NOSDAC2-LITE 構想
NOSDAC2もおかげさまで完売しましたが、PCM1700が数10個あまっています。追加でNOSDAC2を作っても面白みに欠けるので、もう少し出力段に遊び心をもたせたDACを考えてみたいと思います。
構想案
1.DAC基板(サイズ100×200mmくらい)
ディジタルインターフェイス(DAI): NOSDAC2共通
ここが一番、パターン書きが大変なので流用します(横着者!)。
DAC部: PCM1700をシングルで使用(計2個)
PCM1700はDUAL構成なので1つでもステレオ出力可能ですが、上記のDAIを使う限りDACを片チャンネルづつ個別にする必要があります。
アナログ部:
パッシンブ抵抗IV+パッシンブCRフィルタ(1次or2次)+バッファーアンプ
今回は、初めてパッシンブ抵抗IVに挑戦です。そして、フィルタもパッシンブCR(もちろんLCも可)フィルタにします。
ただ、パッシンブ抵抗IVだとダイオードクランプがかかるはずなので出力電圧が0.5V以下と低くなります。
また、パッシブフィルタだと出力インピータンスも高くなりますら、出力に20dB程度のバッファーアンプを取り付けます。
出力バッファーアンプにはEMISUKEさんやJINSONさんが真空管を使っておられますが、ここではディスクリートアンプとします。
ディスクリートアンプも既出のディスクリートOPアンプのA1、A2基板があります。
加えて、A3,A4基板あたりもコネクタで差し替えて音質の違いが楽しめるようにしたいと思っています。
<アンプの種類>
A1:バイポーラ入力の差動入力2段増幅アンプ(とてもベーシックな回路)
A2:対称回路構成のバイポーラ入力アンプ(高スルーレイト)。
A3:R.さん設計のFET入力高スルーレートタイプアンプ
A4:ローノイズ狙いのFET4パラ入力アンプ。
また、アンプの出力段にPcの大きなトランジスタを使ってDACヘッドホンアンプで使う場合も考えて、
電源投入時のポップノイズを減らすためのリレーも実装可能なようにユニバーサル部を設定。
2.電源回路(サイズ100×150mmくらい)
出力構成:基本はディジタル、DAC、アナログ部の3系統出力になるが、1トランスでも動作可能なようにパターンは工夫。
その他 :MUTING回路も搭載
3.トランス
未検討。
さて、どんな感じに仕上がるでしょうか・・・・
構想中の基板。サイズは約110×188mm。アナログ部のGNDベタはまだ塗っていません。
ベタを書いて、シルクを書くとこんな感じです(一応完成)
あわせて電源基板もつくります。汎用電源基板AとMUTE基板の合体です。
基板の取り付け穴の位置が必ずしも4隅ではないのは、DAC基板とピッチを一部合わせるためです。
また、DAC58Sとは取り付け穴位置を合わしていますので、2段重ねができます。
あとはアンプ基板の設計が煮詰まってきたら、あわせて試作に出したいとおもっています。
試作基板が完成!
結構な大きさです。でもNOSDAC2よりは小さくです。
組み立てる前にはひととおりのパーツをすべて揃えておくのが、効率よく作り上げるコツです。
抵抗はカラーコードが読めないのであらかじめ分類してパーツリストにセロテープで固定しています。
組み立てはセオリー通りです。低い部品から付ける・・・・つもりが、思わず付けやすいICソケットから付けてしまいました。
部品も少ないので一気に組み立てます。ICも差し込んで完成!半田付けを開始して1時間もかかりません。
急いで作る理由はないのですが、なぜか気が焦ってしまいます。
動作確認のために、NOSDAC2のケースを流用しました。NOSDAC2はとりあえず外に出して入れ替えます。
電源ON!
この瞬間はいつになっても緊張します。電源をいれてすぐにICを触って異常な温度になっていないか確認します。
で、問題無いようなおでオシロにつないで確認!無事、波形もでているようです。
まずは、ここまで、試聴も可能ですが、NOSDAC2-LITEの最大の特徴は出力バッファーがディスクリアンプに交換出来ることなので
それらが完成してからゆっくりと聞き比べなんぞをしてみたいと思います。
デフォルトのOPアンプを使った場合
OPアンプをはずしディスクリ基板を差し込めば簡単に置き換えOK
試聴!
ソースはお気に入りのJAZZ「木住野 佳子 Rendez-Vous」から1,5曲目の[Manhattan
Daylight」「JENGA」です。
結果から言えば、どれを選んでもよく、あとは好みの問題だけのようです。これだけではなんなんで、チョット聴いた印象を書きます。
1.OPアンプ(NE5534): 元気、迫力ある音でおしてくる感じ。
2.A1基板(一般的な2段差動増幅): スーとしたすがすがしさを感じる。
3.A2基板(対称回路): 音がゆっくり展開する気がした。
4.A3基板(FET入力フォールディッドカスコード) : 包み込む優しさのある音。
5.A4基板(FET4パラ入力) : 繊細な音調。
6.A6基板(電流帰還型 *1) : ストレートな感じ。
(*1)A6基板を使うときは安定動作の点から少々パターンを変更して、アンプの入力に1kΩの抵抗を付けています。
まあ、私の感想なんて120%あてににはなりません。ブラインドだったら120%違いが判らないでしょう(汗)。
また、あらかじめディスクリOPアンプ基板については物理的な特性を調べたあとなので、先入観がバリバリはいっています。
ということもあり、結局のところはどれが良いかなんて自分の耳で確かめるしかないわけです。
最後に
ようやくNOSDAC2-LITEが完成し、動作確認も終えました。ディスクリOPアンプ基板を差し替えて違いが楽しめるようにしましたが、どれがいいかなんてよくわからないです。でも、好みはあるでしょうから色々試して見ると面白そうです。ディスクリ基板もTRや定数設定で特性が大きく違いますので、自分だけの音づくりがねらえそうですが、可変できるパラメータが多すぎて、下手をすれば泥沼に陥りそうです。結局はOPアンプになったりして(笑)。
補足
電源基板はこんな感じです。
(おしまい)