久しぶりの半田ごて。2SB1647/D2560を使ってみる、の巻き! 2009.8.16

#今年も短い盆休みだったな〜。
最近全然半田ごてを握っていないのですが、その割りに部品は溜まる一方。久しぶりに何かをつくって見たくなりました。
というのも7月の異動の前後でバタバタしてしまって、半田ゴテというものを忘れかけていましたが、盆休みで少しゆっくりしたら、
すこし握る気力がでてきました。

2SB1647/D2560があるぞ!
さて、最近(といってもだいぶ前?)秋月から買った部品といえばこれ。2SB1647/D2560のコンプリのトランジスタです。
1ペア入りで300円と、お値段も手ごろです。


オーディオ用のトランジスタペア。秋月から入手。

このトランジスタはどっかのセットメーカからの放出品の模様で、すでに足が曲げてあります。
あるいは部品メーカからセットメーカに納入される段階で曲げられているのかもしれませんが、
このままではちょっと使いにくいこともあって、ペンチで元に戻す必要があります。

足は曲がった状態で梱包されている。           ペンチで元に!ちょっと折れ曲がりが・・・・

主な仕様
このトランジスタはオーディオ用ということですが、付属していた説明書を抜粋すると次のとおりです。
ダーリントン構成になっているので、hFEが高いです。ベース電流をほとんど流す必要がないので、
パワーFETの置き換えとして使用しても面白いかもしれません。
しかしIc=15Aもあるし、Pc=130Wもあるので、これならシングルでも100W近いアンプがつくれそうです。
でも、そんな出力はまったく我が家では不要ですが・・・・



HPAを作る!

このトランジスタをつかってリニューアルHPA基板を組んでみましょう。
この基板もすでに何度も組んだことがあるので、ちょいちょいと1時間程度で組みあがりました。
ただし、部品表を下記のように少し変更しています。

製作マニュアルの部品表例の「(1)ヘッドホンアンプ1(MOS-FET使用)」をベースとしていますが
FETとはバイアス電圧が違うのと、バイポーラですから電流駆動ということもあり若干変更しました。
一番大きい違いはバイアス電圧です。オリジナルのバイアス電圧ではバイアス電流が大きくなりすぎるので
小さく変更しています。

変更後の値

オリジナルの値 変更後
R13 5.6kΩ 2.7kΩ
R14 510Ω 750Ω
R15,16 100Ω 22Ω
R21,22 100Ω 22Ω

完成!

ほんとうにひさしぶりにつくりました。あまりにも久しぶりなのでトランジスタのどちらがE(エミッタ)かB(ベース)かを
忘れていて、あちこち確認のために調べまくりました(笑)。

このくらいの基板なら1時間もあれば組み立て完了です!


エミッタ抵抗には1Ωをつかっています。

動作確認!
2SBとか2SDと聞くと低周波数用というイメージがあってオーディオ用には向かないかも、という先入観も
少しあるのですが、どの程度の応答が得られるのか一応確認しておきましょう。
負荷としてはヘッドホンを想定して30Ωの抵抗をつないでテストをおこないました。

テストの様子。


負荷抵抗は15Ωの抵抗を2つ直列にして使用(合計30Ω)

バイアス電流は10mAに設定しました。ボリュームjの位置はちょうど11時くらいの位置です。
ちなみにボリュームを絞りきったときには4mA程度、12時くらいの位置では70mA程度、ボリューム最大で
450mA程度のバイアス電流が流れました。VR1は2kΩにしていますが、あまりバイアス電流を流す必要も
ないので、VR1は1kΩ程度でもよかったかもしれません。

バイアス電流はこの位置で10mA程度

波形の様子

波形のエッジを見るのが一番周波数特性としてはよくわかりそうなので、10kHzの三角波
と矩形波を観測。どちらも入力と出力はきれいに一致していそうで、周波数特性はよさそうです。
2SB/2SDだから低周波ということはないですね。すくなくともオーディオ領域は十分すぎるくらいの
周波数特性はでますね。


10kHz三角波 下段:入力信号(500mV/div)、上段:出力信号(2V/div)


10kHz矩形波 下段:入力信号(1V/div)、上段:出力信号(5V/div)

この2SB1647と2SD2560のペアは少したくさん買っているので、これでアンプをつくってみるのも
いいかもしれません。