PCM1795で遊んでみよう! 2011.2.17

PCM1795はだいぶ前に購入していましたが、マイコン制御が必須ということもあり部品箱の肥やしになっていましたが、
最近ではPICを勉強しだしたので、これを使って遊んでみようと思います。

PCM1795の最大の特徴はなんといっても32BitDACということでしょう。いままで使っていたHi EndのPCM1794は24Bitですから
分解能だけでいえば8Bit分(約48dB)向上しています。

32BitDACのPCM1795


ようやく部品箱の肥やしから脱却!


PCM1795はSSOPパッケージなので変換基板に取り付けてブレッドボードに登載することにしました。


変換基板に取り付けたPCM1795

おもむろにブレッドボードにはDAIとしてDAC1242-DAIを配置して配線をしてみました。

DAIとDACとの配線の様子

PCM1795は各種のコントロールレジスタがあります。
まず設定が必要なのがjレジスタ18です。
入力フォーマットが既定値でI2Sになっているので、これを右詰め24bitのスタンダートフォーマットに変更する必要があります。
このためには12A0HというコードをPCM1795に何とかして書き込む必要があります。


                          図 PCM1795の制御レジスタ

とりあえず、悪戦苦闘しながら、12A0Hという制御コードを送出するためのプログラムを作りました。
DAIに矩形波の発信入力を入れて動作を確認。無事、動作することが確認できました。

なんとか動き出しました

ここまでくれば、あとは色々と遊べそうです。

一気にいきましょう!2011.2.19

色々と遊んでいるとPICのプログラミングもだいぶわかってきました。それと、プログラムの勘も
もどってきたかな?勿論本職だったことはありませんが(笑)。
ということで、DACのあとにIV変換器もとりつけ、さらに状態表示のためのLCDも取り付けてみて
一気に動作プログラムも書いてみました。結構ハードだったけど、楽しい時間です。

一気に組み立て上げたPCM1795の動作チェック環境。

動くことが確認できたので、その状態を記録しておきました。
PCM1795で変更できる箇所はフィルター特性とゲイン(アッテネータ)がメインなので、その部分を表示させました。
あとはCS8416のLRCKをモニターして入力周波数の表示もできるようにしてみました。



フィルター特性をSHARPにした場合のインパルス応答
(fs=44.1kHz、インパルス1kHz周期、ゲイン 0dB)


フィルター特性をSLOWにした場合のインパルス応答
(fs=44.1kHz、インパルス1kHz周期、ゲイン 0dB)

ゲイン -20dB時の出力波形 (fs=44.1kHz、正弦波1kHz)

96kHz入力時の表示

192kHz入力時の表示


今回のプログラムでちょと気を付けた点は電子ボリュームのところです。
PCM1795は0〜-120dBで減衰量が設定できますが、可変抵抗値の電圧出力を単調に割り当ててしまうと、
ボリュームのツマミが12時の位置でも-60dBの出力となって、小さい音しかでません。
常用の範囲となるとほとんどツマミを回しきる位置にきてしまって、操作性が悪くなります。
ということで、今回は下図のような3段折線で減衰量を調整できるようにしました。
こうすればボリュームつまみが12時の位置で-30dBくらいでちょうどいいくらいになるはずです。

  ボリューム操作感が自然になるように減衰曲線を調整しています。

PCM1795パラテストをしてみよう! 2011.2.20

もう一つPCM1795を変換基板に取り付けて、ブレッドボードの配線もやり直しました。
ブレッドボードはやはり便利です。半田付けだと、机の上がどうしても切れ材等で汚れてしまいますが、
ブレッドボードだとそのようなことはありません。それに、配線が早いです。

IV変換にはディスクIV変換をつかいました。
そして、ソフトもDUALでPCM1795をつかうモノラルモードに変更して電源ONです。
すでに、PCM1795のステレオモードでは動作確認しているので、ソフトのバグもなくすんなり動き出しました。

 ブレッドボードに組んだDAC                                          上下に仲良く並んだPCM1795

折角なので試聴!
オシロでは動作は確認しましたが、ここまでくれば音を聞きたくなりますね。
ということで、アンプにつなげてCDをかけます。今回のCDはエリッククラプトンです。懐かしいな〜。

を!
ブレッドボードで組んだのでノイズがでるかもと思いましたが、ノイズは皆無。
それにしても、電子ボリュームがものすごくスムーズで気持ちいいです。
32BitDACのためなのか、音量をほどんど聞こえなくなるまでかなり絞りこんでも音が痩せたりしません。

PICが使えるようになると、いろいろと遊べそうです。
もうちょっと使いこなせるように勉強してみましょう。

さて、このあとはどうするかな?

フルファンクショナルPCM1795は実現するか? へつづく。
(つづく)