなわち超概算ですが、4Vrmsの出力としたときには出力の誤差は1uVになります。
このとき電源自体のノイズが9uVとか4.17uVですから、基本的に性能の大半は電源が占めることに
なります。すなわちES9038PROの性能を生かすも殺すも電源次第ということになってしまいます。
ここで、TPS7A47を使おうかと思っていましたが、残念なことにTPS7A47の最低電圧は1.4Vです。
ES9038PROのコア電圧は1.2Vが推奨電圧なので、少しオーバです。
ES9038PROの最大定格をみてみると1.2Vのコアはmax1.8Vなので1.4Vであればまだ余裕があります。
でも、推奨1.2Vなところに1.4Vを用いると電圧1.16倍、電流も1.16倍になって消費電力は1.36倍です。
結構電力消費に換算すると大きいです。こりゃ、1.4Vにするのはすこし躊躇してしまいます。
TPS7A88をつかってみようかな?
いろいろと低ノイズの電源レギュレータを探していたら、使えそうなものが見つかりました。
TPS7A88です。これはTPS7A47と同じパッケージですが、中には2回路のレギュレータを搭載しています。
ちょうど、ディジタルあるいはアナログの3.3Vと1.2Vの両電源をつかうのに適しています。
それになにより低ノイズなのがいです。なんとその値は3.8uVとTPS7A47の4.17uVより優秀です。
そのかわり出力電圧の最大値は5V以下ですが、これについてはまったく問題ありません。
このTPS7A88をつかうことを考えてみましょう。
さらに
基板のサイズは変更したくはないので、あとはどうやって面積を稼ぐかですが、
これについてはSOパッケージをTSSOPに変更することでIC自体の面積は減らせられます。
さらにCS8416ではなくDIX9211をつかえば、SPDIFとPCM入力は個別にES9038PROに受け渡す必要はなく、
DIX9211でSPDIF、PCMを受けてPCM信号としてES9038PRPに渡せばいいので、これでロジックICも1つ減ります。
S-DSD機能はどうるかは悩むところですが、搭載する方向で考えてみましょう(まるで政治家の物言いだな(笑))。
つごういいことに
TPS7A88の電圧は2本の抵抗比で設定します。3.3Vと1.2Vを得るためには抵抗比はそれぞれ3.125と0.5が必要です。
E24系列で考えると3.125については7.5と2.4の組み合わせ、0.5については1と2の組み合わせで実現できます。
中途半端な値だと抵抗を2本直列につなぐなどしないといけませんが、E24系列でちょうどいい比が得られるのは助かります。
抵抗1本でも実装スペースが必要ですからね。
早速描いてみましょう
まずは左側のパターン
こちらは右側のパターン
さらに(DAC4497-2)
DAC4497-2のLDOについても外部からTPS7A47をつかって低ノイズの電源を供給してはどうかのコメントもいただきました。
だんだん製作費があがりそうですが、くそ高いAK4497を考えたらATPS7A47は安いものです。どんどんいれましょう(笑)。
ただ、最小構成で単一電源でも動かせることにはこだわりたいと思います。複数電源を用意するのって、結構面倒だったりましす。
お気楽と高性能の両立は相反するところが大きいのですが、まあお気楽はある種の私の拘りなので・・・。
AK4497の1.8V電源にTPS7A47が使えるようにしてみました。パターン的には不使用の場合も想定しています。
こんな提案も 2016.11.9
性能のいい電圧レギュレータがあるようです。
ちなみに、考えていたレギュレータを列挙してみると次のようになります。
ADP151 |
|
低雑音 9uVrms
Renew DAC9018D
Renew DAC9018S
に使いました。これ自身もかなり低雑音です。 |
TPS7A47 |
|
低雑音 4uVrms
電源基板 TYPE-H,I
に使いました。かなりの低雑音です。
最低電圧が1.4Vなので1.2V用途には使えません。 |
TPS7A88 |
|
低雑音 3.8uVrms
2回路入りです。最初はこれを使おうと思いました。
最低電圧0.8Vなので1.2V用途でもOKです。
電圧調整に抵抗が必要なので実装面積は結構必要になります。
|
ADM7154
|
|
低雑音 1.6uV
提案いただいた電圧レギュレータです。いままでの中で一番低ノイズです。 |
描き直してみました(DAC4497-2) 2016.11.9
ADM7154をつかって、まずはDAC4497-2を描きなおしてみました。
さらに電解コンデンサの配置をできるだけ、統一的にして見た目がよくなるようにもすこし部品位置を変更しています。
これで完成かな?
ひきつづきDAC9038Dにかかりましょう。
電圧レギュレータにTPS7A88をつかった場合が上側、ADM7154をつかった場合が下側になります。
ADM7154を使うと素子数は多くなりますが、電圧設定用の抵抗がなくなるので逆にスペースが広くとれます。
その分、電源部のコンデンサを強化できそうです。
上:TPS7488をつかった場合、 下:ADM7154を使った場合 のパターンです。
さらに
こんなご提案も。
データシートをみるとノイズは0.8uVのようです。すばらしい性能ですね。
でも、標準的応用例の回路図をみると付帯部品が結構多いです。性能は捨てがたいですが、
実装するには難しいかな〜。ADM7154をつかってみようと思ったのも、外付け部品が少ないこともありますからね。
「元には戻れません」とのことですが、ここは忘れてください(笑)。
高性能ですが、外付け部品がすこし多くなりそうです。
それにしても、このレベルの電源が要求されるということはそのニーズもあるということなんですよね。
こういったデバイスがリリースされて科学技術が進展し、そして新しいデバイスも生まれるということでしょうか。
昔にOPA627を使ったときは感動ものでした。あれってセンサー回路につかうとその性能が如実にわかります。
OPA627なんかはオーディオ用途だともったいない気もするのですが、人間の感性は侮りがたいですから、
高性能なものをつかうに越したことはないのかな?と思ったりします。
LT3042についてはDAC4497-2用のLR独立用のアナログ電源基板として作ってみたくなりました。
さてDAC9038Dは・・・
だいぶアートワークが進んでlきました。それにしても、電源のICにADM7154を10個もつかうなんで、ちょっとオーバかな?
ES9038PRO用に左右でそれぞれ4個づつつかって計8個、それとジッタクリーナとクロック逓倍器用に1個、そしてディジタルロジック用に1個の計10個です。
とくにジッタクリーナやクロックについては電源電圧が安定したいないとその性能が発揮できないので、すこし奢って専用の電圧レギュレータを配置します。
まずはここまで描けました。週末でできるかな?
LT3042をつかって
いろいろと考えて3回路の電源回路基板を考えています。DAC4497-2のLR分離のアナログ用を考えています。
LT3042を使った電源基板も考えてみましょう。
すこし抵抗を減らしました。
レギュレータ周りのパターンですSENSE出力は外出し可能に
ベタを塗って完成です。
DAC9038Dも終盤です
前回のDAC9018Dでは配線に相当苦労したので、今回はできるだけ部品を寄せておいて、
配線のためのスペースを多めにとりました。その甲斐があってか、比較的余裕をもって配線できたと思います。
ほんと、DAC9018Dのときは1本通すのにどこの間隔を狙って通そうか随分考えた覚えがあります。
まあ、パズルと思えば面白いのですが・・・。
さて、ほぼ主要な配線が終わりました。
あとは、基板裏面に必要なパスコンやプルアップ用のチップ抵抗を組みこんでいきます。
その後は文字(シルク)書きと配線の微修正です。というのもシルクと部品が重なる場合が
多いので、そのときは少し部品の位置を修正します。
そして、重要なのがパターンチェックです。これが十分でないと、「要修正基板」となってしまいます。
まずは主要な配線を済ませました
さて、週末は少しお出かけです。
すこし修正です。 2016.11.14
大きめの表面実装コンデンサが乗せられるようにしました。
LT304XですがLT3042が200mA出力で、LT3045が500mA出力なので用途に合わせて選択することになるのでしょう。
AK4497用途なら200mAのLT3042で十分です。高性能なレギュレータの効果はいかに!ですね。
DAC9018Dも着々と
シルクを書くのもスペースを探す必要がある実装密度です。
半田面もチップコンデンサとチップ抵抗がたくさん必要です。
ようやく 2016.11.28
基板のアートワークのチェックもおわり発注しました。
さてさて、どうなることやら。
あわせて、LT304Xをシングルでつかった電源基板も作ってみることにしました。
TYPE-H電源と比較したら面白そうです。
電源基板のTYPE-O基板です。LT304Xを使用します。
あ〜あ 2016.12.3
またまた基板の延着です。メーカさんから電話があって製作した基板に問題があったので、再製作を行っているとのこと。
本来は12/1には到着して週末のお楽しみになるはずだったのですが、週末着になりそうです。まあ、のんびりやりましょう。
おもむろに
今回のDAC4497ならびにDAC9038Dについては、電源レギュレータには超低ノイズのものを使う予定にしています。
どのくらいその効果があるのかが気になるところではありますが、実際にレギュレータのノイズってどのくらい違うのかを調べて
みました。最新のレギュレータについてはまだ実装できる基板がないのでチェックはできませんが、今手元にある基板で調べてみました。
調査しようとしているノイズはきわめて小さいものなので、まずは測定の為のアンプが必要です。
ということで、簡単に作ってみました。
回路はゲイン10000(80dB)としました。分圧のための抵抗は1MΩと100Ωです。
入力はDCカットのためハイパスを入れています。遮断周波数はおよそ200Hzです。
回路はこんな感じです。ゲインは10000です。
小さい基板に組み込みました。
OPアンプは
シングルタイプのOPアンプで基板を作成しました。手元にあったシングルのOPアンプはいくつかありました。
オーディオ用にはいつもはOPA134を使うのですが、折角なので計測用のOPA627を使いました。
OPA627を使うことにしました。
まずは、基板単体でのノイズを確認しておく必要があるので、入力を短絡して測定してみました。
基板自体はシールドもなにもしていないので、どうしてもAC電源のノイズが入りますが、
まあこの波長の長いノイズは無視して、高周波数のノイズで評価していきましょう。
短絡した場合はおよそ5mVくらいかな?ノイズの全体の幅の1/4をおよその実効値としてみることにしました。
1/10000にするれば0.5uVくらいなので、これから評価する電源には十分につかえそうです。
入力短絡時の出力波形です(入力レンジ20mV。ノイズは5mVくらい(0.2uVくらい?)。
(a)まずは3端子レギュレータ(5V)です
まずは電圧レギュレータの定番の7805です。ここでは500mAタイプのものをつかいました。
簡単にブレッドボードを使って定電圧回路を組んでもよかったのですが、ブレッドボードのノイズも気になるので
念のため小さい基板に組んでおきました。
3端子レギュレータでの評価の様子です。
3端子レギュレータ(7805)です。入力レンジ100mV。ノイズは200mVくらいでしょうか(20uVくらい?)
(b)つぎはディスクリ電源TYPE-D(5V)です
手元にあった5V電源にTYPE-D電源があったのでこれも調べてみることに。これはディスクリタイプの
電源です。
TYPE-D
電源基板での評価の様子です。
TYPE-D電源です。入力レンジ50mV。ノイズは40mVくらいでしょうか(4uVくらい?)
(b)TYPE-I電源(5V)です
さらに電源を探したらTYPE-I電源があったのでこれも調べてみることに。TPS7A4747を使った超低ノイズの電源です。
これも評価のための5Vに設定しました。
TYPE-I
電源基板での評価の様子です。
TYPE-I電源です。入力レンジ20mV。ノイズは10mVくらいでしょうか(1uVくらい?)
やっぱりTPS7A47は優秀ですね。ちなみにTPS7A47のカタログ上でのノイズは4.17uVですが測定している帯域が
カタログ値の方が厳しいので単純な比較はできませんので、お間違いなく。
でも相対的にみても、よいことがわかりますね。ほとんど入力短絡時と大差ないですから、たいしたものです。
そうこうしているときに
基板が到着しました。宅配さん、ご苦労様です。
DAC9038
Dです。ん?写す向きが反対?
DAC4497-2です。
TYPE-N電源基板です。LT3042あったかな?
TYPE-O電源基板です。
さて、どれからつくろうかな?
まずはTYPE-O基板です。
酔っ払いモードになっているので(笑)、まずは簡単に作れるものからかかりました。
部品点数が簡単なのですぐに完成です。(ん?日本語おかしい。部品点数が少ない、ということですね。)
取り付けが難しそうなLT3042ですが、このパッケージは半田ブリッジがしにくいので、意外と簡単に取り付けられます。
意外と取り付けやすいパッケージです。
パッケージにはLT3042って書いてないのですね。
この基板はAC電源を整流し、一旦LM317でV1電圧に安定化させ、その後にLT3042でV2電圧に安定化させます。
まず、この設定としてはV1=5V、V2=3.3Vとしました。
完成しました。出力のコンデンサはOSコンを用いました。
ノイズを調べてみましょう。
折角ノイズ測定のためのアンプを作ったので、こちらのTYPE-O電源のノイズも調べてみましょう。
まずはLM317のV1側の電源からです。
LM317の出力(5V)のノイズを測定してみました。
TYPE-O電源のV1出力(LM317)です。入力レンジ100mV。ノイズは150mVくらいでしょうか(15uVくらい?)
測定してみるとノイズは7805より若干低い感じですが、TPS7A47と比較するとかなり大きいノイズがでてますね。
肝心のLT3042はいかに?
出力をV2に切り替えて測定です。
LT3042
の出力(3.3V)のノイズを測定してみました。
かなり低いですね。おそらく、4mVくらいですから換算すると0.4uV程度です。
TYPE-O電源のV2出力(LT3042)です。入力レンジ20mV。ノイズは4mVくらいでしょうか(0.4uVくらい?)
TPS7A47より優秀ですね。比較してみるとよくわかります。
ただし、出力電圧が異なるので厳密には正確な比較にはなっていません。
LT3042(3.3V)
カタログノイズは0.8uV |
TPS7A47(5V)
カタログノイズは4.17uV |
|
|
それにしても、デバイスでこれだけ電源も性能がちがうのですね。こんな結果をみたら普通のレギュレータを使えなくなっちゃいます。
しかし、超低ノイズのレギュレータって高価なんですよね。頻繁に使うにはまったく「オキラク」ではないです。
しらべなかったらよかった(笑)。
TYPE-N基板も作ってみました。
これはDAC4497-2を主にターゲット用にと作ったものですが、組み立ててみました。
3個のLT3042をつかっています。すべて3.3V出力となるように作りました。
TYPE-N電源基板も完成しました。
この電源基板は、個別にAC整流回路を持つこともできますが、1個のみの整流回路を3つの定電圧ブロックに分配できるように
ジャンパー配線ができるようにしています。
入力電源を簡単に共通化できるようにジャンパーパッドを配置しています。
一応電源を入力して出力電圧を確認しました。とくに問題はありません。
ちなみに3.3Vに設定するには抵抗を33.2kΩにする必要があるので33kΩと200Ωを直列に接続しています。
精度的には33kΩ1本とあとはジャンパーでもいいかもしれません。
さて、あとはこの電源基板を使うDAC4497-2を作っていきましょう! それともDAC9038Dとどちらを先につくるかな?
すこし長くなってきたのでPART-2に移ります。
(つづく)