充電器を新調する! 2011.5.7
DDS発振器を作って電池で動くようにしたのはいいのだが、電池の充電器がいまいち調子が良くない。
いま使っている充電器は10年前に作ったもので、構成はいたって簡単。
充電池に定電流を2時間46分流し続けるというもの。電池の容量にあわせて電流値を選ぶようにしていたので
電池によらず充電可能なのが特徴です。定電流回路は普通の回路ですが、長時間のタイマーを実現するには
松下電器(いまはPanasonic)のAN6780というものをつかいました。たぶん秋月で買って思い出したように
つかったのだと思います。
で何が調子がいまいちかというと、10年経った今も動いているのだけど、ときどき充電が出来ていないことがあります。
というのもソケットの接触(接点が酸化?)不良なのか、電流が流れないときがあります。
この充電器では電流が流れているかどうかのチェックは出来ないので、いちいちテスターでチェックすることが
必要なのですが、それはあまりにも不便です。
ということで、DDS用に充電池を買ったこともあったので、これを機会に充電器を新調することにしました。
10年前に作った充電器。
内部はかなり乱暴(笑)。スイッチング電源に定電流回路+タイマーを組み込みましたがほとんどが電源です。
タイマーに使った素子。これがこの充電器の要です。
充電器を新調する!
充電器を新調するといっても、市販で安く売られていることもありあまりコストをかけるのものばからしいです。
ということで、部品箱にあるものだけで作れるように、下図のような回路にしました。
基本は適当に電流を流して、適当な時間で止めるというものです(笑)。
タイマーにはPICをつかって制御して、一応デルタピーク検出もできるようにしてみました。
でも定電流回路ではないので、デルタピークが動作するかは???です。
まあ、充電停止の条件は一定の時間が経った場合、あるいはデルタピーク(-20mV)を検知した場合に
プログラムを組めば、大丈夫でしょう。
しかし小型の8PのPICでもアナログ入力端子が3個もあるのは便利です。この端子をつかうことで、
充電池に電流が流れているかどうかの監視もできます。
今回、新調した充電器の回路図。FETのソースにつながっている抵抗は0.22Ω
さて、このくらいの回路なのですぐに組めそうです。
使用した部品はこんな感じ。
プリント基板 : おまけで貰ったものを使用。
PIC12F675 : とりあえず買ってあったもの。@120円くらい?
78M05 : だいぶ前にgenpin.comで買った。安かったためか100個以上買った覚えがある。
2SK23852 : 秋月で4個200円で売ってた。アンプ用に買ったけど、死蔵しそうなので使ってみた。
バッテリ : 秋月のニッケル水素。4個で790円。
バッテリーケース: これも秋月。
LED : 以前に500個買った赤LEDだが、だいぶ在庫が減ってきた。また買わねば・・・・
コンデンサ : あまりのチップ部品を使いました。
抵抗 : MPC74 デジットで10円だった。
電流検出用2Ω抵抗(秋月で4個100円だったかな?)
電池のある側の実装の様子。
半田面の様子。抵抗の熱を逃がすために大きめの銅箔テープを貼り付けた。
動作確認用にLEDを2個とりつけました。
完成!
このくらいのハードなら30分程度で組めました。で、早速ソフトを組み込んで充電してみました。
充電中の様子。
裏面は配線に触れられないように、別の基板で蓋をしておきました。
足(ゴム?)は100円均一で買ったものです。
動作モードは?
これは完全に備忘録ですが、このような感じでつくっています。
動作状態 | LED | FET | 説明 |
充電池の実装待ち | 消灯 | 1秒間隔で短く点灯 | 電池が実装されるまで確認作業をつづる。 電池が実装されるのは電流が流れるかどうかを検知している。 |
事前充電 | 点灯 | 点灯 | 充電池を初期に充電する場合は電圧が不安定なことが多いので、 とりあえず約5分間は無理矢理に充電する。 |
本格充電 | 2Hzで点滅 | 点灯 | 本格充電。充電が終了する条件は下記のどちらか。 一定時間が過ぎた場合(約2.5h:充電電流は約760mA) デルタピークを検出(−20mv) なお、充電中に電池が取り外された場合は「充電池の実装待ち」 状態になるように設定。 |
充電完了 | 消灯 | 消灯 | 充電完了です。 この状態で電池が取り外された場合は「充電池の実装待ち」 状態になるように設定。次ぎに新しい充電池を受け入れる準備になります。 |
参考にソースとバイナリーも公開。
動かなくても知りません(笑)。
<>ついでに放電器も製作!> 2011.5.8
充電池も残量がバラバラのまま、再充電すると寿命を短くする(過充電になるものがでてくる)こともあり、
ついでに放電器もつくりました。回路はいたって簡単で負荷は2Ωの抵抗として、FETスイッチでON/OFF
します。そしてPICで電圧を監視して1V以下に下がったら放電をやめるというものです。
全体で8本の電池のON/OFFと、電圧の監視、そして放電完了の表示をあわせて24本のIOがいるので、
適当に足の多いPIC16F886(28p)をつかいましたが、作っている最中(実は回路図も描かずに作業してた)に
足の数がぎりぎりなのに気付きました(笑)。
というのもPIC16F886は28Pですが、そのうち3本が電源。そしてI/Oの1本は入力専用(AD入力できない)ので
実質使えるのは24本だけ。ということでぎりぎりでした。
スイッチはFETに短絡検知や加熱検知などがついたICですが、ほとんどFETと同じようにつかえるもので
秋月で10個200円でした。店頭で買いましたが、通販にはないようです。
便利なのでまた行ったときにでも買い込んでおきましょう。
FETをスイッチとして使ったときのメリットは、(ON抵抗が小さいものであれば)電圧降下も小さく発熱が小さい、
ゲート電流が流れないので駆動用の抵抗が省ける(あまり推奨できないかもしれませんが・・・・。ただし
バイポーラは電流制限用に必要です)というところです。
デメリットは少々お高いことでしょうか。、
この放電器は前々から欲しかったものですが、PICが使えるようになってようやくお気楽に作ることができるようになりました。
単三充電池の放電器。それぞれ個別に放電管理ができます。これも1個のPICで処理できるので便利です。
裏側の様子。たんに2Ωの抵抗を負荷にしてスイッチ(F5022−L−F227)でON/OFFしているだけです。
(おしまい?)