「在庫限り」の誘惑に負けるの巻き(FN1242A) 2007.12.8
衝動買い?
ことの始まり。
木曜日(2007.12.6)の朝、出社してPCの電源を入れてメールをみると
いつものようにオーディオ仲間のMLが何通か入っていた。
その中に、新潟精密のダイレクトショップからFN1242Aを放出している情報をキャッチ。
ちょっと気になってHPをのぞいてみると
なんと「在庫限り」の文字が見えるではないですか!
http://www.ns-direct.net/12_31.html
これは買わずにはいられません。ということで、思わず商品をカートに入れて「注文」を出してしまいました。
ネットで決済したところメーカから本日発送しますとの連絡。金曜日には手にできそうです。
(その後わかったことですが、在庫限りとありながらもWEB上の在庫数量は増えているし、
メーカ自体の在庫自体も結構あるようです)
FN1242Aって?
ご存知の方も多いでしょう。私も名前はしっていましたが、データシートはみたことはなく、
この時点で知っていることといえば、新潟精密という会社のDACで、
フルーエンシ理論と呼ばれるものをつかったもので、EMISUKEさんのところでキットが出ている
といった程度です。中身はほとんどしりません。
という訳で、せっかく買ったので調べて見ましょう。
まずはデータシートから。
データシートは意外とシンプルです。以前にCS8416のデータシートを印刷したときは、
やたら枚数が多くて閉口してしまいました。さて、仕様はこんなところです。
ついでなので、PCM1794と比較して見ましょう。数値でみればPCM1794Aに軍配があがりますが、
どちらも性能的には十分なものです。一番の違いはなんといってもフィルターです。
PCM1794A | FN1242A | |
分解能(Bit) | 24 | 24 |
ダイナミックレンジ | 127dB | 102dB |
S/N | 0.0004% | 0.002% |
サンプリング周波数 | 10−200kHz | 10−200kHz |
フィルタ | 8倍オーバーサンプリング ディジタルフィルタ |
8倍オーバサンプリング フルーエンシ型データ補間フィルタ |
そのフィルターですが、ここはかなり違います。その特性をみてみましょう。
PCM1794Aのフィルター特性 |
FN1242Aのフィルター特性 |
PCM1794Aは0.5fs(22.05kHz)以上はほとんど通過しませんが、FN1242Aではなだらかな減衰で
0.6fs(26.5kHz)でも-10dBの減衰にとどまっています。ここが最大の特徴です。
ただし、折り返しのイメージレベルが結構でてきます(1.5fsあたりで-30dB)。
ちょっと気になるのは周波数特性です。
FN1242Aの場合 0.42fs(18.5kHz)、0.51fs(22.5kHz) |
あまりよいとはいえませんが、もともと0.42fsあたりの周波数の音は聞こえませんから、
ちょっとくらい低下していても大丈夫でしょう。じつは、このf特値については
結構重要(?)な問題をはらんでいるのではないかと邪推しています。これは後ほど述べましょう。
どうなことをやっているの?
これについは、HPをくぐっても具体的な内容がほとんどでてきません。
こういうときは特許を調べてみましょう。新潟精密から出ている該当する特許はこれのようです。
特許3992849 ディジタルーアナログ変換器
発明者にはフルーエンシー理論の筑波大の寅市先生の名前もはいっています。
簡単に言えば、標本化されたデータを連続値に戻す方法において、
独自に開発した計算領域の小さい標本化関数をつかうことで、出力信号の再現性を高めたもの。
というようなところです。 そのためfs/2以上の周波数領域についても完全ではないが
再現できます。弊害としては出力値の無限微分可能性が保証されない、
すなわちなめらかではないということです。なめらかでないこと自体は実用的には
問題になりません(折れ線近似の出力で十分ということ)が、fs/2以下での周波数特性を
完全に平坦にすることはできません。
もともと標本化されたデータを復元するにはsinc関数をつかって無限のデータ点数で積分が必要です。
そのため、従来のディジタルフィルターでは100以上のタップ数をもつFIRフィルタが使われています。
反対に言えば、それだけのタップ数をもつフィルタをつかえば、サンプル定理にあるfs/2の成分までが
確実にとりだせることになります。そのため、PCM1794Aの出力ではfs/2までは、ほぼ0dBの減衰で
とりだすことができます。
要は
22.05kHzまでフラットに再生できるが、それ以降は再生できない従来型と
22.05kHzでは-6dBとなるが、それ以降も再生ができるフルーエンシー型
ということになるでしょう。
どちらも魅力があるように感じますが、それは優柔不断ということかな?
(考え方や表現が間違っていたら、指摘してくださいね)。
フルーエンシ型のDACをつかった市販機は?
これについては、筑波大の寅市先生のHPに成果という形でのっています。
http://phoenix.wslab.risk.tsukuba.ac.jp/crest/research/audio.html
1998年に新潟精密からFN1241が発表されていることを考えると、
それ以降のフルーエンシー応用CDPはそのICが使われていそうです。
TEACのVRDS50、LUXMAXのDU-80などですね。中級機に使われいます。
でも、おもしろいことをみつけました。すこし前のところで、「じつは、このf特値については
結構重要(?)な問題をはらんでいるのではないか」と書きましたが、このFN1242Aというチップは
18.5kHzのところで-3dBの減衰率をもっています。一般にアンプやCDなどのオーディオ装置の
周波数特性は20Hz〜20kHz(-1dB以下)が常識的なところがありますが、さすがに18.5kHz(-3dB)
というのはカタログスペックとしては書きにくいところです(宣伝にならない)。
では、実際にフルーエンシー型を採用しているCDPやDACはどういう記述をしているでしょうか。
TEAC VRDS50の場合 フルーエンシ型はRDOTという名前で表現されています。 なぜか周波数特性の記載はありませんね。 |
ESOTERIC X-30の場合 こちらもf特表示ありません。 |
LUXMAN D-80の場合 周波数特性の記載はありますが、実はこのCDPは2つのDACを積んで切り替えられる ようになっているので、どちらのDACの特性なのかがわかりません。 |
ということで、FN1242Aは音がよいため中・高級機に搭載されているけど、
その物理特性からカタログには宣伝として書きづらいちょっとメーカ泣かせのDACチップという感じが
ぴったしかもしれません。
ますます、興味がわいてきました。
楽しみです。
実際に動かしてみよう!
FN1242Aは電圧出力なので、IV変換は不要です。電源周りと他のちょっとした配線だけで
動作します。そのためSSOP-DIP変換基板をつかって、その上に必要な回路を組んでしまいましょう。
FN1242Aテスト用の配線
DAI(digital Audio Interface)をつながないと勿論動作しませんが、
部品箱をがさごそさがしていたらASRC基板がでてきましたので、このDAI出力を利用することにしましょう。
DAIにはDIR9001をつかっています。
DAIとしてASRC基板を活用(DAIのみ使用)
波形を観察する!
どんな反応を示すのか結構ワクワクします。比較のためにPCM1794をつかったお気楽DAC3の出力と比較して見ましょう。
お気楽DAC3にはフィルタが入っていますが、HPFの設定値は高めなので影響は少ないはずです。
まずは、周波数を2kHzとして、色々な波形をいれて見ましょう。発振出力にはWAGE
GENERATOR1.31をつかって、
パソコンのディジタル出力をそのまま入力しています。サンプリング周波数は44.1kHzにしています。
測定結果を下に示していますが、
すべての波形で、その違いがわかるかと思います。FN1242Aは入力の信号に対して素直な反応をしているように見えます。
FN1242A | PCM1794A | |
インパルス (f=2kHz) |
||
矩形波 (f=2kHz) |
||
鋸波 (f=2kHz) |
||
正弦波 (f=2kHz) |
つぎは発振波形を正弦波として、周波数を変えて見ましょう。こちらもなかなか興味のある結果です。
まずPCM1794Aについては、入力周波数を20kHzとしても、出力信号は正確に20kHzの正弦波が出力されます。
それに対してFN1242Aでは、明らかにビート(うねり)に重畳した波形出力となっており、正弦波とはなっていません。
この原因は簡単で、実際の周波数20kHzの入力信号の様子もグラフに示していますが、FN1242Aはできるだけ忠実に
入力信号を表現(補間処理)しようとしているだけだからです。反対に、そのような入力信号でなぜPCM1794Aが
正確な正弦波信号を出すのか不思議におもわれるかもしれませんが、これがsinc関数をつかって忠実に標本化されたデータ
を復元した結果だからです。
FN1242A | PCM1794A | |
正弦波 f=8kHz |
||
正弦波 f=16kH |
||
正弦波 f=20kH |
実際の入力信号は上図の通り。 |
まとめると
以上のような、波形観察の結果からFN1242AとPCM1794Aは次のような特徴をもっているといえそうです。
FN1242A(フルーエンシ型):CD等に記録されている信号に対して、最低限の近似により補間出力を得ることができる。
記録された信号に対する波形の追従性は高いが、必ずしも生信号を再現しているわけではない。
PCM1794A:CD等に記録されている信号の再現性ではなく、記録された元の生信号を正確にsinc関数で復元する方法。
ただし、有効な周波数範囲はfs/2以下である(サンプリング定理そのものです)。
もう少しわかりやすく表現してみましょう。
CDに記録されている信号を再生する分においては、感覚的にもFN1242Aが優れています。たとえばパルス入力に対しても、
不要なリンギングがほとんど出ていませんので自然に感じるはずです。
しかし、20kHzの正弦波の信号をもつ楽器の音を44.1kHzのサンプル周期でAD変換したとしましょう。
そうすると、記録される情報は下図のようになります。
録音される20kHzの信号(44.1kHzサンプル)
このデータをDA変換したときに、PCM1794Aでは本来あるべき20kHzの正弦波を再現することができます。
それに対してFN1242Aは、上図の信号とほとんど変わらない信号に変換されるだけです(実際の音になった場合、
ビート成分も放出されるので、実際には歪んで聞こえるはず)。ここでは20kHzとかなり高い周波数を例に挙げましたが、
1kHzや4kHzといった音楽の中心となる周波数帯でも同じことがいえるはずです。
さて、互いのDACの得失が少し整理できたような気がします。
どちらがよいかは、結局のところ「どちらが自分に向くか」ということになるので、
音が出る形にまで組み立てて聞いてみないとわからないとうことでしょう。
どのような構成で組み立てるか?
平たくいえばどういった基板を作るか?ですが、ぼちぼち考えていきましょう。
その前にASRC+FN1242Aの組み合わせもテスト! 2007.12.10
現在の実験にはASRC基板のDAI機能のみをつかっていましたが、折角なのでASRCの出力を
FN1242Aにつないで出力を観察しておきましょう。
基板との接続はラッピングをつかっているので、半田ゴテをつかわなくても、
ポストから巻き戻して、再度まき直せば配線が変更できますので、ラクチンです。
配線をつなぎかえてASRC+FN1242Aの構成に変更!
実験の結果はこんな感じです。少し、同期がどれていないところがありますが、結果から、
前段にASRCを入れると、ASRC内部のディジタルフィルターの出力が支配的になってしまうことがわかります。
波形を見比べれば、ほとんどPCM1794Aと同じですね。ASRC内部もかなり高次なFIRフィルターが入っていることがわかります。
ASRC(48kHz)+FN1242A | ASRC(192kHz)+FN1242A | FN1242A(比較用) | PCM1794A(比較用) | |
インパルス (f=2kHz) |
||||
矩形波 (f=2kHz) |
||||
鋸波 (f=2kHz) |
||||
正弦波 (f=20kHz) |
全体構成は 2007.12.12
特性は大体つかめたような気がするので、装置としてどのようにくみ上げていくか、イメージをふくらませて行きましょう。
1.DAC基板
これはDAC1794DwoDAIと同じにしようと思う。 そうすればメモリーバッファーとの接続がしやすい。
ただし、DAI回路がないと不自由な場合もあるので、汎用でつかえる小さめのDAI基板も併せてつくってみよう。
一番悩むのはDAI出側のアナログ回路です。
シンプルでかつ自由度を上げるためにディスクリ構成にしようと思っています。DAC1794-3の出力回路を使うかな?
余裕をもって部品を配置すれば、少し大きめのパーツも実装できるでしょう。
基板の構成はこんな感じ。
2.全体構成
あとは同じサイズの電源基板もつくってみようかと思います。出力はアナログ(正負15V)とディジタル(5V)、DAC(5V)
の4出力でよいので、サイズ的には収まります。
電源基板とメモリーバッファー、DACを重ねて配置すれば少し背が高くなりますがコンパクトに収まります。
トランスもたてて配置すれば、ケース全体の長さも短くてすみます。
ケース全体のサイズとして幅150mm以下、高さ100mm以下、奥行き250mm程度のコンパクトなDACを目指します。
コンパクトだけど、中身が濃い!これが今回のコンセプトです。
アートワーク作成!
(クリックするとPDFファイルが立ち上がります)。
部品番号もつけて一応はアートワーク完成です。細かいチェックはこれからの作業ですが、まずは一段落。
(1)DAI基板
小型にしたかったので、入力は2chとしました。が、いつも1chしかつかっていないので、これでも十分でしょう。
(2)DAC基板
DAC後のアナログ回路はDAC1794-3の差動増幅回路を使用。実装面積に余裕があるので、すこしスパースな
配置としました。また、抵抗についてもできるだけ配置位置がそろうようにしてみました。見た目の美しさも必要です。
(2)電源基板
小型のコンデンサが複数つかえる配置をとりました。とくに秋月の4個100円の35V/3300uFをつかえるように、
配置間隔を設定。ディジタル、DAC部は6個並列にできますから20000uFの大容量になります。アナログ部は3個
の並列ですが、それでも10000uFですから余裕があります。
まずは発注!
パターンを軽く見直して発注しました。年内には手にできそうです。
何度も見直しても間違うときは間違うので、今回は1回見直しただけです。
面付けは計4毎。空いたスペースはもったいないので、蛇の目基板をいれました。
さて、結果はいかに・・・・・
いつのまにか基板到着。 2007.12.27
帰宅したらなにやら宅配便が届いていました。あ、そういえば今日届くの忘れてた。
年末はバタバタするのでつい忘れてしまいます。
今回は試作ということもあり、35um銅箔で半田メッキ仕上げと標準構成で作りました。
頒布版は70um銅箔に金フラッシュ仕上げを最近では選択していますが、ズッコケル可能性の高い
試作ではリスクが大きいです。反対に、うまくいけば「70um、金フラッシュにしとけば良かった」
と思うことしかりですが、それはいわゆる”たられば”の世界です。
届いた基板。
今回の基板は試作ということがわかるように”ALPHA”の文字をいれています。
さて、あまり時間は無いですが電源基板だけでも組みたてておきましょう。
部品数も少ないのでさほど時間はかかりません。
あっというまにここまでできあがり!
電源コンデンサに何を使うか少し悩みましたが、容量を稼ぎたかったので秋月で4個100円で売っていた
3300uF/50Vのコンデンサ(KMGってニチコン?)を使いました。デジットで10個200円で売っていた1000uF/50V
も捨てがたいのですが、まあ今回は容量優先で行きましょう。デジタルとDAC部は6個並列ですから
20000uFとなり、結構豪勢です。ダイオードの容量が1Aしかないけど大丈夫でしょう。
電源部完成!結構ずっしり来ます。
さて、トランスを接続して電圧を確認して起きましょう。
無事設定電圧が出ました。
電源部の動作確認。
コンデンサの容量を計ってみよう。
秋月のコンデンサは安くてよいのですが、容量抜けとかしていたら嫌なので、
念のために容量を計ってみましょう。手持ちのテスタには容量測定モードがありますが、
3300uFだとレンジオーバなのでうまくはかれません。ということで、簡易な測定をしました。
方法はコンデンサに一定の電圧をかけておいてから、抵抗を接続して放電させて電圧の低下具合を
測定することで容量を計るやりかたです。
測定はこんなやり方です。
電圧の減衰曲線の式が必要ですが、これについては高校の物理を思い出しながら導出して見ましょう。
とこんな感じで求まります。あとはCについて解くだけです。
実際に測定してみよう。
みの虫クリップをつかって、定電圧電源をつかってチャージをします。
このとき電圧は16Vにしました。そのあと10kΩの抵抗を接続して放電させます。
そして電圧が8Vになるまでの時間を測定します。手元にストップウオッチが無かったので
腕時計の秒針で測定しました。
→
電圧をかけてチャージ 10kΩの抵抗で放電
その結果は24秒という時間が得られました。
それから計算すると
C=(−24)/(log(8/16)×10,000)
=0.003478F
=3478uF
という結果です。表示容量(3300uF)とほぼ等しいので、容量抜けはなさそうです。まずは一安心です。
電解コンデンサってもっと容量ばばらついていそうですが、意外と表示容量に近いのでちょっとびっくり。
どんどん作って行こう! 2007.12.30
電源部ができたので、次はDAC本体基板です。一見部品点数は多そうに見えますが、
部品自体の種類は少な目なので案外短時間に仕上がりました。
DACーIC周辺のコンデンサは背の低いOSコンの在庫が無かったので、普通の電解コンデンサを
とりつけましたが、DAI基板と直結にする可能性もあったので寝かしてとりつけました。
今回の基板の部品配置は比較的余裕があるので、組み立ても楽です。
それに引き替えDAC1794-3は部品も多いし、実装密度も高いし、あれは結構大変です。
DAC基板が完成 DAC-IC周辺のコンデンサ配置
DAI基板も続いて完成です。このくらいコンパクトなDAI基板があると何かと便利かな?と思ったりします。
DAIであるCS8416は出力のロジックレベルを3.3Vあるいは5Vに選ぶことができます。
FN1242Aは3.3Vのロジック電圧で動作するので、DAI側を3.3Vに設定しなおしました(デフォルトは5Vにしています)。
ダンピング抵抗をはさんた状態では5Vでも問題なく動作しましたので、変更不要かと思いますが
まあ、気は心という感じです。
DAI基板が完成 ロジック電圧は3.3Vに変更。
基板が一通り完成!
DAC1242の3枚組の基板が完成しました。ここでお出かけ用の写真をパチリ!
これらの3枚の基板を重ねて接続して、オシロレベルで動作の確認を行います。
なんと、一発で動きました。珍しいこともあるものです。
動作確認も完了!
ケースに組み込むぞ!
今回用いたケースはタカチ電機のOS99-26-16SS(部品屋.comで@7,470円)を使いました。
型番の通り高さが99mm、奥行き26cm、幅16cmと小型のケースです。これに組み込んでいきます。
ケースの加工が終わってパネル用部品を取り付け。
まずは電源部をとりつけます。トランスはアルミのLアングルをつかって垂直に取り付けます。
下側だけの保持ですが、強度的には十分な感じです。それに、静止させてつかうので問題ありません。
コンデンサがたくさんあって結構頼もしい感じがあります。
全体の配線が完了しました。ふう、今日はこんなところかな。
とりあえず完成!
高さもまだ余裕ありそうです。
電源ON!
あれ(その1)?
パイロットランプのLEDが点灯しません。あ、フューズを入れるのを忘れていました。
部品箱をごそごそ探して1Aのフューズがでてきまして。とりあえずこれで代用しましょう(容量が小さいので、
電源投入時に溶断してしまうかもしれませんが・・・)。
あれ(その2)?
まだLEDがつきません。フューズが溶断したかと思って調べてみるも大丈夫。
電源端子の電圧を測定しみると、規定値の出力がでています。どうしたんだろう?
LEDの極性も間違っていないし・・・・・
あ、なんと基板の"LED+"と"LED-"のシルクが反対に書いてありました。
ここまではチェック時に神経がまわらなかったようです。
まあ、一つくらいの間違いはご愛敬です。で、LEDの結線を反対にしたら、無事にLEDが点灯しました。
最終形へ改造!
一気に最終型に改造してしまいましょう。ということでメモリーバッファーを搭載します。
最初はメモリバッファーを下側に配置する予定だったけど、高さが足りなくなったので
メモリーバッファが上側に来てしまいました。まあ、この方が水晶発振周波数の調整がしやすいので
いいのですが。
最終型の完成!
高さはギリギリです。
念のための動作確認
そういえば、フィルタ−を搭載したあとの波形はまだ記録していなかった。
ということでインパルスとノコリギリ波を記録のためにパチリ。
出力は6Vppですから、2.1Vrmsくらいかな。まあ、こんなもんでしょう。
インパルス ノコギリ波
いよいよ試聴!
まずは恒例のノイズチェック。ヘッドホンをつないで、アンプのボリューム最大にします。
わずかにヒスが聞こえますが、実用上は問題なしです。
PCM1794等ではほとんどヒスは聞こえませんが、FN1242Aは出力インピーダンスが高い
電圧出力なので、このくらいは宿命なのかな?と思ったりします。ではなくて、実装が悪いのかな(汗)。
なんといっても、電源の真上だし(笑)。
さて今回の試聴につかったCDはこれ、木住野佳子さんのジャズ・ピアノです。
この人の暖かいピアノタッチが好きで、出ているCDはすべて買っています(といっても10数枚ですが)。
ボッサ・ノスタルジア UCCJ-2048 http://www.kishino.net/
軽やかに流れるメロディーと音の余韻が心地よい。ん〜ん、やっぱりいいな、この人のピアノ。
1曲目は「夏への扉」というタイトル。ちょっと時期は合わない(今は真冬への扉といったところ)けど、
ぬくぬくとした部屋も手伝ってか、体の力がどんどん抜けていく。
2曲目は「ボッサ・リーブラ」。テンポが上がって軽快なリズムをきざんでいきます。
なんかピアノの囲んで各楽器の演奏者が楽しそうにつどっている感じが目の前にでてきそうです。
あ、CDの感想文のようで全然DACの試聴記になっていないですね。
まあ折角の年末ですし、細かい音に神経をつかった試聴は気をつかいまし、
ここはのんびり音楽に浸って1年間の疲れを癒しましょう。
製作マニュアルを書いてみました。
(つづく?)