ES9018をしらべてみよう!の巻き(その2) 2012.12.24
(その1)はこちら。
ES9018Sをつかって、さらにやってみたいことはいろいろあって、Acuuphase と同じような
DSD入力で16シフトパラもひとつの候補(こうなると片チャンネルにIC2個必要)ですが、
根本的にジッタをどこまで下げられるかという命題があります。これをクリアしておかないと、
多パラなどの次のステップはちょっと躊躇してしまいそうです。
DAC9018Sではマスタークロックに100MHzの水晶発信器を用いていて、SPDIF入力では192kHzまで
LOWESTでもDPLLがロックすることを確認しています。しかしながら、PCMやDSD入力では、バンド幅周波数
をもう少し高くしないとロックしない現象もあります。
Bunpeiさんの書き込みにあるように、MCLKはfsの逓倍である必要があるのではとの記載が気になります。
MCLKについての示唆をいただいています。
ES9018のMCLKの範囲は
データシートではこのように記載されています。最大周波数は100MHzと規定されていますが、
必要な最低周波数をfsの逓倍とするとどのようになるか計算してみました。
ES9018のマスタークロックの範囲
必要な周波数を計算してみました。
fs | min | f(Hz) | 2×f | |
SPDIF | 44.1kHz | 386fs | 17.0226MHz | 34.0452 |
48kHz | 386fs | 18.528MHz | 37.056 | |
96kHz | 386fs | 37.056MHz | 74.112 | |
192kHz | 386fs | 74.112MHz | - | |
PCM | 44.1kHz | 192fs | 8.4672MHz | 16.9344 |
48kHz | 192fs | 9.216MHz | 18.432 | |
96kHz | 192fs | 18.432MHz | 36.864 | |
192kHz | 192fs | 36.864MHz | 73.728 | |
DSD | DSD64 | 3FS | 8.4672MHz | 16.9344 |
DSD128 | 3FS | 16.9344MHz | 33.8688 |
SPDIFで使用する周波数の下限は386fsとなっていますが、この386という数値がものすごく中途半端です。
普通は384だろうな、という気がするのですが。こんな中途半端なマスタークロックを準備するのは大変です。
ただ、SPDIFについては100MHzの固定周波数でもLOWESTでロックするので、これでいいでしょう。
問題はPCMとDSDですが、いろいろな周波数を準備しなくてはいけません。
というのも、44.1kHz系と48kHz系が混在するので、176.4kHzなどにも対応させるとなるとさらに
各種の周波数源を容易する必要がでてきそうです。
便利なクロックジェネレータがあります
いろいろと調べてみると、こんなクロックジェネレターがあります。
オーディオ用に特化したもののようですが、44.1kHz、48kHz系の各種の周波数源を得ることができます。
ただ、このICは27MHzの水晶をベースにPLLで周波数を発生させているので、ちょっとジッタは大きめです。
ES9018の性能を生かすには、ジッタクリーナでジッタを低減させてから入力した方がいいのかな?
それとも、不要なのかな? よくわからないですが、面白そうなICなので試してみたい気になります。
いろいろな周波数が出せませす。水晶発信器に比べるとジッタは大きめだけど、優秀な値。
とりあえず買ってみましょう。 2011.12.30
DIGIKEYの買い物ついでにいくつかMAX9485を買ってみました。
相変わらずのSSOPパッケージです。
DIGIKEYではありませんが、仲間うちで音がよいという噂なので、こちらも買ってみました。
2SC310という型番で、三菱製です。
メタキャンだったのね。
これらで年末年始は遊ぼう・・・・と思ってるけど、一人遊んでたら怒られちゃうね!
まずはMAX9485を動かしてみましょう。 2011.12.31
MAX9485はSSOPなので変換基板が必要です。変換基板にはICをとりつけるだけでなく、
電源周りのコンデンサもあわせて乗せておきました。ついでに27MHzの水晶もとりつけて
おきます。水晶発信器にとりつける20pF程度のコンデンサはこのICでは不要のようです。
おかげで部品点数が少なくて済みました。
こんな感じで変換基板にとりつけ。 パスコンはピン間に挟み込み。
動作確認はソフトウエアモードとハードウエアモードがありますが、
ここは簡単にハードウエアモードに設定しました。ソフトだとI2C通信になります。
ついでに、となりにDAC9018Sを配置して実験準備を整えましょう。
DAC9018Sの接続確認のついでに、どのくらいの消費電流なのかを測定みましたが、
44〜192kHzでおよそ230〜260mAといったところです。
かなり消費しますね。どこで、それだけ電流を食ってるんだろう?
やっぱりES9018かな?
実験のための準備を進めていきます・・・・
しかし、半田ごてを握りながら時計を見ると、そろそろ新年・
年始の挨拶考えとかなくっちゃ(笑)。
(その3)へ続く。